中野京子の「花つむひとの部屋」

本と映画と音楽と。絵画の中の歴史と。

王妃マチルダとクロンボー城(世界史レッスン第43回)

2006年12月19日 | 朝日ベルばらkidsぷらざ
 朝日新聞ブログ「ベルばらkidsぷらざ」で連載中の「世界史レッスン」第43回目の今日は「死へ直結した不倫」⇒http://bbkids.cocolog-nifty.com/bbkids/2006/12/1772_5bb5.html#more
デンマーク王妃マチルダとドイツ人医師ストルーエンゼの悲恋について書きました。
 
 マチルダはいっときクロンボー城に幽閉されるが、この荒々しい北の海に面した城についてはだいぶ前ブログに書いたことがある。以下。

 --シェークスピアはハムレットをデンマーク王子に設定した。エアスン海峡最狭部にあるヘルシングーアという小さな町(すぐ向こう岸にスウェーデンのヘルシンボリが見える。5キロしか離れていない)にあるクロンボー城。かつてここに居住していたAmleth王子の名前を借りたのだ。語尾のhを語頭へ移動させ、HAMLET王子というわけ。

 4,5年前の晩秋、この城を訪れた。青空から時おりアラレがぱらぱら降ってくる寒い日で、見物客はまばら。岬の突端ということもあり、風がごうごうと吹きすさんで、荒涼たるものである。

 「こんなところに住んでいたら、性格も悪くなるだろうなあ」

 同行者が思わずもらした言葉に大いに共感を覚えた。
 それにヨーロッパの中世の城はどこもそうだが、何世紀にもわたる血がこびりつき、昼日中であろうと幽霊が出そうな雰囲気というか・・・(実際には何度か建てかえているのだけれど) --

 この建てかえの最中に工事の人々が何人も死に、その後幽霊が出て窓から突き落とすという噂が拡がったらしい。幽霊に押されなくとも、突風で海へ落っこちそうな感じではあった。


♪あるまんどさんが拙著「メンデルスゾーンとアンデルセン」についてご紹介してくださいました。⇒http://allemande.blog69.fc2.com/

コメント (10)
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