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「ふるさと納税」よりも「排出税」-地域格差解消の提案-

2008-01-29 21:51:38 | トレンド
今や「エコロジー事業・エコロジー産業」ということばは、耳にたこができるほど聞いてきたことばの一つだろう。
と言うものの、実際産業界では「エコロジー」だとか「環境保護」の両立と言うのがなかなか難しい状況にある。
自動車業界などは、「電気自動車」や「水素エンジン」などの開発に余念がないようだが、日本中に走っているクルマ総てが「エコ・カー」になるまでには、相当の時間がかかるだろう。

昨年あたりから、時折耳にすることばに「排出権ビジネス」がある。
CO2などの排出量を、一つの権利として売買すると言うモノだ。
CO2などの排出量が多ければ、少ないところから買い取ると言うようなイメージだ。
もちろん、技術提供などによって排出量削減の対象となる「権利」でもある。

そこで考えたのだが、昨年話題になった「ふるさと納税」ではなく、「排出権税」のほうが分かり易いのではないか?と思ったのだ。
都市部のCO2などの環境負担分を、自然豊かな地方に税金として振り当てると言うことだ。
それを植林事業や農業、特に無農薬農法や伝統野菜などの栽培をしている地域、水産業などの振興策として「地方交付税」としてではなく、「日本全体の排出量削減振興金」とすると言うイメージだ。
他にも、バイオエネルギーの研究施設を都市部ではなく地方に誘致させるなど、これまでの「化石エネルギー」主体のエネルギー政策から、エコロジーエネルギーへの転換施設の振興を地方に持っていくのだ。

今回の「ガソリン税」問題で、思っていた事なのだが、今の日本は地方のモノ・コトを都市部に集中させ、大きく発展してきたのではなく「搾取」して都市が巨大化してきたのではないだろうか?と言うことだ。
「搾取」と言うことばそのものはあまりよい表現ではないが、膨大なお金を投入して造られつづけた「道」は、「都会と田舎を結ぶ道」ではなく「田舎から都会に行くだけの道」だったのではないだろうか?
その結果、地方の高齢化は進み、産業そのものが疲弊することになってしまったのではないだろうか?と思ったのだ。
地方から「ひと・モノ・金」を、奪い去ってしまったのが、自己益と言うエゴで造られた「道」だとすれば、その「道」を「田舎へと行く道」へと変える必要があるのではないだろうか?

都市部で、CO2削減のための植林事業などは、望めない。
「バイオエネルギー」施設なども、都市部で造るより地方のほうが作りやすいのではないだろうか?
なぜなら、地方には「企業誘致」に失敗した「工業団地」が数多く存在し、「工業団地」整備のために投入された税金が、地方財政を圧迫しているからだ。

「道を造る」のなら、「田舎から都会に行く道」ではなく「都会から田舎へ行く道」でなくては、地方はますます疲弊するだろう。
そのための政策が、求められているのではないだろうか?