ぐらのにっき

主に趣味のことを好き勝手に書き綴っています。「指輪物語」とトールキンの著作に関してはネタバレの配慮を一切していません。

アンナ・カレーニナ(ネタバレ)

2006年02月18日 | ミュージカル・演劇
数年前、一路真希コンサートで曲を聴いて以来、いつか上演されるのを楽しみにしていたアンナ・カレーニナをついに観ました!
私たちの席のちょっと前に、見たことあるな~という人がいたのですが、後で気がつきました。亜門版「ファンタスティックス」でヘンリーをやってた二瓶さんでした。
その隣の人も見たことあるな~と思ったら、やはり「ファンタスティックス」でミュートだった水野栄治さんでした。ファンタスティックスご一行だったのかな? ヨッシーと山路さんが出てますからね~。

さて、舞台の方ですが、ミュージカルとしては微妙なところかなーというのはありました。
結構台詞が多く、ストレートプレイの要素も強い作品で、音楽との兼ね合いが微妙かなあと・・・
久々にあまり歌が上手くない人が結構出てらしたので余計だったかも(汗)ヨッシーや一路真希さんが歌うと何とも思わないし、むしろ説得力あるのですが・・・
でも、曲自体は良かったので、音楽なくてもいいんじゃ、とは思いませんでしたけど・・・
でも、原作の舞台化としてはかなり良かったと思います。原作のエッセンスをよく描いていたと思います。個人的には以前見たソフィー・マルソー&ショーン・ビーンの映画よりも良かったな。
ヨッシーは若すぎるのではないかと思いましたが、なかなかハマってました。若さ故の情熱、みたいな感じで。考えてみたらあのコンサートからももう何年も経ってるんですよね。
一路真希さんも役にぴったりハマってましたね。最初の明るく理性的な婦人から、次第に精神のバランスを崩していくところまで、見事にハマり役でした。
考えてみたらエリザベートと被るキャラクターかもしれませんが、あまりそういうことは思わないで観られました。ただ一箇所、「無理よ!」と走り去るところは「エリザベート・・・」と思ってしまいましたけど(汗)カレーニンが鈴木綜馬さんでなくて何より・・・(汗)
そして、カレーニンの山路和弘さんが良かった! 歌は鈴木綜馬さんには及びませんが(汗)(コンサートで歌ってたのと違う曲かと思った曲も(汗)難しそうだもんなああの曲・・・)演技がねえ・・・もう素晴らしかったです!
カレーニン自体が原作よりも人間的になっていたと思うのですが、世間体を重んじる冷たい人間と見えながら、アンナやセリョージャに対する愛情もあって・・・という、複雑な人間性を、見事に表現していました。しかもカッコイイんだもんなあ(笑)
歌も、ファンタスティックスに初めて出演した時よりも随分上手くなったなあと思いました。まあ、まだすごく上手いとは言えませんが・・・(汗)でも演技が素晴らしかったので、歌が上手いだけの人と取り替えたいとは思いませんね。
最後にアンナが訪れた時の演技が素晴らしくて、あのあたりから涙腺緩みっぱなしだったんですよね。
そんなわけで見事だったアンナ、カレーニン、ヴロンスキーパートに対して、対をなすレーヴィン、キティパートはどんなものか、と思ったら、コミカルにまとめていてなかなか上手いなあと思いました。正攻法で行ったらアンナパートに負けてしまいますからね・・・
まあそれでも負けてはいましたけど(汗)なので途中はどうなることかと思いましたが、最後の方ではしっかりアンナの悲劇に対する対の効果が出ていたと思います。
ただ、舞台だから仕方ないとは思うのですが、田園の風景がないので、レーヴィンパートの効果が今ひとつだったかも・・・頑張ってはいたと思うのですが。
葛山信吾さんは、意外と言ったら失礼ですが、結構歌が上手くてびっくりしました。いい声してますね。まだ細かいところで音程が不安定になったりしてましたが、なかなかでした。ちょっとコミカルな役どころをこなしてましたね。
キティのキャラクターにはちょっとびっくりしましたが(汗)いや面白いんだけど、モテるキャラクターだというのがよくわからないんですが・・・(汗)レーヴィンはああいう娘好きかもなーと思いますが(笑)ヴロンスキーが好きになったというのがどうも解せません(汗)
まあ、あのキャラクターのおかげで、イニシャルトーク(?)のシーンが笑えて、しかもなかなか良いシーンになっていたので、良かった・・・かな? あのシーンは本当に上手くやったなあ、と思いました。
後半のアンナの孤独と錯乱の理由が、原作を読んでいないとわかりづないかなと思ったんですが、どうでしょうか。結構上手く表現はしていたと思うんですが。
前にも書きましたが、最後にアンナが訪れた時のカレーニンが良くて、そのあたりから泣き始め、アンナの孤独と、セリョージャの幻を見るところから線路に飛び込むあたりまでも泣けましたし、幸せそうなレーヴィンがアンナの話をするあたりから、戦争に行くヴロンスキーの場面まで、静かに泣けました。
完璧な作品とは言えないと思いますが、一つの物語として、素直に感動できました。
また再演を重ねて更に良い作品になって行ってくれたら嬉しいのですが。
ところで、ヴロンスキーやキティのファーストネームが英語風の発音だったのが不思議だったのですが。アレクシスよりもアレクセイの方が日本でも通りが良いと思うのですが・・・英語を翻訳したからでしょうか?
そして、カレーニンのファーストネームってヴロンスキーと同じアレクセイだったと思うのですが、なんかニコライとか言ってたような気が・・・同じ名前だとややこしいからでしょうか?

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