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恩師のご著書「講演集」より
講演集、 二
なぜ「感謝」するのか
自分の心を苦しめては絶対に幸せになれません。
それは神のご意志に背くからです。
少しでも安らぎ、喜び、感謝をすることです。
すべての宗教は「感謝せよ」と言います。
では、なぜ感謝しなくてはいけないのでしょうか。
人間の心は一念三千といって、一瞬にして三千の方向に飛び回ります。
その三千の方向に飛び回りましても、実は一つずつしか思っていないのです。
二つを同時に思えないような構造に作られています。
一つのことしか思えないようになっています。
「いえ、私は二つのことが同時にできます」という方は、
泣くのと笑うのと同時にやってみて下さい。
これは難しいことです。
悲しみと喜び、苦しみと安らぎは同時には味わえません。
苦しい時は苦しいだけ、喜びの時は、喜びの心しかありません。
感謝に心を満たしますと、
感謝の思いだけですから自らを苦しめる諸々の他の思いが入らないのです。
一日の中で十分間感謝の時間を持ち続けますと、
この尊い人生の中の今日という日の十分間は、
自分を苦しめる想念から自分を守っていただけるのです。
もし一時間感謝に心を満たしますと、
自分を不幸にする苦しみの原因が入り込まない一時間を持つことができます。
「思いは一つ」ですから、朝から晩まで有難い有り難いという感謝の心で過ごしますと、
今日という日が一切の苦しみの入らない一日として過ぎたことになります。
感謝とは、自らを不幸から防御していただく鎧みたいなものですね。
あらゆる宗教家に、なぜ感謝しなくてはいけませんかと尋ねて、
そのわけの話せる方にあまり出会ったことがありません。
それは知らないからです。
~ 感謝・合掌 ~