はんどろやノート

ラクガキでもしますか。

次の一手 問7

2013年10月30日 | 次の一手
 「次の一手 問7 問題図」です。
 先手を勝ちにみちびく「次の一手」は何でしょうか。


 前問「問6」の類似問題。

 先手玉に掛かっている“詰めろ”(7手詰め)をお忘れなく。 



【以下、ヒントとして】

 「問6」と違う点は次の2点。
  
  1.後手の4筋の歩が「4四歩」。 (「問6」では「4三歩」)
  2.先手の1筋の歩が「1六歩」。 (「問6」では「1七歩」)

 将棋は少し違うと、結論が変わることが多いですが、変わらない場合もある。
 この場合はどうでしょう。


 
 前問「問6」の答えは、「3四桂」でしたが、この「問7」ではその手はどうなのか。
 ちょっと考えてみましょうか。


 この場合も、前問と同じく、これは3四同歩と後手は取るしかない。
 玉が逃げると詰んでしまうことを確認してください。(この図から5手詰めです。)


 3四桂、同歩に、4二角と打つ。
 前問で正解だったこの順、さて、今回もこれで先手が勝てるのかどうか。

 この4二角は、やはり3三銀(または金)からの“詰めろ”になっていますね。つまりこの手は、先手玉に掛かっている7手詰の“詰み”を防いでいますので、“詰めろ逃れの詰めろ”というやつです。
 しかしだからといって、これが正解という保証はどこにもない。

 4二角に、後手はどう指すでしょうか。3三銀からの“詰めろ”を逃れる必要がありますが、案外、手がない。
 後手の応手は次の2つくらいしか考えられません。
 「1二玉」と、「4一桂」です。 (前問では4四角がありましたが、今回はそれはないですね)

 
 「1二玉」に対しては、前問「問6」の解答編で示した通り、先手が勝てます。
1二玉の変化
 3二銀と打つのがよく、2二銀の受けに、2一銀不成、同玉、2四桂。

1二玉の変化
 これで先手の勝ちが確定します。
 (2三銀打なら3三桂成、同銀、同角成で、後手の持駒が「角桂桂桂」なので、先手玉の7五角以下の“7手詰の詰めろ”もなくなっている。)

 よって、問題の焦点は「4一桂」以下の変化に絞られます。

<課題図>
 4二角の“詰めろ”に対し、後手が「4一桂」と受けた局面。
 これを先手が攻め切るか、後手が受け切るか。そういう問題です。
 この図を<課題図>としましょう。

 この<課題図>で、先手はやはり“詰めろ”(または王手)で迫らなければいけません。
 するとここでの候補手は次の3つ。
  (a)3一銀
  (b)4三銀
  (c)6三成香

  (4三銀、それから6三成香が、それぞれ“詰めろ”になっていることを確認してください。なお、9一金は詰めろになっていないので先手負ける。)

 このうちのどれかの手で、先手は勝てるかどうか。
 もしも<課題図>が「先手勝ち」となれば、やはりこの「問7」の答えも、「3四桂、同歩、4二角」が正解手順となります。
 しかしそうでない場合、つまり先手が「勝ちきれない」となれば、別の手を検討する必要があります。

 自玉の“詰み”にも気をつけないといけませんね。
 この問題図では(前問でも同じですが)、後手の現状の「角銀桂」の持ち駒では、先手玉は8八竜とされても詰みません。桂馬が一枚増えて「角銀桂桂」でも詰みません。
 しかし、「角角桂」となった時は8八竜~6六角から詰む、ということを頭に入れておいてください。




【ここからは、おまけの話】

 3四桂、同歩、4二角、1二玉と進んだ時、「3二銀で先手勝ち」と書きました。それが僕の結論ですが、それ以外の有力手に触れておきます。
 1二玉に、「3三桂成、同桂、3一角成」という手です。


 先手玉は、後手の持駒が「角銀桂桂桂」ではまだ詰みはないし、後手は金を持っていないのであちらは“受けなし”に見えます。
 単に3一角成だと2二銀とはじかれるのですが、3三桂成、同桂を入れることで、今度は2二銀にも2一銀~3二馬で詰みますね。なかなか気の利いた手順に思える。
 ところがこの図は受けがあって後手が勝ちとなる。図で5三角が鮮やかな返し技。


 5三角、同馬、8五桂、8六玉、6六銀。
 5三角は“王手”なので取るしかない。


 後手玉は詰まず、先手玉は“必至”になっています。


 後手が「1二玉」の時に、「やった、3三桂成、同桂、3一角成で勝ちだ!」などと思ったら、すってんころりんと負けになるというお話でした。 (僕自身が最初、そう思ったのでした。)

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3 コメント

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温泉宴会のお知らせ (かわい子)
2014-02-15 13:45:06
引っ越した住所が不明なので 実家に送ったら 戻って来ました。
行く気があれば お字書きまで お越しください。

って、ここも更新止まってるけど、活きてるかな?
返信する
次の一手7 (modora)
2014-03-08 05:54:04
初めまして、たぶん間違いですが・・・3三桂成で。
同桂は3四桂から詰みなので、同玉。以下3四歩に、

・同玉は2五銀、3三玉(ここ以外は王手龍とりがある)、2四金に、
①3二玉or4三玉は王手龍とり。
②2二玉なら3四桂、3二玉(1二なら3一角)、5三角。
③4二玉は5二成香、3一玉、5三角、2二玉、3四桂、1二玉、3一角成

・問題は3四歩に逃げられた場合ですが・・・
①2三玉は1五桂から詰み。
②2四玉は2五歩~2四金~3四角で龍をとる。
③3二玉は5三角で、逃げるor桂合は詰みだし、4三銀は2四桂~4三角成で銀を使わせる。
④4三玉は5二角~6三角成で詰ろを消す。
⑤2二玉と4二玉は・・・、わかりません(泣)。

⑤は何かいい手があることを信じたいですが、それじゃダメですね。
返信する
どうも。 (handoroya)
2014-03-13 13:05:50
>かわい子さん
わざわざありがとう。


次の一手問題の解答をせずに放置していました。
解答編を待たれていた方、どうもすみません。近いうちに問7解答編をアップします。
これから書きます。

>modoraさん
解答のコメントありがとうございます。
3三桂成以下の変化を読まれるとは根性がありますね。けっこう変化が広いので作者の自信も心細いものではありますが、この手は「後手良し」という作者の見解です。
3三桂成、同玉、3四歩、同玉、2五銀、3三玉、2四金、4二玉、5二成香は、盲点を突かれました。私が考えていなかった変化です。
私は2五銀のところで、2五金、3三玉、3四銀の変化は考えていまして、4二玉と逃げて、それで「後手優勢」ということで、この問題図での「3三桂成」はないと思っていたものですから。手はあるものですねえ、2四金ですか。3四の空間を開けて5二成香に同玉なら3四角と打てるようにしたと。
しかし、どうでしょう、5二成香を、同玉と取って、3四角、5三玉、7八角となった局面は、「後手有利」ではないかと、あらためて検討して思いました。
そこで後手から8五桂があります。8六玉なら6六銀で先手玉は必至で「後手勝ち」。
8五桂に9八玉には、6六角が詰めろで、先手に受けがないように思います。8九桂も9七香から詰みです。

また、問題図から、3三桂成、同玉、3四歩に、4二玉(または2二玉)の局面も、先手玉への詰めろがほどけていませんし、やはり後手有利という気がします。(おっしゃる通り先手に何かいい手があればというところですね。絶対にないとはいえません。)
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