つれづれの記

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ラグビーワールドカップー日本の奇跡

2015年10月09日 22時58分23秒 | 日記

2015年10月9日(金)  ラグビーワールドカップー日本の奇跡 

 

 第8回ラグビーワールドカップ大会が、イギリス(イングランド)で、この9月18日~10月31日の日程で行われており、予選プールリーグも最終段階だ。

  日本の緒戦は、イングランド南部の港町ブライトンで行われた、対南アフリカ戦だが、その状況が、日本時間の9月20日早朝、TVでライブ中継され、観戦した。

日本が、奇跡的な勝利を収めるという大番狂わせで、久々の感激を味わった。 

  その後、日本チームは、対スコットランド戦では完敗し、対サモア戦では何とか勝利して、TV観戦は、悲喜交々の結果となった。この11日の対アメリカ戦までで、日本チームの決勝トーナメント進出を掛けた闘いが決着する。

  

◎大会概要

  ラグビーワールドカップ大会は、1987年の第1回大会以降、4年毎に、これまで、7回開催されている。歴史が浅い事もあり、オリンピックや、サッカーワールドカップの人気ほどではないものの、世界第3位のスポーツ大会のようだ。 

  ラグビーは、イギリス発祥のスポーツとあって、伝統的に、イギリスの各地域(イングランド、スコットランド、ウエールス)やアイルランドの他、イギリス連邦に所属しているニュージーランド、オーストラリア、南アフリカ等で、盛んで強いようだ。

              

   今大会は、前回大会の成績上位でシードされた12チームと、地域の予選を勝ち上がった8チームの、計20チームで、本大会が戦われる。イングランドは開催国で予選免除だが、前回大会でベスト8に入っていて、シードされてもいる。

  20チームは、5チーム毎に、POOL A~Dの4グループに分けられ、予選プールリーグが行われる。

日本は、POOL Bで、南アフリカ(4)、スコットランド(9)、サモア(15)がシード、日本(11)、アメリカ(16)が勝ち上がりである。

  ( )は、今大会結果を含めた最新の世界ランキング(IRB 10/4発表)。

 

  予選プールリーグでは、5チームの総当たりとなるが、決勝トーナメント進出への、勝ち上がりのルールが面白い。得点による勝敗が、勿論、最も重要で、勝ちは勝ち点4、引き分けは勝ち点2、負けは勝ち点0である。

  これに加え、通常のスポーツでは、得失点差が重視されるが、ラグビーでは、得失点差自体ではなく、勝ちっぷり、負けっぷりを評価する、ボーナスポイト制と言う、ユニークな加点ルールがある事を、初めて知った事だ。  即ち、4トライ以上した場合は、勝っても負けても、+1のボーナスポイント、得点差が7点以内と僅差で負けた場合は、負けても+1のボーナスポイントを貰える。

  ラグビーに関しては、筆者は、大まかには知っているものの、詳しくは知らないレベルだ。以下に、記憶も薄れつつある中で、ネットにある試合経過等も参考にしながら、取り急ぎ、日本チームの、これまでの3度の対戦を振り返ってみたい。

  

◎南ア戦の試合経過  現地時間 9月19日  (ブライトン)

ラグビー日本、南アから大金星 24年ぶりにW杯勝利 - ラグビーワールドカップ2015:朝日新聞デジタル など )

         

               日本 34                            南アフリカ 32

○前半

 開始間もなく、相手ゴール近くで、相手反則でPKを得て、FBの五郎丸が、いつもの精神統一スタイルの後、難無くゴールを決め、幸先良く、3点を獲得した。

    3-0

日本は、又も、PKを得るが、1回目よりも、やや角度があって、五郎丸は、残念ながら外してしまった。

しかし、その後、南アにトライを決められ、コンバーションゴールも決められて、

    3-7

と逆転される。

そして、日本はモールで攻め、終に、キャプテンのFLマイケルが、トライを決める。

続くキックも決めて

    10-7

とした。

しかし、流石は、2度の優勝経験もあり、世界4位の南ア、すぐ後にトライを決めた(コンバーションキックは外れ)。

    10-12

ここで、前半終了。

 

