◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

お酒は頂きませんの、おほほ。

2009-11-08 10:01:10 | 気になる言葉、具体例
                              お上がりなさい
 ある食品を好まない、意図的に食べない、それを「○○は頂かないんです」と言うのは正しい日本語と言えるのか? という質問を頂きました。ふ~む、皆さんはどう思いますか? ちなみに、「お酒は頂きませんの(⌒O⌒)おほほ」は私がアルコール飲料を断るときに言うセリフですが、芝居っけたっぷりに、ぶほほと笑いながら、ですよ。事情があって断酒したのですが、真面目な顔して「頂かないんです」なんて言えませんよねぇ~(^^;ゞ
 「頂く」は「食う」「飲む」の謙譲語、丁寧語ではなく謙譲語というところが大事なポイントです。以前、「お休みします」について、「話す、聞く、相談する」は相手がいないと成立しない行為だけれども、「休む」は相手がいなくても成立する行為、相手がいてこその謙譲語なのだから「お休みします」はおかしいということを書きましたが、「頂く」も、謙譲語というからには相手がいる話でないといけませんね。
 まぁ、一口に「相手」といってもいろいろで、食べ物のことなら「お百姓さん」でも「お天道様」でも「相手」には違いないかもしれませんが、逆に、そこまで思って「食事を頂く」と言うような人は「頂かない」なんて言いませんよ、きっと。生産者に、食事を用意してくれた人に、おごってくれる人に、感謝して「頂きます」なのですから、「頂かない」なんて言うこと自体、できないはずです。「そんなもの要らんわいっ」と言っているのと同じですからね。
 どうしても事情があって「頂くことができません」というときはしょうがない、理由を言って謝るしかありませんが、このときも「頂かない」や「頂けない」ではなく「こういう訳で頂くことができないのです、申し訳ありません」ですよ。「頂けないわ」なんて言ったら「感心できない」という意味になりますよ。「めったに頂けないご馳走を頂いた喜び」というときの「頂けない」とは違って聞こえますからご注意召され。
コメント (2)
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