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女性マーケターから見た日々の出来事

冷静さが求められる情報

2012-01-25 20:50:37 | 徒然
一部新聞のWEBサイトでは、福島県の子どもたちの一部に「甲状腺の異常が見つかった」という報道がされている。
この見出しだけを見て、「東京電力福島第一原子力発電所事故によるもの!」と、騒がれるのでは?と、少し懸念をしている。

先週あたりから、「福島県内のマンションで高い放射線を観測した」と、話題になっている。
話題というよりも、問題といったほうが良いのかも知れない。
この件に関しては、既に詳細が報道されているので拙ブログで書く必要は無いと思う。
ただ気になるのは、昨年夏の世田谷でのラジュウム騒動に比べ、なんとなく騒ぎ方が静かな気がしている。
確かに、都市部の住宅地でラジュウムが発見された、というのは問題だとは思うが、本来であれば、人的被害が大きいのは今回の件だと思う。
そこに、違和感のようなモノを感じてしまうのだ。

今回の福島の子どもたちの一部で見つかった甲状腺異常、という問題。
東京電力福島第一原子力発電所事故以来、何かと参考とされているのが旧ソ連で起きた「チェルノブイリ原子力発電所事故」だが、そのチェルノブイリでも子どもたちの甲状腺がんが発症し始めたのは、5年後だった。
そのことを考えれば、今回の福島の子どもたちに関しても、東京電力福島第一原子力発電所事故との関連は余り無いといえる。

しかし、今の日本の「放射能(または「放射線」)に対するヒステリックなほどの反応を見ると、また一部週刊誌などが騒ぎたてる様な気がしている。
なんとなくだが、今の日本のヒステリックな騒ぎ方は、「放射能(あるいは「放射線」)というコトバだけに振り回され、本当の事故の姿を見えにくくさせているような気がするのだ。
確かに、東京など人口の多いところでの放射能の問題、というのは被害者が多いような気がしてしまうが、もっとも注意を払い情報を収集する必要があるのは、事故のあった福島のコトではないだろうか。
ヒステリックに騒げば騒ぐほど、「福島の今とこれから」という視点が、抜けていってしまうような気がするのだ。

福島県(特に避難地域に指定されている地域)の子どもたちの心配が、それ以外の地域の子どもたちの直接的な心配とは結びつかない、という冷静さが必要だと思う。
そして、避難地域に指定された地域の住民と東京電力福島第一原子力発電所事故処理に当たっている人たちの、長期に渡る定期的健康診断だけは、無料で確実に行われる必要があると考えている。

今一番大切なことは、「ヒステリックに騒ぐ不安の正体」を知り、そのことに対しての正しい知識を得ることなのでは?



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