きまぐれ発言

日々変化する世の中をみて、私はこう思う。

公務員改革はすべてがご破算に

2009-01-13 12:24:50 | Weblog
公務員改革はすべてがご破算に      (009.01.13.)

一昨年の安倍内閣時代から公務員改革法に付いて議論されてきたが、その中で、「天下り」の問題、「渡り」の問題が論議され、結局此れが、公共工事の「官製談合」や「政治と金」の不正に繋がる原因に成っていることから、改革の必要性が問われ議論の中から「官民人材交流センター」と言うものが出来、これ等に付いては、行政改革担当大臣として、渡辺善美氏が安部・福田と両内閣において尽力されてきたのである。

中でも昨年、ねじれ国会の中、唯一与野党合意に達した、公務員人事に係る問題で、各省庁の幹部人事を省庁に任すのではなく、内閣が一元的に管理することにした事は、福田内閣の支持率を上げる働きがあるほどの好感を持たれていたものである。

今までは、各省庁で幹部人事は原案が省庁内部で作られ、内閣はそれを承認するだけで決まっていたから、官僚は担当大臣より強い姿勢を示し、反旗を翻す事務次官が居るほどで、我が国の「少益あって国益なし」と言われる「官僚主導の政治」が行われてきた元凶になっていたところである。

これ等の改革に、渡辺善美大臣は、一人官僚の抵抗に立ち向かって、一歩づつ積み重ねてきた法案で、昨年6月に与野党合意で成立を見たものである。

然しながら、当然、官僚からの抵抗は猛烈なものがあり、法案の実施に当っての顧問会議や、監視委員会等での運営に難航しており、福田総理の辞任によって更に先延ばしになってしまっていたのである。

今回麻生総理の段階になって、事が進むのかと思っていたら、進むどころか、逆転しだし、官僚の抵抗に従う麻生総理は、今までの改革の積み重ねが、一瞬にして水疱に帰した感がある。

道路特定財源の、一般財源化に付いても骨抜きにされ、緊急景気対策と言いながら、今までやってきた財政再建のシーリングは反故にされ、更に今回官僚の「天下り」や「渡り」についても承認する道を開いた事は、小泉内閣以来2代に渡ってやってきた改革の積み重ねは、無意味に帰することになり、此れには一番努力してきた渡辺善美行革担当大臣の心情には、同情に値するものがある。

自民党の中には、半世紀に亘る政権与党が作り上げて来た「利権のネットワーク」に住み付く「族議員」とそれを打破する「改革派」の二つがあるが、麻生総理は改革派を装い党内各派の協力者を引き寄せ、安部・福田の後釜総理の地位を手に入れ、「経済危機」を理由に解散を先延ばしにし、遂には9月の任期まで居座るつもりを決め込んだ。

今回の一旦成立を見た「国家公務員制度改革基本法」に対する、一番問題視している「天下り」や「渡り」問題を首相の特例認可により本法案を骨抜きにしたことは、将に国民を騙し討ちにした行為で、国民の信任も受けていない総理が実行する事ではありません。
(えびなたろう)