つれづれの記

日々の生活での印象

サッカー南アフリカ大会 その2

2010年07月17日 22時42分09秒 | 日記
2010年/7月17日(土) サッカー南アフリカ大会 その2
 
 先に、当ブログで、
   サッカー南アフリカ大会 その1 (2010/6/29)
として、主に、予選リーグについて触れたが、今回は、決勝トーナメントである。

 FIFAが主催するサッカーWC南アフリカ大会も、早いもので、7月11日(日)の決勝戦で、閉幕した。大会前に心配された、治安上の問題や、大きなトラブルも無く、無事成功裏に完了できたことは、 開催国の南アフリカだけでなく、 アフリカ全体にとっても、大きな自信になったことであろう。今後の動きに、注目したい。
  開催国 南アフリカ

 ベスト16チームによる決勝トーナメント(以下 決勝Tと略称)に駒を進めた16チームは
     アジア    日本 韓国
     ヨーロッパ  ドイツ スペイン オランダ イングランド
            ポルトガル スロバキア 
     アフリカ   ガーナ
     北中米     アメリカ メキシコ
     南米     ブラジル アルゼンチン ウルグアイ パラグアイ チリ
で、やはり、南米、ヨーロッパ勢が強い。開催大陸のアフリカのガーナが残ったのは良かった。アジアも、日本、韓国が頑張っている。名門、フランス、イタリアの名前が無いのが印象的。 

 決勝Tの1回戦の、6/29の日本―パラグアイ戦は、日本全国が、固唾を呑んで見守った。結果的には、PK戦で敗れ、ベスト8入りは果たせなかった。
 前半、後半の90分は、押され気味で、危ない場面はあったものの良く守り、攻めもあって、健闘した。延長戦も、0-0で、PK戦となった。現地では、最も面白くない試合と酷評されたようだ。
 PK戦は、パラグアイ先行で始まり、周知のように、パラグアイの3人目までは、問題なく決めた。日本の3人目の駒野が、左上隅を狙いすぎて、クロスバーに当てて外してしまった。 その後の4人目は双方が決め、 パラグアイの5人目が決めた時点で決着がついた。パラグアイの4人目、5人目の時に、今大会で、PKをセーブした実績のある、日本の守護神川島が、止めてくれることを期待したが、叶わなかった。
 普段は外したことが無い駒野が、 失敗したことは残念だが、 彼が外さなかったとしたら、決着が先に延びて、どちらかがミスするか、セーブされるまで、続いたわけで、彼が成功していたら、勝ってベスト8に進めた、とは、言えないのだ。勝負には、ミスはつきもの、彼一人が、落ち込む必要は、全く無い。
 駒野の落胆振りと、それを思いやって、輪の中に迎え入れ声を掛けるチームメイトの様子は、印象的であった。
 駒野の出身地の和歌山県が、今大会で全試合出場し、ディフェンスとして身体を張って活躍した彼を、帰国後に特別表彰するニュースが流れた。最後のPK戦での失敗が無くとも、表彰は勿論行われたと思うのだが、国内に、爽やかな風を送ってくれたのである。
 PK戦の失敗で忘れられないシーンがある。94年、W杯アメリカ大会の、イタリアーブラジルの決勝戦で、同点のまま決着がPK戦に持ち越され、イタリアの主砲ロベルト・バッジオが、バーを外し、天を仰いだ後、うなだれた様子が思い浮かぶ。イタリアは敗れたのである。
 後日、この時のことを、彼は、次のように言ったという。
  “PKを外す事のできる選手は、PKを蹴る勇気のある選手だけだ”
気の強い負け惜しみにも聞こえなくは無いが、決勝まで進んだ誇りと、国を代表する責任の重さとを感じさせる、名言と受け止めたい。
        
