つれづれの記

日々の生活での印象

「なでしこ」の快挙 その1

2011年07月20日 17時45分41秒 | 日記
2011年7月20日(水) 「なでしこ」の快挙  その1


 一昨日、7月18日の「海の日」は、久しぶりに、目覚まし時計をセットして早起きした。言うまでも無く、日本時間の早朝に行われた、FIFA女子ワールドカップドイツ大会の、決勝戦を観るためである。
 この決勝戦で、日本チーム「なでしこジャパン」が、強敵アメリカに、奇跡とも言える勝利をあげ、世界一に輝いたのである。このニュースは、東日本大震災に打ちひしがれている中、明るい話題の少ない日本全国の人達に、何と、素晴らしい吉報となったことだろうか!
 TVでの決勝戦観戦後、そのまま起き出してしまったのだが、一日中、どこか嬉しく、心地よく、イライラのない寝不足の感覚を味わった。

 この大会の会場で、ピッチに集まった選手たちそれぞれが、手に持って広げた巨大な横断幕には、
   To Our Friends Around the World
      Thank You for Your Support
と大書されていたが、試合の応援だけでなく、被災した日本に対する各国の支援にも、感謝するメッセージが、極めて印象的であった。
 
 サッカーの国際大会と言えば、昨年初春、中国 広州で開催された、サッカーアジアカップでの、日本の優勝の興奮が、蘇ってくる。
 これに比べれば、自分には、関心の薄かった、女子サッカーである。 比較的最近まで、FIFA主催で、女子にもワールドカップ大会があることも、この夏に、この女子ワールドカップ2011ドイツ大会が、フランクフルトで開催されることも、殆ど知らなかった。
 出場した選手達の、顔と名前、背番号、ポジションなど、澤選手以外は、殆ど分らなかったのだが、JFAのサイトから印刷した、選手達の顔写真等を、手許に置きながら、TV観戦する内に、少しづつ、覚えて行った。
 今大会で、一躍ヒロインとなった、彼女達の活躍ぶりを、2回に分けて、改めて、振り返ってみたい。

 先ずは、グループリーグ(予選リーグ)だ。 参加16チームが、4チームづつ、A、B、C、Dの、4グループに分かれて戦うのだが、日本は、Bグループで
   ニュージーランド、メキシコ、イングランド
と対戦することとなった。
 グループリーグのTV放送は、夜の12時前後に生中継されたため、比較的気楽に、TV観戦できた。

 最初のニュージーランド戦は、FIFAランキングでは日本が上だが、体格の違いなどもあり、緒戦と言うことで、苦戦も予想された。 
 ニュージーランド 国旗

 日本は、試合開始後まもなく、FW永里のゴールで、幸先良く先制したものの、程なくして、ディフェンスの隙を突かれて、相手にも得点を許し、1-1で後半戦へ。双方、決定的な場面が少なかったが、途中から入ったMF岩淵の動きが良く、相手ゴールのペナルティエリア近くへ突っ込んで、FKを得た。このFKを、MF宮間が冷静に、見事に、ゴール枠の右上隅に決め、これが決勝点となった。
 負担が大きいと言われる緒戦を、2-1で制し、勝ち点3を得たのは、大きな自信になった。

 次のメキシコ戦は、格上の日本が、前半で3得点、後半で1得点と、危なげない戦いぶりで、4-0で快勝し、安心して、観戦することができた。
 前半は、FKで宮間が上げたボールを、澤が、飛び出していって、ヘディングで合わせて先制。 続いて、見事な流れの連携で、FW大野が決めた。 更に、前半終了間際のCKでは、宮間が蹴ったボールを、澤が、相手の警戒の裏をかくように、するすると前に飛び出していって、ニアで、ヘディングで決めている。この試合のセットプレーでの2得点、宮間と澤のコンビは、予め、どのように示し合わせて居たのだろうか。
 後半にも、澤が、右足で、難しいゴールを決めている。この試合、澤選手は、ハットトリックの、大活躍であった。
メキシコ 国旗

