昨日のYahoo!のトピックスに、5年前のJR九州のCMが話題になっている、という内容が取り上げられていた。
5年前の3月9日、九州で放映が始まり11日に起きた「東日本大震災」の自粛ムードで、放映が中止された「九州新幹線、全線開通」のCMだ。
テレビCMとしては、放映された期間が短かったのだが、その後「CMのアカデミー賞」とも呼ばれる「カンヌ国際広告祭」で、金賞を受賞するなど、CMとしての評価は高く、その後「東北応援CM」へと発展をしたCMでもある。
youtube:カンヌ国際広告祭で金賞受賞
youtube:【東北応援編】九州新幹線全線開通CM+JR東日本(編集)【繋がれ日本】Love of Japan by an earthquake
このCMを見るとわかるのだが、有名な俳優さんもタレントさんも登場しない。
登場するのは、九州新幹線全線開通を喜ぶ、一般の人たちだ。
ただ、その人達が満面の笑みで新幹線に手を振り、時には旗を持ち駆ける姿は、なんとも言えず「元気」な気持ちになる。
昨年「東日本大震災」で被害にあい、復旧が遅れていた「三陸鉄道」が完全復旧をした時も、同じように沿線沿いの人たちが笑顔で手を振り、時には大漁旗を振ったり、旗を持ち駆ける姿がニュースで紹介された。
このときのニュースを見て、「あぁぁ~、ここまで東北は復興してきたのだな」という、一種の安堵と喜びを感じた方も多かったのではないだろうか。
そう感じさせたのは、沿線沿いで手や大漁旗を振ったりした人達の「(自然な)笑顔」だったのだと思う。
今回、熊本・大分を襲った大地震でテレビCMは、「東北大震災」の時のような自粛ムードになっている(という)。
確かにこのような時期に、パチンコなどの遊興業のCMは、自粛してもしかるべきだと思う。
ただ、JR九州の「九州新幹線全線開通」のような、見ている人たちが元気になるようなCMは、積極的に流すべきではないだろうか?
CMには「商品やサービス」を宣伝するためのCMと、企業を宣伝するためのCMがある。
「商品やサービス」の宣伝CMでは、人が笑顔になるCMというのは難しいとは思うが、「企業CM」であれば表現できる可能性は高い。
なぜなら企業CMは企業をアピールするよりも、その企業の企業理念や社会活動を伝えるためのCMだからだ。
そして多くの企業は「人を幸せに、笑顔にしたい」という、思いを持っているのではないだろうか?
そのための「笑顔のCM」というものを、企業側も創ることでこのような災害時に対応することで、日本を元気にさせることができると思うのだ。
自粛CMとして使われるACのCMが、悪いわけではない。
ただ、道徳的内容のものが長時間流されると、どこか息苦しさを感じるのでは?
その「息苦しさ」を感じさせない企業CMが、あっても良いと思うのだ。
そして、「九州新幹線全線開通」で感じたもう一つのことは、後日エントリします。