ぐらのにっき

主に趣味のことを好き勝手に書き綴っています。「指輪物語」とトールキンの著作に関してはネタバレの配慮を一切していません。

ノーサンガー・アべイ

2008年06月20日 | 読書

ジェーン・オースティン読書シリーズ最後の作品です。ふー、6作やっと全部読み終わった・・・
なるべく文庫で読もうとしていたのですが、これだけ文庫が見当たらず。(少なくとも図書館では)てことは一番つまらないのかな・・・とか思ったりして(汗)
作品全体としては、執筆当時流行していたロマン小説に対するパロディとしてかかれているそうで、元ネタを知らなくてもパロディな感じはわかりますね。
軽快で皮肉な感じはオースティンらしく、そこそこ面白く読めます。
主人公のキャサリンは、無知な故にとんでもない言動をしてしまうのですが、悪気がなく純真なので憎めない・・・というか、天然な感じで結構かわいいですね。オースティンの主人公の中では好きな方かも。
そんなキャサリンの、ロマン小説読みすぎなためのおかしな言動を、終始皮肉に笑いのめしているような作品だったら結構面白かったかな、と思うのですが、途中で真面目にたしなめられてしまって・・・という、オースティンらしい展開には少々毒気を抜かれた感がありましたが・・・(汗)
最後のハッピーエンドはなんだかとってつけたようでうーん。確かにキャサリンはかわいいとは思うが、いきなりプロポーズするほどかヘンリー?
「説きふせられて」でも、最後のハッピーエンドがとってつけたように思えたのですが、この作品はもっとそう感じましたね。
「マンスフィールド・パーク」も、最後のハッピーエンドは話の中心ではなく、オマケのようだったし・・・
ふと、オースティンが全ての作品を主人公の幸せな結婚、というハッピーエンドにしたのは、別にそういう主義(?)なのではなく、世間に受け入れられるようなラストにするためだったのかな、という気がして来たのでした。
どちらにしても、不思議な作風の人だなあ、と思いますね。
でもやはり、なんとなく先が気になってどんどん読めてしまう、そのあたりの能力は本当にすごいなあと思います。
結局のところ、当時もてはやられたアン・ラドクリフのゴシック小説は、今では邦訳で読めるものは一冊もありませんが、オースティンの作品は未だに読み続けられ、普通に邦訳も手に入るんですから、やはりすごい人ですね。
実はオースティン読書と平行してトーマス・マンの「魔の山」を読んでいたりしたのですが、トーマス・マンの方がやっぱ全然好きだわ、と思いながらも、マンの作品でも邦訳が普通に手に入る作品はどんどん少なくなっていて、時代と共に忘れ去られて行くのでは・・・という気もするんですよね。
それを思うと、なんだかんだ言って最後に生き残るのはオースティンの方かも・・・なんて思ってしまうのでした。
なんかあんまり作品の感想になっておりませんが(汗)
今度時間があったら、オースティン6作品のまとめ感想でも書こうかなと思います。
全部読んだので、もう一度「ジェイン・オースティンの読書会」見てみたい気も。誰がどの作品を担当したのかとか、今ならわかって、もう少し面白く感じるかもしれません。

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