きまぐれ発言

日々変化する世の中をみて、私はこう思う。

戦略的互恵関係とは

2010-10-06 09:57:03 | Weblog
戦略的互恵関係とは       (010.10.06.)

尖閣諸島での漁船衝突事件で、日中両国の険悪状態が続き、其の行方がアジア欧州会議(ASEM)の中で各国の注目を集めていたが、菅首相と温家宝首相が、首脳会議の夕食会のあと、会場外の廊下で、偶然出会い、廊下の椅子に座って、異例の会談が行なわれたと言うことである。

本当に偶然出会ったのか、廊下の椅子も前もって誰かが仕組んだものか、真相は解らないが、何はともあれ、険悪状態にある、両国の首脳が、顔を合わせて話をする事が出来たのは、何か両国の関係修復に向かわせるものを感じさせる。

話し合われた概要に付いて両首脳は「日中関係の現状は好ましくない」と言う認識を共有しており、ともかくも、両国で、決めた「戦略的互恵関係」の復活を望んだと言う事である。

そして、その具体的な措置として、ハイレベル協議の開催や、民間交流の復活を遣ろうと話し合われ、本来一方的に中国側が拒否した問題であり、復活する事は当たりまえの事である。

其の中で、菅総理は、尖閣諸島に付いては、日本固有の領土であると言う立場を鮮明にしたが、温家宝首相も、中国領土であると主張したと言う。
この辺は始めから、意見の衝突する所で、中国が急に強気に出たのも、日本の国内事情の混乱から、菅首相と言う新人首相に強硬姿勢を示せば、多少は引き下がった答えが出てくるかと思ったのかもしれない。見方によっては、其れだけ舐めてかかった態度としか受け止められない。

しかし、その影響は日本に対してより、欧州諸国始めアジアの国々の間で、中国と言う国の独善的な態度に驚き、各国が、中国との付き合いには、気を許すことが出来ないと言う警戒心を与えてしまった事では無いでしょうか。

中国が打ち出した報復措置は閣僚級会談の停止、日本青年の上海万博受け入れの延期、民間イベントの中止、更に輸出手続の停滞措置は、輸出の停止に繋がる措置である。

これら一連の措置は中国側の一方的な報復措置で、其れによって日本の外交問題を一歩でも後退させようと思ったのかも知れない。

しかし、其れによって、世界の国々の中国を見る目が変わったことに、慌てて、態度を軟化させた中国の“したたか”さは、見透かされたのである。

「戦略的互恵関係」とは、両国とも相容れない問題があっても、其の事は後回しにして、お互いが、協力しあえる問題を優先して、協調して行こうと言う事で、お互いの国民が理解でき得る状態を作る事が第一であります。

それが、出来ていない日中関係が、今回の事件で明確に現れたのである。改善に向けては、中国政府が、自国内での教育に、反日を煽るような事の無い様にする事では無いでしょうか。

今回の事件で、今まで中国人が日本への観光を通じて、次第に理解しあえたものを一挙に崩壊させた事は、日本国内でも「中国は信用出来ない」と言う姿勢に変わってきている。 全く無意味な事件を引き起こしたものだ。
(えびなたろう)