ぐらのにっき

主に趣味のことを好き勝手に書き綴っています。「指輪物語」とトールキンの著作に関してはネタバレの配慮を一切していません。

ナルニア国物語第二章 カスピアン王子の角笛(ネタバレ)

2008年06月09日 | 映画
観て参りました、ナルニア。
トップの画像は、見終わった後にグッズ売り場でお友達のYちゃんがおもむろに並べ替えたリーピチープのマスコットキーホルダーです。わかる人だけ笑ってやってください(笑)
でも実はこれ全員リーピチープなんですけどね~(汗)

1作目は大好きで、3回観に行ってDVDも買って、2006年のno.1映画に(私の中で)輝いてたりしていたのですが。
なんだか良いという人と、主に原作ファンで良くない・・・というか改変に納得できない、という意見に分かれているようなので、さて私はどう思うかな・・・と自分で自分の反応に興味津々?で観に行きました。
観終わっての率直な感想。うーん、1回観ればいいかな、DVDも買わなくていいかな・・・でした。
でも、少し考えてみて、色々整理してからもう1回観てみようか、という気になって来ました。DVDも多分買うでしょう。特典映像みたいから。
1作目は、原作をアレンジしたところも結構私のツボにはまって、非常に好きだったのですが、今回はちょっと私の感覚とはズレて来たかなーという感じでした。やりすぎというか・・・
でも、原作への愛情がないわけではないんだな、というのが、後でパンフレットを読んだりしているうちにわかったので、そのあたりをよく咀嚼した上で、もう一回観てみようかな、という気になったのでした。好きなシーンも結構ありましたしね。
思えば1作目も「やりすぎ」と思うところはあったんですが、好きなところの方がはるかに多かったので、まあ許せたんですね。
今回は、好きなところよりも改変が気になるところが多かったというか。
なんか、LotR映画のFotRで気に入った後にTTTを観た時の感覚と近いものがあるかも。と言っても、TTTを初めて観た時ほど唖然とはしませんでしたけどね(汗)そういう意味ではまだTTTよりはマシかな・・・

まず改変で気になったのは、ピーターがなんだかイライラしている、という設定でした。ちょうど「不死鳥の騎士団」の時のハリーみたいな(汗)
まああの年齢ならあっても良い設定とはおもうんだけど、1作目を経てあれだとなんだかなあ・・・
そしてカスピアンと張り合って、とかそのあたりからなんだかおかしくなっちゃったなあという感じでした。
これについては、パンフレットでアナ・ポップウェルのインタビューを読んで、ちょっとなるほどと思ったんですが。
1作目では、ピーターやスーザンは、ナルニアの存在を信じようと努力したけれど、2作目ではナルニアから現実の世界に戻ることに慣れることに努力しなければならない、みたいなことを言ってたんです。
まあ、そういうのもありかな・・・と思いつつ、このあたりで私の感覚とズレて来たかなあ。
私にとってナルニアはあくまでもおとぎ話なんで・・・。1作目で一番好きなシーンが、最後にたんすから飛び出す4兄弟姉妹、ですからねえ。
しかし。私が原作の「カスピアン-」の中で思い入れがあったことのひとつが、ピーター、スーザンの卒業(なんかモー娘みたいですが(汗))なんですが、実はアダムソン監督の改変の意図もそこにあるのではないかな、と気がつきました。
ピーターとスーザンの卒業にドラマを持たせるために、ああいう改変をしたのかなあと・・・
そう思うと、彼なりに思いいれあってのことなんだなあとわからなくもないんですが、なんか私の思いいれの方向性と違ってるんだなあ。残念ですが・・・
改変と言えば、カスピアンの年齢設定up&イケメン俳優起用ですが(笑)最初ポスター観た時には「・・・誰?」と開いた口が塞がらなかったものです・・・(汗)
なんだかぺベンシー兄弟姉妹が地味だから彼なんじゃないの、とか言われたり(汗)宣伝でも前面にカスピアンがバーン、と出ちゃって、どうなんですかねえ、と思ってたんですが。
実際に見ていて、なんか宣伝してるほどカスピアン活躍しないじゃん、と思ったのは私だけではないと思うんですが・・・(汗)
実はカスピアンよりも4兄弟姉妹、それも特に今回卒業するピーター、スーザンに話の重点が置かれていたように思いました。
カスピアンの活躍、むしろ原作よりも減ってますよね。原作ではナルニア軍をまとめてミラース軍と何度か戦闘も交えていて、いよいよ戦況が苦しくなって来たので角笛を吹いた、のですが、映画ではかなり早い時点で角笛吹いて4兄弟姉妹が来ちゃったので、活躍してる間がなかった・・・
これって、4兄弟姉妹の出番が少なくなるので、もっと早い段階から出したかったからやった改変、ですよね。実はカスピアンよりもピーター、スーザンの方が大事にされてたってことだなあと思いました(汗)
そんな風に活躍減らされてるし、あまつさえもともと少年なのを大人にしちゃったので、映画のカスピアン、結構情けない感じがしました・・・。あの役柄なら、もっと若い少年の方がぴったり来たような気がします。
カスピアンの年齢を上げたのは、ピーターが年下のカスピアンに全権を譲るのはおかしいと思ったから、と監督は説明していますが、そうかな~。むしろ年下の方が、守り助ける、という感じでハマったと思うんだけどなあ。
スーザンとの淡い恋!?も、カスピアンが年下だったら微笑ましくてよかったような気がしますねえ。(原作にはこのエピソード出てきませんので念のため。別になくても全然構いません(汗))カスピアンがスーザンにあこがれる分には全然構わないんですが(スーザン贔屓・・・)、スーザンの方も・・・となるとちょっとねえ・・・。まあ、とりあえず最後に公衆の面前でブチュー、はやめていただきたかったです・・・(RotKの戴冠式よりはマシですが・・・)
4兄弟姉妹を早くナルニアに連れてきてカスピアンに会わせてしまったことで、原作には全くないミラース城攻撃やなんだかんだのエピソードが入ってきて、このあたりが見ていて非常に辛かったですね・・・。
まあ、カスピアンとミラースのやりとりなんかはあっても良かったかなーと思ったんですが、何も城攻撃しなくたって・・・。博士を助け出すとかでも良かったのに。
ナルニア軍が半分犠牲に、というあたりもちょっと辛かったですね。まあ上手く行ってばかりでも説得力ないかもしれませんが、結局最後の決着があれですからねえ。今までは何だったんだ? と思いますよね。アスラン何してたんだ、と。
原作と違うということを知っている私ですら、最後のアスランが動き出してからのあれよあれよの展開は、都合よすぎだよな・・・と思いましたもん。
結局のところ、一番不満があったのは城攻めのエピソードの追加だったんですが、それもこれもなまじピーターにドラマを持たせようとしたことが原因だったんだなあ、とつながったような気がしました。カスピアンの設定の変更も含めて、ね。
あと、アスランがなんでルーシーが来ないと動かなかったのか・・・の理由付けをもうちょっとしっかりしないと説得力がね・・・というあたりも辛かったですね。
それもこれも、やっぱり4兄弟姉妹が来るのが早すぎたせいなんですけどね・・・

