高木晴光の 『田舎と都市との ・ 日々こうかい記』

「新田舎づくり」を個人ミッションとし、田舎と都市とを行き来する人生・仕事のこうかい(公開・後悔・航海)日記

農業と観光、そして環境

2008-06-19 00:41:04 | 日記

香港、台湾の新聞記者の方々と壮瞥(洞爺湖)の農業生産者を訪問のミニエコツアーに半日でした。温泉を熱源としてハウスに利用し冬にトマト栽培をしている農家を訪ねる前に、山の中の泉源を見にゆきました。 もう夏季なので、温泉水をハウスに供給していないのでオーバーフローしていて沢に流れ込んでいましたが、温泉水はハウスばかりでなく、小学校や病院の熱源、町営温泉へも供給されるシステムになっています。トマトは端境期の冬から初夏にかけて出荷されています。

トマト栽培は、二つのハウスだけで3万本。苗の接木(病気に強い根の部分と実りの多い茎)、受粉、脇芽の除去、収穫とすべて手作業です。とても手間の掛かる作業です。 トマトは結構大きく育つのですが、市場ではMサイズの成長から言えば小さめの物が好まれます。 つまり消費者が好む・・・。 農家としては手間隙から考えれば、大きい物を消費者が買ってもらった方が、利益も上がるのですが、そうもならない・消費者嗜好。 

日本の農業・・食糧生産を考える時・・、何が高くて、何が安いのか・・・消費者は、もっと産地を観るべき、知るべきだと思います。

  

日本の農業の生産現場と消費者が離れすぎてます・・・

                 

壮瞥は果物の町です。今はイチゴの収穫期。見事なイチゴ・健太郎が育っていました。でも・・・、地球の気候変動の実感は第一次生産者である、農業者や漁業者が一番知っていると思います。 日本の南ではコメの収量や品質が変わってきている現実をどのくらいの日本人が知っているでしょうか・・・。 そんなことを思い、感じる一日でした。

イチゴ畑を歩いていると、お花のようなイチゴがありました。たぶん、これは出荷できないでしょうし・・気味悪がって食べない人がほとんどだと思います。 その他の野菜も一緒です。ちょっと形の悪いキュウリは出荷できません。ちょっと表面に虫食いがある大根も消費者に受け入れられません。

                

中国で作られ輸入される野菜が多くなりました。中国の農家は、日本に輸出する野菜づくりの規格(姿・形)に翻弄されているらしいです。 同一の形、虫食いのない葉野菜・・でないと輸出できない・・・。 だから農薬が多量にかけられるという側面もあるようです。 でも、中国内の消費が高まってくると、何も虫食いのない野菜を作る必要がなくなるかもしれません。 姿・形が違っても、栄養があり美味しければ中国内では売れるのですから・・・、すると日本の規格に合わせて苦労して野菜を作る必要がなくなります。 つまり、日本の商社が安く叩いて作らせていた中国からの輸出野菜が輸出しなくても国内で販売できるようになる可能性が高いのです。 

消費者は 食生産の現場から 隔離しすぎています。食糧の多くは外国に頼っている現状を ほんと 知らな過ぎます。 

餃子事件がありましたが、あんな安価な冷凍餃子があること事態が、おかしいんです。どんなに手間をかけて、農家が野菜や果物を、鶏肉や小麦を作っているのか、消費者は知らな過ぎます。

農業と観光と・・・そして環境を テーマに 農業を考えてゆこうとする 壮瞥町をこれからもウォッチしたいと思いました。
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