日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

方言考

2008-03-09 10:56:43 | 徒然
Yahooに「医療現場で方言の壁」という、トピックスがあった。
ニュースソースは、地方の医療現場で戸惑う方言、津軽弁などデータベース化へ だ。

この記事を読んだとき、30年くらい前の自分を思い出したのだ。
拙ブログに来てくださる方は、私の実家が鳥取県にあるという事はご存知だろう。
だが私自身は、生まれは埼玉、幼稚園~中学までは静岡・浜松、高校が鳥取県・境港市で、現在実家があるのが鳥取県・米子市なのだ。
父の実家は、出雲弁が飛び交う地域(今だに、親戚同士の話は理解できないトホホ状態)。
亡くなった母の実家は、作州弁(岡山県北部)地域。
そんな環境で育った私は、現在名古屋弁エリアで生活をしている。
私の場合は、決して極端な例だとは思わないのだが、浜松から境港へ引越した頃に受けた「カルチャーショック」は、衝撃的だった。
「何を、大袈裟な!!」と、思われる方もいらっしゃるだろうけれど、本当に衝撃的だったのだ。
理由は、「自分のことばが通じないし、相手が何を言っているのかも分からない」からだった。

育った環境が転勤族が多い地域だった事もあり、自分の話し言葉は全国共通で通じる「標準語」だと思っていた。
ところが、その「標準語」が通じないし、何よりもクラスメイト同士の会話も授業で話す先生の説明さえも理解ができない!!のである。
国語や社会、英語などは教科書を読めば問題ないのだが、苦手な理数系となると・・・。
事実、卒業後某教師からは「おまえと話す時は、先生は緊張をした。標準語を話さないといけなかったから」と、冗談なのか本当なのか分からないようなことを言われた。
そんな経験があるからこそ、今「人を観る。相手(の気持ち)を想像する」という、マーケティングの仕事ができるのかもしれない、とは思っている。

今、イロイロな方と接する時「方言」を恥ずかしがる方が多い。
だが、その地域に住み・生活をしているのだから、恥ずかしがる必要はないと思うのだ。
標準語は共通認識をもちやすいが、心というか気持ちの内を伝えるには「方言」のほうが伝えやすいことが多い。
緊急を要する医療現場で聞きなれない(=理解できない)「方言」を理解するためには、この記事のようなコトも必要だと思うが、聞き手となる医師も普段は「方言を楽しむ」という発想を持ってもらいたいと思うのだ。
30年ほど前、私がクラスメイトの会話が理解できず「何???」と戸惑いながらも、「相手を理解する努力」をしたように。

何よりも「方言」には、その地域の生活から生まれた感性というものがある。
その良い例が、宮沢賢治の「風の又三郎」なのでは?と、勝手に思っている。
「標準語>方言」では決してないと思うのだ。
「若者ことばの平板化は、関東方面の方言の一般化ではないか」という、指摘もあるのだから。

 

企業の社会的責任とイロイロ

2008-03-08 22:11:47 | ライフスタイル
少子化など様々な問題に対して、行政だけではなく企業もその支援に乗り出している。
その一例として、今日の朝日新聞のWEBサイトにおしゃれに企業内保育所 幅広い業界で設置進むという記事があった。

記事に紹介されている「サマンサタバサ」という企業名を知らないオジサンは、多いかもしれない。
実はここ数年、20代の女性を中心に熱狂的とも言えるファンを獲得している、日本発のファッション企業の一つだ。
お騒がせセレブ・パリス・ヒルトンなど海外のファンも少なくない。
このような女性を顧客とした企業は、女性の社会的かかわりにも関心が高い。
そのため、このような「企業内保育所」の設置にも積極的なのだろう。
これほど「企業内保育所」が、話題になる前から積極的だったのは「ヤクルト販売」だ。
全国各地にある「ヤクルト」の販売所には保育所が、併設されているところが多い。
その理由は、改めて述べる必要はないだろう。

それに対して、商社などは「企業内保育所」に対してまだまだだろう。
私が社会に出た頃(今から25年以上前)、女性が商社に就職=商社マンの結婚相手候補といわれていた。
多くの企業は、結婚と同時に女性が退職するのが一般的だった。
それを象徴することばが「寿退社」だ。
そして「寿退社=しあわせな女性が作る家庭像」という思考が、今でも一部のオジサンたちには、残っているようだ。
それが政府試算の「一般的モデル家庭」となっていているのだろう・・・と想像する。

以前「企業に不都合な人材を活用しよう」というエントリをした。
子育て真っ最中のシングルマザーやシングルファザー、身体的ハンディを持った人、社会的スタートが遅かった人などは「成果主義」的発想からすれば、企業にとって余り歓迎できない人たちばかりだ。
だが、その人たちと一緒に仕事をする事で見えてくる様々なコトから、企業が果たせるコトも多い。
それが、社会的責任を果たす事へと繋がっていくのではないだろうか?

