熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

わが庭も師走の装いなのだが

2024年12月02日 | わが庭の歳時記
   元関西人の私には、東京には秋がない、と言うか、暑い夏が一気に寒くなって秋の風情を味わういとまもなく冬になるというのが季節感である。
   関西に居た時には、秋になると、京都や奈良などを散策して存分に美しくて旅愁を誘う秋のすばらしさを楽しんでいたので、そう思うのかもしれないが、秋の期間がもっと長かったような気がしている。

   さて、わが庭も師走の寒さに呼応して晩秋の様相を呈してきた。
   しかし、今年は、異常気象なのか、いつもなら綺麗な花を咲かせてくれる椿が、すべての蕾が固いままで、フルグラントピンクだけ、やっと数輪色づき始めた状態である。
   

   モミジが、やっと紅葉した。
   鴫立沢や琴の糸などは、小木でまだか細いのだが風情があって面白い。
   獅子頭が深紅に染まるのはまだ先のようである。
   ドウダンツツジ、ブルーベリー、蔦などほかの木の紅葉も秋色を増幅して華やかである。
   









   万両が存在感を増してきた。小鳥が種を落としてゆくので、庭のあっちこっちに広がってゆく。
   夏ミカンが色づき始めた。
   枇杷の花が咲いている。
   エレガンスみゆきも咲きだして小鳥を集めている。
   





   花と言えば、ツワブキがあっちこっちに咲いている。
   小菊の季節でもある。
   


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年末にすべき株式取引の処理

2024年12月01日 | 生活随想・趣味
   インターネットで株式情報などを検索して読んでいると、結構、日頃は気付いていないことで教えられることがある。
   当然知っておくべき単純な知識なのだが、殆ど無関心な老人泡沫投資家にとっては、インターネットででも注意していないと、知る機会などないのである。

   年末にすべき株式取引の処理なのだが、
   一つは、節税のために、赤字株を売却処理して、新NISAで再投資した方がベターだという指摘である。
   確かにそうなのだが、僅か20%の節税を目的に、長く保有している赤字の塩漬け株を損切すべきかどうか、何となく惜しい気がして躊躇する。まあ、ポートフォリオをスッキリして新春を迎えよと言うことであろうか。
   私の場合、特定口座(源泉徴収あり)を契約済みなので、特定口座で保有している有価証券を売却して生じた損益は、年間を通じて自動的に損益通算され「年間損益額」が算出される。また、源泉徴収区分が「源泉徴収あり」の場合、都度、売却代金から譲渡益税が自動的に徴収・還付されるため、原則として確定申告は不要である。 と言うことなので、極めてシンプル、
   やっと、水面下から浮上した銀行株の売却益があり、些細ながら配当金もあるので、大損だが、あまりにも下落のひどい日産株を損切処分して、多少の節税をすることにした。

   もう一つは、期限の来た旧NISA株の処理である。
   2023年までの旧NISA(一般NISA)での非課税期間満了時の対応については、非課税期間には5年と言う期限があり、投資してから5年経ってそのままにしておくと、非課税期間終了後に保有商品は課税口座へ移管される。期間内に売却しなければ、NISA口座ではなくなり課税されるが、売却すれば、売却益が非課税で受け取れる。
   私の場合、たまたま、預かり証券を見た時、NISA預かりの銘柄の株欄に「本年末NISA期間満了預かりあり」という赤字の囲い表示がなされていて、このことを知って売却処理して助かった。まだ、旧NISA株が残っていて、赤字も黒字もあるので、今後注意しなければならないのだが、問題は処理のタイミングだと思っている。

   いずれにしろ、特定口座や旧NISAの銘柄を処理して、無期限に非課税の新NISAに移してスッキリとしたい。
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ブラックフライデーと物価高

2024年11月30日 | 政治・経済・社会
   ブラックフライデー( Black Friday)とは、アメリカ合衆国の感謝祭(11月の第4木曜日)の翌日の金曜日、今年は11月29日である。小売店などで大規模な安売りが実施される。
   ウィキペディアによると、
   感謝祭翌日は多くの労働者が体調不良などと偽って欠勤するために工場が計画通りに稼働できなくなる日として、ブラックフライデーと呼び、また、1961年12月にフィラデルフィアの警察の交通班は、感謝祭翌日に買い物客が道にあふれて警察の仕事が増えるという嘲笑的な意味でブラックフライデーと呼び、これが買い物ラッシュをブラックフライデーと呼んだ起源と考えられている。しかし、ブラックフライデーにはネガティブな意味が強いため、小売店などはこの言葉に不快感を示して普及しなかったが、その後、1981年にフィラデルフィアの地元新聞が「小売業者が儲かり黒字になる日」という前向きな解釈を発表してからは「ブラックフライデー」が良い意味で広く使われるようになった。と言う。
   この日は早朝や深夜0時から開店する店も多く、買い物客が殺到して小売店が繁盛することで知られ、特にアメリカの小売業界では1年で最も売り上げを見込める日とされていて、年末商戦の幕開けを告げるイベントでもある 。
   これに便乗して、日本でも、多くの小売店やネットショップなど猫も杓子も、派手な大売出しを展開していて凄まじい。

   さて、このブラックフライデー現象は有難いが、あくまで一過性であって、セールが終わればシャボン玉のように消えてしまうし、買い物に興味のなくなった老人には、殆ど意味がない。

   問題は、線香花火のように打ち上げられる値引きセールよりも、毎月のように値上げされている食品や日用品などの必需品の値上げトレンドの継続である。
   コストプッシュ・インフレなので、好循環にはなり得ないので経済にはマイナスである。
   私など、たまに、自分用の食品など買うためにスーパーなどへ出かけるが、確かに、どんどん値上がりしていて、価格が変わらなくても内容量がどんどん減っているなど値上がりを如実に実感している。
   NHKのニュース番組を見ていると、連続トップニュースとなっているのだが、
   値上げで四苦八苦している消費者や中小の製造会社や小売店などの苦境を報道しているが、国民の表立った反抗や抗議行動は見られないのが不思議である。
   解せないのは、値上げをした会社の株価が、値上げによる利益アップを好感して上がるということで、投資家は、商品の値上げをプラスとして受け入れているということである。

