先日、知人とSNSのDMで連絡を取り合っていた時、偶然その方の高校生の息子さんの話題がでた。
学年末になり、残すは終業式位になっているので、家にいる時はオンラインゲーム三昧、という話だった。
私の周囲には、高校生のお子さんがいらっしゃる方がほとんどいないので、「へ~そうなんだ」と思いながらDMを読んでいたら「オンラインゲームで友達としゃべっている」という。
私の中では「オンラインゲームでしゃべる???」と、頭の中が疑問符だらけになってしまったのだが、スポーツ紙に掲載されたある記事を読んで、その意味が分かったのだ。
その記事とは、お笑いコンビのドランクの鈴木拓さんが、ADさんの「仕事をやめて、海外に行く」という話から、「闇バイトじゃないの?」と引き留めの為に、オンラインゲームで説得した、という話だった。
東スポ:ドランク鈴木拓 オンラインゲームで”闇バイト”引き留め成功 千原ジュニア「説得力あったんや」
リンク先の記事を読んでいただくとわかるのだが、先月、日本の高校生がミャンマーで身柄を確保された、という事件があった。
その後、その高校生は日本に帰る飛行機の中で逮捕されたのだが、「闇バイト」でミャンマーに行く切っ掛けとなったのが、オンラインゲームだったようだ。
NHK News Web:ミャンマーで愛知と宮城の高校生2人保護 特殊詐欺に加担か
昨年秋ごろに問題となった「闇バイト」の主犯格が使っていたツールはSNSから誘導し、時間経過と共に消滅するDMのようなツールを使い、指示を出していた、と言われている。
おそらく時期的にはこのような手法の他に、オンラインゲームで親しくなり、闇バイトの誘導するようなやり方が、行われていたのだろう。
逆にオンラインゲームであれば、そのユーザーは幅広い。
今回特殊詐欺に加担したのが、高校生ということを考えれば、オンラインゲームの利用者層の厚さが分かるような気がする。
かつてのような「闇バイト=SNS」という時代ではない、ということなのだろう。
オンラインゲームが、闇バイトの入り口となっていることに、驚いたのは当然だ、今の若い人達、特にZ世代と呼ばれる世代にとって、文字情報よりも映像と音声による情報の方が、受け入れられやすいということになるということだろう。
しかも、テレビのような一方通行となる情報発信よりも、相互関係をつくりやすく共感性を呼びやすいモノが、オンラインゲームやショート動画の配信サイトのような気がしている。
オンラインゲームでどのような会話が展開されているのかはわからないのだが、その感覚は物理的な距離感よりもずっと身近な感覚なのだろう。
だからこそ、「共感性」が得られやすく、「共感性が得られやすい」ということは、「同調性がある」ということでもある。
「共感性と同調性を瞬時に得られる」という媒体は、企業にとって魅力的ツールなはずだ。
そのように考えると、「コミュニケーション」として使われる媒体が、変化し始めているということだろうし、若い世代(=Z世代より若い世代)は、「タイパ」という言葉に象徴されるように、「即時性による共感」が得られないと、心動かされないということなのかもしれない。