 これで、第3戦を待たずに、予選リーグ2位以上が確定し、決勝トーナメント進出が決まった。

 グループリーグ最後のイングランド戦は、0-2で完敗し、グループ2位での決勝トーナメント進出となった。
 イングランド 国旗

 この試合、決勝進出を決めた安堵感と気の緩み、疲れなどもあっただろう。自分も、放送時間が遅かったこともあり、少し気を許して、TV観戦をしなかった!
 この試合後のTV解説では、反省として、外国人との体格の差をカバーするための、
    ・寄り添うサッカー(相手の体に寄り添って動きを制する)
と、相手に、ボールに追いつかせない
    ・パスサッカー(小刻みに早いテンポでボールを回す)
という、なでしこの戦術の原点 に立ち返る必要がある、と指摘された。
 この、イングランド戦に負けた反省が、その後の決勝トーナメントで、大いに生かされたように思われる。

 今回大会で、すっかり定着した、NADESHIKO(なでしこ)という、女子日本チームの愛称だが、2004年、JFAが、女子サッカーも盛り上げたいと、公募等を経て、正式に決めたようだ。
 ナデシコの中で、日本古来のカワラナデシコは、秋の七草の一つにもなっている(残念ながら、今は、我が庭には、無い)。 同じナデシコの仲間の、中国原産の、セキチク(石竹)が、唐撫子と呼ばれたのに対し、カワラナデシコは、大和撫子と呼ばれたようだ。 
 カワラナデシコ(ネットより借用)

いつしか、この、大和撫子という呼称が、日本女性をも、指すようになった、という。
 この大和撫子の定義は、はっきりはしないが、ある解説によれば、
   凛として清楚で、控えめだが、芯は強く、物事をきちんとこなす
女性を指すようである。 
 元々は、日本女性に対する「美称」なのだが、女性を、道徳的な枠に、はめ込むようなニュアンスもあろうか。
 でも、今大会で彼女達が、見上げるような外国人選手達と、体格のハンデを克服する戦術で、最後まで諦めず、芯の強さを発揮して、対等に戦った事は、愛称を地で行く、日本女性の活躍として、大いに拍手を送りたいものである。
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節電の夏  その2

2011年07月19日 17時02分21秒 | 日記
2011年7月19日(火) 節電の夏 その2


 この夏の、企業等での節電への取り組みについて、当ブログの先日の記事
     節電の夏 その1  (2011/7/9)
で触れたが、今回は、その続編である。

        

◎電力の需要量が、供給量を上回る事態になると、予期せぬ大停電が発生し、社会的なパニック状態に陥る、と言われる。これを未然に防ぐために、地域や時間を予告して停電を行う、計画停電が実施される。無秩序でコントロールできない停電パニックよりは、計画停電の方が、余程、まし な事態である、と言うことだろう。
 かくして、大地震で、多くの発電設備等が被害を受けたこの3月に、東電、東北電管内で、暫くの間、計画停電が実施された。 幸いに、大きな混乱も無く、多くの教訓が得られた。その、伝家の宝刀とも言うべき、計画停電も避けるために、目下、大節電キャンペーンが、国内で進行中、という訳である。(上記 ブログ参照)。
 予期せぬ大停電と言えば、アメリカ ニューヨーク等で、2003年に発生した大停電が有名だ。わが国でも、1987年(昭和62年)の、首都圏での例もある。

 需要と供給の関係から、予期せぬ大停電が、どのようにして発生するのだろうか。マンションの水道では、多くの家庭で水を使う時間帯になると、水の出が悪くなり、ちょろちょろとなるのは、たまに、経験することだ。電力の場合も、原理的には同様であろうか。
 即ち、電力需要が増加し、供給力を上回ると、次第に、供給側の電圧が下がり、電流が減って来る。この結果、照明は暗くなり、電動式の機械も、回転数が下がるなど、正常には動作しなくなり、のろのろとなってしまうだろう。
 電力の場合、供給系の設備では、電圧や電流の規格範囲が確保できなくなると、各種対策が講じられ、それでも駄目な場合は、自律的に、電力供給を停止するように設計されている、ようだ。あちこちの変電所で、このような事象がランダムに発生すると、給電系が大混乱してしまう事となる。

