今週に入り、Yahoo!のトップに度々表示される広告の一つに「サントリー。クラフトセレクト」がある。
サントリー:CRAFT SELECT CM
昨年ごろから、ビールの市場が少しずつ変わり始めている。
以前は、発泡酒や第3のビールなど「ビール風味のアルコール飲料」が、人気となっていた。
それが、発泡酒人気にかげりが出始め、価格で選ぶなら第3のビール、という生活者の志向が顕著に表れ始めた。
もちろんメーカー側も手をこまねいているわけではなく、発泡酒に「健康」というキーワードを結びつけ、痛風の主な原因とされる「プリン体0」や「糖質0」を謳う商品などの開発をし、第3のビールとは違う「機能(というと変だが)」を持たせることで、新しい市場を創りだしていった。
そのような「ビール風味のアルコール飲料」人気とは別に、少しずつではあるがビールそのものの人気も復活しつつある。
復活の切っ掛けとなったのは、ご存じの「プレミアムビール」と呼ばれるビールだ。
元々は贈答市場で人気があった「プレミアムビール」だが、実際に飲んでみると「ビール風味のアルコール飲料」とは違う本格的な美味しさに、特別な日のビールとして人気が復活しつつある。
もう一つビール人気の復活に一役買ったのが「クラフトビール」と呼ばれる、ビールに果物などの風味が加わったビールだ。
「クラフトビール」に手が出しにくい大きな理由は、「自分好みのクラフトビールと出会う」ことの難しさだったような気がする。
実際、国内で販売される普通のビールでも、「キリンの苦味が好き」という方もいれば「アサヒのキレがあるおいしさが良い」という方もいるだろう。それぞれのメーカーやブランドによって、一言でビールと言っても好みがわかれる。
その好みがよりはっきりと分かれるビールが、「クラフトビール」だろう。
だからこそ「いろいろなクラフトビールを飲みながら、自分の好みを見つけたい」という人にとって、サントリーが仕掛ける「CRAFT SELECT〈クラフトセレクト〉」は、気軽に楽しめる「クラフトビールビギナー」向けの商品という気がする。
もちろん、本格的な「クラフトビール」を随分前から手掛け、ベルギービールのコンテストで最高位金メダルを受賞した、日本酒メーカー・小西酒造のビールもある。
10年ほど前の「価格重視」のビールから、「自分の飲みたいビール」へと変わりつつあるのが、今なのかもしれない。
名古屋の桜の名所の多くは、今週末が見ごろを迎えそうだ。
「美味しいビールを飲みながら、夜桜を楽しみたい!」という方も多いだろう。
ビール選びの新しい選択しとして「クラフトビール」が、当たり前になるかもしれない・・・と、感じさせるのだ。
「夜桜を楽しんだら、綺麗に片づけ飲酒運転をせずに帰宅するのは、夜桜見物のマナーの基本」ということだけは、忘れずに守りたい。