   日本国民は、現状容認志向が強いのか分からないが、現状を容認できる人は良い、
   年金生活者である私なので物価値上がりに敏感なのかもしれないが、
   ジニ係数の悪化で貧困率が先進国で最悪になってしまった日本であるから、貧困層の困窮ぶりは限度を超えて酷いのではないかと心配している。
   103万円の壁の議論も良いが、先進国であり民主主義国家の優等生を標榜するのなら、まず真っ先に、最貧困層の生活の安定確保、救済を図るべきだと思っている。
   経済格差の異常な拡大傾向を修正するためにこそ、税制改革を実施すべきであって、ニュアンスは大分異なるが、103万円の壁論議が、その先鞭となることを期待したい。
 
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中国切手を「福ちゃん」に売ってみたら

2024年11月26日 | 経営・ビジネス
   インターネットを開けば、毎日のように、飛び込んでくる「切手高価買取の"福ちゃん”」の広告。
   書棚の影に眠っていた切手アルバムを引き出したら古い切手が残っている。大半は、中国など外国の切手である。
   知らない取引だと、何を信用するかだが、
   派手な広告の場合は、特別値打ちがあるのか、羊頭を掲げて狗肉を売る類なのか、とにかく、
   至れり尽くせり、懇切丁寧な広告を信頼して、
   宅配買取を選んで、指示通り切手を梱包して福ちゃんに送った。

   送られてきた査定結果は、次のとおり。
査定価格について
この度は弊社の宅配査定をご利用いただき誠にありがとうございます。 お客様の大切なお品物、しっかりと拝見させていただきました。 切手一式 27,741円(日本切手:2,741円,中国切手:25,000円) 査定価格は現在の中古相場や弊社の在庫状況を鑑みての評価となります。 何卒よろしくお願い申し上げます。

   中国切手は、40年前1983年に上海の専門店で買った切手を100数十枚、
   バルク価格の表示だから、1枚200円と言う査定。
   日本切手は、長女が集めていたこれも古い記念切手など100枚近く、現役切手なのに、額面価格の合計、すなわち、原価の半分にもならない。
   そのほかは、取扱品目に、その他の切手とあるので、数百枚の外国切手を送った。前世紀に、海外出張の度に買っていたニューヨークの国連やスペインやオランダやパラグアイなどの雑多な外国切手だったが、査定が、ゼロであるから紙屑扱いなのであろう。

   参考のために、中国切手の一部の写真を添付しておく。




   










   
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老化防止に新ISAを活用しようと思う

2024年11月25日 | 経営・ビジネス
   最近、新NISAを活用しながら、少し、株式投資の勉強をしようと、インターネットを叩き始めた。
   傘寿を超えてボケ防止もないのだが、まだ、経営分析くらいは出来そうなので、80歳の手習いである。

   手慰みの泡沫株主として株を所有し始めて20年以上経つので、投資歴は長いのだが、一時、多少勉強したことはあるものの、殆ど無関心を続けてきた。
   株のことは良く分からなくても、大学で経済学を専攻し、大学院で経営学を勉強したMBAなので、企業経営や株式投資の解説などは理解できるのだが、結果的には、これが邪魔して上手く行かず、失敗ばかり重ねてきた。

   したがって、今回は、株への投資と言うのではなく、久しぶりに、さび付いた知識を呼び戻して、頭の活性化と言うか老化防止のために、新NISAを活用しながら、改めて企業経営の勉強をしてみようと思ったのである。
   新NIISAを使えば、取引は無税であるし手数料もノーロードなので、株の上り下りだけ注意すればよく、どうせ少額の運用だし、気楽なのである。
   とりあえず、塩漬けの特定口座の損切から始めて特定口座を、そして、旧NISAを処分して、新NISAに切り替えることだと思っている。
   新NISAには2枠あるのだが、歳なので「つみたて投資枠」は無理ゆえ、「成長投資枠」だけの運用となる。

   さて、株の売買だけなのだが、どうして、勉強するのか。
   株関連や企業情報を開くと、色々な指標が表示されている。
   まず、株取引の基本としては、
   企業の成長力などに期待する長期投資にはファンダメンタルズ分析が、値上がり・値下がりのタイミングを重視した短期売買にはテクニカル分析が向いているので、この両者を併用し、ファンダメンタルズ分析で企業の実力をチェック、そこで有望と思われる銘柄の売買タイミングをテクニカル分析でチェックするという形が理想的かも知れない。
   と言うことなのだが、これが難しい。
   以前に、チャート分析に取り組んだのだが信用できなくなり、それに、私には、数値分析と言うか、グラフを使ったり傾向線を分析したりするのが苦手であり、どうしても、企業の経営や経済動向などの分析に主体が行って、焦点がぼやけ勝ちにはなる。
   この経営分析が、突然の社会情勢の変化や経営の蹉跌などで、瞬時に暗転したりするので、予測は難しい。

   しかし、いずれにしても、基礎として、もう一度、ファンダメンタルズ分析とテクニカル分析の手法を復習。 問題は、その使い方、活用の仕方なのである。

   まず、ケーススタディとして、USS買収問題で話題になっている日本製鐵をチェックしてみようと思った。
   「日本製鐵の業績」を検索すると、沢山の記述の中で、注目したのは、
   つばめ投資顧問の「【日本製鉄】2024年度大幅減益予想!株は売るべき?」と言う銘柄分析。詳細に日本製鐵の経営について分析していて、youtube動画もあり、勉強になった。
   もう一つは、東洋経済の「日本製鉄とJFE、なぜ業績で明暗が分かれたのかJFEホールディングス副社長に今後の展望を聞く」と言う記事である。