 このような事態になると、無効電力というものが、雪だるま式に増え、その結果、ますます、供給不足の状態になり、システム全体として、コントロール不可能な大混乱となる、と言う。
 通常に消費される電力は、有効電力と言われ、電圧と電流の位相が合っているが、電圧と電流の位相が90度ずれると、電力の消費が無い、無効電力になる、と言う。どのような理由で、位相のずれが発生し、無効電力となるのだろうか。
 この辺のメカニズムについては、シュミレーション等も行われ、研究もなされているようだが、自分には、全く、理解できていない。

 停電パニックは、現役時代に関係していた、電話の異常トラヒックを連想させる。大きな災害や交通事故が起きると、一般電話や携帯電話が、極端に輻輳し、使い物にならなくなるのは、過去に何度も経験したし、今回の大震災でも、同じであった。
 電話が繋がらず、話中音になると、何度もダイヤルを試みる(再呼)のは人間の習性で、このことが、更に輻輳を招くという、悪循環になる。電話の場合は、通常の、繋がった電話(完了呼)に対して、繋がらなかった呼を、無効呼と言っているが、現象として、無効電力と、共通するものがあるように思われる。

◎ここで、我が家の節電策について、簡単に触れたい。
○我が家の電力事情の概略は、以下である
 契約アンペア数  50A 10年ほど前に、40Aから変更
          月々の基本料は、1365円で、アンペアダウンすると
             →40A 1092円  現行より △ 273円
             →30A  819円  現行より △ 546円
          経済的になるのだが、手続きするのが、億劫である。 
 支払う電気代   数千円~1万数千円 (冬の方が多い)
 使用家電 等   TV コンポ パソコン(2台)
          冷蔵庫 洗濯機 掃除機
          電子レンジ 電気ポット オーブントースター 
          エアコン(2台) 扇風機           
          他に各部屋の照明
○主な節電策
 □待機電力は、原則、使わないこととしている。
  ・TV
    TVを見ない時は、大元のスイッチを切る。リモコンのスイッチで切るのは、番組の録画を予約している時だけ。 
    ただ、画面の明るさは、標準のまま。
  ・パソコン
    短い時間、離席する場合は、ノートPC(常用)の蓋を閉めて、スリープモードにするが、それ以外の、夜の就寝時など
    は、シャットダウンにする。

 □省エネモードを活用する
  ・冷蔵庫
    各種設定は、控え目にする
      運転モード   通常運転 【 ひかえめ運転】
      新鮮冷蔵室   【弱】 中 強 チルド
      スライドチルド 【冷蔵】 チルド パーシャル
      冷凍室     弱 【中】 強  
    夏期に大活躍する製氷機能は、冬期は停止
    食料品は、入れ過ぎない様に心掛けてはいるが、殆ど、満杯に近い状態!
  ・電気ポット 
    省エネモードに設定。 2時間以上、無操作状態が続くと、保温が自動停止。朝起き時等は、再沸騰させる。
  ・リビング天井の蛍光照明
    照明用リモコンに、省エネモード(少し暗くなる)というボタンがあり、壁にリモコンを取り付け、入室時に、ボタン操
作する。
  ・トイレの便座
     トイレの便座の保温は、夏期は、切って、冬期だけ使う。 又、シャワーの温度は、水だとびっくりするので、四季を通
    じて、低温にしている。

 □涼しさの工夫
 ・扇風機の活用
   昨年夏、扇風機が壊れていたので、ホームセンターに買いに行ったら、在庫が無く、手に入らなかった。 今年は、節電が
  言われていたこともあり、早めの5月頃に、出かけ、入手した。
   この扇風機、3千円程の、台湾製の普及品なのだが、十分に、使い物になっている。機能としては、以下のように、
     風量  :弱風、中風、強風の3段階
     運転時間:連続の他、止めるまでの設定時間が、1、2、4時間後の3段階
     首ふり :固定と、広角の2段階
  と、通常使う機能は、一通り、付いている。
   面白いのは、「リズム」と名付けられた機能だ。この機能は、運転中に、風量を、周期的に切り替えられる機能で
      停止⇔弱風
      弱風⇔中風
      中風⇔強風
  の、3段階が選べるようになっている。
   心地よさを誘う変化として、1/fゆらぎ、という事が言われ、この機能を備えた、高級な扇風機もあるが、このリズム機
  能も、単純だが、面白い工夫と言えよう。
   これらを組み合わせることで、安価な扇風機でも、結構、涼味が得られるのである。

