はんどろやノート

ラクガキでもしますか。

金太郎と香姫

2007年06月28日 | しょうぎ
 さあー、始まりましたねエ、名人戦第7局。
 先手郷田の選択は「角換わり腰掛銀」。森内がそれを受けて立ちました。
 この腰掛銀という戦型は、これまでの名人戦でもほんとうによく出てきています。これを得意とする人が多いからです。谷川浩司、佐藤康光、丸山忠久…。だいたい先手が攻めて、後手が受ける展開になるのですが、後手番が「受けて立ちましょう。さあ、攻めていらっしゃい」という度胸がないと指せないのです。
 「角換わり腰掛銀」はふるく江戸時代からある戦法ですが、この戦法を掘り起こし、研究して使い始めたのが、昭和初期の升田幸三。「角」を使って攻めを組み立てていく升田さんにピッタリの戦法だったのです。
 今月の9日に行われた棋聖戦第1局もこの戦型になりました。佐藤の攻めを、後手の渡辺明が受けて反撃、佐藤が攻めきって勝っています。あの竜王戦第5局角換わり腰掛銀でした。

 僕は四隅にある「」に注目しています。
 「森内名人の将棋は中央志向で…」と鈴木大介八段が言っていたことがあります。そういう目で、今回の名人戦をみてみると、たしかにそのようです。第5局まで、四隅の「」はまったくたたかいに参加していません。
 第3局、森内名人は「」を3段目から4段目にくりだし、郷田の飛車を圧迫しました。第5局では、郷田の積極的な動きに対し、森内は△3三から△4四と上がり、その圧力を押し返すために郷田は角を切りましたが、森内名人は「それを待っていた」とばかりに落ち着いて反撃して勝っています。金や銀で中央を制するのが森内さんの得意戦術のようですね。
 第6局では、森内の二枚の銀が、やはり中央へ出て行きました。そして森内優勢となったのですが、郷田九段は、開き直るように、「危険」と言われていた△1九龍を指しました。このとき、今度の名人戦ではじめて、「」が戦いに参加したのです! そのを、郷田九段が、「△5三」と打ち、勝ちだった森内が「▲4七玉」とまちがえて逆転しました。
 ですから、「」がポイントではないか、と僕はおもうのです。

 第7局… この将棋は、きっと郷田さんは、▲1五歩と端攻めをするでしょう。森内さんの右「」は、まだ1段目にじっとしています。この「」の動きにも注目です。

 郷田さんは第6局から髪を短くしていますね。兄弟子森雞二の「剃髪」を思い起こします。江戸時代の将棋指しのようでもあり、雰囲気があります。
 そして今日の森内名人の羽織には、家紋が入っていますね。気合を感じます。
 さあ、どうなるか、楽しみですねー。森内さんも郷田さんも、今夜は良く寝て、明日ガンバッテください。(お前もガンバレヨ、っと)

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 京須八段の駒 | トップ | 失うものはない »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

しょうぎ」カテゴリの最新記事