暫くすると、経済雑誌などに「子供を入社させたい企業100社」みたいな特集が組まれる。
その選定基準の中には必ず「女性が働きやすい企業」だとか、「女性管理者の多い企業」が入っている。
企業にとって成果の上がらない人(≠仕事をしているフリだけで、本当は仕事をしていない人)の存在が、これから先の企業を発展させていく原動力になる、という視点が求められているように思えるのだ。

ドーナッツも健康志向か?-トランス脂肪酸って何?-

2008-03-07 21:39:22 | CMウォッチ
テレビを見ていて、「オヤ?!」と思ったCMがある。
それがミスタードーナツの「会議編」だ。
CMの最後に、「トランス脂肪酸減らしました」というテロップが入る。

このCMを見て「トランス脂肪酸って何?」と、思われた方が少なくないだろう。
というのも、日本のドーナツやハンバーガーなどを販売しているファーストフード店で、初めてトランス脂肪酸についての対応を決めたCMだからだ。

そもそも「トランス脂肪酸って何?」と、思われて方も少なくないだろう。
だがこの「トランス脂肪酸」ということばが、話題になるのは今回のミスタードーナツのCMが初めてではない。
1年近く前だろうか?ニューヨークのファーストフード店での使用禁止が、報道された事があったのだ。
その理由は「生活習慣病」の要因である、肥満を促すだけではなく脳・血液疾患の誘引原因とされているからである。
ただ問題なのは、私たちに「トランス脂肪酸」がどんな食品に含まれているのか知らされていない事だろう。
そして日本では、健康面での使用注意をされていないことだろう。

一番身近なトコロでは、マーガリンがあげられる。
他にも、お菓子やパン作りに使われるショートニングなどが「トランス脂肪酸」を多く含んだ食品だ。
ドーナツやフライドポテトの揚げ油として、ショートニングが使われている。
もちろん「トランス脂肪酸」を多く含まないマーガリンも販売されているのだが、一般スーパーなどで販売されているマーガリンのパッケージをいくら見ても「トランス脂肪酸」の表示を見ることが無い。
まず、その表示を義務付けする事が先だろう。

今回のこのCMを皮切りに、マックをはじめとするハンバーガー、ケンタッキーフライドチキンなどファーストフード業界全体へも波及する可能性はある。
「美味しく、健康」という、当たり前の生活者心情からすれば、当然の流れだが・・・。





夕方5時のマクドナルド

2008-03-06 23:22:23 | ライフスタイル
久しぶりに、近所のマックへ行った。
平日の3時過ぎ。店内がすいているつもりで行ったのだが、人が多いのにビックリ。
我が家の近くのマックは、ドライブスルーや遊び場がある郊外型店舗。
以前この時間帯で多く見かけたのは、「お誕生パーティー」の親子連れだった。
それが、仕事時間中では?と思われるサラリーマンが、ノートPCを持ち込んでいたり、テスト期間中と思しき高校生がノートと参考書を広げ、友だちと勉強なのかおしゃべりなのか?していた。

そんな店内の一角に「予約」の案内があった。
時間は4時15分~。
何事だろう?と思いながら、空いている席で仕事(といっても、ノートに「アイディアマップ」を書ていた)をしていた。
予定の時間頃、次々と幼稚園児とその母親らしき親子がやってくる。
「こんな時間に、お誕生パーティー???」と思ってみていたら、どうやら「お誕生日パーティー」ではなく、幼稚園かお稽古事の発表会の打ち上げだったようだ。

そんな光景を見ながら、一種の違和感を覚えた。
夕方4時過ぎ(実質パーティーが始まったのは、5時近く)に、子供連れでマックでパーティー(というか、食事会)ということに、違和感を感じたのだ。
今のお子さんたちは、様々なお稽古事で忙しく、当然それに付き添うお母さんたちも忙しいのは分かるのだが、夕方5時近くというのは「おやつ」の時間ではない。
どちらかといえば、夕飯に近い時間帯だ。
まさか、このパーティーで食べるハンバーガーが夕飯代わりになるのだろうか?という、コトを考えてしまったのだ。
その団体さんの近くのテーブルには、幼稚園と小学校低学年と思われる子供とお母さんらしき人が、同じくハンバーガーを食べている。
こちらは、どう見ても夕飯のように見える。

子供の生活時間が大きく変化しつつある、と言うコト知ってはいる。
特に、生活時間帯が朝型から夜型になり、幼稚園や小学校低学年でも朝から活動できないという子供が増えているとも聞く。
その弊害は、想像以上に深刻だという話もあるようだ。
そんな子供の生活時間を大きく狂わせているのは、もしかしたら親なのでは?と、考えてしまったのだ。