 ・エアコンの活用
   猛暑を凌ぐには、扇風機だけでは、勿論、不十分で、エアコンは必須である。エアコンの使用に先だって、エアコンの掃除
  をやる。通常は、金網やフィルターを外し、その埃を落とすのだが、今年は更に、電気掃除機のホースを、エアコンの近くま
で延ばして、刷毛も使いながら、可能な限り、本体の埃等の除去も行った。天井側の隙間などから、塊になった大きな綿ぼこ
りが、沢山出てきた。
   エアコンの放熱効果を上げるため、室外機の配置について、壁から離して設置すると、かなりの節電になると、TV番組で
は伝えられたが、我が家では、2台とも、既に、十分に離れている。
   この夏のエアコンの設定温度の推奨値は、28度だが、そう涼しい温度ではない。長時間、留守にして帰宅した時などは、
  最初は24度位にして一気に冷やし、その後、温度を上げるようにしている。

 ・組み合わせ
   室内の涼感を得るには、気温や時間帯により
      扇風機だけ
      エアコン冷房と扇風機の併用
を使い分ける。
  電力制約の少ない夜間は、少し気楽に冷房を併用しているが、就寝時は、冷房は止め、その冷気を、扇風機のリズム機能   で、一定時間、寝室に送り込むようにしている。

・早朝の贅沢
暑い日中などは、ガラス戸を締め切って、扇風機や、エアコンの御世話になるのが通例だ。 
  でも、暑い夏でも、日の出前は、結構、涼しい。 早朝にトイレに起きる習慣があるので、その時に、東側の部屋のガラス   戸、南側の部屋のガラス戸、隣の寝室のガラス戸を、全て開けて、網戸にする。こうすると、少し風のある日には、屋内に冷  気の通り道が出来て、大変に涼しく、心地よいのである。
   ひと時の、我が家の、ささやかな銷夏法の一つだが、天然のクーラーによる、早朝の贅沢、と言えるかも知れない。

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今年も木苺の季節  その2

2011年07月13日 21時34分31秒 | 日記
2011年7月13日(水) 今年も木苺の季節 その2


 ここ10年近く、ルーフバルコニーでの、木苺作りを楽しんでいる。先日、本ブログに
   今年も木苺の季節 その1 (2011/6/16)
として、ラズベリー、タイベリー、イエローベリーについての記事を投稿したが、今回は、その続編として、少し時期が遅い、ブラックベリーについて触れたい。

○木苺類の場合、前年に伸びた枝に、翌年に花が咲き、実を付けるのが、一般的である。従って、葉が伸びて花を付ける頃になると、根元から新しい枝が、勢いよく生えてきて、それが成長し、翌年、その枝に花を付けて実がなる、という、順番が繰り返される。
 特にブラックベリーの場合は、その新枝が、勢いよく伸びる様子が、見事であり、生命力を感じさせる。

○今年実を付けたブラックベリーは、3株である。その中で、かなり前に、初めて手に入れた、最も古い株(仮に A株)は、数年に亘り1昨年まで、沢山、実を付けたのだが、昨年は、駄目であった。そろそろ寿命かな、と思っていたら、復活したように、根元から新枝が、数本出て来て、その枝に、今年は、かなりの実を付けたのである。この株の実は、長楕円形で大きく、種も気にならない位で、食べやすい。
 来年用の、新たな枝も出てはいるが、勢いが無く、残念だが、こんどこそ、御役目ご苦労さん、になるかもしれない。

○現在最も勢いのある株は、数年前に、近隣から手に入れたもので(仮に B株)、特に、昨年から、丸型の実を、沢山つけるようになったが、今年の勢いは、更に凄い。12号鉢の下に、土を入れたトロ箱を入れて、下駄を履かせている。
     ブラックベリーの枝ぶり         
 先日、思いの外の収穫があったので、初めて、家人が砂糖をまぶし、火を通してジャムを作ってみた。
    採れたブラックベリー
赤紫色の、鮮やかなジャムが出来たのだが、実の形がそのまま残り、中の種が、結構硬く、食べにくいのである。