とまあ不満は以上なんですが、後は概ね良かったかなあと。好きなシーンもありますしね。
一番良かったのは、何と言ってもリーピチープ!(笑)
原作でも一番思いいれがあったのがリーピチープなのですが、期待しすぎてガッカリしてもなあ・・・と敢えて全く期待してなかったのですが、いや~あれくらいやってくれたら満足です!
カスピアンとの出会いもいい感じだったし。森の中で兵士たちがバタバタ倒れていくのを見て、「リーピチープだ~」とワクワクしてしまいました(笑)
城攻めの時、ネコを縛ったりとかのオリジナルシーンもかわいかった
担架で運ばれてくるシーンも(あ、トップの画像はここのシーンですので、念のため(笑))、「出た~!」という感じで、もう嬉しかったですね~ルーシーに「So cute!」と言われて、「誰だ、かわいいって言ったのは!?」というのも良かったし。
本当は、笑わせるだけじゃなくて、感動させるようなことも言うのがリーピチープの本領だと思うんですが、そのあたりは次回にお預けかな。まあ、ここまでやってくれればもう満足でございます。
CGも前作より良くなってたような。1作目のビーバー夫妻とかキツネとかはなんだかアニメみたいで、リーピチープもこんななのかなあ・・・とちょっと萎えてたんですが、1作目ほどはアニメっぽくなくて、違和感なく見られて良かったです。松露とリもそうでしたが。(松露とりって英語だとトリュフハンターなんですね・・・初めて知りました(汗))
セントールの動きも自然になってたような?(ハリポタのセントールもこのくらいやって欲しいなあ・・・)
でもアスランはちょっと前作より手抜きだった・・・? 特にルーシーの夢のシーン・・・
リーピチープもそうですが、ドワーフのトランプキンやニカブリク、松露とりの軽快でちょっとドライな会話もいいなあ、と思いました。トランプキンが4兄弟姉妹はどんな人? と聞かれて、「寝起きが悪くて・・・」なんて憎まれ口を叩いたら、「お前と気が合うな」とか言われて「そうだな」なんてやりとり、あったかい感じでいいなあ、と思いました。
こういう雰囲気と、城攻めに象徴されるダークな感じがあんまり調和してなかったというか・・・。もっとこういうほのぼの雰囲気を前面に出した作品になってても良かったのになあ、と思いました。(それにはやっぱりカスピアン少年の方が・・・(汗))
そういえば、ニカブリクって原作では最初っから悪そうな?感じだったと思うんですが、映画ではトランプキンと親友だったんですね。懐疑的ながらも決して悪人ではなかったのに、誘惑されて・・・という感じだったんでしょうか。これ、映画の方が良いなあと思いました。
ワーウィック・デイヴィスはニカブリクの方をやってたんですね。なんかトランプキンだと思い込んでて、顔違うなあ・・・なんて思ってました(汗)まあニカブリクも特殊メイクでほとんど素顔わからない感じでしたが(汗)
白い魔女の復活、原作をめくって確認してみたら、「復活させよう」という寸前までは行ってたんですね。それをもう一歩進めて白い魔女まで登場させた、というわけですね。
これは良かったと思います。ティルダ・スウィントンはやっぱりカッコイイ
エドマンドが、前作の借りを返すとばかりに壁を砕いたのもカッコよかったです。
エドマンドは今回全体的にカッコ良かったですねえ。ピーターが不安定な分、エドマンドが脇に回っていいところを取ってたというか。
本当はカスピアンを主人公にして、ピーターも脇に回ってカッコよくあって欲しかったんだけどなあ・・・
あとはスーザンがトランプキンを運ぶ兵士を射るシーンも原作で好きなシーンだったんですが、期待どおりで嬉しかったですね。
でもスーザン、ちょっと戦いすぎだなあ。まあ、原作ではあまりにも弓の腕を見せるシーンが少なすぎ、とは思いましたけど。
あと、ベルナの橋の上で大軍とルーシーが対峙するシーンは絵的にも良かったですねー。最初アスランが見えてないので、小さな女の子がすらっと短剣を抜いて、かわいらしく立っている姿が・・・とっても良かったです。
そう言えば、ミラースの臣下のグローセル卿とソペスピアン卿、原作にも出てたんですねー。全く記憶にありませんでした(汗)
グローセル卿の方を決して悪人ではない設定にして、異世界の門をくぐると最初に名乗り出た人にしたのは上手いなあと思いました。王妃もですが。
こういう風に、原作に沿ってアレンジしたところは結構いいと思ったんですけどねえ・・・やはりあまりにも変えすぎてしまうとダメなのかなあ。まあ、このあたりは原作への思いいれ度によって、人によって変わるのでしょうが。

