恩師のご著書「講演集」より
講演集、 二
東京・沖縄の旅にこと寄せて――幸せになる為には
先の続き・・・
もう十年前のことですが、四国へお話に行きますと、ヘソ曲がりの方が、
「こりゃ一体何の話しや」とおっしゃるのです。
しかも見ると、サントリーのボトルを持ってきまして、酒を飲みながら私に
質問しますので、「この場所は酒を飲んで集まる場所ではありません。
あなたはどうぞ酒を飲んでいない時に来て下さい」と言ったのですが、
聞かないのです。
「ここ、何する場所や」と言うので、
「幸せになる場所です。人はすべて幸せを求めております」と答えると、
「いや、わしゃ幸せなんか要らんのや」と言っています。
「では、あなたのおヘソは大分曲がっています」と言いました。
その人はウイスキーを飲みながら法の話しを肴にしているわけです。
誰も追い出しなさいとも、外に出なさいとも言わないのに、私が話していますと、
その人の周りにおられた方が五、六人寄ってこられて、
その人の手や足を掴んでサーッと表に放り出されました。
誰か知らないけど寄って皆でかかえて放ってきたのです(笑い)。
お釈迦様がお説法なさった時は、
聴衆の中で咳払い一つしても周りの者が制したというほど真剣なものであったのです。