 一昨日になって、再び、かなりの量の実が採れたので、こんどは、ジャムの作り方を変えて見た。暫く水煮して柔らかくした後、目の粗い笊や籠で、スプーンを使って実を潰しながら、種を取り除くのである。ブラックベリーの種が、ちょうど引っかかるような、目の粗さの道具を、何とか見付けて種を除き、その後、砂糖で味を付けた。
 結局、種が全く入らなかったので、色どり、は申し分ないのだが、歯ごたえのない、物足りないジャムになった。別途、粒の儘で砂糖漬けにしたブラックベリーがあったので、それを少し加え、何とかバランスがとれたジャムになった次第。 適度の硬さで、プリプリ感のあるジャムを作るのは、結構、難しいようだ。
 家人の情報では、専門店では、プロの作ったブラックベリージャムも、売られているようなので、その内、手に入れてみる予定である。

○もう一株は、A株の、こぼれた実から自生した、我が家生まれで、まだ、3年目位である(仮に C株)。今年は、若いので、まだ花が咲かないと思っていたら、かなり遅れて、花を付け、幾つかの実も付いている。果たして、黒く熟して、食べられるまでになるかどうか。

○木苺類は、実を楽しませて貰った後は、お礼肥をあげて、一段落である。今回取り上げたブラックベリー3株と、前回触れた木苺類の、来年用の新枝は、以下の様な状況である。
  ブラックベリー
    A株     3本  勢いが弱く来年は ?
    B株     3本  大変な勢いで来年は◎
    C株     1本  十分な勢いで来年は◎   
  ラズベリー    6本  ○
  タイベリー    2本  ○ 
  イエローベリー  3本  ○ 
 来年の楽しみとして、じっくり待つこととしよう。

○種類は少し異なるのだが、フサスグリ と言うのもある。真っ赤で、まん丸な可愛い実を付ける。以前の昔、田舎で、良く食べた、懐かしい味である。
 株が小さく、数えるほどしか実を付けないので、食べるのを控え、専ら、色を楽しんでいる。
 フサスグリ の実





















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節電の夏  その1

2011年07月09日 22時53分38秒 | 日記

2011年7月9日(土) 節電の夏 その1


 今回の巨大地震により、東京電力や東北電力の受けた打撃は、極めて大きかった。 規模では、世界一の電力会社とまで言われていた東電の、電力供給能力は、震災前は、或る情報では、
   6800万kW/h
程だったようだが、福島第一・第2原発の事故等による運転停止、火力発電所等の被災による運転停止で、能力の半分以上が失われ、震災直後は、供給能力は  
   3100万kW/h
程に低下してしまったが、その後、火力発電の修復、増強などの懸命の努力で、現在は、かなり、回復しているようだ。 夏場に向け、供給能力は、5520万kW/hまで増強されるようだが、でも、今後予想される、需要は、到底賄い切れず、積極的な節電策が講じられている訳だ。(昨年夏は、最大需要 5700万kW/h!) 
 節電対策として、当初は、大事業所、中小事業所、一般家庭別に、それぞれ、目標が示されたが、その後、一律に、15%削減になり、大事業所(500kW/h以上)については、強制力のある電力使用制限令が、7月1日から、実施され(37年振り)、9月末まで継続される予定だ。 中小事業所、一般家庭については、強制ではなく、努力目標となっている。

