日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

「商売繁盛ササ持ってこい!」-投資と労働-

2006-01-09 20:43:50 | アラカルト
昨日のエントリー「無事でよかった」にコメントをくださった、星の王子様ありがとうございました。
本当に、子供たちが生き難い社会にドンドンなっていくようですね。
特に自己欲を満たすために、安易に子供の命を奪ったり、借金返済目的の「営利誘拐」等・・・いつから、日本は物騒な国になってしまったのか?
この責任は、私を含めた大人にあるわけですが・・・。

明日は「十日戎」。
関西(と言うより、大阪)では、「商売繁盛ササ持って来い」という掛け声と共に、商売繁盛を願う、新春の行事が待っている。

と言う訳でもないだろうが、夕方のテレビのニュースを見ていたら、「数年後には日経平均株価が5万円台になるかも知れない」という、証券アナリストのインタビューがあった。
5万円台ですか・・・バブルの時でも3万円台だったことを考えれば、物凄い上昇なんですが・・・。
それを支えているのが、「個人投資家」と呼ばれる人たち。
番組では「241でも、242でもいいから、今すぐ売りたいの。売りなさい!」と声高に電話で指示をする女性の姿。
結局、20万円儲かったそうだ。
それだけではなく、小中学生を対象に株式投資の勉強会を証券会社が実施しているらしい。
これまでは、大学生を対象に大学の授業の一環として、証券マンが「株と経済」みたいな内容で、話をすると言うことはあったと思うが、それが小中学生まで裾野を広げているらしい。

「株式市場」というモノは、確かに経済の一部である。
上場企業は、株と言うカタチで資金調達をし、そのお金を基に様々な研究・開発、製造やサービスを社会に提供している。
だからといって、小中学生にまで株式投資の勉強をさせる必要があるのだろうか?
それより前に「汗をかいて働く」ということの大切さを、学ばせるべきなのではないだろうか?
なぜなら、実際の経済活動は「株式投資」によって行われているのではなく、様々な「商品・サービス」が、「対価」として認められ、売買されることによって、動いているはずなのだ。
何よりも企業が何故「株」を発行し、市場から資金調達をするのか?という、理由や目的、そこに関わる「額に汗して働く人たちの努力」が、分からなければ、それは単なる「マネーゲーム」を教えているに過ぎないのではないだろうか?

バブル絶頂の頃「UpperとLower」という社会構層表現で、一躍話題となった女性がいた。
15年ほど経って、今度は「勝ち組み・負け組み」だとか「下流社会」といったコトバが、目を引くようになった。
バブルの頃話題になった女性は、その後決して「Upper」といえない人生の終焉を迎えた。
上っ面の「経済」を子供たちに教えるよりも、「働いて稼ぐ大変さ」を教えるほうが現実的だと思うのだが・・・。
そう言えば、村上ファンドの村上氏は、子供の頃お父さんから貰った100万円で、株式投資をして、お小遣いを稼いでいたと聞いた。
高校生の頃は「会社四季報」を読みながら、電車通学をしていたとも・・・。
村上ファンド2世を、育てることが日本経済のプラスになるのだろうか?