日経ビジネスが、「投資の賢人」が語ると言うタイトルで、ウォーレン・バフェットの投資戦略が変わり、これまでの金融や優良メーカーへの投資から、鉄道や電力、ガスなどインフラ産業を成長産業と考えて資金を投入し、鉄道大手のバーリントン・ノーザン・サンタフェ(BNSF)を340億ドルもの巨費を投じて完全買収した話などを特集していて興味深い。
アメリカの発展の原動力でもあった鉄道だが、オールド・エコノミーの典型であり、いまさら鉄道とは、とも思えるのだが、バフェットは、米国の将来の繁栄のためには、効率的で整備された鉄道システムが不可欠だと言う。
鉄道投資で重要な判断基準は、今後の米国人口が増えるのか減るのかで、米国人口は増加を続けると考えられるので、新ビジネスが生まれ、企業活動が活発化すれば全体の物流量は確実に増えて行き、特に鉄道貨物は、トラック輸送よりも燃料効率がよく、環境面でも有利なポジションにあり、期待が持てる。
ただし、鉄道事業は、顧客、地域社会、国全体の経済的安定のために必要不可欠なサービスであり、減価償却をはるかに上回る巨額の投資が必要であり、需要を賄うための長期計画に基づいた先行投資が必要なので、正当な利益の確保を容認する規制当局が必要だと言うのである。
しかし、自由市場を旨とする資本主義社会において、このような半社会的公共財的な事業環境が何時までも永続するのであろうか。
このBNSFだが、ホームページを見ると、シカゴやセントルイス以西の巨大な鉄道網を保持する鉄道会社だが、東部海岸線のアメリカの心臓部を走っていないので、バフェットが言うように、貨物鉄道と高速鉄道とは別で、人口密集地の多い日本と違って、米国は十分亜人口密度がなく、建設コストが高くつくので、高速鉄道は発展しないと言う。
米国では、自動車や飛行機に比べて経済的に勝ち目がなく、事故や故障も多いだろうと言うのである。
私は、東部しか知らないのだが、自家用車を使わないとすると、ボストン、ニューヨーク、フィラデルフィア、ワシントンと言った主要都市間を移動する場合には、アムトラックの特急に乗った方が、飛行機よりは便利だと思う。
数年前に、ボストン―ニューヨーク間やニューヨーク―フィラデルフィア間を、アムトラックの特急で移動したが、日本よりは、時間的なパンクチュアリティイに欠け、速度が遅いのでイライラすることが多いのだが、特別仕立てのビジネスクラスの列車だと随分快適だし確実である。
私も、バフェットの言うように、高速列車は、この東部海岸の主要都市を結ぶ程度で、他の路線は、殆ど貨物輸送になるだろうと思う。
この日経ビジネスの囲み記事で、BNSFのマシュー・ローズCEOが語っているのだが、30年前の鉄道は、製造業中心の国内型経済で、米国内の都市間に原材料や完成品を運ぶことが中心だったが、サプライチェーンの変化で、今では、BSNFの扱っている貨物の大半がグローバル物流だと言うのである。
海岸線に大都市がある日本では、鉄道とトラックと航空機が、同じ次元で競争が可能であるが、広大な国土のアメリカでは、特に内陸部では、巨大な物流の輸送は、鉄道にとどめを刺すであろう。
随分昔のことだが、中西部の田舎町で踏み切りに出くわし、たった1台の機関車が、100両以上の貨車を引いており、通り過ぎるのに30分以上も待たなければならなかったことがあるのだが、アメリカの鉄道事業の根幹は、貨車による物流の移動が中心だと言う気がしている。
日本でも、同じ鉄道事業と言っても、大都市と地方では大いに違うのだが、首都圏などでは、最近、鉄道プロパーの仕事の比重が下がって来ており、駅中ビジネスなど、本業以外の事業の拡大で、鉄道事業と言う括りでは、全く、その企業の本質をつかめなくなってきている。
更に、人口の減少と都市への集中で、鉄道は、地方では、やはり、ある程度衰退産業化して行かざるを得ず、バフェットの言う鉄道のイメージとは大分違ってくる。
従って、日本の鉄道事業を考える場合には、サプライチェーンの一環としての鉄道ではなく、JR東日本のように、駅中ビジネスやSUICA関連などの事業など幅広い総合的な観点からサービス産業として捉えなければならないと思っている。