衣装は前作と同じ人だそうですが、前作よりも素敵だなーと思いました。人間がたくさん出てきたからかな?
ミラースの王妃の衣装とかきれいだったなあ。全体的に刺繍がすごくきれいで。
カスピアンは実はずっと寝間着のままなのですが(汗)あの寝間着の刺繍も素敵でした。
サントラは、前作では派手かなーと最初思ったんですが、聞きなれたのか、今回は素直にいいなあと思いました。
前作に引き続きアスランのテーマがアレンジされて何度も出てきたり、壁画でタムナスさんが出てきたらタムナスさんの子守唄がちょっと流れたりと、シリーズ物ならではのところもあって良かったですね。
そう言えば最後の大団円のあたりは、1作目と全く同じ音楽でしたね。アレンジ多少変わってるかもしれませんが。
もちろん使いまわしではなく敢えて同じにしてるんでしょうが、このあたりもシリーズ物ならでで良かったですね。
なんてことを考えていたら、やっぱりもう一度見なきゃなあ、という気になって来ました。

というわけで、不満もありつつ、良かったところもあり・・・という感じですが、とにかくもう一回観て判断したいかなあと。
TTTみたいに、自分の中でよく咀嚼してから見たら、なんとか見られるようになるかもしれないし・・・まあ、無理に脳内変換する必要まではないから、やっぱりTTTよりはマシかなーという気がします。私の中では。

てなわけで、今年見た映画の順位。
1.マイ・ブルーベリー・ナイツ / 2.ナルニア国物語第二章 カスピアン王子の角笛 / 3.エリザベス ゴールデン・エイジ / 4.スウィーニー・トッド / 5.転々 / 6.ライラの冒険 黄金の羅針盤 / 7.奈緒子 / 8.L Change the World / 9.マゴリアムおじさんの不思議なおもちゃ屋 / 10.カンフーくん / 11.ポストマン
あんだけ文句言っといて2位かよ!(笑)やっぱ好きなんじゃないの・・・? まあ、今年は今のところ不作だなーとは思ってるんですけどね。
コメント
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