○後半

後半開始早々、日本はPKを得て、成功させ、

   13-12

と逆転するも、すぐに、トライを奪い返され、コンバーションも決められ

   13-19

となる。しかし、立て続けの、2回のPKを五郎丸が決めて

   19-19

と追いつき、熱戦が続いた。

 その後、南ア、日本ともに、PKを決めて、

   22-22

の同点となる。

 そして、南アは、実力を発揮し、トライとコンバーションを決め、

   22-29

とするが、日本も、五郎丸のトライとコンバーシションの成功で追いつき、又もや

   29-29

の同点となった。その後、相手のPKを決められ、

   29-32

と突き放された。

 試合時間も少なくなった所で、日本が、相手陣内のゴールラインの近くで、反則を得たのである。

 此の時、PKを選べば、ほぼ決められる距離と角度だったので、+3で引き分けに持って行くことは、十分可能だった。だが、日本は、敢えてこれを選択せず、日本ボールのスクラムを選んだのである! 

 南アの固いディフェンスの前で突進を繰り返しては倒れ込み、パスを回しながら、可なりの回数になったところで、時間は、80分を過ぎていたが、左タッチラインギリギリのところに、ヘスケスが、劇的なトライを決めたのである。

会場は、割れんばかりの歓声で、興奮の坩堝と化したが、ひとしきり治まった頃に、五郎丸のコンバーションキックがあり、これは、外れてしまった。かくして、スコアは

   34-32

で終了した。  

 南アは、敗れたものの、僅差だったため、ボーナスポイント+1を獲得している。

 

○スコットランド戦の試合経過  9月23日  (グロスター)

<ラグビー速報>日本がミス連発でスコットランドに完敗 (THE PAGE) - Yahoo!ニュース

    

                 日本  10                        スコットランド 54

  日本の奇跡的な緒戦の勝利の余勢を買って、対スコットランド戦に期待が掛かった。 ランキングも日本に近く、当初から、スコットランドが、ターゲットだったと言う。

でも、スコットランドは、ワールドカップでは、殆ど、ベスト8に進出している強豪で、これまでの日本の対戦成績は、1勝7敗と大きく負け越している。 スコットランドは、緒戦だが、日本は、南ア戦から、中3日の休みで、可なり厳しい体調だったようだ。日本は、スタメンを6人入れ替えて臨んだ。

 ○前半

  日本は、スタートから、反則、ミスが目立ったようだ。

開始早々に、日本に、モールでのオフサイドの反則があり、早々と、PKを決められた。

暫くして、日本が、団子状態で、又しても反則をとられ、ゴールの至近でPKを決められた。これで、

    0-6

とされた。

 しかし、日本は、自陣内で相手反則を得て、五郎丸が、相手陣内深くでタッチラインを割る、絶妙なタッチキックを行った。これで、相手ゴールライン目前の、5メートルでの日本ボールのラインアウトとなり、ボールをキープしながら、モール状態で攻め込み、NO8のマフィがトライを決めた。しかも、コンバージョンも決めて、

    7-6

と逆転した。この攻撃は、見ごたえがあった。 

  でも、この後、日本に、危険なタックルの反則があり、スコットランドが、可なり難しいPKを決め、20分頃にも、日本が反則を犯し、ここでも、PKを決められて、

   7-12

と、再逆転されてしまった。

此の後は、前半終了まで、得点が動かぬ状態が続いた。

 松島が重い反則(シンビン)で10分間の退場となり、日本は、14人で戦う事となるピンチがあった。両チームの必死の攻防が続き、松島が戻る時間まで、凌ぎ切った。

日本は、いいところまで攻めたがトライできない。

一方、相手を、タックルでタッチラインの外に押し出して、トライを防いだ五郎丸のディフェンスなどがあり、スコットランドを、ノートライに抑えた日本のディフェンスは、立派である。

 

