ぐらのにっき

主に趣味のことを好き勝手に書き綴っています。「指輪物語」とトールキンの著作に関してはネタバレの配慮を一切していません。

「ネバーランド」と「ハウル」2回目(両方ネタバレ)

2005年01月30日 | 映画
ちょっと時間が経ってしまいましたが、26日にネバーランド、27日にハウル2回目を観て来ました。
いきなりこんな連続になってしまったのは、2月になったら忙しくなるので(笑)できるだけ早めに行ってしまおうというのがあったからなんですが。
という訳で以下どちらもネタバレです。

まずはネバーランド。
なんというか、見事に「期待通り」の作品でした。こんなに期待通りだとは思わなかった、という点では期待以上と言って良いかも。
現実の世界と想像の世界が映像上でシンクロする、というのも特に目新しい手法ではないし、扱っているテーマも目新しさはなかったと思います。
それでも、想像する力というのは素晴らしいものなんだ、というのがひしひしと感じられて、なんだかとても涙腺を刺激されてしまったのです。
なんかかなり泣いてしまいましたよ。いきなり熊とダンス、のあたりでもう泣いてましたから(笑)
子供たちがベッドの上で跳びはねている映像からすーっと子供たちが飛んでいく映像に映るところとかもウッと来ましたし。
「死とファンタジー」というテーマも目新しくはなかったと思うのです。「死んだらネバーランドに行く」というような考え方も、全然新しくはないのですが、それでも陳腐に思えることなく、素直に心に沁みました。
シルヴィアがネバーランドに一人だけ足を踏み入れて行く場面も、見ていて「ああ次のシーンでは死んでるんだろうな」と予測は簡単についてしまったのですが、それでも静かに心に沁みました。とても美しいシーンだったと思います。
「ピーターパン」の作中の言葉も、「死ぬことはきっとすごい冒険だろうな」とか、印象的な言葉をとても上手く配していたと思いました。
全体として、シンプルでいて、甘すぎず、陳腐になりすぎず、静かに優しい感情を映像にしてくれた作品のような気がしました。
いや、甘すぎる部分もありましたけど。「妖精を信じている人は手を叩いて」で、シルヴィアの母が真っ先に拍手してしまったりするところとか。でもあそこも、ジュリー・クリスティがなんだかとてもかわいかったので許せてしまいましたが(笑)
ディヴィス一家がバリと知り合ったのは実際にはディヴィス氏存命中だったのを、死後に変えているそうですが、そう聞くと、ちょっと陳腐な変更をしてくれたものだな、と思ってしまいますが、これはシルヴィア夫人とバリの恋物語、というような意図よりは、ピーターとバリの出会いのドラマのためだったのだと思いたいです。バリと出会った時、既にピーターが心を閉ざしていた設定にしたかったのだろうなと。実際シルヴィアとバリの物語はほんの少しにおわせる程度で終わっていましたから。これも良かったですね。
ジョニー・デップはもちろんとてもよかったし、ケイト・ウィンスレットも良かったなあ。ピーターも良かったけれど、個人的には長男のジャックのお兄ちゃんぶりがツボでした(笑)
ピーター役の子は、何がすごいって、演技しているように見えないんですよね~。ジョニー・デップもすっかり彼が気に入って、彼の推薦で「チョコレート工場」にも出演しているんだそうです。そう言えばトレイラーで見たような。