   JFE副社長の見解では、その業績の差は、
   大きいのはグループ会社、特に海外の収益力の差。日本製鉄は、われわれにはない資源権益も持っている。加えて、鉄鋼事業そのものの収益力でも見劣りするのは否めない。これは構造改革の進捗に差がある。減価償却費や補修費の違いに加えて、一足先に(国内高炉の休止で)量を減らしたことで販売構成の改善が進んでいる。と述べており、
   つばさの栫井 駿介氏も、
   日本製鉄は世界的にも高い技術を持っていて、その技術に応じた高いマージンをかけていくというのが今の日本製鉄の戦略で、また、取引価格の値上げ要求 を成功させ、高炉を休止するなどして固定費も下がっているので、基本的には利益を出しやすい体質にもなっている。と指摘している。日本製鐵は、「量から質への転換」を推進して経営体質を改善しているので、逆風には曝されてはいるが、「株は売るべき?」ではないと示唆していて、インドへの進出やUSスティール買収問題にも言及していて面白い。

   私の関心事は、このような経営分析なので、要するに、テクニカル分析やチャート分析には縁がないのである。
   さて、日本製鐵株を買うべきかどうか。栫井氏指南の指標では、バリュー株なのだが、現在株価は、業績の下方修正で、ダウン基調である。
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ロシア経済が好調だという

2024年11月23日 | 政治・経済・社会
   ロイターが電子版で、
   コラム:予想外に好調なロシア経済、戦争の「麻薬」が切れるとき By Pierre Brianconを報道した。最近、ほかのメディアでも、ウクライナ戦争や欧米諸国の経済制裁など逆風に曝されながらも、順調に推移しているというニュースを報じているので、一寸、現実を考えてみたい。
   大規模な軍事支出と制裁逃れの貿易、ロシアがコモディティーの輸出先をより友好的な国に切り替えていることが理由だ。この「戦争依存」はロシアにとって経済財政面で大きなアキレス腱になっている。と言う。

   予想外の好調ぶりは主に3つの要素で成り立っている。
   まずはロシアの制裁に対する適応力だ。ロシアは14年のクリミア併合以降、常に何らかの形で制裁の標的にされており、この間次第に適応力が向上してきた。 ドイツなど欧州からカラフスタンなどの中央アジアの旧ソ連諸国向け輸出が驚くほど活発化している点が挙げられ、一部の西側企業が制裁対象の製品を迂回ルートでロシアに出荷し続けている様子がうかがえる。
   また、ロシアは自国産の石油・ガスに対する中国の購入意欲も当てにできるし、もはや西側企業から入手できない精密部品などの一部を中国から調達することも可能だ。昨年の中ロ貿易は確かに26%拡大し、ロシアにとって中国が最大の貿易相手になった。 
   そして、ロシア経済の「打たれ強さ」をもたらしている最大の要素は、プーチン氏がウクライナとの戦争開始以降、国家予算の大きな部分を軍事支出に振り向けていることにある。 

   しかし、向こう数年のさらに先を見越すと、状況は暗たんとしていて、昨年と今年最初の数カ月は政府支出の急増が経済を引っ張る力になったとはいえ、そうした過熱感は間もなく弱まるかもしれない。  と言う。
   長期的な課題も抱えていて、年間9%という物価上昇率もその1つで、中銀が、このインフレ対策に強力な引き締め的な金融政策運営を強いられ、政策金利は19%に達した。
   借り入れコストが増大したことで、銀行の企業や家計向け融資は鈍化が見込まれ、政府は法人税と所得税の税率引き上げを模索しつつある。さらにロシアは戦争開始以来、高技能労働者が大挙国外に脱出した影響もあり、深刻な人手不足に直面している。足元の失業率は3%未満だ。
   ロシア経済にとって2番目の制約は、現在の経済成長が今後の課題に備える性質のものでないことだ。西側による制裁のため、ロシアは工業製品、特に軍事機器の面で高度な技術を欠き、質的な低下を余儀なくされている。 
   最後の問題として浮かび上がるのは、現在国家予算の4割を占める軍事支出の増加が、教育や医療といった分野への投資も振るわないことを意味するという事実だ。社会保障費は3年連続で圧縮された。今後生産性が改善せず、公共投資を通じた成長が止まり、年金生活者が痛手を受け、ロシア経済が苦境に陥れば、プーチンの人気は急落する。 

   ロシアは今、経済学者ウラジスラフ・イノゼムツェフ氏が描写した「発展なき成長」というモデルにはまり込んでいる。
   ローテク品の量産化にかつてないほど大規模な軍事支出を振り向けることで、速戦即決ではなく長期の消耗戦に敵を引きずり込んで疲れ果てさせる準備をしているように思われ、ただこの戦略は、ロシアがより強烈で高度な戦いのコストを負担するのを難しくする。欧州がロシア制裁を厳格化することができるか、少なくとも現在の制裁の枠組みに存在する多くの抜け穴をつぶすことが可能になれば、そうした事態は起こり得る。
   より長い目で見れば、いったん軍事支出という「麻薬」の効き目がなくなった場合、ロシア経済に内在する課題が必ず日常的な光景として出現してくる。その際に何か劇的な地政学的変化が起きて「離脱症状」を克服する手助けになれば、幸いだろう。 

   以上がロイター論文の趣旨である。
   注目すべきは、長期的戦略を欠いた「発展なき成長」だと言う指摘である。
   まず間違いなしに、軍事産業化で経済は好調だが、戦時の張子の虎で、戦争が終結すれば一気に経済が縮小して崩壊する。
   そして、欧米の制裁によって軍需産業のみならず工業生産の質が著しく低下しているにも拘わらず、つけ刃のローテクに終始して、技術革新や生産性向上などの将来の成長への施策を打ていない。
   さらに、戦争によって著しく労働人口が減ってしまい、その上に、国外に脱出した何十万もの優秀な頭脳流出の結果、人的損失は甚大である。
   長期的な経済の成長発展の芽を摘んでしまっていると言うことである。

   たとえ、ロシア有利にウクライナ戦争が終結したとしても、戦争によるロシアの損害は甚大であり、長く強力なボディブローとしてロシアを苦しめ続けて、国力の低下を招くことは間違いない。
   
   国際的信用を著しく損傷して劣等国に成り下がる、ロシアにとって、何のための戦争であったのか。
   一時の軽挙妄動によって沈みゆく、偉大なロシアの落日を見るのは忍び難い。
  
