つれづれの記

日々の生活での印象

原発事故と電波時計

2011年05月09日 17時12分09秒 | 日記
2011年5月9日(月) 原発事故と電波時計


 福島第一原発事故は、最初に水素爆発が起こった1号機の、建屋内に作業員が入って、作業ができる状況になって来たようで、本格的な冷却システムの構築に向けて、一歩前進という、久々の明るいニュースである。関係の皆さんの、奮闘を期待したい。

 去る5月4日のNHK朝のニュースで、原発事故の関連から、標準電波の送信が、停止している、ということを知って、驚いた。
 国内には、東日本をカバーする、福島の大鷹鳥谷山送信所と、西日本をカバーする、佐賀の羽金山送信所の、2か所が開設されていて、ここから、標準電波を送信している。
 このうち、福島では、原発事故に伴う避難措置等により、現在、電波の送信が停止中と言う、異常事態になっているようだ。福島の送信所では、地震直後、機器は正常だったのだが、高電圧を扱う安全のため、機器を停止し、送信を止めた上で、避難したと言う。その後、4月に入って、無人状態で、送信を再開したが、こんどは、落雷事故に遭い、機器が故障してしまったようだ。現在、危険区域に入っていて、立ち入りが制限され、修理ができないことから、復旧の見通しは立っていない、という。
 標準電波は、電波時計用だけでなく、各分野での、時間の基準として利用されているだけに、送信停止の影響は、大きなものがある。東京周辺は、西日本の送信所からの電波が届くか届かないか、丁度、境目付近の微妙な距離になる。
 
2か所の標準電波送信所(CITIZEN社 HPより)

 自宅には、2007年に記念品として頂いた、電波時計が2台あり、下記ブログで、触れたこともある。
    分表示が100進法の時計 出現!(2010/2/20)
    2秒ほどの時間遅れは大問題?  (2010/4/5)
以来、太陽電池式のCITIZEN製 と、乾電池式のSEIKO製 共に、大いに活用してきたところである。

 この内の、太陽電池式が、最近、時間や表示が、どうもおかしい、と思われることが何度かあり、外に出したら、表示が幾分鮮明になったりしたのだが、ニュースを聞いて、そうだったのか、とも、思った。
 こちらの時計について、その日の、5月4日に、思い切ってリセットし、屋外に出して、自動的に日時・時刻が合うのを待ったが、一向に変わらない。もしや夜間なら、雑音が少ないので、受かるのでは、と思い、外に出しておいたが、翌朝見ても、変わらなかった。東京では、残念ながら、九州からの電波は、受からないようだ。
 リセットした時に、1月1日12:00から始まったが、それ以降は、自前のクオーツ機能で動作して、そのまま、日時を更新している。
 一方の、乾電池式の方は、原発事故以降も、電波が停止していると思われるのに、内臓のクオーツ機能で、正常に動作しているようで、テレビの時刻表示とも合っている。

左 乾電池式 正常                右 太陽電池式 日時ずれ

 デジタルテレビ受像機での時刻表示は、先のブログ記事の頃は、直接、標準電波を受信しているのかな、とも、思っていた。今回、改めて調べたら、そうではなく、放送波の中に含まれている、時刻情報(TOT:Time Offset Table)から、受像機で処理し、時刻表示しているようだ。
 この場合、標準電波と同じ時刻源から、有線で時刻情報を貰って、地上デジタルテレビ放送波に、TOTとして組み込んでいる、と思われる。 
 
 電波時計は、標準電波が受信できさえすれば、正確な時刻が得られることから、クオーツ機能は付いているものの、手動で、日時や時刻を合わせる機能は、どうも、見当たらないし、説明書は、普段、見ないことから、行方不明になっている。一方、標準電波自体が止まる、という事態は、あり得ないこととして、殆ど、考えられていないようだ。 
 標準電波の送信が停止したのは、送信所開設以来、初めての事態、と言うが、今回の事故は、時間を得るのに、余りにも、標準電波に依存し過ぎている、と、言うことに対する、警鐘でもあろうか。
 今後は、2か所の送信所のカバー範囲を、ほぼ二重化するように、配置や出力を変えていくことも、必要なように思われる。  
コメント
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