 かなり前から、各方面で、さまざまな節電の取り組みが、なされているが、特に、事業所関連では、一般照明の削減、昼間から夜間への操業時間帯の変更、夏休みの長期化、電車の運転本数の削減、等々が行われている。
 サマータイムを導入し、始業時間を繰り上げているところもある。このことから、アフター5ならぬ、アフター4のビジネスも現れているようだ。
 重要なことは、電力のピークを如何に減らすかという、ピーク減、と言うことだから、節電、とは少し違うのだが、全般的な節電指向が、ピーク減にもつながる面はあろう。
 電力需要は、平日に比べて、休日はかなり少ないので、操業日・営業日を休日に変更することの、ピーク減効果は大きい。 自動車業界全体として申し合わせ、木・金を休日とし、代わって土・日に稼働する、というパターンを、7月1日以降から、整然と実施している。 曜日を変えて工場等を稼働するのだから、工程が同じなら、節電にはならないのだが、社会全体の電力需要のピークを、平準化する効果は極めて大きい。部品等を供給する関連企業も含めた変更なので、相当な量になると思われる。関係している従業員や家族の皆さんの、ご苦労に感謝したい。
 一方、自動車関連工場の周辺では、飲食業の営業日の変更、土日の保育所の開設なども必要になる等、影響は大きいのだが、震災後の部品のサプライ問題を既に克服し、電力平準化問題にも、生産力を落とさずに、敢然と取り組もうとしている、わが国の自動車産業界に敬意を表しながら、何としても、ここは乗り切って欲しい、と願っている。

 就業日の変更は、各方面で行われているようだ。NTTドコモは、土・日に仕事をして、月・火を休みにしたようだ。ドコモの場合、通信設備は、24時間に亘って稼働しなければならないので、オフイスでの節電等が、主体となろうか。
 確か、海老名市役所だったと思うが、節電のため、来所者数が比較的少ない、水曜の午後を休みにしたようだ。
 又、NTTグループでは、曜日を決めて、通信を利用した在宅勤務を、本格的に行うようだ。これにより、在宅での電力需要は幾分増えるが、オフイスでの電力需要が減り、通勤のための交通機関の利用も減るので、社会的な省エネ効果は大きいだろう。

 最近のTVに、天気予報ならぬ、「電気予報」が登場して、今や、すっかり定着している。
 東電管内の電力について、当日の、予想される最大使用電力と、計画している供給能力とを数値で表し、両者の比:最大使用電力/供給能力=使用率% を示している。この所は、使用率が80%程度に収まっているので安心だが、夏場の冷房需要増で、今後はどうなるだろうか。今日になって、例年よりかなり早い、関東地方の梅雨明けが発表されており、いよいよ、正念場を迎えようとしている。
 東京電力のHPでは、リアルタイムに近い形で、数値が公表されている。
 7/8朝 NHK―TVより

 使用率が高くなった時は、どのようなアクションになるのだろうか。はっきりした数値は聞きもらしたが、使用率が高くなり、95~97%位が想定される時は、黄色信号レベルで、時間的な余裕を持って、計画停電が予告されるだろうか。更に、99%程に達すると想定される時は、危険域の赤信号レベルで、計画停電が実施されることとなろうか。
 大震災後、この3月に実施された、東電管内の計画停電では、対象地域や時間が、ぎりぎりまではっきりせず、交通信号が停まったり、医療機関や老人福祉施設も停電になるなど、社会的に、かなりの混乱があったが、貴重な社会実験だった、とも言え、多数の問題点・要改善点が明確になった。
 今後、止むを得ず、計画停電を実施する場合は、これらの反省を踏まえて、混乱なく、しかも効果的に、実施されると思われるし、そう願っている。

 大震災を乗り切る今回の節電運動は、忘れかけていた、協調的な日本人の国民性を、発揮する機会であるとともに、これまで、殆ど自覚することなく、使い放題だった電力消費を見直し、エコライフも考える、一つの切っ掛けになるのではないか。
 我が家の節電については改めて触れる予定だが、一般家庭では、最も電力を使う、エアコン冷房が問題で、冷房を控えたために熱中症になってしまった、などと言う、悲劇も起こっているだけに、注意が必要だ。
 

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ビールの季節

2011年07月04日 17時35分09秒 | 日記
 2011年7月4日 (月) ビールの季節


 梅雨の合間であるが、この所暑い日が続き、冷えたビールが、美味しい季節になった。先だっての、6月19日は、父の日だったが、近くに住んでいる息子が、サッポロビールが出している、各種缶ビールを揃えた、面白い土産を持ってきてくれた。
 ビール:
     黒ラベル生(自分の一番好きなビール)           
     エビスビール(発祥の地、恵比寿に因んだ、プレミアムビール)
 発泡酒(第2のビールとも言われる)
     北海道生搾り                    
 新ジャンル(俗称 第3のビール)
     Draft One その他の醸造酒(発泡性)①  
     麦とホップ     リキュール(発泡性)①