そして、翌日にはまだ見ていなかった友達に付き合って「ハウル」の2回目を見ました。
2回目を見て、1回目に違和感を感じたところが、馴れたためか、違和感なくすんなり見られたような気がします。その代わり、印象が色あせた部分もありましたけど・・・
戦争の描写も、この映画はこれでいいのかな、と思えました。ソフィーとハウルの物語に上手く絡めてあったように思いました。
そして、ハウルのキャラクターがなんだかとりとめない、と1回目に見た時には思ったのですが、そうじゃなかったんですねえ。ハウルのキャラクターが変わっていたんですね。髪の色が変わったところで。
キャラクターが変わったというか、あそこでハウルがソフィーの前でカッコつけるのやめて本来の姿になったというか。あれ以降の明るくて元気でちょっと情けないキャラクターが本来のハウルなんですねえ。
うーん、1回目で気がつかなかったのって、やっぱり声のせい・・・?(人のせいにするなって(笑))妹に聞いてみても「あ、そうだったの?」という反応でしたし・・・(汗)
いやでも、私は髪の色が変わって以降のハウルの方が好きですねえ。かわいいじゃん、と思いましたよ(笑)ハウルの一番好きなシーンは王宮に行くのにいつもの帽子をかぶろうとするソフィーに「それ被ってくの?」というシーンかな(笑)
そう思うと、最初の頃のカッコつけたハウルってかなり笑えるような・・・(汗)「諸君、いただこう、美し糧を!」だなんて、よく言うよ! と思ってしまいました。マルクルはともかく、カルシファーは内心笑ってたんじゃないでしょうか(笑)
ハウルに魂取られた(妹の友達が使ってた表現です(笑))という女性ファンが結構いらっしゃるようですが、たいていは金髪のハウルが好きだそうで。でもそのハウルってニセモノですから! と思わず思ってしまいました(笑)
しかし、ハウルの服のセンスだけはどうにもいただけないんですが・・・(汗)いや、「お前に言われたくないよ!」とか言われそうですが(汗)ハウルはカッコイイと思ってあれだからヤバイのではないかと・・・(汗)最後の場面の赤いシャツもどうかと思いましたよ(汗)
でも、私はやっぱりカブが好きだな(笑)今回、カブがどの時点でソフィーに恋してたのか、というのを見極めようと思ったんですが、よくわかりませんでした。というか、かなり最初からもう恋する男の行動に見えました。
もしかしたらカブには最初からソフィーの本来の姿が見えていたのかも、と思えたんですが。
雨の中で泣いているソフィーに傘を差し出すところなんて、もう完全に恋する男の行動ではないですか。「ああ、自分がカブ頭でなければ・・・」とカブは情けなかったのでは、なんて思ってしまいましたよ。
最後に身を挺してソフィーたちを救おうとするところとかも、かなりカッコイイですよね、行動自体は。
ふと思ったんですが、もしソフィーに掛けられた魔法がソフィーの心を映したものだとしたら、カブの魔法もそうかもしれないですよね。元はカブ頭みたいな心のない人だったのかも。
カブに掛けられた呪いは、「美女と野獣」みたいなもので、愛を知らないから本当の愛を知るまで呪いが解けないようにされていたとかも考えられるなあと、これは1回目の時から考えていたんですけどね。
カブの呪いはサリマンが掛けたもので、サリマンが戦争を起こすために王子にのろいを掛けたのでは、という説もあるみたいですが、私はそうじゃないと思いたいです。サリマンはそこまで悪人ではないと思いたいかな、というのもありますし。
荒地の魔女の呪いではなさそうなので、サリマンがかけたとするのが一番納得できるかもしれませんが、別に魔法使いは他にもいるだろうし、全然別の理由で呪いをかけられたのだと私は思いたいですね。
しかし、のろいが解けても棒に乗って跳んで行ったカブ王子(笑)ソフィーの呪いも完全には解けてないようだし、この世界の呪いは後遺症が残る怖いものなんだなーと思いました(笑)
いや、カブ王子のその後がどうにも気になってしまうのでした。

レイトショーで夜遅かったせいか、泣きそうな場面が前回より増えてました(笑)
そして、前回泣きそうになった、「そんなに欲しいかい。仕方ないねえ。大事にするんだよ」の場面で本当に泣いてしまいました(汗)
あの場面、この台詞の前の荒地の魔女の表情がとてもいいんですよね。細かいところは忘れていましたが、そのあたりで泣かされたみたいです。

さて、友達の反応でしたが、まあまあ面白かったようですが、やはり「なんであんなに簡単に戦争が終わるの?」とか、疑問の方が大きかったようです。
彼女も少し前に「ネバーランド」を見ていたのですが、彼女的には「ネバーランド」の方がはるかに良かったようで。
私自身はと言えば、「ネバーランド」の方が素直に良かった、のですが、なんだか「ハウル」は気になる作品、なのですよね・・・
もし今「ネバーランド」か「ハウル」のタダ券がもらえる、といわれたら、かなり悩みますけど(汗)うーん、「ハウル」にするかなあ・・・
「ネバーランド」はある意味完璧で、そしてシンプルでとても分かり易いですが、「ハウル」のように不完全かもしれないけれど見るたびに違うところに気がつくような作品の方が「気になる」のかもしれません。とりあえず、「ハウル」はDVD買うと思いますが、「ネバーランド」はどうかな・・・買うかもしれませんが、まだわかりません。
しかし、「ハウル」はなぜかパンフレット買う気にはならないんですよね。別に人の意見や解説はいらない、自分が見たことを自分の好きなように解釈していたい、という気持ちの表れ、なのかもしれません。
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2 コメント

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かかし (たぬき隊長)
2005-02-01 10:03:15
カブの呪いも気になるところですよね。

原作とは作中での位置づけが随分変わっているようですが。



魔法使いとカカシの組み合わせは、どうしてもOZの魔法使いを連想してしまいます。彼は脳みそが欲しいカカシでしたよね。

大昔”スケアクロウ”っていうハックマンとアルパチーノ主演の切ない映画もありました。



カカシを見てると”欠落した何かを真剣に希求する哀しい道化者”って気がついついしてしまうので、笑うトトロの口元に似た顔や棒に乗って飛んでいった様子におかしさと同時に漠然とした哀しさも感じてしまうのは、深読みなんでしょうね(笑)
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切ないかかし (ぐら)
2005-02-01 19:20:16
私一応原作読んだのですが、かかしが出てきた記憶ないんです(大汗)とにかく全然映画と違ったのは確かです(汗)少なくとも行方不明の王子が正体だったりはしませんでしたし。

確かに、かかしには切なさがありますね。カブも、心でどう思おうと顔は笑ったままなのが切ないですね。王子が正体だと知って見ていると、行動自体はけなげでカッコイイだけに、悲しいなあと思えました。かわいくもあるんですが。

・・・私はハウルよりもカブに魂奪われかけてるかもしれません(笑)

宮崎監督は、もしかしたら、原作にかかしが出てきたのを読んで、そういう「切なさ」を連想してああいうかかしのキャラクターにしてしまったのかもしれませんね。
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