日本0 3(PK)5 0パラグアイ

 決勝Tの1回戦の中で、日本戦以外は、2試合を、リアルタイムで、TV観戦した。
一つは、6/27のドイツーイングランド戦だが、ゴールを巡る判定で、明らかな、誤審が発生した。決勝Tになると、後が無いため、どのチームも必死で、誤審があると、影響は大きい。
 前半、2-1でイングランドが負けている時に、イングランドのループシュートが、ゴールのバーに当たった。この時の映像では、バーに当たったボールが、一旦、完全にゴール内に着地し、再度跳ね上がって、再びバーに当たり、跳ね返ったボールを、キーパーがキャッチ。この時のボールは、ゴールの線上位だったろう。しかし、一瞬の出来事であり、主審や線審の位置からは、正確には見えなかったのだろう。ノーゴールという判定になり、抗議があっても、判定は変わらなかった。その後、立て続けに、ドイツの若手により、2度のカウンター攻撃が見事に決まり、4-1でドイツが勝ったのである。
 でも、あそこで、ゴールの判定だったなら、イングランドが追いついて、上げ潮ムードになり、その後の試合展開が変わっていた可能性は、十分あったと思われる。若し、ドイツの追加得点が無く、2-1のままで試合が終わっていたら、なお更、イングランドの選手や関係者にしてみれば、あの映像を見るたびに、苦々しい思いが込み上げて来る事だったろう。
 ドイツーイングランド戦では、45年前に、ゴールに関する似たような疑惑があったようだ。この時は、逆に、ゴール線上に落ちたボールが、ゴールと判定され、イングランドが勝ったと言う。
 
ドイツ4      1イングランド

 もう一つは、6/27のアルゼンチンーメキシコ戦である。前半、アルゼンチンのメッシがシュートしたボールが、キーパーにはじかれ、これを、オフサイドポジションに居たテべスが難なく決めた。 前回触れたビデオ画像でも、明らかなオフサイドポジションなのは、はっきりしている。しかし、メキシコの猛烈な抗議にも関わらず、オフサイドの判定は無く、試合はそのまま継続され、3-1でアルゼンチンの勝利に終わった。
    
アルゼンチン 3   1 メキシコ  

 ゴール/ノーゴールの判定や、オフサイドの判定の精度を上げることは、今後の検討事項であろう。ハンドの判定についても、微妙なところがあり、明らかなハンドでも、神の手などと言われ、伝説として語り草にもなっているようだ。
 線審の数を、今の2人から、4人に増やすことが考えられる。また、折角、映像情報があるのだから、疑わしい時や、相手チームからクレームがあった時は、試合を中断し、ビデオ映像も参考に、審判団で協議するやり方に出来ないものか。日本の大相撲での土俵際の競り合いや、MLB野球でのホームランの判定などで、既にビデオが活用されている。
 審判の誤審を含めてサッカー大会だ、とある解説者は言った。その通りであり、人間がやる判定ゆえに、見落としや、間違いがあることも許容すべきで、判定を変えないことで、審判の権威、さらには、試合の規律が保たれる面はある。でも、客観性のある明らかな誤審は、そのままにする方が問題ではなかろうか。
 決勝Tで立て続けに起きた、2件の誤審について、FIFAのブラッター会長も謝罪しているが、今後に向けて、何らかの改善策が検討されることになるのだろうか。

 決勝Tの1回戦が全て終了したのは、6/29で、この時点で勝ち残って、ベスト8に進んだのは、以下に絞られた。     
     ヨーロッパ  ドイツ スペイン オランダ
     アフリカ   ガーナ
     南米     ブラジル アルゼンチン ウルグアイ パラグアイ 
 ガーナ以外は、ヨーロッパと南米で、過去に優勝経験があるなど、強豪、揃いだ。
日本がいないのは、勿論淋しいが、以降は、準々決勝、準決勝、決勝と続く、世界超一流の名プレーを、心安く、楽しませてもらった。

 ベスト8による、準々決勝は、4試合のうち、2試合をリアルタイムでTV観戦した。
一つは、ウルグアイーガーナ戦である。
 前半、ガーナが先行し、後半になって、ウルグアイが追いつき、1-1となった。延長戦に入り、延長後半ロスタイム中に、ガーナに絶好のチャンスが訪れた。ウルグアイの選手がゴールの前でハンドを犯し、ガーナのPKとなったのである。時間的にも、このPKが入れば、ガーナの勝ちはほぼ決まったようなものであった。そのPKを、ガーナの名選手、ギャンが外してしまったのである。
 結局、延長戦でも決着がつかず、最後のPK戦となる。先のPKを外したガーナのギャンから始まり、彼は、今度は、しっかり決めたのだが、後が続かず、4-2で、ガーナが敗れた。
 アフリカで唯一残っていたガーナにとって、延長後半の終盤間際のPKを入れていれば、ベスト4はほぼ間違いなかっただけに、これを外したことは、無念至極であったろう。
     
