2024年5月4日(土) うなぎの完全養殖
⚫先日のNHKのテレビで、うなぎの完全養殖が成功したとの、情報が流れた。
残念ながら、番組は特定できないのだが、幼生のえさを、他の魚(さめ?)の卵から作っている?とも記憶している。
うなぎのライフサイクルは、謎が多いのだが、下図のようになっていると言われている。
産卵場所は、太平洋 メラネシアのマリアナ海溝周辺のようだ。
そこで生れ育って、幼生のレプトセファルスになる。
日本や台湾などの海岸に辿り着く時までに、シラスウナギに成長し、海岸で捕獲され、浜名湖周辺などで養殖される。
シラスウナギの国内捕獲量は、近年は、下図のようで、大幅な減少となっている。
◉完全養殖
絶滅危惧種である、ニホンウナギを守り、我が国の伝統的な食文化を維持するためには、完全養殖は、極めて価値の高い事業である。
完全養殖については、以下のような研究成果が報告されているようだ。
*水産研究・教育機構
(参照:ウナギ「完全養殖」へ 鹿児島県内で大規模実験 水産研究・教育機構と協力 産経ニュース.html)
水産研究・教育機構が、2018年9月に、完全養殖の見通しがついたと公表し、今後、鹿児島県の養鰻業者の協力を得て、実証実験を行うとしている。
下図は、当該機構が公表した人工シラスウナギである。
*近畿大学水産研究所
(参照:近畿大学、ウナギの完全養殖に成功 持続可能な生産へ - 日本経済新聞.html)
2023年10月 和歌山にある、近畿大学水産研究所が、完全養殖に成功したと公表した。下図は、餌やり風景である。
近畿大学は、近大マグロの養殖に成功した実績がある。
*鹿児島大学水産学部の研究グループが、採取したうなぎ目の幼生の消化管内物のDNA解析から、彼らの主な食べものは、広く分布している、ミジンコの「かいあし」(下図)のフンであることを突き止めたようだ。(参照:夢の完全養殖へ前進! ウナギの「赤ちゃん」のえさ解明へ _ NHK DNA解析.html)
これらの研究成果が、相互に生かされながら、完全養殖の事業が大きく前進すると期待されるのだが、安定した生産体制を実現するためには、あと、数年はかかるようだ。
絶滅危惧種のレッテルが無くなり、適正な価格で食べられる日が来ることを、うなぎ愛好家の1人 として、待ち望んでいることだ。