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ボジョレー・ヌーヴォーが到着

2024年11月21日 | 生活随想・趣味
   特別な拘りはないのだが、今年も、ボジョレー・ヌーヴォーを買ってしまった。
   私の場合は、店頭販売ではなく、殆ど、ネットショッピングで調達しており、間違いなしに、解禁日の11月第3木曜日、今日の朝に到着した。
   今夜は、家族で乾杯である。

   確か、2022年に価格が高騰して、それまで買っていた会社の価格が異常に高くなったので、再検索して、それ以降は、イオンがメインで推薦している「 ロングセラー!こだわりヌーヴォー3本セット / オリジナル(Beaujolais Noubeau 3 Bottle set 2022) 本体価格 7,680円 (税込価格 8,448円)の予約を入れて、それを続けている。
   今年も価格に変更はなく、イオンでは上等な方だし、ボージョレ・ ヴィラージュ・ヌーヴォー主体なので、満足している。 
   と言っても、味が分かるわけではなく、適当に買って、季節の到来を楽しんでいるだけである。

   これまで、毎年、ボジョレー・ヌーヴォーの思い出など書き続けてきているので、今回は、酒談義に切り替えてみたい。

   ワインを飲み始めたのは、欧米への旅行がきっかけで、本格的になったのは、1985年のアムステルダム駐在からで、欧米人とのレセプションや会食が多くなると、必然的にワインを無視できなくなる。
   ミシュランの星付きレストランの行脚も続けたし、ロマネコンティから色々なワイン、ピンからキリまで飲んできたと思うのだが、いまだに、ワインは良く分からない。
   美味しいと思って印象に残っているのは、ブラジルの片田舎で飲んだ地元ワインであったり、イタリアのピサの高級レストランで飲んだローカルワインであったり、ベルギーのミシュランレストランで経験したフルコースの皿ごとにサーブされた多彩なワインであったり、とにかく、いい加減であるが、
   私にとってのワインは、食中酒であって、飲む食べ物だという認識である。
   劇場などでワインを飲んだり、つまみと一緒にワインを楽しむと言った習慣はあまりなくて、食事と一緒に飲みながら、相性の良さ、増幅されるミックスした味を楽しむという趣向である。

   ロンドンに居た時には、ヒュー・ジョンソンの店へ行ったり、彼のポケット・ワイン・ブック を片手にフォートナム&メイソンなどへ行ってワインを選んだり、結構、ワイン関係の本を読んだりしてそれなりに勉強してきた。
   しかし、知識と味とは別もの、相性どおりの食事や環境で飲めるわけでもないし、
   早い話、ロンドンではハイクラスの晩餐会に何度も出席してきたが、標準的なワインなのであろう、ワインが良かったかどうか、全く記憶にない。

   さて、日本酒は、やはり、日本食には欠かせない酒で、晩酌とはいかないが普通に飲んでいる。地方に出かけて地元の料理に地酒を飲むのが楽しみであり、これは、ヨーロッパで地元のワインを、そして、ドイツで地ビールを味わう楽しみと同じで、地方それぞれの食べ物には、長い歴史と伝統に培われた食文化のエキスが凝縮されている。
   私は、あまり食に拘らない方なので、世界中を歩いてきて、地元の食事を拒否したこともないし、日本食に固守したこともないので、酒も郷に入っては郷に従えで、分からないままに、色々な酒も飲んできた。マオタイ、ウォッカ、テキーラ、カイピリンニャ、エスキモーの酒、とにかく、40か国くらい歩いているので、分からない酒も多い。

   いずれにしろ、酒類は飲む食べ物だというのが持論であるから、地元料理には地元の酒を飲むことにしていた。
   強弱色々あって、ミュンヘンでストロングビールをあおってひっくり返りそうになったり、強すぎて倒れてしまったり、・・・
   酒で、醜態をさらしたり問題となるような失敗はしたことはないが、多少のトラブルは経験していて、楽しみばかりではないところが、酒は魔物たる魔物の所以。
   酒を飲めない人は、人生の楽しみを半分捨てたようなもの、と言う人もいるが、さて、どうであろうか。
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株式相場に少し関心を持ち始めた

2024年11月20日 | 経営・ビジネス
   最近、書斎に籠ることが多くなった所為もあって、自分の株式投資のポートフォリオのページを開くようになった。
   正式には、野村證券のホームトレードなのだが、簡便法で、Yahoo!ファイナンスのページを開いている。
   
   長い間、投資ページを開かなかったのは、もう、20年以上も前に買った銀行株が、その後の暴落で大きく原価を割り、目も当てられない状況であったので、見るのも嫌であったのである。
   最近、三井住友が買価を超えたので、どうにか、3分の2を売却して現金化した。これ以上暴落することはなかろうと思って、残りの3分の1は化石として残している。
   しかし、興銀が隆盛だったころに買ったみずほ株は、いまだに、買価の半分くらいで、永遠の塩漬け株である。
   後で買った三菱UFJがかなりの黒字なので、一部抱き合わせ売却で償却するのも手かもしれないと思っている。 

   もう一つ、誤った投資は、日産株。
   カルロス・ゴーンの電気自動車構想に真っ先に期待して買ったのだが、その後の経営の蹉跌や破綻で惨憺たる状態。塩漬けにしても、配当さえ期待できない。

   ところで、先の株の暴落の時期に、旧NISA株の期間満了で処分した三井物産株の資金で、ホンダとトヨタの株に期待して買ったのだが、予想もしなかったトランプの勝利で、自動車関税のために先行きが怪しくなってきた。

   とにかく、私のような零細投資家にとっては無税の新NISAは有難いので、残っている特定口座の株を処分して、NISAに切り替えたいと思っている。
   しかし、気の多い所為か、次の株価の暴落まで待って、次の投資を考えればよいのに、ついつい、同時に有望株を探って買ってしまう。
   今日も、何となく底値だと思って、三菱商事株を衝動買いしたのだが、どうだったであろうか。

   随分前に、時々、証券会社の投資説明会に出かけて勉強していたことがあるが、聴講者の大半は極めて広範な投資に興味を持っていたが、私の場合は、新規優良企業など新しい投資には関心も知識もなく、老舗の大企業ばかりを追いかけている感じである。
      
