熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

菊薫る新宿御苑の菊花壇展

2015年11月13日 | 花鳥風月・日本の文化風物・日本の旅紀行
   夕刻までの歌舞伎座の開演まで時間があったので、久しぶりに新宿御苑に出かけた。
   紅葉には、まだ、少し早くて秋色には欠けるのだが、恒例の菊花壇展が開かれている。
   昔は、良く、京都の古社寺をはしごして菊を鑑賞していたのだが、菊花展でも、夫々の特徴があって、趣の違いなどが面白い。

   新宿御苑の菊花展は、皇室ゆかりの菊花壇展、やはり、この世界のリード的な存在であるのであろう。
   私のような素人には、全く、良し悪しなどは分からないし、その美しさ華麗さ、自然の神秘と同時に丹精込めて育てた人たちの努力に畏敬の念を禁じ得ず、その凄さに感じ入りながら鑑賞させてもらっている。

   何時ものように、私は、日本庭園に向かうので、最初に見るのは、肥後菊花壇。
   去年は早く行ったので、まだ咲いていなかったが、今年は、奇麗に咲いていた。
   藩主・細川公が文化政策のひとつとして、栽培が始められ発達した古典菊だと言うが、椿にも名花があって、花鳥風月に対しては、素晴らしいお殿様であった。
   
   
   

   次は、一文字菊、管物菊花壇。
   一文字菊は一重咲きで、花びらが平たく幅広く伸びるのが特徴で、御紋章菊の風情で、管物菊は、すべての花びらが管状になっている菊である。
   紙の受け皿が面白い。
   残念ながら、一文字菊は、盛りを過ぎて、萎れ始めていた。
   
   

   面白いと思うのは、咲きながら、右巻き左巻きにと運動をすると言う狂菊とも呼ばれる江戸菊である。
   花の色も成長とともに変わると言うことのようだが、繊細な花びらも面白く、種類も多様だと言う。
   
   
   
   
   
   
   

   やはり、びっくりするのは、大作り花壇の巨大な菊で、今回は、3本展示されていて、多いのは、610輪の花をつけている。
   「この作り方で一番大切なことは、多くの花を咲かせることはもちろん、個々の花においても枝や葉が均一で、花の大きさが揃いかつ開花期が同時でなければなりません。」と言うのであるから、驚異としか言いようがない。
   根元を確認して、やっぱり、一本だと言っていた人がいたが、鉛筆より少し太い茎一本が、強大な菊花を支えている。
   
   
   
   気に入っているのは、伊勢菊・丁子菊・嵯峨菊花壇。
   伊勢菊は、花びらが平たく、咲き始めは縮れていて、開花するにしたがって伸び、垂れ下がって満開となり、花びらが長く垂れ下がるほど良い。と言う。
 丁子菊は、香料の丁子の花に似ていて、外国では「アネモネ咲き」と言うらしい。
 嵯峨菊は、嵯峨天皇の御愛の菊で、京都の大覚寺では、廊下から見下ろして鑑賞する。花びらが平たく、咲き始めは乱れ咲きに開き、次第に花びらがよじれて立ち上がり、全部立ちきって満開だと言う。弱々しい清楚さが良い。
   
   
   
   
   
   
   
   最後に見たのは、懸崖作り花壇。
   懸崖作りは、山野に自生する野菊が、岩の間から垂れ下がって咲いている風情を真似て、野趣を生かした作りだと言う。この花壇の品種は、一重咲きの山菊とよばれる小菊である。
   
   
   

   残念ながら、フットボールのような菊花の大菊花壇を見過ごしてしまった。
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