2010年12月04日(土) 広州アジア大会
4年毎に開催されるアジア大会だが、第16回大会が、本年、中国の広州で、11/12~11/27に亘って開催され、無事、閉幕した。2年前には、中国としては初めての、北京オリンピックが開かれ、又、この夏には、上海万博があり、そして今回のアジア大会と、中国の勢いを象徴するかのような、立て続けの、ビッグイベントの開催である。 次のアジア大会は、4年後、韓国のインチョン(仁川)で開催の予定だ。
ワールドワイドな、オリンピックや、サッカーワールドカップに比べると、アジア大会は、リージョナルなイベントで、盛り上がりや関心も相対的に低いのは仕方がないのだが、日本の選手諸君の、幾つかの活躍が、印象に残った。
陸上競技では、短距離の福島千里選手の、100m、200mでの、2冠が光る。メダルには縁の薄かった陸上だけに、ハードルは高いのだが、ロンドンオリンピックへ向けて、今後の成長と活躍を楽しみにしたい。 又、最終日に行われた男子マラソンは、TVの中継を見たが、途中で3位に落ちた北岡選手が、最後は、カタールの選手を追い越して、銀メダルを獲得したのには、拍手を送りたい。 彼のマラソンは、まだ今回で2度目と言うが、己と戦いながら、力を振り絞り、最後まで諦めずに健闘した、お手本のような活躍である。
一方、チームでの活躍も目立つ。サッカーの男女の優勝も立派だ。男子は、U-21という条件のようだが、若手の活躍は今後に期待が持てる。女子は、澤選手を始め、先のオリンピックでの悔しさを晴らしたようだ。
ソフトボールのイランとの決勝戦は、安心して観戦できた。北京オリンピックで大活躍した上野投手の姿を見たのは久しぶりだが、一時、戦列を離れていた彼女が、再度復活し、見事に大役を果たしてくれた。次のロンドンオリンピックには、ソフトボールの種目が無くなるのは、まことに残念である。
もう一つの団体競技のバレーボールで、男子の金メダルは、16年振りと言う。北京オリンピックでは振るわなかったのだが、今回は、宇佐美、清水、山村など、知っている選手も活躍しているのが嬉しい。植田監督の采配も、軌道に乗って来たのではないか。
今回の大会での、日本の成績については、色んな評価や批判はあるようだ。アジアで満足するわけにはいかないのだが、アジアで活躍できなくて、世界はないのだから、先ずは、アジアから始まる、のも事実である。
開催地である広州は、中国の広東地方を代表する、人口1000万クラスの大都市である。古来、食は広州にあり、と言われ、広東料理(八宝菜、フカヒレ、広東麺など)が有名である。
今大会のシンボルとなるエンブレムは、5頭のヤギに纏わる、神話からつくられたようだが、中にある大会名は、英語表現で、Gangzhou2010 と呼ばれている。
広州アジア大会のエンブレム
地元中国での発音については、門外漢だが、「広州」の英語表現を見ると、日本語の発音とは、少し、違うようだ。主要都市について、調べてみた。
漢字名 日本語での発音 中国語での発音
広州 Kohsyuh Gangzhou(ガンズー)
北京 Pekin Beijing(ベイジン)
上海 Syanhai Shanghai(シャンハイ)
香港 Honkon Hongkong(ホンコン)
青島 Chintao Qingtao(キンタオ)
南京 Nankin Nanjin(ナンジン)
バレーボールのTV中継を見ていて、会場の立て看板に、中国移動通信 の文字が見えた。よく見ると、中国では、動 の字が違っていて、
動⇒云う偏に力 この字は日本には無い
のように、略字になっている。
又、一昨日夜のTVだったか、中国外務省の関係のTV報道の中で、「問題」の字が
問⇒門構えの略字と口 この字は日本には無い
題⇒是+頁(おおがい)の略字 頁(おおがい)の略字は日本には無い
のように、略字が使われていた。
気にしていると不思議に目に付くようで、今日、地下鉄の駅で、「きっぷうりば」の表示が、中国文字で
集⇒隹(ふるとり)の下に口 この字は日本には無い
票⇒同じ
処⇒夊(すいにょう)にト この字は日本には無い
となっているのが分った。
これらはほんの数例で、このように、略字化の方向が違うケースは、枚挙に暇がない程多い、と想定される。
漢字は、元々は中国で作られ、漢時代以降、日本に伝わったものだが、その後、日本独自の変遷を経ている。勿論、本家の中国でも、然りである。このことから、大半の文字は一緒なのだが、それぞれで、略字化が行われるなどして、異なった文字も多くなっているようだ。
日本では、漢字と言うが、今や、立派な日本語の一部、日本の文字なのである。極論すれば、其れを、煮て食おうが、焼いて食おうが、中国に断りなく、勝手にやっていいのである。日本での漢和辞典は、スタイルがほぼ決まっているが、そこには、現在、中国で使われている、文字や略字は入っていない。言い方を変えれば、「漢和辞典」は、中国の過去のある時代の、文字を中心とした日本向けの辞典で、現代の、中国語と日本語とを対比した、「中和辞典」ではないのである。
とはいえ、大会のスローガン
激情盛会 Thrilling Games
和諧亜州 Harmonious Asia
は、漢字を見ただけで、英語表現を見なくても、その意味する心が伝わるのが嬉しく、ほっと和む気分になるのは、漢字文化圏として、ルーツを共有している故であろう。
大会のスローガン
このスローガンを、敢えて日本語にしてみると
競技の興奮
アジアの調和
