きまぐれ発言

日々変化する世の中をみて、私はこう思う。

テールに暮らす日本人

2007-07-23 10:54:11 | Weblog
テールに暮らす日本人     (007.07.23.)

「美しい国つくり」、聞こえは良いが、「美しい」と言う実感を、誰が味わえる様な国にするのかが問題である。

全国民の暮らしに対する満足度を所得別に並べてみてください。
ロングテール形状(尻尾の長いゴジラ形状)のグラフが出来ると思うが、その頭の方に近い20%の人だけが「美しい国」と感じ、テールの部分の80%の人達は「息苦しい」と感じて暮らしているのが、今の、わが国の現状ではないでしょうか。

ロングテールの頭の方の人も、尻尾の方の人も皆夫々平等に、一人一人が生きる権利を有する人間であるから、政権政党はむしろ80%の「テールに暮らす日本人」を最優先に考えた、政策を掲げる事が、当然の事ではないでしょうか。
 税金の額から見れば頭の方の20%が納める税金は、シッポの80%よりも多いかも知れないが、一つ一つは一個の人間で、たとえ、シッポの先に位置する人間と言えども
この国に暮らし、この国の国民として、生きている以上最低生活保障をしなければ成らないでしょう。
 其れが、厚生年金保障制度や高齢者・障害者介護制度、更には子育て制度ではないでしょうか。
今、日本はこれらの制度が、崩壊の危機に晒されています。若い青年少女が、未来へ向けて、生き甲斐を感じる職業に付きたいと、希望に燃えて、介護ヘルパー3級の試験に合格した人達が、現状の中で、希望を失い、疲労と悲観の末に離職する人が多いと聞いています。今日の新聞にも介護ヘルパーの人手不足は40万人以上と言うことで、これまた崩壊の危機状態にあります。
これらの業態は、弱者を救済する業態で、一般起業の様な弱肉強食の自由競争社会とは異質の業態です、厚生省は、其の事もわからずに、コムスンのような、利潤競争に明け暮れる行動を、見逃していた事は、大きな失政である事を認識すべきです。

それでも、安倍さんはいまだに、景気拡大策を選挙の第一声にかかげ、これが民主党と違うところだと言っている。
全く、ロングテールに暮らす国民には目もくれないで、自由競争社会で、利潤競争に明け暮れる20%の人達の税金を優遇しバブル季以上の好景気を揚げているにもかかわらず、更に「景気を拡大します、そこが、野党と違う所です」と言っている。

民主の小沢さんは、安倍さんと違い顔は悪いが、今日本に必要なのは弱者救済の分野に力を注がないと、崩壊すると訴えている。
ロングテールに暮らす日本人は、今まで低金利で我慢させられ、そのお陰で立ち直った銀行や大企業。
今度は弱者救済分野の政策をとって貰はないとますます、「息が詰まる」国に成ってしまうでしょう。

                      (えびなたろう)