中野京子の「花つむひとの部屋」

本と映画と音楽と。絵画の中の歴史と。

「ビーバップハイヒール」出演記

2008年06月03日 | 雑記
 朝日新聞ブログ「ベルばらkidsぷらざ」で連載中の世界史レッスン第114回目の今日は「皇妃の死因はDV(ドメスティック・バイオレンス)か?」⇒ http://bbkids.cocolog-nifty.com/bbkids/2008/06/dv_76d1.html
 ハプスブル家皇女レオポルディーネは、ブラジル初代皇帝ペドロ1世の妃となりましたが、彼のDVによって命を落としたのではないかと言われています。そのエピソードについて。

 ところで先日テレビに出るため神戸へ行ったことはちらっと書きましたが、無事先週放映が終わり、ホッとしています。大阪朝日放送(ABC)なので、放映は近畿圏と九州のみ。自分では見られなかったのですけど、週末ビデオをいただき、ようやく見ることができました。

 いやあ、とっても面白かったです!!自分が出たから言うのではなく、ほんとうにすごく巧く作っていました。深夜番組なのに視聴率が13,2%もあったというのですから、見てくださる方も満足してくださったのでは。

 番組名は『ビーバップ!ハイヒール』。司会はハイヒール(りんごさんとももこさん)で、かしこチーム(筒井康隆氏&江川達也氏)と凡人チーム(たむらけんじ氏&ブラックマヨネーズ&磯山さやか嬢)に分かれ、毎回ゲストブレーン(今回はわたし)が出て専門分野について話をし、それをチームの皆さんがいろいろ感想を述べるというスタイルです。

 今回のテーマは、「名作絵画に秘められた<恐怖の物語>」--そうです。まさに『怖い絵』の世界を、という依頼でした。最初このお話があったとき、さすがに尻込みしましたね。だって大阪の方々は道産子のわたしから見ればラテン人ですもん。NHKしか出たことがなかったし、どんなことになるのか、全く想像を絶しました。

 でもまあ、どうにかなるもので、スタジオでは笑いっぱなし。まず絵を見て「これはどんな絵だと思いますか?」というのに対し、ブラックマヨネーズさんの答えが、ほんと、すご~く笑えます(カットされていましたが、江川氏の発想もユニークでしたねえ)。

 とはいえ、お笑いがメインではなく、多くの名画がきちんと紹介されました。ディレクターに美術の大好きな方がいらっしゃるとかで、芸術への敬意がはっきり感じられる作りになっていました。また作品のアップあり、ミニ・ドラマあり、アニメありと、飽きさせない工夫も随所にありました。

 それに筒井氏はご存知のとおり美学出身。たいへんな博識ですから、要所要所で的確な解説を入れてくださり、初心者ばかりでなく絵に詳しい方にも興味を持ってもらえたのではないかと思います。全国放送でないのが残念!


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11 コメント

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些細な疑問ですが・・・ (ミカ)
2008-06-03 10:20:49
「怖い絵2」大変面白く読ませて頂きました。
文章も明快で、知的刺激に満ちた本当に素晴らしい本だと思いました。
ただ、ちょっとした疑問がありましたので、失礼ですが書かせて頂きます。
P200「飼い犬」は、蹄があるのでロバか子馬に見えるのですが。
P200「鞭」は、長剣では?
P201、兵士は「もぎ取ろう」としているのではなく、ナイフで刺そうとしているのでは?
私の見間違いでしょうか。
つまらない事を書いて申し訳ありません。
続編、期待しています。   
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Unknown (ミカさんへ(kyoko))
2008-06-03 12:11:23
 ご訪問ありがとうございます♪
 貴重なご指摘、すごく嬉しかったです。
①これは蹄なのかな?3本は雪に埋まっていてわからず、姿と大きさから犬にしか見えなかったのです。大判の画集でも確認できず(息子の描いた作品はウィーン美術史美術館で5回も見たのに・・・残念)ペンディングにさせてくださいね。
②これは全くそのとおりです。ごめんなさい。4刷には間に合わないので、5刷で必ず直します。
③ここは実は最初「もぎとって刺そうとしている」にしたのです。でもこのページではまだ絵の秘密はあかせないところなので、あくまで母親が抱えているのは「壷」との設定のため、「刺す」という言葉を使うのは敢えてやめました。後ろのページで謎が解ければいいだろうということで、お許しください。
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番組、拝見しました! (たこら)
2008-06-04 00:11:30
毎週、このページがアップされるのを楽しみにしております。

先日の『ビーバップ!ハイヒール』、拝見しました。
すごく面白かったです。中野先生、思いっきりつっこまれていましたね。
関西で「つっこまれる」のは意地悪ではなく、愛情ですので誤解なさらないでくださいね。

