コナミのガンシューティングゲーム、リーサルエンフォーサーの動画をユーチューブで見るのが、最近のお気に入り?です。様々な機種に移植されていますが、どれもアーケード版の雰囲気をよく捉えており、移植度は高いです。ちょっと、サムネと動画で比較してみましょう。
■オリジナル(アーケード版)

オリジナルのアーケード版。CPUは8ビット(6809互換)ですが、よくできたゲームです。実写取り込みのグラフィックが印象的。サウンドシステムは8音PCMで、BGMもカッコよく、ボイスの豊富な効果音も良い出来です。空港ステージで、コンテナの写真にJALの鶴丸マークを消し忘れている(意図的に残した??)ミスがあり、ちょっと笑えます。
この作品のあと、ガンシュー界隈は実写ゲーのフォロワーが多数登場。間違いなく、業界に一石を投じた一作です。
Lethal Enforcers (Arcade) Playthrough - NintendoComplete
■メガドライブ版

日本国内では移植一番乗りとなった、メガドライブ版。使える色数が若干少ないため、実写取り込み画像のカラーリングに、多少の難アリ。また、拡大縮小処理をハードウェアでサポートしていないため、それらの演出はカットされています。また、破壊可能な背景オブジェクトも省かれているのは残念。BGMはFM音源で再現されていますが、コナミにしてはベタベタしたFMの音で、洗練されているとは言い難いです。ただし、サンプリングでボイスや効果音、一部BGMパートを担当させているあたりは、コナミらしいサウンド部門の頑張りを感じます。空港ステージの鶴丸マークは、こちらも消し忘れています(笑)。アタリフォントは、カラーリングがオリジナルと異なり、魂斗羅スピリッツとかで使っていたアンチエイリアスタイプで、0のフォントが違います。
やや無理のある移植ですが、ゲームそのものは、おおむねアーケード版を再現していると言えます。
Mega Drive Longplay [113] Lethal Enforcers
■メガCD版

移植2番目は、メガCD版です(海外では、これが一番最初に出ている)。カートリッジ版と内容は同一で、BGMがCDによりサンプリングのアレンジ楽曲となっています。特にメガCDだからと、拡大縮小処理が再現されていたり、あるいは色数が増えていたリなどということはなく、内容は全く変わっていません。
Mega-CD Longplay [063] Lethal Enforcers
■スーパーファミコン版

3番目の移植となったスーパーファミコン版、おそらく、一番数の出ているリーサルエンフォーサーです。メガドライブよりも使える色数が多いため、アーケード版に近いグラフィックを実現。しかし、ハードの制約からか、映像素材そのものの解像度はだいぶ下げられています。アタリフォントはアーケードに忠実。拡大縮小処理は、キャラクター単位では使用できないため、演出はカットされています。また、手前の撃たれているオジサンを見てもらえば分かる通り、キャラクターのやられパターンが1コマ省かれています。JALのマークは、変なマークに差し替えられています。サウンドが良く、スーパーファミコンのPCM音源をフルに使ったアーケード版に忠実なアレンジを実現。破壊可能なオブジェクトも再現されていますが、駅ステージでベンチで寝ているジジィが省かれているのが残念。しかし、後述のPS版よりも、遥かにアーケード版を良く再現している一作と言えます。
Lethal Enforcers (SNES) Playthrough - NintendoComplete
■プレイステーション版

プレイステーション版は、IIとカップリングのデラックスパック。開発はシカゴのコナミ現地法人が担当。CDケースの腰巻に「アーケード版を超えた「超移植」を実現」などと書いてありますが、騙されてはいけません。グラフィックそのものは、映像素材の再取り込みを実施しており、画質が向上しており、綺麗です。また、サウンドはメガCD版のアレンジ楽曲を流用。効果音はアーケード版に忠実です。
しかし、やたらと難易度が上げられており、難易度をイージェストにしても、余裕で押されます(笑)。コナミ製のガンシステムには対応していますが、よく売れたナムコ製のガンシステムには非対応。標準パッドでプレイすると、カーソルの動きが敵を狙うには遅すぎ、微調整するには早すぎる絶妙なダメさです(笑)。また、この画面に映っている赤のオールズモビルのトランクが閉まらないので(アーケード版、他の移植版は全て敵を倒すとトランクが閉まる)、オールズモビルの裏から狙ってくる敵が倒しにくく、バンバン撃たれます。JALマークは、変なマークに差し替え。JALマーク以外にも、差し替えられた看板など多数。全体的にアーケードの雰囲気は味わえるものの、よほどメガドライブやスーパーファミコンの方が良い移植しています。
PSX Longplay [320] Lethal Enforcers I & II
■これも押さえておきたい(ニンテンドー版?)

衝撃の、ニンテンドー(海外版ファミリーコンピューター)版。いかにも外人さんのような名前のスタッフクレジットがありますが、台湾かどっかで勝手に移植された作品の模様。しかも、lethal weaponなんて、どっかで聞いたことあるタイトルまで無断使用。さすが海外。1994年製だけあって、ナマイキに再現度は上々。しかし、サウンドがひどく、特に射撃ステージの「♪デ デ デデ~」って曲がクセになります(笑)。面クリア時の珍妙なジングルは、速攻着信音に採用~。まったく、なにが「GO GO」だよ(笑)。まあ完全移植には程遠いですが、これはこれで、アリだと思いますね。
NES Longplay - Lethal Weapon [Lightgun/Zapper]

結局、家庭用ではアーケードの完全移植は実現していません。