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トランプ次期大統領に思う

2024年11月16日 | 政治・経済・社会
   大統領選挙があったのは、11月5日、それ程時を待たずに、トランプの当選が決まった。
   私は、6日に、ニューヨークタイムズとワシントンポストの電子版の速報を見ていて、その日の早い午後に、激戦州、すなわち、スイング・ステート( swing state )の速報値がトランプ優勢を示し始めたので、トランプの勝利を確信した。
   案の定、すぐに、トランプの勝利宣言が発表された。

   私は、これまで、トランプ批判をこのブログで書き続けてきており、徹頭徹尾反トランプ派であり、結果にはいたく失望しており残念である。

   トランプは、アメリカ憲法の精神を無視し、民主主義をたたき潰そうとしており、その暴挙が許せない。
   ペンシルベニア大学のキャンパスには、独立宣言を起草しアメリカの建国の父と仰がれている、同大学の創立者でもあるベンジャミン・フランクリンの銅像が立っている。
   私もそうだったが、同大学のウォートン・スクールに通っていた同窓のトランプも、このフランクリン像を仰ぎ見ながら勉強していたはずである。イーロン・マスクもそうである。
   なぜ、フランクリンの建国精神と民主主義を理解できないのか、悲しい限りである。

   トリプルレッドを勝ち得て、殆ど白紙委任状を得た独裁者のトランプが、アメリカのみならず世界に君臨して、今後4年間の政治経済社会の舵取りを担う。
   どうなるか、既に発表されている閣僚など政府の主要メンバーを見ても、その常軌を逸した布陣にも批判が出始めていて、先が思いやられる。

   メディアでは、トランプ政権に対して、激しい論戦が繰り広げられていて、辛口の評論などが多いのだが、いずれにしろ、アメリカの民主主義社会が選択した結論である。
   政権スタート直前から、大混乱が予想され、如何なる形でトランプアメリカが動き出すのか、全く予断を許さない。
   しかし、例えば、イーロン・マスクの「政府効率化省(DOGE)」の主導など、どんなに強烈なダイナマイトが炸裂して行政を危機に陥れるか、脅威を禁じ得ない。
   また、輸入品に高率関税を課せば、自由貿易を阻害して国際市場を縮小し、ひいてはアメリカ企業の革新意欲を削ぎ、生産性や国際競争力の低下を来して経済を弱体化させて、「MAGA」に逆行するのは必定である。

   ハリス民主党政権が実現していても、アメリカも世界も、殆ど変化のない状態が続いて大きな期待はできなかったであろう。
   エスタブリッシュメントや学歴の高い市民たちに取っては、民主主義や人権、大統領の資質や人格などは大切かもしれないが、多くの一般的なアメリカ人には日々の生活の方が大切であって、とにかく、膠着状態で不満足なこの社会を変えてくれるであろうトランプを選択した。
   したがって、保守反動であろうと極端な自国優先主義的なポピュリスト政治であろうと、格差の異常な高まりや温暖化など機能不全に陥って資本主義が窮地に立つなど、二極化が極に達して、アメリカ社会が危機状態にあり、既成秩序を刷新するためには、巨大なカンフル注射が必要な時期に来ていたのである。
   トランプの当初の目論見は、膠着状態のエスタブリッシュメント支配のアメリカに風穴を開けることであった。

   トランプ新政権は、スタートから大激震を引き起こして、アメリカのみならず世界中を大混乱に陥れるかもしれない。
   しかし、私自身は、新たな強烈なインパクトを与えない限り、既存の社会の大変革は不可能であるから、方向性とパワーは未知数だが、トランプ政治が、この役割を果たしてくれるのではないかと言う淡い期待をし始めている。
   アメリカや世界の政治経済社会、そしてグローバル秩序の創造的破壊の実現である。

   尤も、そのためには、アメリカの良心、英知や良識が、カウンターベイリング・パワーとして作用して、チェック&バランスとして働き、新しい価値あるイノベィティブな世界を生み出すという高いハードルをクリアーする必要がある。

   ドラッカーが、会社の経営のみならず、政府や学校や教会などであろうと、どんな組織の運営であろうとマネジメント理論は有効であると言って逝った。
   トランプもイーロン・マスクも常軌を逸した経営者だが、彼らの経営哲学が有効かどうかは分からないが、祈るべくは、利益効率優先ではなく、公共価値重視を第一義としたマネジメントに軸足を移すことを期待したい。
   アメリカ社会、そして、アメリカの民主主義が生きるか死ぬか、アメリカの良心、アメリカ人の英知と良識にかかっている。


   
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佐原商家町ホテルNIPPONIAに泊まる

2024年11月12日 | 花鳥風月・日本の文化風物・日本の旅紀行
   さて、今回の佐原での宿泊ホテルは、長女夫妻が、用意してくれて、佐原商家町ホテルNIPPONIAにした。
   
   普通のホテルの概念とは、全く違っていて、佐原の古い商家や蔵などをリノベイトして、各戸毎に一戸の客室となっているので、古風な雰囲気の一戸家が散らばっている感じである。
   特別な経験と言うことであろうか、高級ホテルのスィートなみに宿泊料はかなり高い。
 
   随分昔、欧米客の接待で、何度か、京都の純日本風の超高級老舗旅館の柊屋旅館に泊まったことがあるのだが、京都の文化伝統の良さを凝縮させたような貴重な雰囲気を味わって嬉しかったのを思い出す。

   さて、ヨーロッパでは、スコットランドの古城ホテル巡りやスペインのパラドールなど高級シャトーホテルに泊まった豪華な旅の経験があるのだが、
   ここの雰囲気は、綺麗にリノベートされてはいるが、なぜか、ドイツの古都やアルザスやウェールズの田舎などで泊った、文化財風の古建築で倒れかけて床が傾いてきしんでいた古い旅籠での思い出が蘇ってきて、無我夢中で東奔西走多忙を極めていた頃を思い出して、懐かしさ一入であった。

   ホテルのコンセプトは、
   重要伝統的建造物群保存地区に指定された佐原は江戸の台所、商人の町として栄え、その風情を今も残す数少ないまちの一つ。
そぞろ歩けば、令和に生きる私たちが知らない江戸に出会えます。
昔の人の暮らしにタイムスリップしたような旅の体験を。と言うことである。 

