◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

「いただいて」なら助詞は「に」。

2007-06-15 09:43:18 | 言葉についてあれこれ
                      に
 5月10日に、「監督さんが丁寧に教えていただいて」という例を挙げ、敬語という視点でどう間違っているか書きました。「教えてくださって」という言い方をする人が極端に少なくなり、ただもう「~いただいて」と言いさえすればいいというようなことで、日本語として成立していないということにはほとんどだれも気づいていませんね。「教えていただいて」は謙譲語であり、自分の行為をへりくだって言う言葉、つまり、自分が主語でないといけないのですから、「監督さんに(私からお願いして)教えていただいて」となるわけですね。
 「いただいて」は、こちらから依頼しているのですから、助詞は「に」、「監督さんが」ではなく「監督さんに」です。「丁寧に」も、「いただいて」には合わないので外します。なぜ合わないかって? だって、こちらから依頼するのですから。
 さて、「~いただいて」は、日常会話では「~もらって」と言いますね、「この涙を忘れてもらわずに」というのはどうですか。涙を流して反省したことを心に刻みつけてこれから頑張ってほしいということを言いたかったようですが、「この涙を忘れないでいてもらって」ではないでしょうか。「この涙を忘れないでいていただいて」とは言えますが、「この涙を忘れていただかずに」は変でしょ?
 毎日「○○さんが~いただいて」というのが聞こえてきます。そして、とうとうNHKのアナウンサーが「皆さんがVTRを見ていただいている間に私たちは・・・」と言うのを聞きました。あ~もうだめだぁ~(´д`)。せめて、これを読んだ皆さんは「○○さんに~いただいて」と言ってください。お願いしますm(_ _)m。
コメント
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