中野京子の「花つむひとの部屋」

本と映画と音楽と。絵画の中の歴史と。

秀吉&スペイン史上最悪の王妃&「ベルばらkids」読者プレゼント(世界史レッスン第75回)

2007年08月07日 | 朝日ベルばらkidsぷらざ
 朝日新聞ブログ「ベルばらkidsぷらざ」で連載中の「世界史レッスン」第75回目の今日は、「秀吉の誓詞もカール6世の詔書も、ただの紙切れ」⇒ http://bbkids.cocolog-nifty.com/bbkids/2007/08/post_a0e2.html#more
 絶対君主の死後、王家の血の継続は常に脅かされるもの。断絶の憂き目にあった日本での例、なんとか踏みとどまったオーストリアの例について書きました。

 それはそうと前からひどく気になっていたのだが、淀君の産んだ秀頼はほんとうに秀吉の実子なのだろうか?

 彼には正妻である北の政所ねねの他に、20人近い側室がいた。名門コンプレックスの秀吉らしく、どれもなかなかの家柄だ。
 信長の血をひく淀殿
 彼女と従姉の松の丸殿
 足利将軍の末裔、嶋殿
 前田家の血をひく加賀殿
 宇喜田秀家の母おふく殿
 織田信包の娘、姫路殿
 蒲生氏郷の妹、三条殿 etc...

 誰ひとり秀吉の子を懐妊したことがない。
 
 なのに淀殿だけが、しかも秀吉晩年になって(人生50年といわれた当時の58歳は、かなりの老年であろうに)初めて子ができるということは、奇蹟でなければほとんど考えられない。もしかするとこの時点ですでに秀吉直系の子孫は絶えていた、と言っていいのかもしれない。

 思い出すのは「スペイン史上最悪の王妃」と悪名高いマリア・ルイサだが、彼女は世継ぎの長男とひどく仲が悪く、喧嘩のたびに「このOOO!(差別用語?のため伏字)」と罵り、自分が浮気したことを隠さなかったというから凄い。
 
☆「ベルばらkids」の読者プレゼントは、拙著「怖い絵」を5名様に!⇒ http://bbkids.cocolog-nifty.com/bbkids/2007/08/post_b475.html#more

怖い絵
怖い絵
posted with amazlet on 07.07.14
中野京子 朝日出版社 (2007/07/18)


①ドガ「エトワール、または舞台の踊り子」
②ティントレット「受胎告知」
③ムンク「思春期」
④クノップフ「見捨てられた街」
⑤ブロンツィーノ「愛の寓意」
⑥ブリューゲル「絞首台の上のかささぎ」
⑦ルドン「キュクロプス」
⑧ボッティチェリ「ナスタジオ・デリ・オネスティの物語」
⑨ゴヤ「我が子を喰らうサトゥルヌス」
⑩アルテミジア・ジェンティレスキ「ホロフェルネスの首を斬るユーディト」
⑪ホルバイン「ヘンリー8世像」
⑫ベーコン「ベラスケス<教皇インノケンティウス10世像>による習作」
⑬ホガース「グラハム家の子どもたち」
⑭ダヴィッド「マリー・アントワネット最後の肖像」
⑮グリューネヴァルト「イーゼンハイムの祭壇画」
⑯ジョルジョーネ「老婆の肖像」
⑰レーピン「イワン雷帝とその息子」
⑱コレッジョ「ガニュメデスの誘拐」
⑲ジェリコー「メデュース号の筏」
⑳ラ・トゥール「いかさま師」
















コメント (11)
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