熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

NHK 驚異の庭園 ~美を追い求める 庭師たちの四季~

2024年03月11日 | 花鳥風月・日本の文化風物・日本の旅紀行
   先月、素晴しい日本庭園に関する番組「NHKスペシャル 驚異の庭園 ~美を追い求める 庭師たちの四季~」が放送されていたので、録画して見た。
   NHKのHPより番組の紹介をそのまま転記すると次の通り。
   ”世界が賞賛する日本庭園が、島根・足立美術館と京都・桂離宮にある。過酷な自然と格闘しながら、それぞれの美を追求する庭師たちに密着。徹底した美学と、驚きの技とは。海外の日本庭園雑誌のランキングで21年連続1位の島根・足立美術館の庭。日本画の巨匠、横山大観の風景画を現実世界に再現した、白砂に生える松林や人工の滝は圧巻で、5人の庭師が約2000本にものぼる膨大な樹木を葉の一枚まで徹底管理する。2位は日本庭園の傑作と評される京都・桂離宮の庭。400年受け継ぐ技“御所透かし”で、伝統を見事守る。異なる個性の2つの庭園で、美を形にする庭師たちの四季折々の奮闘を追う。”
   
   

   問題のランキングは、アメリカの雑誌Sukiya Livingが毎年12月に発表する「日本庭園ランキング」で、世界各国の読者から選ばれた20人の専門家の推薦によると言うことである。
   当然のこととして、日本人ではない外国人の目から見た、審美眼が、日本の歴史や文化文明、それに、思想哲学など美意識からは乖離した視点からの庭園評価であるから、違和感があるかも知れない。
   日本のユリがカサブランカのようになり、日本の野ばらが豪華絢爛たる派手な花になったように、西洋風に品種改良されていることを考えただけでも、その美意識の差は歴然としている。
   この番組では、足立庭園の苔庭や枯山水を紹介していたが、普通では見えないし、極論すれば、西芳寺の苔庭や龍安寺の石庭など、日本では超弩級の庭として有名だが、普通の西洋人には理解困難であろう。

   ところで、アメリア人が、アメリカでは枯らさないように木を切るが、日本ではより美しく見せるために剪定すると驚いていた。
   私は、日本の庭が美しいのは、この庭木の剪定が、最も重要な役割を果たしていると思っている。

   足立庭園と桂離宮の庭園との庭師の大きな作業の差を、剪定で説明している。
   まず、桂離宮の庭は、400年受け継ぐ技“御所透かし”で剪定して、現状を変えずに伝統を守り続けている。建物と調和させるためだという。
   
   ところが、足立庭園は、自然の石との調和を意図して、綺麗な円形の玉形になるように玉造りに剪定されている。

   前世紀のことになるが、足立美術館には、大観を見たくて一度だけ行ったことがあり、この口絵写真のように広い窓越しに庭園を見た。
   桂離宮も、アメリカ人とイギリス人の客を案内して、2度訪れていて、記憶を辿りながら、懐かしく番組を見た。
   それに、千葉でもこの鎌倉でも、小さいながらもわが庭を持っていて、ここ何十年も庭仕事の真似事をしていて、剪定もしているので、この素晴しい庭師たちの努力奮闘は痛いほど分かり、感動しながら見ていた。
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