日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

方向性が違ってきているのでは?-市民放射能測定ー

2011-10-29 22:27:48 | 徒然
先日、東京の世田谷区で高い放射線量が計測されたと、問題になった。
結局、放射線が測定されたお宅の床下から、ずいぶん古い塗料が見つかり、それが原因だったらしい、というコトになった。
そして今日、同じく世田谷区にあるスーパーマーケットの駐車場でも高い放射線量が測定された、と問題(というのだろうか?)になっている。

この2件とも高い放射線量を測定したのは、役所や東京電力などではなく、いわゆる市民グループによるもの。
さまざまな意見があると思うのだが、役所などに代わって自主的に放射線量を測っているという、市民グループの通報というコトに、なんとなく違和感を感じている。

確かに、東京電力や役所が発表する内容が信じられないから、自主的に測定をしていらっしゃるのだと思うのだが、そもそも福島から遠く離れた東京でなぜ、それほどまでに神経質になって市民グループが測定をするのだろう?
測定をする、といっても「放射能」は測定できても、それが「どんな放射性物質」なのかは、わからない。
実際私たちの生活圏には、さまざまな放射能を発するモノがたくさんある。
野菜にしてもカリウムが含まれている野菜は、放射線を発しているといわれているし、ラドン温泉などは、まさに放射能を発する温泉だ。
温泉が全国各地にある日本なら、全国各地で高い放射線量が測定されても、不思議ではないと思う。

そのような事情というか、状況を考えると、自主的に放射能測定を市民がする、という意味はどこにあるのだろう?と、考えてしまうのだ。
コトの始まりは、東京電力「福島第一原子力発電所」での事故だったはずだ。
それが今では、その事故よりも放射線ばかりが話題になってしまっている。
一番大切なことは、「福島第一原子力発電所事故」の早期収束のはずだ。
そこをおざなりにして、放射能が怖いから高価で確実な測定ができるといわれている測定器を使って、あちらこちら測定して回る、というのはどこか本来の問題からずれているような気がするのだ。
もちろん、それを「大事件!」とばかりに、報道するほうにも問題があると思う。

物事の本筋を見ないで、騒いでいるような気がするのは私だけだろうか?