経営の視点から考える「知財発想法」

これからのビジネスパーソンに求められる「知財発想法」について考える

横綱相撲

2007-07-04 | 知財発想法
 「知はうごく:知財の時代を迎えて(1-2)排他的独占からオープン化へ」の記事が興味深いです。IBMの特許のオープン化の意味について解説されていますが、
★ 特許は事業で収益を上げるためのツールである。
★ ツールの使い方は多様である。
という常々考えていること(「知的財産のしくみ」p.131)を痛感し、さらに、特許のこういう活かし方もあるのか、と考えさせられました。
 この記事によると、要すれば、知財云々に関わらず事業の競争力に自信があるならば、自らが特許で囲った安全地帯に他社を引き入れることによってその市場を活性化し、結果的にマーケットリーダーである自社の収益を拡大する、という考え方なのだと思います。「特許」=「排他権」or「ライセンス収益」という固定観念にとらわれず、自らのリードするマーケットを活性化する安全柵として特許を用いる方法もあるということなのでしょう。尤も、こうした戦略はソフトウエア業界の特性やIBMのポジションを前提にはじめて有効になるものであり、横綱ならではの戦い方という感じがします。各々の業界特性、業界でのポジションを考慮して、特許というツールをどうやって活かすかは、各々の企業が考え抜いていかなければならない課題です。
 
<入門の入門>知的財産のしくみ

日本実業出版社

このアイテムの詳細を見る