日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

チベットとオリンピックスポンサー

2008-03-22 21:17:10 | マーケティング
チベット騒乱が収拾どころか、拡大に一途をたどっている。
そんな中、産経新聞のWEBサイトにチベット騒乱で五輪スポンサーにも厳しい判断と言う記事が掲載されている。

今や世界的スポーツイベントには、世界的企業がスポンサーの協力が無ければ成功しないと言われている。
もちろん、スポンサーとなる企業にとっても大きなメリットがある。
なぜなら、オリンピックにしてもサッカーW杯にしても、1業種1企業と決まっていて、スポンサーになれば、広告やイベントツアーなどの景品企画などの販促だけではなく、企業が使う封筒などの備品などにもそのマークが使える。
グローバル企業であると言うアピールにもなるし、イメージアップや社会的信頼も得る機会としては、投資以上の効果が期待できる。
その一例が、クレジットカードのVISAとマスターカードだろう。
マスターカードは、フランス大会以降サッカーW杯のスポンサーだ。
対してVISAは、オリンピックのスポンサーとして定着している。
その結果、アメックスやダイナースなどとはまったく違う、顧客獲得に成功している。
今では、アメックスやダイナースなどよりも有名で、親しみがあるかもしれない。
それほど、世界的スポーツイベントのスポンサーになると言うコトは、企業メリットがあるのだ。

ところが、今回のチベット騒乱によって北京オリンピックスポンサー企業が、厳しい判断に迫られている。
もちろん、既に支払ってしまった高額すぎるスポンサーに対する解約と言う問題もある。
それよりもスポンサー企業を悩ましているのは、北京オリンピックスポンサー=中国政府寄り=人権問題に対して関心が無く、人権を軽んじている国を支援している、と受け止められるのではないのか?と言う心配だ。
特にヨーロッパ企業にとっては、人権と環境に無関心な企業と言うのは、致命的なマイナスイメージとなりかねないからだ。
他にも、マクドナルドのように「世界の子供の日サポート」をしている企業には、企業理念と反する行動となりかねない。

中国政府が、チベットとダライ・ラマ14世を攻撃すればするほど、北京オリンピックボイコットだけではなく、スポンサー離れをおこしかねないということが分からないのだろう。
とすれば、中国はまだまだオリンピックなどの世界的イベントを開催する力が無い、と判断されても仕方ないのではないだろうか?
その意味で、中国は国内ばかりで世界の自分と言う視点を忘れているように思うのだ。
まぁ、「俺様、世界中心主義」と言う国だから、仕方ないのかも知れないのだが・・・。