○後半

後半早々に、日本が相手反則を誘い、正面からのPKを決めて、

   10-12

と相手に迫る。しかし、活躍していたマフィが怪我で退場となり、ヘンドリックと交代した。

此の後、ボールを奪われ、相手が初のトライ。キックは失敗したが、

   10-17

となる。

 このあたりから、日本のプレーに精彩が無くなった。

五郎丸のPKは、さして難しいものではなかったが、ポールに当てて失敗。そして、相手ゴール近くまで攻めたが、ハンドリングのミスから相手ボールとなり、可なり長い距離を走って稼がれ、終に、ど真ん中へトライされる。コンバーションも決められ、

   10-24

と、大きく引き離された。

 日本の調子がおかしく、タッチキックからの攻め込みで、パスしたボールが、連携が乱れて、相手にインターセプトされ、独走の末、3個目のトライを許し、Gも決めれて、

   10―31

と、決定的な得点差となった。

 この後は、すっかり集中力を欠いた日本は、スコットランドのスピードとパワーに対抗できず、終了前に、立て続けに、2回の、トライ・Gを奪われて、14点加点され、

   10-45

という、大差で敗れたのである。しかも、相手に、4トライのボーナスポイントまで献上してしまった。

 前半は、何とか拮抗していたのだが、後半の途中以降は、ガタガタと崩れたようで、相手との体調の差もあろうが、スコットランドは、やはり、格上であることを見せつけられた結果となった。

    

◎サモア戦の経過  10月3日  (ミルトンキーンズ)

ラグビーワールドカップ2015日本VSサモア戦結果速報!日程と放送予定も! | 大河のように~

   

              日本   26                           サモア 5

 スコットランド戦の大敗後、十分に休養し、チャージアップし、作戦を立て直した日本チームに期待が掛かる。 

○前半

 開始間もなく、日本がPKを得て、成功させ、

    3-0

とする。その後、サモアの反則で、イエローカードが立て続けに出て(シンビン)、2名が各10分間づつ、試合に参加出来なくなった。

これをチャンスに、ゴールライン近くで、ラックで日本が攻め続けた。そのまま、トライかと思った所で、敵側から崩れた。これを、審判は、意図的に崩したとして、日本の認定トライを認めたのである。真正面の至近距離からのコンバーションも、難なく決めて、

   10-0

とした。あの光景を見て、ルールを良く知らない筆者は、日本のラックの最後尾で、地面にあったボールを、ラックが崩れると同時に相手側が奪い取ったので、これが反則となって、認定トライになったと思った事だ。

 その後、相手の反則で、PKを得て決めて、点差を

   13-0

と広げた。そして、WTB山田が、タックルをくるりと廻ってかわしながらトライを決めた。Gも決まって加点し

     20-0

と、やや、安心できる状況で、前半を終了した。

 

○後半

 後半も、一進一退が繰り返されたが、日本は、2度の相手反則では、ともにPKを選択し、着実に加点した。

   26-0

相手反則の時に、南ア戦の時のように、PKでなく、スクラムを選択し、4トライのボーナスポイントを狙う選択肢もあったと言われる。でも、あの日の相手のパワーからは、これは無理だったと思われ、PKは妥当な選択だったろう。

此の後も、熱戦が続き、サモアに1トライを奪われ(Gは失敗)、

   26-5

となって、何とか凌ぎきって後半を終了した。

 

◎試合結果と今後

プールBのここまでの対戦結果は、下表のようになっている。上位3チームが、2勝1敗で並んでいる。

  (プールB 日程・結果・順位 - ラグビーワールドカップ2015:朝日新聞デジタル

 

 日本に負けた南アだが、その後、スコットランドとサモアに勝ち、BP(ボーナスポイト)3点を加えて、勝ち点11だ。又、日本に勝ったスコットランドは、その後、米国に勝ち、南アに敗れたが、BP2点を獲得している。同様に、勝敗では同じ2勝1敗の日本だが、BPが無いことから、3位である。

 上位2チームの、南アー米国戦が7日に、スコットランドーサモア戦が10日に行われる。 そして、7日に行われた南アー米国戦は、南アが圧勝し、決勝進出が確定したようだ。日本の決勝進出の、残る頼みの綱は、他力本願だが、10日のスコットランド戦でのサモアの頑張りだけとなったようである。

この結果如何で、11日に予定されている、日本―アメリカ戦の前に、日本の決勝進出の望みが、無くなっているかもしれない。

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