はんどろやノート

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ニュートリノ振動

2010年06月07日 | らくがき
 ‘ニュートリノ’には質量がない、といわれていた。
 ところが、1998年、日本の飛騨神岡の地下につくられた「スーパーカミオカンデ」による実験が、それまでの定説を覆し、「ニュートリノは質量をもつ」となった。すごい発見だった!!
 戸塚洋二率いる「スーパーカミオカンデ」チームが証明したのは、「ニュートリノ振動」と呼ばれる現象がそこにみられるという事実だった。 さて、それでは、「ニュートリノ振動」とは何か?


 ‘ニュートリノ’には3種類がある。そして宇宙を走る‘ニュートリノ’は、その3種類のニュートリノが混ざっている。(←ここが重要なポイント。)
 物質がもし「質量をもたない」ならば、その物質は“光速”で飛ぶ。だから‘ニュートリノ’も(質量をもたないならば)“光速”で飛ぶ。その場合、3種類の‘ニュートリノ’はどれも“光速”なのだから、同じ速度である。

 ところが、仮に、「‘ニュートリノ’に質量がある」としたら事情は変わってくるのである。
 3種類の‘ニュートリノ’に「質量」があったとしたら、その3種類はそれぞれ「別々の質量」になるはずだと理論から予想される。すると3種類の‘ニュートリノ’はそれぞれ違った速度で飛ぶことになるのである。
 そして、その3種類の「混合」である‘ニュートリノ’は、走る速度が違うから、「振動」を起こす。これが「ニュートリノ振動」である。


 ノーベル賞級の大発見である。

 そのリーダーであった戸塚洋二教授は、ある外国の研究者に「おまえはニュートリノサムライだ」と呼ばれたという。残念なことにサムライは、2008年にガンで亡くなってしまった。(→戸塚氏のブログ
 戸塚洋二さんは小柴昌俊(超新星ニュートリノをとらえて2002年ノーベル賞受賞)の弟子である。またその小柴さんは、朝永振一郎の弟子である。


 もともと「ニュートリノ振動」の考えは、1962年に、日本人が発表したものである。その頃はまだ‘ニュートリノ’は2種類しか知られていなかったが。その日本人とは、名古屋大学E研の研究チーム、坂田昌一牧二郎中川昌美である。
 世界の基礎物理学はいま、‘ニュートリノ’を追っている。そして日本もその最先端を走っている。

 ‘ニュートリノ’
 さてその研究が何の役に立つのか?
 じつのところ、まだそれに対しての答えはないのである。なにしろ‘ニュートリノ’は、ほとんどの物質の隙間をすいすいと通り抜けてしまうから。地球さえも、あっさりと。

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