はんどろやノート

ラクガキでもしますか。

なんぎなことだ

2011年03月24日 | らくがき
 ヨウ素(同位体131)とかセシウム(同位体137)とか、いったいどこから漏れ出てくるのか知りたかったが、どうやらまだ東電でもそれを特定できていないらしい。難儀なことだ。

 ヨウ素って、小学校のときに、デンプンと反応して紫になるとか試験によく出たあれだよね。漢字で「沃素」と書くらしい。人間にとってヨウ素は必須元素でもあり、だから体内に取り込んでしまいやすい、今度の「ヨウ素131」は放射性なのに、ってことなのね。




[追記]
 ヨウ素131について、お勉強したいなって人のためにちょっと追加しました。(筆者の僕はド素人です。念のため。)

 人間の栄養になったり薬や消毒液(ヨードチンキ)になったりする「ヨウ素」は、「ヨウ素127」で、これは自然界にある「安定」元素。 海藻とかにあるんですって。

 一方、それとは違う、ウラン核分裂で生まれ出てくるのが「ヨウ素131」で、どこがどう違うかというと、原子核の中に「中性子」が4つ多い。 多い分だけ、不安定で、そういう物質は自然界には存在しにくい。本来この「ヨウ素131」は自然界にはないはずのもの。4つ多い中性子を抱えてソワソワと「なんか落ち着かんなあイライラするわ!」状態なわけです。ですから、なんとか「安定」を目指してもがく。
 その“もがき”が、放射線なんですね。
 自分の不安定な部分(この場合はは中性子4個)をなんとか放出しようとする。放射線を放出して崩壊(変身)する、それが“放射能”なんですが、その場合にも「アルファ崩壊」「ベータ崩壊」という自然界のルールに従って 崩壊せにゃならん。中性子が4つ多いからといって、簡単には放出できない事情もあるわけです。
 それで彼「ヨウ素131」の場合、ベータ崩壊して「キセノン131」になるそうです。この「キセノン131」もやはり安定できず、また崩壊するんですけどね。


 まあこんな感じで、すべての元素には「同位体」という、中性子の数がちょっと多すぎたり、少なすぎたりして「不安定なやつ」が、ごく少量には自然界にも(あるいは人工的に作られて)存在するようです。それを放射性同位体(ラジオ・アイソトープ)というんです。 あまりにも極端に「不安定なやつ」の場合は、1秒にもならないうちに崩壊していくわけです。放射線を放って。

 中性子の数が1個とか多くても、やっぱり安定してるっていうものもあります。そういうのは、ただの、「同位体」でいいんです。「不安定なやつ」に“放射性”をつける。


 この程度の知識は高校生で理解できるレベルと思います。ですが、受験勉強では必要ないので理系の人でも興味がない人はけっこう知識が曖昧だったりします。大学受験では、アルファ線、ベータ線、ガンマ線、それから半減期くらいの言葉を知っていれば、それですみますからね。
 だけどもうちょっとちゃんと教えたほうがいいんじゃないのかなあ。今度のような場合の「風評被害」とか「過剰反応」を防ぐためにも。

 かくいう僕も、しかし、高校大学時代は受験用の知識にしか目を向けませんでしたね。そんなもんです。「同位体」なんて面倒なもの、この世になきゃいいのに、とさえ思っていました。


 「同位体(アイソトープ)」、“同じ元素でも質量の違うものがあるんだ!”、ということを100年ほど前に発見して、当時のますます混乱してゆく科学界を一歩前進させたのは、イギリスのフレデリック・ソディ。この人も、E・ラザフォードの弟子。「同位体の発見」で1921年ノーベル化学賞受賞。



 福島第一原発の今度の場合、問題はこの「ヨウ素131」「セシウム137」がどこから漏れ出てきたかということ。それがまだわかっていないというのは…どうも、落ち着かんなあ。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« そのうちなんとか | トップ | HI-TEC-C »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

らくがき」カテゴリの最新記事