2024年5月18日(土) 核のゴミ問題
◆玄海町が受け入れへ
先日の5月16日、佐賀県玄海町が、核のゴミの文献調査を受け入れたと発表した。
(参照:核のゴミ「文献調査」、佐賀県玄海町が受諾文書を経産相へ発送…正しい情報発信など要請:地域ニュース _ 読売新聞.html)
玄海原発では、現在、3号機が稼働中で、原発立地自治体として、文献調査を受け入れるのは、初めてである。
核のゴミの最終処分場に関しては、これまで、北海道後志地域の2自治体(寿都町、神恵内村)が、文献調査の受け入れを表明している。
この関連で、当ブログに、以下の記事を投稿している。
核のゴミの最終処分場 (2024/2/22) (P77)
これで、全国で、3自治体が、文献調査の受け入れを表明したこととなる。
◆原発再稼働状況
ここで、我が国の原発の状況を、改めて調べてみた。
福島第一原発での事故を受けて、国内の原発の状況が一変した。
東日本大震災前は、原子力への依存度が、25%位あったのだが、事故後は、稼働する原発が無くなって、石炭火力などへの依存度が大幅に増加している。
その後、必要に迫られ、原発の再稼働が行われており、原子力規制委員会の、この4月26日時点の情報では、稼働状況は、以下のようだ。
(参照:原子力発電所の現在の運転状況|原子力規制委員会.html)
関西電力美浜 3号機
関西電力大飯 3、4号機
関西電力高浜 1、2、3、4号機
四国電力伊方 3号機
九州電力玄海 3号機
九州電力川内 1、2号機
合計で、11機が運転中となっている。
電源構成でみると、ほんの数%である。
稼働状況を地図上に示したのが下図。
地図は、2023年1月時点の情報で、上述の規制委員会の情報とは、1年強の違いで、僅かに異なっているだけである。
◆核のゴミ問題
原発を稼働させれば、当然のことながら、使用済核燃料の処置が必要で、下図のように、再処理後、ガラス固体化し、地層処分法による、地下埋設が行われる。
(参照:【Q&A】「核のごみ」とは?その危険性は?最終処分場どう決める?原子力政策最大の課題 そもそも解説 _ NHK _ 「核のごみ」処分場選定.html)
我が国では、福島の原発事故によって発生した、大量の核廃棄物の処理問題が、別にある。
各国の取り組み状況は、下図のようで、調査段階の国が多いが、処分地選定済で、建設が進んでいる国もある。
(参照:北欧の「最終処分」の取り組みから、日本が学ぶべきもの①|スペシャルコンテンツ|資源エネルギー庁.html)
図にあるように、最も先を行くのが、フィンランドのようだ。
フィンランドでは、原発があるオルキルオト島の敷地内の、地下300m程の地下に、貯蔵施設を建設中で、2024年中にも、施設が稼働する、とも伝えられている。
日本では、2000年に成立した、「特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律」(最終処分法)で、高レベル放射性廃棄物の処分施設の建設場所を選ぶための、段階的な調査が定められている。
その中で示されている、「科学的特性マップ」を見ると、北海道の2自治体は問題ないが、今回の、玄海町については、下図のようで、鉱物資源採掘の関係で、やや、問題があるようだ。
最終処分場の選定には、下図のように、資金の援助を受けながら、今後20年ほどかかるようだ。
地下施設は、全国で,1カ所に絞り込まれると思われるが、今後、どのように進められるのだろうか。