経営の視点から考える「知財発想法」

これからのビジネスパーソンに求められる「知財発想法」について考える

見えざる革命

2008-02-01 | 新聞・雑誌記事を読む
 金融業界を離れてから最も重要な情報源となっていた日経金融新聞が、1月末をもって休刊となってしまいました。これはかなりショックです。
 最終日には何を書いてくるかと期待していたのですが、名物コラムの‘スクランブル’には、

「見えざる革命」機熟す 
 国民主役の株式市場を

ときました。
 ‘革命’とは‘権力の移行’を意味するものである、ということを以前に書きましたが、このコラムでいう「見えざる革命」とは、バブル崩壊以降の持合い解消に伴う株主構成の変化、具体的には、
政策保有目的の法人株主→純投資目的の投資家(=国民の資産である年金や投信を運用する機関投資家等)
へ、上場企業の支配権が移ったことを意味しています。バブル期には2:1であった両者のシェアは、現在は1:2と完全に逆転したとのことです。そして、新たな支配者となった国民によって、市場が、企業が変わっていくのがこれからだ、という締めとなっています。

 さて、知財の世界でも「見えざる革命」は起こりつつあると思います。それは、限られた同質のメンバーで構成されていた知財業界に多様なバックグランドをもつ人々が関心を持つようになり、知財部門の中だけで閉じていた知的財産権に関する決定権が、広く他部門へも開放されていくことなのではないかと思います。株式市場ほどまだ機は熟していないように思いますが、結局のところの問題は、新しい権力構造によって企業がどのようにかわっていくか、というところになってくるのでしょう。