ウルグアイ1 4(PK)2 1ガーナ

 もう一つは、オランダーブラジル戦である。前半、ブラジルは、長いスルーパスから鮮やかに先制し、ブラジルのペースかと思われた。後半、オランダのFKから、ブラジルのオウンゴールで、同点となってからオランダは元気付いた。オランダが、低いCKを、ヘディングの中継で2点目を入れて逆転すると、ブラジルに焦りが出た。
 ブラジルの選手が、倒れているオランダの選手を、靴で踏みつけるファウルがあり、レッドカードで一発退場となってしまった。意図的に踏んだのではなく、流れの中でそうなったと思われるのだがーーー。この後は、数の上での優位もあり、オランダが凌ぎきった。
 ブラジルらしからぬプレーで番狂わせがあったわけで、オランダの対ブラジル戦は、何と、74年以来の、勝利という。

 ベスト4に進出したのは
     ヨーロッパ  ドイツ スペイン オランダ
     南米     ウルグアイ 
で、準決勝は
     ウルグアイーオランダ
     ドイツースペイン
となり、放送時間の関係で、TV観戦は省略し、試合終了後の、ニュースやダイジェスト版で見せてもらった。南米勢は、優勝経験もあるウルグアイが辛うじて残ったものの、中心は、ヨーロッパ勢で、ブラジルも、アルゼンチンも既に居ないのが、いつもと異なっている。

 結局、決勝は ヨーロッパ勢同志の、
     オランダースペイン
の戦いとなった。
 11日の参院選挙の開票速報を、夜中の12時頃まで見た後、一旦寝て、目覚まし時計で3時に起き、寝不足気味ながら、TV観戦した。
 試合は、オランダの攻撃サッカーと、スペインのパスサッカーの対決と言われたが、90分でも決着がつかず、延長戦も後半に入り、PK戦か、とも思われたが、スペインのイニエスタの、見事なボレーシュートが、決勝点となり、決着した。
 スペインは、初の決勝進出で、初優勝で、史上7番目の優勝国の名誉を得た。国内は、金融問題などで危ない状況にあるだけに、この優勝をバネに、大いに、盛り返して欲しいものである。
 心情的には、日本が対戦した、オランダに勝って欲しかったのだが、オランダは、今回で3度目の準優勝国となるようだ。人口や面積などで、小国といえるオランダが、今回優勝していたら、サッカーの歴史は、また、変わったかも知れない。
    
オランダ0     1スペイン

 決勝戦のような試合は、プロの目から見れば、レベルの高い試合なのだろうが、素人目には、見ていて、いまいち、楽しくはない。野球でも、0-0 の投手戦よりも、シーソーゲームで、3,4点が入る試合が面白いように、サッカーでも、せめて、1点づつ取ってくれると面白くなる。
 サッカーの試合は、結果だけを知るのであれば、終了後に、ニュースなどを見れば済む。が、定時的な中断が無いサッカーの試合は、途中、トイレに行く時間も惜しいくらいの、はらはらどきどきの緊張感で、リアルタイムで観戦するのが、良いのである。
 華麗な個人技が見せ場でもある南米のサッカーに比べ、ヨーロッパのサッカーは、システムの戦いと言われるが、早々と南米の強豪勢が姿を消し、ヨーロッパ勢が圧倒した今回の大会は、今後の新しい時代を示唆するものかもしれない。

 活躍した日本選手団の帰国歓迎ムードも収まり、各選手は、それぞれのチームに戻って、Jリーグも再開した。今大会では、外国のチームで活躍している、本田、松井、長谷部、などの活躍が光ったが、彼らに続けと、KPの川島がベルギーの、DFの長友がイタリアのチームに転籍するなど、次のブラジル大会に向けて動きが始まった。日本チームも、世代交代が急速に進んでいると言えよう。
 日本のFIFAランキングが、これまでの45位から32位に上がったことで、少し、自信になろう。 日本代表にも、今大会を切っ掛けにして、世界のレベルが少し見えて来て、手ごたえも体感できるようになって来た、と言えるのではないか。 ベスト4を夢として語るのではなく、それを目標とすることに、一歩、近づいてきたようだ。






















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