そうなれば、バフェットの言うように、日本での鉄道事業は、手放しで、優良投資先として脚光を浴びるのかどうかは、一寸微妙なような気がしてくるのだがどうであろうか。
アメリカの発展の原動力でもあった鉄道だが、オールド・エコノミーの典型であり、いまさら鉄道とは、とも思えるのだが、バフェットは、米国の将来の繁栄のためには、効率的で整備された鉄道システムが不可欠だと言う。
鉄道投資で重要な判断基準は、今後の米国人口が増えるのか減るのかで、米国人口は増加を続けると考えられるので、新ビジネスが生まれ、企業活動が活発化すれば全体の物流量は確実に増えて行き、特に鉄道貨物は、トラック輸送よりも燃料効率がよく、環境面でも有利なポジションにあり、期待が持てる。
ただし、鉄道事業は、顧客、地域社会、国全体の経済的安定のために必要不可欠なサービスであり、減価償却をはるかに上回る巨額の投資が必要であり、需要を賄うための長期計画に基づいた先行投資が必要なので、正当な利益の確保を容認する規制当局が必要だと言うのである。
しかし、自由市場を旨とする資本主義社会において、このような半社会的公共財的な事業環境が何時までも永続するのであろうか。
このBNSFだが、ホームページを見ると、シカゴやセントルイス以西の巨大な鉄道網を保持する鉄道会社だが、東部海岸線のアメリカの心臓部を走っていないので、バフェットが言うように、貨物鉄道と高速鉄道とは別で、人口密集地の多い日本と違って、米国は十分亜人口密度がなく、建設コストが高くつくので、高速鉄道は発展しないと言う。
米国では、自動車や飛行機に比べて経済的に勝ち目がなく、事故や故障も多いだろうと言うのである。
私は、東部しか知らないのだが、自家用車を使わないとすると、ボストン、ニューヨーク、フィラデルフィア、ワシントンと言った主要都市間を移動する場合には、アムトラックの特急に乗った方が、飛行機よりは便利だと思う。
数年前に、ボストン―ニューヨーク間やニューヨーク―フィラデルフィア間を、アムトラックの特急で移動したが、日本よりは、時間的なパンクチュアリティイに欠け、速度が遅いのでイライラすることが多いのだが、特別仕立てのビジネスクラスの列車だと随分快適だし確実である。
私も、バフェットの言うように、高速列車は、この東部海岸の主要都市を結ぶ程度で、他の路線は、殆ど貨物輸送になるだろうと思う。
この日経ビジネスの囲み記事で、BNSFのマシュー・ローズCEOが語っているのだが、30年前の鉄道は、製造業中心の国内型経済で、米国内の都市間に原材料や完成品を運ぶことが中心だったが、サプライチェーンの変化で、今では、BSNFの扱っている貨物の大半がグローバル物流だと言うのである。
海岸線に大都市がある日本では、鉄道とトラックと航空機が、同じ次元で競争が可能であるが、広大な国土のアメリカでは、特に内陸部では、巨大な物流の輸送は、鉄道にとどめを刺すであろう。
随分昔のことだが、中西部の田舎町で踏み切りに出くわし、たった1台の機関車が、100両以上の貨車を引いており、通り過ぎるのに30分以上も待たなければならなかったことがあるのだが、アメリカの鉄道事業の根幹は、貨車による物流の移動が中心だと言う気がしている。
日本でも、同じ鉄道事業と言っても、大都市と地方では大いに違うのだが、首都圏などでは、最近、鉄道プロパーの仕事の比重が下がって来ており、駅中ビジネスなど、本業以外の事業の拡大で、鉄道事業と言う括りでは、全く、その企業の本質をつかめなくなってきている。
更に、人口の減少と都市への集中で、鉄道は、地方では、やはり、ある程度衰退産業化して行かざるを得ず、バフェットの言う鉄道のイメージとは大分違ってくる。
従って、日本の鉄道事業を考える場合には、サプライチェーンの一環としての鉄道ではなく、JR東日本のように、駅中ビジネスやSUICA関連などの事業など幅広い総合的な観点からサービス産業として捉えなければならないと思っている。
そうなれば、バフェットの言うように、日本での鉄道事業は、手放しで、優良投資先として脚光を浴びるのかどうかは、一寸微妙なような気がしてくるのだがどうであろうか。