もう一つ気になったのは、最近盛んにいわれる「食の安全」ということだ。
マックに問題があるというのではない。
ただ、お手軽なファーストフードで済ませても構わない、という発想に「大丈夫?」という気がするのだ。
何もかも手作りがベストだとも思わないし、忙しいお母さんたちには無理な話だという事もわかる。
なら、時間に余裕のある時に近くの公園(実際、近くに公園がある)で、持ち寄りのランチをしても良いのではないだろうか?
見栄を張る必要も無いだろうし、何よりも子供たちと一緒になって持ち寄る食べ物を作るという時間が、より意味のあるパーティーとしてくれるのでは?と、考えるのである。





母は強し?-三人乗り自転車のおかあさん-

2008-03-04 11:41:01 | アラカルト
新聞各紙のWEBサイトをチェックしていたら、中日新聞のWEBサイトに母は強し…反発受け容認検討 警察庁“幼児と3人乗り”専用車開発でという記事があった。

以前から、幼児との三人乗り自転車運転(というのだろうか?)については、その危険性が指摘されてきていた。
そこで、携帯電話やヘッドフォンステレオなどを使用しながらの運転の規制とあわせて、この春から罰金の対象となる予定だった。
それが(若い)お母さんたちから反発を受け、一転規制から「専用車」の開発へとなったようだ。
その事自体は、良いことだと思う。
ただ気になったのは、「女性の社会進出を無視する政策」などと若い母親を中心に反発する意見が同庁などに相次いだ」という、一文だ。

幼児との三人乗り規制が、女性の社会進出を無視する政策だとは思えないからだ。
確かに、小さなお子さん達の子育て真っ最中の働くお母さんにとって、保育園などの送り迎えが大変なのはよく分かる。
実際、自転車の三人乗りという現実もあるだろう。
だからといって、直接的に女性の社会進出と結びつけるのは、やや乱暴な気がするのだ。

お子さんの成長期に合わせ、移動手段も変化しているはずだ。
何よりも、子育て期間の雇用のあり方を考え直す事のほうが、優先なのではないだろうか?
「女性が働きやすい職場環境」という考えの中には、「子育てがしやすい」ということも重要な要素だが、そこには自転車の三人乗りという要素は含まれていないと思うのだ。

実際、「幼児を乗せた三人乗り自転車運転」という状況は、どんな状況の時なのだろう?
「通勤までの間に、保育園や幼稚園に子供を預ける」、「(近所の)スーパーに買い物に出かける」などといった場面なのではないだろうか?
「保育園や幼稚園に子供を預ける」という場合、より安全に子供たちを預けられる方法をまず考える必要があるだろうし、「スーパーへの買い物」というのであれば、また違ったコト(まさに「専用車」)を考えるべきだろう。

報道の云々というコトだけではなく、「本当の問題点」をキチンと把握した上でイロイロな政策を考えていかなくては、「あ~ぁ、勘違い」という制度を作ってしまうだけなのではないだろうか?



もったいない休耕田-休耕田とエネルギー開発-

2008-03-03 23:19:23 | ビジネス
先日、東北農政局が田んぼから他の穀物栽培への転換を推進するためのポスターについて、エントリした。
その東北農政局が使ったキャッチコピーが「もったいない」だった。
米余りの現状を踏まえ、減反政策を推し進めるためのポスターという事だったのだが、考えてみれば、70年代から日本の農政というのは「減反+補助金」しかなかったように思う。

減反政策を始めてから30数年、日本の農村部にはアチラコチラで「休耕田」が見られる。
お米も穀物も野菜も作っていない「土地」なのだ。
とすれば、この「何も作っていない土地」でお米以外の穀物を作るための方策があっても良いのではないだろうか?
もちろん、一端休耕田となってしまった土地を再度農地とするためには、それなりの費用がかかる。
その費用を補助金というカタチで、援助し、できた農作物、特に穀物などの一部はバイオマスエネルギーとして使う、もちろん国内自給率を上げるために使うコトを主な目的とするのだ。
バイオマスエネルギーを作るための施設は、輸送コストなどを考え農地の近くに造るなどの配慮が必要だろう。

都市に集中しつづける様々なモノ・コトを分散させ、地方経済の自立という事を考えれば、「お米が余るから作るのがもったいない」ではなく、現在打ち捨てられた休耕田を放置することのほうが「もったいない」と思うのだ。

