高木晴光の 『田舎と都市との ・ 日々こうかい記』

「新田舎づくり」を個人ミッションとし、田舎と都市とを行き来する人生・仕事のこうかい(公開・後悔・航海)日記

レール

2009-09-15 22:52:10 | 日記
日帰り支笏湖出張、往復で320Kmのドライビングでした。時折、スコールのようなどしゃ降りの雨に合いました。帰りは、眠いと言うより前頭葉が働かないような漫然運転で危険と感じ、峠越えの山中で一眠り。先ほど帰って来ました。

昨年はサミットもあり洞爺湖へゆく仕事が多かったのですが、今年は支笏湖です。黒松内から洞爺は1時間ちょっとでいけますが、支笏湖は意外と遠い。山道が多いこともあり、札幌へ行く位の時間がかかってしまいます。

私がなかなか日程が作れない、先方も忙しい方々なのですが、なんとかキーパソンお二人に時間を頂きました。地元のためにも支笏湖という国立公園のフィールドにとっても、訪れる人達にとっても意味意義あるプログラムのあり方を考えることが仕事です。

しかし、勝手にやっても誰も使ってはくれませんし、国立公園の保護保全と活用につながってはゆきません。地域の皆さんとの信頼関係構築・・それ以前・・・「信用」を頂くことから、私達の立ち位置、役割を地域からいただける様にお話をしてゆくことから始めています。

***
帰ってくると、天の川が見える満天の星空でした。
久ぶりに聞いた、中島みゆきさんの歌からもエネルギーももらえました。

「いつも走っている草原の中で見つけた錆びたレール それが私が走る本当のレールだと気がついた」みたいな歌詞です。

こういう応援歌、好きなんだなあ。
がんばろ。





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農村商店街の活性化

2009-09-15 01:02:02 | 日記

阿蘇神社の隣に小さな商店街があります。ここの訪問は三度目、四年ぶりかと思います。かつては寂れた感じだったのですが、見事に活性化しつつあります。

初めて行った時は、「バロッケ」とネーミングされた馬肉が入ったコロッケを売っている肉屋さんを探しに、知り合いの九州人と行きました。そのお店を探すのも分かりにくかったし、昔ながらのお肉屋さんの店構えでした。他の商店も普通の田舎のあまり人が歩かない商店街だったのですが、徐々に姿を変えていました。

軽自動車がすれ違えるほどのお店の数もそう多くない200mあるかないかくらいの商店街です。以前と違って見える一番の要素は、「水」です。以前は各商店の裏に流れていた飲料にも使える澄んだ水を店先に流れるようにしました。例えば、石を掘り作った水溜めには、新鮮なトマトを浮かべてならんでいます。水を利用した紫蘇サイダーは、店先で座って休みながら味わえます。 時々、お年寄りが道路にひしゃくで水を打ちます。子どもが遊べるような大きめな水溜めもあります。桜の木も自然と大きくなり、街路樹もただ整然としているわけではなく、店構えに寄り添うような自然さがあります。

商店街からちょっとだけはずれた路地にある廃校利用は、旧木造校舎、古民家である校長住宅の再生利用でした。これにも感嘆しました。

昔の旅人の休憩処のような吹き抜けの茶屋、骨董を置く古さもあれば、思わず手にしたくなるような、宮沢賢治の童話の世界の登場動物を擬人化したような、不思議で創造力をかきたてる焼き物が売られている空間、かたや西洋風レトロで・・、今、目をつぶると「水色が基調だったかな」と思い出される洒落た喫茶店が上手に調和された空間設計がなされていました。

散歩しながら買い物ができる感覚、ただ買って帰るだけではもったいないような癒し感がある商店街なのです。

このまちづくりを進めて来た中心人物のひとり、「バロッケ」を販売している肉屋の若旦那の話を聞くことができました。久しぶりに感嘆させられました。この方の信念が10年でここまで「まち」を蘇らせたことをその熱い語りからビシバシと感じました。

「みんなを叱咤、叱咤、叱咤、叱咤、激励してきました」
「旅行代理店からバスを入れたいという要望はすべて断っています。それで混んでしまったら、地元の買い物客がこなくなる」

「バロッケは、すべてここで注文を受けてから揚げるか、冷凍販売です」
「売れてきているものがあるのですが、インターネット販売や通販もしません。今、やれば儲かる商品もあるんですが。なぜ?って・・・直接お客さんに買ってもらいたいじゃあないですか。電話販売はしてますよ」

「若手と年寄りの役割をわけてます。年寄りは商店街の美化や打ち水、お客さんとの世間話・・・」

「今年の春は、この商店街の道路に500枚の畳を敷き、大お花見会をしました」
「地元の人が買えなくなるので、観光客はたくさんいりません」
「商店街と農家のつながりをいつも考えています」
「お客さんが連れて来た子どもが1時間も2時間も水遊びしていることがあります。人が2時間もいれば、お腹が空くから自然と何か食べ物を買ってくれます」
「バロッケは、値上げをしました。理由は材料の高騰です。安売りはしません。適度な利益は確保しないと質を維持できないからです。それで買ってくれないお客さんは仕方ありません」
「商店街の人達は忙しいのですが、楽しみながらやってます」
「みなさん、歩いてみてどうですか? 何かこうした方がいいってことを聞かせてください」

実際は、熊本弁たっぷりでの解説で、かなり刺激度が増しました。

***
阿蘇、熊本には 阿蘇カルデラツーリズムの分野ごとの実働的なプロデューサー役が複数います。さらには、グランドデザインを崩さないように、つなげようとしている総合的プランナーも存在しています。「言葉に力」がある人達です。

「熊本はアジアの中心たい!」 てらえなく言えるのが、まず凄い!

旅、交流、観光、農業、生活、環境をつなぎあわせつつ、農村ツーリズムの新しいビジネスモデルを創出しているのは、間違いないのですが・・、それでも、プロデューサー達もプランナーも「まだまだ、ぜんぜんつながっていない」と言ってしまうことが、底力となっています。

毎日が勉強になった九州行きでした。


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