ディッタースドルフと言っても、今では知る人はほとんどいないと思うが、モーツァルトと同時代人で、生前はモーツァルトよりはるかに人気のあった作曲家だ。
彼は自伝を残しているが、残念ながら作品については全くといっていいほど触れていない。読者が退屈すると思ったらしい。
創作の過程や苦しみについても書かれていないので、芸術家というよりひとりの恵まれた資質の職人がいかに楽しく人生を送り、出世したかの軌跡になっている。
楽天的なディッタースドルフは、自分の作品が後世忘れ去られるなどとは考えてもいなかった。気軽に作ったジングシュピール「医者と薬剤師」だけが辛うじて残ったと知ったら、どれほど驚くことか。
もっと驚くであろうことは、当時ライバル視されていたモーツァルトの全作品がケッヘル番号をつけられ、200年後も世界中で愛聴されている事実かもしれない。
時の審判のシビアさ。
☆☆集英社ブログ「レンザブロー」にての新連載「はじめてのルーヴル」第二回目は、ロココの先駆者ヴァトーです。どうぞお読みください♪
http://renzaburo.jp/louvre/index.html
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☆『中野京子と読み解く 名画の謎 ギリシャ神話篇』(文藝春秋) 2刷中。
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文春「本の話」から、「自著を語る」(「謎が解けたら、絵画は最高のエンターテインメントになる」)はこちら
↓
http://www.bunshun.co.jp/jicho/1104nakano/index.htm
☆「印象派で「近代」を読む ~光のモネからゴッホの闇へ~」(NHK新書)2刷中。
☆「『怖い絵』で人間を読む 」(NHK出版生活人新書) 8刷中。
☆「芸術家たちの秘めた恋 ―メンデルスゾーン、アンデルセンとその時代 (集英社文庫)
「週刊朝日」書評⇒ http://book.asahi.com/reviews/column/2011100300004.html
☆「残酷な王と悲しみの王妃」(集英社) 2刷中。
レンザブローで本書についてインタビューが載っています。お読みくださいね!⇒ http://renzaburo.jp/(「特設サイト」をクリックしてください)
☆「名画で読み解く ハプスブルク家12の物語」(光文社新書)
14刷中。
☆光文社新書「名画で読み解く ブルボン王朝12の物語」4刷中。
☆「怖い絵」16刷中。
☆「怖い絵2」、9刷中。
☆「怖い絵3」 6刷中。
☆「危険な世界史」(角川書店) 5刷中。
「おとなのためのオペラ入門」(講談社+α文庫)
☆「恐怖と愛の映画102」(文春文庫)
☆「歴史が語る 恋の嵐」(角川文庫)。「恋に死す」の文庫化版です。
sai
彼は自伝を残しているが、残念ながら作品については全くといっていいほど触れていない。読者が退屈すると思ったらしい。
創作の過程や苦しみについても書かれていないので、芸術家というよりひとりの恵まれた資質の職人がいかに楽しく人生を送り、出世したかの軌跡になっている。
楽天的なディッタースドルフは、自分の作品が後世忘れ去られるなどとは考えてもいなかった。気軽に作ったジングシュピール「医者と薬剤師」だけが辛うじて残ったと知ったら、どれほど驚くことか。
もっと驚くであろうことは、当時ライバル視されていたモーツァルトの全作品がケッヘル番号をつけられ、200年後も世界中で愛聴されている事実かもしれない。
時の審判のシビアさ。
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☆「『怖い絵』で人間を読む 」(NHK出版生活人新書) 8刷中。
☆「芸術家たちの秘めた恋 ―メンデルスゾーン、アンデルセンとその時代 (集英社文庫)
「週刊朝日」書評⇒ http://book.asahi.com/reviews/column/2011100300004.html
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14刷中。
☆光文社新書「名画で読み解く ブルボン王朝12の物語」4刷中。
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☆「危険な世界史」(角川書店) 5刷中。
「おとなのためのオペラ入門」(講談社+α文庫)
☆「恐怖と愛の映画102」(文春文庫)
☆「歴史が語る 恋の嵐」(角川文庫)。「恋に死す」の文庫化版です。
sai
長い時間愛されて、生き続けるには多くの人が賛同するだけでなく突発した部分も持ち合わせていなくてはいけないのでしょうか?
生きた時代を考慮しつつ、いつの時代でも愛される作品を意識せず作るのはとても難しいことでしょうが・・・・
どんな曲を書いたのか、聞いてみたいです。
そういえば、フェルメールやエル・グレコも、
20世紀になるまで忘れられていたとか?
時代の評価って、案外いい加減?(笑)
ベートーヴェンは若いころ一度だけモーツァルトの前でピアノを弾いたことがあったんですよ。でもその後本格的にウィーンへ来た時にはすでにモーツァルトは死んでいました。。。
ナックル・ボーラーさん
ほんと、同時代人の評価は外れることはよくありますね。ゴッホやビゼーなどは、あと2,3年長生きしただけで、全然違った人生であったでしょうにねえ。
私は大学で西洋史を専攻し、仕事は某旅行会社の海外旅行添乗員をしており、渡航歴は300回を超えます(主にヨーロッパ)。
バスツアーなどのバスの中でヨーロッパの話をよくしますが、最近は中野京子さんの本からのお話を活用させていただいています。
まだまだ分からないことがたくさんあるヨーロッパですが、その中で今調べていることは、「フランソワ1世はいつモナリザを買ったか」です。ダヴィンチの死後、ダヴィンチの持ち物を相続した弟子のフランチェスコ・メルツィから買ったとする説を長らく信じていましたが、ダヴィンチから直接買ったという説があるということを最近知り、フランソワ1世が買ったときのレシートがあるということでそのレシートを探しています。パリの古文書館にはありませんでした。このレシートが存在するから、1910年にルーブルからイタリア人によって盗まれ、フィレンツェのホテルで見つかった時も、フランスに戻ってきたと聞いています。
また、ダヴィンチとフランソワ1世はゲイの間柄だったそうです。親子以上歳がはなれた二人でしたが、ダヴィンチは誰とも結婚しなかったし、あの時代ゲイ(今でも?)は普通でしたものね・・・ダヴィンチの自画像という説のある(というより死ぬまで加筆していたのだから自分しかモデルはいない?)モナリザですが、もし生前にフランソワ1世に渡すなら、自分の形見に「あげた」のではないかと思うのです。そこに金銭のやりとりはない気がするのです。フランソワ1世はどこに行くにも(お風呂の中まで)モナリザを持っていったそうです。モナリザを観ながら、かつて愛したダヴィンチを思い出していたのではと思います。
それで、私はメルツィから買った(今の貨幣価値で20万円位らしい)説を信じているのですが、何かご存じでしたら教えていただきたく思います。
「吸うべ手」はウケました(あはは)
それはさておき、とってもびっくりした偶然が。。。ちょうど昨夜、必死になってレンザブローの次の原稿を書き終わったところなんですが、それが「フランソワ一世」だったのです!(1月7日掲載)。ただし「モナリザ」については連載の最後に書く予定なので、とっても残念ですが、ここでは購入の過程についてはまだ書けなくて、ごめんなさい。
中野京子さんのご本を、バラバラになっていた私のヨーロッパの知識がひとつひとつ繋がっていく快感を覚えながら、いつも読んでいます。