一方、お米好きな私としては、お米の消費を推進する方策があっても良いように思うのである。
確かに、お米を研ぐ・浸す・炊くというのは、面倒臭い手順だといえば言える。
そんな面倒な手順を一つでもなくすために「無洗米」などが、販売されるようになった。
何よりも「太る」以上に、様々な栄養価を含んだ食品である事を、もっと強調しても良いと思う。
パンをはじめとする小麦粉を使った「粉食」も、それなりの美味しさはある。
私も「粉食」決して嫌いではないし、ご飯とは違う手軽さがある。
食のバラエティさがあるからこそ、米食の大切さが必要なのではないだろうか?
食糧庁などが「めざましごはん」などのテレビCMで、お米の消費推進を図っているようだが、駅前に「おにぎり+味噌汁」のファーストフード感覚のテイクアウトショップなどを、駅前商店街などと協力しあって、生活者に提案していく事も大切だと思うのだ。

やや本筋からは外れてしまったのだが、減反するだけの農政では農家も都市部の生活者も豊かにはなれないように思うのだ。



ビールや発泡酒のトレンドは、健康志向

2008-03-02 22:40:16 | CMウォッチ
2月下旬から春向けビール(発泡酒他を含む)のCMが、多くなってきた。
今年目立つのは、発泡酒を中心としたビールテイスト酒の「健康志向」だ。
キリンでは、「麒麟ZERO」 
アサヒは、「スタイルフリー」 
サッポロが、「ビアファイン」という糖質50%のビールの他、「ビバライフ」という糖質0%、アルコール5%という発泡酒の販売を予定している。
サントリーは、「ゼロ生」という発泡酒を今週にも発売を始める。
サントリーの場合、年明け早々から始めた「ダイエット生」のテレビCMのほうが、印象的に強くあるのではないだろうか?

「ダイエット生」のテレビCMを見て、スターウォーズのタイトルロールを思い出した人も多かっただろうし、あのナレーションを聞いて「ノストラダムスの大予言」を髣髴とした方も少なくないだろう。
何よりも最初のタイトルロールとナレーションで「メタボ元年!」と、言い切られてしまっては、ビール腹のオトウサン達にはググッとくるものがあったのではないだろうか。
この「ダイエット生」のテレビCMは、単にカロリーオフを強調しているだけではない。
今年の4月から40歳以上の健康診断に、いわゆる「メタボ検診」が含まれコトに呼応しているのだ。

ビール業界も、ビールそのものの売上は低下し、代わりに発泡酒や新ジャンルと呼ばれる「第3のビール」へ移りつつある。
「ビールよりも価格的に安い」というのがその理由なのだが、ビールテイスト酒類の原材料となる穀物類の価格高騰は、それら発泡酒や第3のビールの売上への影響も大きいと考えられる。
今やビール業界での主流となりつつある発泡酒や第3のビールに価格以外の付加価値をつけるためには、「健康志向」と言うコトを打ち出す必要があるのだ。
そのためなのか?サントリーを除く発泡酒は、若手俳優さん(殆どの場合男女二人を起用)や元プロ野球選手の古田敦也さんを使い「さわやか感」を出している。
サントリーの場合は、その商品のポイントとなるコトをダイレクトに言っている分、やや濃い感じがする。

ビールも時代の要求に合わせ、変化しつづけている・・・そんな感じを受ける、この春のビール・発泡酒テレビCMだ。

地方に残る「ひな菓子」

2008-03-01 22:22:37 | ライフスタイル
今日から3月。
3日は、お雛祭りだ。
先日テレビのローカル番組を見ていたら、懐かしいモノを見た。
それが「おこしもの」と呼ばれる餅菓子だ。

私が名古屋に引っ越してきた頃、スーパーの隅で「木型」を売っていて、一体何に使うものなのか分からなかった。
今では、そんな菓子型もスーパーでは見かけることはなくなってしまったのだが、名古屋の古いお宅では今でも「おこしもの」を作って、おひな祭りをお祝いする家庭があるのかも知れない。

餅菓子といっても、杵と臼を使って作るお餅ではなく米粉などを使って作る女性でも作れる蒸し餅菓子だ。
木型も、女の子のしあわせを願う様々な縁起物が使われている。
ただ木型そのものが手に入りにくいことや、その木型が高価になり、古いお宅でない限り作ることが難しくなっているようだ。

今では「ひな菓子」といえば、「菱餅」、「ひなあられ」が一般的だが、考えてみればこの「おこしもの」に限らず、全国には伝統的な「ひな菓子」というモノがあるのではないだろうか?

おひなさまの「ちらし寿司」にしても、使われる具材はイロイロだろう。
その地方で春を感じられる海鮮や山菜など、「季節の元気を頂く」ような食材が使われているはずだ。

「おせち料理」に限らず、日本の伝統食には食べ物に意味を持たせ、お祝いをすることをしてきた。
食に対しての不安がある今だからこそ、「食べ物に意味を持たせ、食を大切にする」感覚も大切にしたいと、感じるのだ。
それだけではなく、地元に残る「伝統行事食」にも関心を持つことで、その行事に込められたモノ・コトを大切にしたいと思うのだ。