日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

数字は信頼できるのか?

2011-10-04 20:33:05 | 仕事のコツ
「マーケティングの仕事をしています」と言うと、「あぁぁ、マーケティングリサーチの仕事をしているんですね」と、言われるコトが多い。
もしくは「統計を取る仕事ですね」と、言われるコトもある。
どうやら世間的には「マーケティング=統計分析」というイメージが強くあるらしい。

ところで「統計数字」というのを、疑ったコトはあるだろうか?
国が行う「人口統計調査」などは別にして、企業が行う「嗜好調査」や「意識調査」などだ。
場合によっては、テレビ局の人たちが戦々恐々とする「視聴率」や、「内閣支持率」と行った調査の統計数字だ。

テレビ局と新聞社が行う「内閣支持率」などは、自動抽出で電話をかけ回答を求めると言う形式を取っている。
問題なのは、対象世帯数と回答率だ。
現在の様に、固定電話よりも携帯電話の方が台数が多くなると、当然固定電話を持っていない家庭も増えてくる。
これまで、一人世帯なら携帯電話だけしかない、と言うイメージだったかも知れないが、今は一人世帯以外でも固定電話を持っていない家庭は多くなっているのではないだろうか?
と言うのも、WiFiの様に無線でインターネットが普通にできるようになると、固定電話を設置する必要そのモノがなくなりつつあるからだ。
何よりも、その方が通信費用を抑えるコトができる。
また、固定電話を持っている若年世帯だけではなく、高齢者世帯でも「オレオレ詐欺対策」として、普段から「留守番電話」にしている場合も増えてきているのでは?
その様に考えると、一見納得できそうな「内閣支持率」であっても「本当に?」と、考え直してみる必要が出てくる。

テレビの視聴率に至っては、相当限られた世帯数を対象としている。
テレビ番組が深夜放送されなかった頃(今から35年くらい前)、放送が終わると「砂嵐」状態画面になったが、その時間帯でもわずかながら「視聴率があった」と言われていた。
それは「テレビのスイッチがついていた」という状態であって、「テレビを見ていた」という訳では無い、と言うコトになる。
それでも「視聴率」として、数字が上がるのもまた事実なのだ。

その様に考えると「市場調査の数字って、本当にそうなの?」と、一度疑う必要がある。
むしろ、この「疑う」というトコロからスタートすると、思っている。
その「数字」が出てくる背景にあるモノ・コトとは?と言うトコロを想像し、逆の視点から見えるモノは何だろう?と、考える・・・それがマーケティングの仕事の一つだと思っている。