   我々老夫婦が泊ったのは、
   【SEIGAKU棟/3名定員/71平米/フラットタイプ/VMGスイート】 
   江戸時代に建てられた米蔵を改装した客室。天井高5m、横幅15mある開放的な空間で、ゆったりとお寛ぎいただけます。 入口の扉は当時から使われていた木製の大きな扉で、南京錠式となっております。室内には江戸時代の木簡なども残されており、探して解読してみるのもお部屋の楽しみ方の一つ。 各所に江戸時代の髄を感じられます。と言う長方形に長い部屋であった。
   



   面白いのは、江戸時代へタイムスリップせよと言うことであろうか、部屋には、電話もなければテレビもない。Wi-Fiを使えるようだが、スマホを持って居れば良いと言うことであろう。
   テレビ付きパソコン漬けの毎日から解放されて変な感じだが、酒処佐原の吟醸酒をちびりちびり、静かな旅情を楽しんだ。

   食事は、ホテルのレストランで取った。
   まず、ディナーは、
佐原の発酵食文化をフレンチで堪能する時間
江戸時代創業の老舗蔵元の酒蔵のひとつを再利用した、フレンチレストラン。
佐原では、良質な米でできる日本酒や酒粕、味噌や醤油といった醸造業が発展し、地元産の食材と発酵食へのこだわりが歴史を重ねるごとに磨かれていきました。
フレンチでありながら酒粕を取り入れたり発酵食品を使用するなど、この土地ならではの地元食材を使用したお料理と、蔵元直送の日本酒のペアリングを楽しめます。
   と言うかなり良質なフレンチで、美味しかった。ワインと言う感じでもなかったので、佐原の日本酒で通した。
   若いころヨーロッパに居た時には、ミシュランの星付きレストランを行脚して美食を楽しんでいたが、久しぶりのフレンチのフルコースで、当時を思い出していた。
   

   不思議なもので、旅に出ると非日常と言うのであろうか、なぜか、昔の旅の思い出が走馬灯のように駆け巡ってきて、酔いの所為もあろう、無性に旅情を感じて懐かしくなる。
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久しぶりの佐原での1泊の旅

2024年11月11日 | 花鳥風月・日本の文化風物・日本の旅紀行
   秋も深まり冷気の心地よい秋晴れの佐原を散策した。
   ゆっくりと訪れたのは、大震災の後、殆ど初めてである。
   
   まず、真っ先に訪れたのは、旧市街の忠敬橋に向かって重要伝統的建造物群保存地区への散策で、震災で被災して無残な姿をしていた県指定有形文化財(建造物)の蕎麦処の小堀屋本店である。
   私は、関西人なので蕎麦好きではないのだが、この店には結構訪れていて、古風なこじんまりした店の中で、名物の昆布を加工して黒い色を出した黒切蕎麦を食べるのが愉しみであった。
   県の資料によると、建物は木造2階建て、屋根は桟瓦葺切妻造で、明治33年(1900)に建築されたが、江戸時代の店舗の形式をそのまま残した造りとなっており、外観は戸口、格子窓などが、内部も蔀戸、畳敷の床などがよく残っている。 と言うことだが、
   今回訪れたら、店の看板はそのままだが、暖簾もなく、戸口はしっかりとしめられていた。
   雰囲気はやや変わった感じだったが、家並は綺麗に旧に復していた。






   古い佐原の街で記憶に残っているのは、忠敬橋のたもとにあるこれもこじんまりした中村屋酒店で、角地に立つ大きな中村屋商店の影にあって殆ど気付かないほどだが、老舗の良い店で、いつも酒や味醂を買って帰っていた。
   印象に残っているのは、もう30年くらいも前であろうか、店舗の奥隣の一段高くなった座敷に小さな机を置いた帳場があって、いつも好々爺然とした主人が端座していて、毛筆で丁寧に領収書を書いて渡してくれていた。ガチャガチャポンの金銭登録機とは無縁の雰囲気がたまらなく嬉しかった。

   佐原へ来れば、やはり、重要伝統的建造物群保存地区の散策で、じゃあじゃあ橋越しの伊能忠敬旧宅あたりの風情は、川港として隆盛を誇っていた当時の面影が残っているのであろうか。
   もう何度も佐原に来て、観光地や店舗などは良く分かっているので、今回も、中に入らずに、まわりの雰囲気を楽しむのに時を過ごした。
   



   宿所は、佐原商家町ホテルNIPPONIAだったので、途中の馬場本店酒造の中庭に入って、酒蔵の雰囲気を垣間見た。
   
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NW:アメリカを脱出したい、国民の20%

2024年11月09日 | 政治・経済・社会
   ニューズウィーク電子版に、
   「アメリカを「脱出」したいアメリカ人の割合が史上最高の5人に1人に急増 Record High Number of Americans Want to Leave: Poll」と言う興味深い記事が出ていた。
   ギャラップが実施した新しい世論調査によると、アメリカを脱出して海外へ移住したいと考えるアメリカ人の数が過去最高に達した。 
   <アメリカを脱出したい理由について、「政治的な二極化」を挙げる専門家も。世界の移民の行き先としての人気も落ちている>と言うのである。

   もちろん、カナダ人やアメリカ人の20%が、明日にでも荷物をまとめて国を出ようとしているというわけではないが、彼らが国を出たがっているという事実は注目に値する」 
   アメリカを去りたいという願望が、アメリカ人の間で何十年も上昇し続けている。2024年3月に発表されたモンマス大学のレポートによると、アメリカから脱出したいと願うアメリカ人の数は、1974年と比べて3倍になっており、アメリカ人の34%が「できることなら他の国に定住したい」と答えたとしている。 
   「移住願望を表明することと、実際に移住することの間には、常に大きな溝がある」。「移住は、人生において人が下しうる最も大きな決断のひとつだ。その決断からは、愛する人との別れ、転職や転居、新しい社会への適応、そして、多くの場合は言葉の問題など、数え切れないほどの変化が生まれる」と言うことにしてもである。

   これらの世論調査は「自国内における人々の満足感を示すバロメーターのようなもの」であり、「アメリカを離れたいと言う人が増えているのは、政治的ニ極化が強まり、この国が間違った方向に進んでいることを感じているからだろう」と 言う。