位になるだろうか。
4年毎に開催されるアジア大会だが、第16回大会が、本年、中国の広州で、11/12~11/27に亘って開催され、無事、閉幕した。2年前には、中国としては初めての、北京オリンピックが開かれ、又、この夏には、上海万博があり、そして今回のアジア大会と、中国の勢いを象徴するかのような、立て続けの、ビッグイベントの開催である。 次のアジア大会は、4年後、韓国のインチョン(仁川)で開催の予定だ。
ワールドワイドな、オリンピックや、サッカーワールドカップに比べると、アジア大会は、リージョナルなイベントで、盛り上がりや関心も相対的に低いのは仕方がないのだが、日本の選手諸君の、幾つかの活躍が、印象に残った。
陸上競技では、短距離の福島千里選手の、100m、200mでの、2冠が光る。メダルには縁の薄かった陸上だけに、ハードルは高いのだが、ロンドンオリンピックへ向けて、今後の成長と活躍を楽しみにしたい。 又、最終日に行われた男子マラソンは、TVの中継を見たが、途中で3位に落ちた北岡選手が、最後は、カタールの選手を追い越して、銀メダルを獲得したのには、拍手を送りたい。 彼のマラソンは、まだ今回で2度目と言うが、己と戦いながら、力を振り絞り、最後まで諦めずに健闘した、お手本のような活躍である。
一方、チームでの活躍も目立つ。サッカーの男女の優勝も立派だ。男子は、U-21という条件のようだが、若手の活躍は今後に期待が持てる。女子は、澤選手を始め、先のオリンピックでの悔しさを晴らしたようだ。
ソフトボールのイランとの決勝戦は、安心して観戦できた。北京オリンピックで大活躍した上野投手の姿を見たのは久しぶりだが、一時、戦列を離れていた彼女が、再度復活し、見事に大役を果たしてくれた。次のロンドンオリンピックには、ソフトボールの種目が無くなるのは、まことに残念である。
もう一つの団体競技のバレーボールで、男子の金メダルは、16年振りと言う。北京オリンピックでは振るわなかったのだが、今回は、宇佐美、清水、山村など、知っている選手も活躍しているのが嬉しい。植田監督の采配も、軌道に乗って来たのではないか。
今回の大会での、日本の成績については、色んな評価や批判はあるようだ。アジアで満足するわけにはいかないのだが、アジアで活躍できなくて、世界はないのだから、先ずは、アジアから始まる、のも事実である。
開催地である広州は、中国の広東地方を代表する、人口1000万クラスの大都市である。古来、食は広州にあり、と言われ、広東料理(八宝菜、フカヒレ、広東麺など)が有名である。
今大会のシンボルとなるエンブレムは、5頭のヤギに纏わる、神話からつくられたようだが、中にある大会名は、英語表現で、Gangzhou2010 と呼ばれている。
広州アジア大会のエンブレム
地元中国での発音については、門外漢だが、「広州」の英語表現を見ると、日本語の発音とは、少し、違うようだ。主要都市について、調べてみた。
漢字名 日本語での発音 中国語での発音
広州 Kohsyuh Gangzhou(ガンズー)
北京 Pekin Beijing(ベイジン)
上海 Syanhai Shanghai(シャンハイ)
香港 Honkon Hongkong(ホンコン)
青島 Chintao Qingtao(キンタオ)
南京 Nankin Nanjin(ナンジン)
バレーボールのTV中継を見ていて、会場の立て看板に、中国移動通信 の文字が見えた。よく見ると、中国では、動 の字が違っていて、
動⇒云う偏に力 この字は日本には無い
のように、略字になっている。
又、一昨日夜のTVだったか、中国外務省の関係のTV報道の中で、「問題」の字が
問⇒門構えの略字と口 この字は日本には無い
題⇒是+頁(おおがい)の略字 頁(おおがい)の略字は日本には無い
のように、略字が使われていた。
気にしていると不思議に目に付くようで、今日、地下鉄の駅で、「きっぷうりば」の表示が、中国文字で
集⇒隹(ふるとり)の下に口 この字は日本には無い
票⇒同じ
処⇒夊(すいにょう)にト この字は日本には無い
となっているのが分った。
これらはほんの数例で、このように、略字化の方向が違うケースは、枚挙に暇がない程多い、と想定される。
漢字は、元々は中国で作られ、漢時代以降、日本に伝わったものだが、その後、日本独自の変遷を経ている。勿論、本家の中国でも、然りである。このことから、大半の文字は一緒なのだが、それぞれで、略字化が行われるなどして、異なった文字も多くなっているようだ。
日本では、漢字と言うが、今や、立派な日本語の一部、日本の文字なのである。極論すれば、其れを、煮て食おうが、焼いて食おうが、中国に断りなく、勝手にやっていいのである。日本での漢和辞典は、スタイルがほぼ決まっているが、そこには、現在、中国で使われている、文字や略字は入っていない。言い方を変えれば、「漢和辞典」は、中国の過去のある時代の、文字を中心とした日本向けの辞典で、現代の、中国語と日本語とを対比した、「中和辞典」ではないのである。
とはいえ、大会のスローガン
激情盛会 Thrilling Games
和諧亜州 Harmonious Asia
は、漢字を見ただけで、英語表現を見なくても、その意味する心が伝わるのが嬉しく、ほっと和む気分になるのは、漢字文化圏として、ルーツを共有している故であろう。
大会のスローガン
このスローガンを、敢えて日本語にしてみると
競技の興奮
アジアの調和
位になるだろうか。