ベツレヘムの虐殺の絵画、怖かったです。後世に書き換えられるとは、子が殺戮される姿があまりにリアルだったんでしょうね。
リアルといえば、メデューサの首、怖すぎです。見ながら少々吐き気がしました。あと、ユーディト。怒りや憎しみがひしひしと伝わってきます。
「絵」でどうしてあそこまで表現できるのか、人間の技術ってすばらしいですね。

「ベルばらkidsぷらざ」も楽しみにしています。世界史がますます好きになりました!
これからもワクワクしながら読ませていただきます。
返信する
Unknown (たこらさんへ(kyoko))
2008-06-04 21:17:27
 見てくださったのですね、ありがとうございます♪
 面白かったとのこと、嬉しいです。でも少々、お恥ずかしい。失言したとたん、突っ込まれて。。。いくら愛情にしても(^^:)
 それと関西はエスカレーターの立つ位置が東京と反対なので、頭では覚えていたつもりでも、つい間違えて通行の邪魔になってしまいました。
 
 それはともかく、これからも「世界史レッスン」&ブログをどうぞよろしく!!
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ご返答ありがとうございました。 (ミカ)
2008-06-07 17:02:00
先生からお答えを頂いて以来、身が縮む思いで居ます。ありがとうございました。
実は、前回、訊きそびれた事があり、ずっと胸に支えています。
申し訳ありませんが、また書かせて頂いても宜しいでしょうか。
「怖い絵2」p.200、「ナイフを持つ傭兵の手を押さえている。」とありますが、傭兵の右手にあるのは長剣ではないでしょうか。
剣身が、左脇を抜け、女性の体に達する程伸びている様に見えるのですが。
それとも、ナイフを持っているのは左手でしょうか。
左手は、直下の動物(ロバは撤回します。やはり子馬では?因に左後脚は上げている様に見えます。)の耳を掴んでいる様にも見えるのですが。(つまり、その様に改竄されているのでは、という意味ですが。)
重ねての愚問、どうかお赦し下さい。  
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Unknown (ミカさんへ(kyoko))
2008-06-07 19:57:26
 ナイフの件ですが、ウィーン美術史美術館にあるブリューゲルの息子の模写ですと、後ろで顔を隠している男の服が白っぽいため、はっきり長剣とわかります。ところがこの何者か(ロバか犬かはっきりしないほどへたな画家です~)によって描き変えられている真作の方では、なぜか後ろの男の服の色まで黒に塗りつぶされ、剣先も見えないようになっているのです。左手はブリューゲルの場合、幼児の腕をつかんでいますが、こちらは何をつかんでいるか不明です。
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ありがとうございました (ミカ)
2008-06-07 23:31:16
「犬」は、最初は、子牛だと思っていました。
お忙しい中、親切なご返答をして下さって、本当にありがとうございました。
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「怖い絵1・2」読了 (孤散人)
2008-06-08 17:05:04
はじめまして。

先に結論から。「怖い絵」、続編を期待しています。

そして、要望。

1.できましたら、図版をいまひとつ鮮明なものにしていただきたいのです。(大橋巨泉「美術鑑賞ノート」の紙質で、あの印刷だとうれしいです)

2.文中、ふれられる図版について、所蔵美術館の表記をお願いします。(詳しい方にとっては不要なのかもしれませんが、素人にとってはありがたいはず)

「怖い絵」、「怖い絵2」、いずれも興味をかき立てられる本で、本がお友達のわたしにとっては、ぞくぞくするような快感を味わいました。

奥付からこのブログに来たので、これから読ませていただきます。なんか、いいところを見つけた気分でうきうきしています。

書かずもがなの・・・。
頑張って下さい、なんて。
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Unknown (孤散人さんへ(kyoko))
2008-06-08 22:13:05
 ご訪問&拙著の感想をありがとうございます、とっても嬉しいです♪
 ご要望の件ですが、
 ①これはわたしもそう思うのですが、紙質を良くすると本の値段が高くなるみたいなのです。ほんとうに残念ですけど、美術書ではなく、絵のついたエッセーということで、お許しくださいね!
 ②白黒の引用絵画の方ですね。あ~、考えていませんでしたが、確かにある方が便利ですね。版を重ねるとき、編集者さんと相談してみます。ありがとうございました!
  
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はじめまして♪ (花笑み)
2009-06-05 18:15:08
昨夜、拝見しました。
レーニが描いたと言われる「ベアトリーチェ・チェンチ」・・・フェルメールの「真珠の耳飾りの少女」との関連、興味深かったです。
「真珠の・・・」は実物をフェルメール展で見ましたので、ちょっとびっくりでした。
様々な意見・見方はあるのでしょうが、明るい笑顔が物悲しくみえてきました。
一流の絵画を見るときに、その絵の背景がわかると、別の楽しさがありますね。これからはそんな風に鑑賞しなければ・・・って思いました^^
次回楽しみにしています。
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