   もっと驚くべきは、ロイター電子版の即刻の報道、
   「米国で海外移住への関心高まる、トランプ氏大統領選勝利に失望」である。
    米大統領選で共和党のトランプ前大統領が勝利したことで、海外移住への関心が米国内で急激に高まっている。
   グーグルのデータによると、5日に米東海岸で投票が締め切られてから、 カナダ、オーストラリア、ニュージーランド3カ国への移住に関する検索がいずれも過去最高を記録したという。 
   エジソン・リサーチの出口調査によると、有権者の約4分の3が米国の民主主義が脅かされていると答えた。またトランプ氏の復帰によって、人種やジェンダー、教育、生殖に関する権利などの問題で、民主党と共和党の間で一段と分断が広がることを多くの人が懸念している。と言う。
 
   かって、アメリカには、頻繁に出かけたり、2年間住んだことがあるが、随分昔の話で、何とも言えないが、アメリカ人の20%もの多くが外国に移り住みたいと考えているとは驚きである。
   何故移住したいのか理由は定かではないが、私が気になったのは、政治的ニ極化の強まりやトランプ政治への不安だという見解である。

   今回の大統領選挙で、アメリカ社会が、水と油の修復不可能な二極化によって真っ二つに分断されていることが、今まで以上にはっきりと露呈された。
   アメリカの政治社会経済の病巣の殆どは、この政治的二極化に起因していると言っても間違いではなかろう。

   ところが、今回の選挙で、トランプ大統領の返り咲きのみならず、上院下院とも共和党の過半数確保の勝利によって、共和党がトリプルレッドを達成して、アメリカの政治を取り巻く環境は、一気に共和党天下となってしまった。
   ピーター・ベイカー曰く、「選挙公約に従えば、大統領職の権力をさらに強化し、「ディープステート」を屈服させ、両党とメディアの「反逆者」政敵を追い詰めることになるだろう。」
   即刻、復讐劇が始まるのか、
   殆ど白紙委任状を手にした独裁者を標榜するトランプの政治劇が開幕する。
   
   これまで、カウンターベイリング・パワーが働いて、幾多のアメリカの難局を乗り越え歴史的危機を救ってきた。アメリカの良心、英知や良識が作動するのかどうか。
   
   尤も、トランプの今後の4年間が吉と出るか凶と出るか全くわからない。
   少なくとも、ハリス政権であったら、アメリカも世界も殆ど大きな変化を期待できなかったであろう。
   その意味では、トランプ政権の推移次第では、大きく情勢は変わってくる可能性が高いが、とにかく、民主主義がどうなろうと、頭を打とうと、
   アメリカは、行き着くところまで、突き進む以外に道がなかろう。 
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トランプの勝利:歴史的逸脱者ではなく、現代のアメリカの再形成者?

2024年11月07日 | 政治・経済・社会
   ニューヨークタイムズの電子版の冒頭に、トランプのアメリカ、その勝利は、国民の自意識の変化
Trump's America
Victory changes nation's sense of itself
   トップ記事は、
   エリートの米国ビジョンに対するポピュリストの反乱
結局、ドナルド・トランプは、一部の人々が考えていたような歴史的逸脱者ではなく、現代のアメリカを再形成する力であると、ピーター・ベイカーは分析で書いている。
Populist Revolt Against Elite’s Vision of the U.S.
In the end, Donald Trump is not the historical aberration some thought he was, but a force reshaping the modern U.S., writes Peter Baker in an analysis.

   トランプの逆転勝利は、彼自身のイメージで現代アメリカを再形成する変革力で、異なる種類の国を示していて、一部のエスタブリッシュのエリート階級が考えていたような歴史的逸脱者ではない。と言うのである。

   最後の集会で、カマラ・ハリスはドナルド・J・トランプをアメリカを代表しない異端者だと軽蔑し、「私たちはそういう人間ではない」と断言した。
   実際、それがまさに私たちの姿、少なくとも、ほとんどの人の姿なのかもしれない。
   トランプは歴史の灰燼に帰すことになる異端者だという思い込みは、火曜の夜、激戦州を席巻した赤潮によって洗い流された。そして、両党の支配層エリートが長きにわたって育んできたアメリカに対する理解も一掃された。
   良識が支配する高度な民主主義社会ではなく、トランプ現象が浮き彫りにしたアメリカが、実際現実のアメリカの姿だということであろう。

   トランプは再び、経済的、文化的、人口学的に国が崩壊しつつあるという、彼らが知っている多くの人々の感覚をうまく利用して、それに対抗するため、有権者は、たとえ感性を傷つけたり古い基準に違反したりしても、慣習を覆し、過激な行動を取ることをいとわない、生意気な78歳のチャンピオンの復帰を承認した。
   彼らが選んだリーダーに対する疑念は脇に追いやられ、その結果、歴史上初めて、アメリカ人は有罪判決を受けた犯罪者を大統領に選んだ。彼らは、前回の選挙を覆そうとし、職を取り戻すために憲法の「廃止」を要求し、就任初日に独裁者になることを望み、敵対者に対して「報復」を誓った指導者に権力を返した。

   ピーター・ベイカーは、選挙戦やハリスの対応など詳細に論じているが、ここでは、省略する。

   ある意味で、トランプの勝利は、2021年1月6日に起きた同氏の支持者の暴徒による議事堂の略奪を一巡させるものでもある。2020年のバイデンの勝利の確定を阻止することを狙ったこの攻撃は、トランプの信用を失墜させた民主主義への致命的な攻撃から、新たに再選された大統領が約束した恩赦を生み出す愛国的な行為へと作り変えられた。
  「多くの点で、これは1月6日のドラマの最終章だ。」 「共和党員の多くは、支持基盤を怒らせないようにしつつトランプを追放するという絶好のチャンスをものにしたと思っていた。だが、そうではなかった。そして今、トランプは戻ってきている。そして、トランプが賭けに勝って権力に復帰すれば、1月6日の最終判決は、現代のアメリカでは不正行為は可能であり、システムは反撃するほど強力ではないということだ。」
   今後の決定的な戦いは、トランプが腐敗していると見なすシステムに対してこれから戦うと述べている戦争となるだろう。選挙公約に従えば、大統領職の権力をさらに強化し、「ディープステート」を屈服させ、両党とメディアの「反逆者」政敵を追い詰めることになるだろう。
   そうすることで、前回にはなかった正当性と経験を得ることになる。彼は最初の任期で、政策についてではなく、権力のレバーを引く方法について学んだ。そして今回は、トランプにはもっと多くの自由が与えられ、より一致した顧問団と、おそらくは議会の両院、そして8年以上前でさえもトランプにのみ従う政党も与えられるであろう。
   トランプ時代は、結局4年間の空位期間ではなかった。トランプが新任期を終えると仮定すると、それはフランクリン・D・ルーズベルトやロナルド・レーガンと同じくらい長く政治の舞台の中心に立つ12年間の時代になりそうだ。と言う。