         黒生        YEBISU     生搾り     Draft One   麦とホップ

 同じメーカーの、各種ビールを、それぞれ、飲み比べて見たのだが、アルコールの味に鈍感なせいか、際立った差は感じられなかったのは、少し、残念である。

 わが国には、ビールの国産化に取り組んだ、先人達の長い歴史がある。発泡酒が出回るようになって久しいが、比較的最近になって、新ジャンルのビール(マスコミでは、第3のビール、との呼称も)が出現するに及んで、ビールの多様化が、急速に進んだ。
 新ジャンルは、その他の醸造酒(発泡性)①と、リキュール(発泡性)①に分かれているが、双方の違いは、あまり気にしていない。
 キリン、アサヒ、サッポロ、サントリーのビール大手は、戦略的に、ジャンルを限定していた時期もあるが、現在は、どのジャンルのビールも、製造・販売しているようだ。 特に、キリンとアサヒが、多様な商品を出しているようだが、スーパーや酒屋の店頭に並ぶ、各社の「缶模様」の壮観さには、目を見張るものがある。    
 大手には、自社ブランドの他に、外国有名ブランドビールの販売も手掛けているところもある。又、少し前になるが、自由化で一時話題となった、小規模の地ビールブランドが、各地にある。

 長年、日本政府は、塩・タバコ・酒の専売を、大きな税収源としてきた。だが、塩の専売が崩れ、タバコの専売も需要減で、風前の灯となっている現状では、頼みの綱は酒税である。酒税の中で、ビールにかかる税金は、以下のようになっているようだ。売値は、ある安売り店での例である。
 ビール   税金 220円/リットル  
       350ml缶で、税金が77円      売値 210円
 発泡酒   税金 134円/リットル  
       350ml缶で、税金が47円      売値 158円
 新ジャンル 税金  80円/リットル  
       350ml缶で、税金が28円      売値 125円
                      
 これらの、アルコール濃度は、5%前後で、殆ど同じであるが、税率は、どのようにして決められているのであろうか。
当局の規制の隙間を突いて、メーカーが、安くて旨い新商品を開発し、市場に投入してくる。暫くして人気が出てくると、強かな当局も油断がならず、税率を上げて税収増を図ってくると言う、イタチごっこの繰り返しのようだ。 

 ビールは、大麦の麦芽と、ホップと、水を原料としており、発泡酒もほぼ同様のようだが、製造面等での、発泡酒とビールとの違いは良く分からない。一方、新ジャンルは、麦芽以外の、大豆やトウモロコシ等を使うようだ。でも、原料は何であれ、少なくとも、アルコールという点では、すべて、同じである。  

 ビールと言えば、以前、本場ドイツのバイエルン州の州都、ミュンヘンのビール祭り(Oktoberfest)に連れて行った貰った事がある。 広大な会場いっぱいに、人々が集まり、ビールを飲んで談笑する風景は、忘れられない。大ジョッキを両手で持って飲んだ豪快さも良かった。その時に手に入れた、記念の壁飾りが、我が家では、今も健在である。
 Oktoberfest 壁飾り

 今回、ビールの種類や酒税等について、ほんの少し調べて見た訳だが、ビールの製造法、エールとビールの違い、生ビールとは、ラガービールとは、ビールの泡の正体、アルコールフリーのビール、などなど、気になる事は山ほどあり、興味は尽きない。でも、折角の冷えたビールがまずくなりそうなので、今回は、このあたりで止めとしよう。
 この大震災で、海に近いキリンビールの仙台工場が、大変な被害を被ったようだ。 節電のためのサマータイムでのアフター4でなく、本来のアフター5でのビヤガーデンを、晴れやかな気分で楽しめる日が、一日も早く訪れることを、祈るばかりである。
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