中野京子の「花つむひとの部屋」

本と映画と音楽と。絵画の中の歴史と。

「男を騙すのがわっちの仕事」

2012年03月13日 | 朝日ベルばらkidsぷらざ
 朝日新聞ブログ「ベルばらkidsぷらざ」で連載中の「世界史レッスン<映画篇>」第75回の今日は、「まだまだ生きるんでぃ」⇒ http://bbkids.cocolog-nifty.com/bbkids/2012/03/post-6f2e.html#more 去年ニュープリントで公開された「幕末太陽傳」について書きました。

 タイトルの「まだまだ生きるんでぃ」は、ラストに墓場で主人公が死病を指摘され、言い返した言葉。彼はそのままどんどん走り去り、映画は終わるのですが、川島監督は別のラストを考えていたそうです。

 それは幕末の主人公がどんどんどんどん走ってゆくと、そのまま舞台は現代の品川に変わり、雑踏の中、他の登場人物も現代人の姿で歩いていて、そこを主人公だけが江戸の人間の姿で走る続けるというもの。

 この素晴らしいアイディアはーー何と!!--他のスタッフや俳優から反対にあって、ボツになったそうです。断然そのほうがいいのになあ。川島監督が、反対を押し切って我を貫くことができなかったのは、彼自身が病にかかっていて、余命短かったからとも言われています。。。

 わたしがこの映画を最初に見たのはまだ若いころで、テレビで放映されたのでした。
 人気女郎が何人もの客と心中を約束し、本気じゃなかったんだなと責められ、あまりにうるさいのでキレてしまい、「男を騙すのがわっちの仕事!」とつい叫んでしまうシーンに、「ほほお~」と妙に感心したのを覚えています。


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sai
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