   いまやトランプ党とも言ってもよい共和党に支配されたトリプルレッドの安定した政治体制をバックにしたトランプ政治、
   アメリカの民主主義が窮地に立つ。

   お題目の「アメリカ・ファースト」の意識さえ希薄なトランプが、「トランプ・ファースト」を金科玉条に掲げて、出来得る限りの最高権力を駆使して、独裁政治に突っ走るという。
   それが、アメリカの再形成だというのなら、前世紀の大恐慌時代以降の世界の歴史が垣間見えてきて、恐ろしい限りである。
   いまや、世界中が、強力な独裁体制の専制国家に囲まれており、民主主義の旗頭であるアメリカの軌道修正だけに、不安がつのる。
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気になるアメリカ大統領選挙の結果

2024年11月06日 | 政治・経済・社会
   朝から、テレビとインターネットをつけっぱなしで、アメリカ大統領選挙結果の速報を注視している。
   テレビは、チャネルを頻繁に切り替えを繰り返しており、インターネットは、ニューヨークタイムズとワシントンポストの電子版HPから、速報を見ている。
   日本のメディアの報道は、どれも、ワンテンポもツーテンポも遅いので後追い情報なのだが、NYTとWPは、予想も含めて、瞬時に最新の結果を時々刻々と報道しているので、これ以上の情報源はない。
   今も、カリフォルニアの開票結果が追加されて、大苦戦のハリスが、一気に追い上げてきた。
   今昼過ぎ現在の情報では、トリプルレッドの共和党勝利の勢いだが、WPは、
   Trump (R) is slightly favored to win in the electoral college, but Harris (D) still has a chance to win. と報じて、ハリス勝利の可能性も残している。

   しかし、NYTは、
   Harris’s path narrows
    Trump has won in North Carolina and is very likely to take Georgia. To win, Harris will probably need to sweep Pennsylvania, Michigan and Wisconsin — but Trump has an advantage in all three.
   Chance of winning
   Likely Trump
   89% chance of victory
   激戦州のラストベルト3州でも、トランプの優勢を予測していて、トランプ大統領復活の可能性を、89%と予測している。
   予想結果は、
   Electoral college estimate Trump 298 251 to 326
   Harris 240 212 to 287

   今夕、トランプの勝利宣言が報道される可能性が高くなってきた。


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英国経済の危機に思うこと

2024年11月04日 | 政治・経済・社会
   今日の日経に、「英経済衰退に危機感」と言う記事で、シデック経済担当政務次官が、保守党政権が悪化させて不安定にした経済に深刻な危機感を抱いて、その改善策を述べた。
   スターマー政権は、財源の裏付けのない減税表明で金融市場を混乱させた2022年のトラス・ショックや、公共投資の不足による医療や教育、交通の質の低下が深刻となり、英経済は生産性や生活水準の低下で崖っぷちに追い込まれて、「投資するか衰退するかの選択に迫られた」と言う状態であった。
   したがって、まず、
   10月30日に公表した予算案には5年間で1000億ポンド(20兆円)公共投資を計上し、公共サービスの充実とともに再生可能エネルギーなどの成長分野に投資する。
   ところで、問題の財源だが、豊かな人々に負担を課すべきだと判断して、国民保険料の雇用主負担の引き上げ、キャピタルゲイン課税や相続税の増税、私立学校の授業料に対する付加価値税などを充てるという。
 
   ロイターによると、
   過去30年で最大規模となる年間400億ポンド(約7兆9600億円)の増税計画を発表した。増税で賄った資金で英国を迅速に再建し、同時に原資を負担する企業の憤りに耐えるという大きな賭けに出た格好である。
   また、リーブス財務相は、数年間にわたって大企業に対し、政治的および規制的な安定を提供し、成長を手助けするために事業計画に関する規制の簡素化に協力すると約束してきた。それにより、労働者も賃金上昇の恩恵を受けられるようにとの望みを託していた。と言う。 

   富者強者への増税で財源を賄い、積極的に投資して経済を活性化するという方針は、労働党としては当然であろう。
   しかし、根本的な問題は、英国経済を迅速に再建して成長軌道に乗せられるかどうかである。成長がなければ、弱者をも利するトリクルダウンなど望み得ない。
   成長戦略が明確ではないので何とも言えないが、公共投資の多くは公共サービスを向上させるための保守的投資であって強力な成長要因とはならず、再生可能エネルギーなどの成長分野に投資するにしても、即経済成長の特効薬にはなり得ない。
   英国経済が、制度疲労して疲弊しきっているのなら、需要サイドのみならず、供給サイドの再建強化など、抜本的なリシャッフルが必要なのではないであろうか。
   英国のように成熟経済に達して活力の衰えた国では、成長を阻害することなく、公共投資で経済を活性化することは非常に難しいのである。

   さて、私は、今回よりもっとひどかった英国経済崩壊危機のサッチャー政権前の労働党政権の英国を具に見ているので、今昔の感だが、
   その後、サッチャー政権で、ビックバンで英国経済が沸きに沸いた黄金時代も住んでいたので経験しており、その浮沈の激しさに驚いている。
   最近の英国の蹉跌は、EU離脱だったと思っている。アメリカのトランプ現象と同じで、民主主義のサイコロは、Goodばかりではないのである。
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