青山潤三の世界・あや子版

あや子が紹介する、青山潤三氏の世界です。ジオログ「青山潤三ネイチャークラブ」もよろしく

中国の野生植物 Wild Plants of China リンドウ科Gentianoceae-18

2021-02-28 16:28:11 | コロナ 差別問題と民主化運動 中国の花


★2月27日の記事に、いいね!その他ありがとうございました。


Gentiana arethusae 輪葉竜胆 (地域集団:雲南省香格里拉) 〔sect. Kudoa 多枝組〕



モニカが香格里拉の町の近くで撮影してきた写真(2013.10.1)。花色が空色ではなく紺色。花筒部が細い。花冠裂片の先に針状の突起はない。という点で、典型ナナツバリンドウと異なる。全体の印象としては、この2つ後に紹介予定の「華麗系」の“フタツバリンドウ”に似ている。標高がやや低いことも共通する。しかし、葉は輪葉である。

大雑把に見れば、前回(第16回)紹介した、省境山地の“典型ナナツバリンドウでないほう”の個体に似ている。あるいは、次に紹介予定(第20回)の四川省四姑娘山(巴朗山)の幾つかの個体とも共通する。それらを「典型ナナツバリンドウ」から分けるとすれば、「ムツバリンドウ」ほか、どの分類群に含めればよいのか? 一括りにして扱うのか、個々の分類群に分けるのか? その辺りがよく分からないでいる。

ということで、とりあえずは全部ひっくるめて、「輪葉竜胆ナナツバリンドウGentiana arethusae」ということにしておく。

手元に、以前日本国内で発売された「雲南花紀行」(2003年、国際花と緑の博覧会記念協会、著者は中国人の研究者)というのがあった。この本の記述と写真を参照すると、今回紹介した個体や、前回紹介の中の「典型ナナツバリンドウではない個体」、および次回紹介予定の四川省四姑娘山巴朗山の個体群は、(輪葉系の種ではなく)華麗系(「中国植物志」では11種が記されている)Gentiana helophila喜湿竜胆, Gentiana caerestis天藍竜胆, Gentiana veitchiorum蓝玉簪龙胆, Gentiana sino-ornata華麗竜胆などに振り分けられるようである。

「中国植物志」では、「華麗系」と「輪葉系」の最も重要な区別点を、茎葉が「対生」か「輪生」かという点に置いている。しかし、この「雲南花紀行」では、華麗系各種の解説に置いて、輪葉が輪生するのか対生するのかについては、一言も書かれていない。また写真を見ても、「華麗系」として紹介されている種は、全て輪生であるようにも見える。

次々回(第22回)に紹介する予定(四姑娘山長坪溝)の「華麗系」のGentiana veitchiorum蓝玉簪龙胆(フタツバリンドウ)と暫定的にした個体群は、明らかに対生であるのだが、この本でGentiana veitchiorum蓝玉簪龙胆として紹介されている写真は、輪生である。

「華麗系種の茎葉は対生」と明記する「中国植物志」と、そのことに全く触れず、かつ写真を見る限り輪生葉個体が数多く含まれている(一応全個体)「雲南花紀行」と、どちらが正しい処置なのか?(もっとも、「輪生」と見えるのは、実は接近して密生しているだけで、正確に輪状派出しているとは限らない、という見方も出来るのかも知れず、それはそれで別問題となり得る)。

もし、後者の見解を採るならば、今回の個体や、前回の一部個体や、次々回の個体群(すなわち「典型ナナツバリンドウ」以外のヤクシマリンドウ組の多くの集団)は、「対生葉」であるか「輪生葉」であるかに拘らず、華麗系の各種に振り分けることが可能となる。

しかし僕は、多数の分類群を作る(それも「とりあえずの手段」としては意味があると思うけれど)のではなく、夫々の地域群ごとに(あるいはそれらもひっくるめて)、「典型を含めた多様な形質幅を持ったひとつの種」と捉えて置くほうが、より妥当ではないかと思っている。

広義のナナツバリンドウ/輪葉竜胆/Gentiana arethusae(と同定することが妥当かどうかはともかく)を含む「輪葉系」の各種と、フタツバリンドウ/蓝玉簪龙胆 /Gentiana veitchiorumなどの「華麗系」の各種を、改めて整理し直す必要があると思う(近い将来に遺伝子解析で「ある程度の」“答え”が出るのだろうけれど、それが最終的な「答え」であるとは限らない)。

何度も指摘しているように、各部位の「大きさ」「形」「色」「位置」「数」など、重箱の隅をつつくような細部への拘わりを続けていると(それを「学術的な作業」と見做していると)、本質を見失ってしまう。

体系に基ずく「決定」だけに終始するのではなく、俯瞰による全体の把握が為されないと、本質は見えて来ない。



香格里拉の町。2010.5.14



秋の香格里拉近郊。イワタイゲキ属(トウダイグサ科)の一種の紅葉。2010.9.22






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中国の野生植物 Wild Plants of China リンドウ科Gentianoceae-17

2021-02-28 08:59:34 | コロナ 差別問題と民主化運動 中国の花



読者の方々に質問です(僕は頭が悪いので、教えて頂ければ幸いです)。

【Ⅰ】
マスクは、なぜ必要なのですか?

【Ⅱ】
「沖縄に対する日本」
「台湾・チベット・ウイグルに対する中国」
の違いを教えて下さい。

*毎回(リンドウの項目奇数回)のブログ記事の冒頭に、この質問を繰り返し続けることにします。
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 
自称、似非科学者の青山潤三です(“エセ科学”、、、なんか響きの良い言葉のように思いませんか?)。
 
(あや子さんが設置してくれている)「ブログ村」の“科学”の項目をチェックしてみたら、僕のブログが「科学」「自然科学」「生物学」の上位に来ていますね(なぜか真面目に「リンドウ」の話をし出してからやや少なくなったけれど、それでも常にベスト10圏内を維持しています)。結構不思議で、なんだか“申し訳ない”という想いもあります。
 
といって“エセ”というのは、必ずしも卑下しているわけじゃなくて、それなりの自負を持っての上での表現です(それと、僕のは決して“スピリチュアル”とかではないので混同しないように)。
 
確かに、科学の急速な発展で、今まで考えもしなかった様々な事柄が、次々に実現し続けています。科学者は偉いと思うし、その努力にたいしても、敬意は払っています。
 
でも、「全体」からすれば、成し得ていることは、ほんのちっぽけな断片に過ぎないかも知れない。体系を追従することによって齎された「結果(成果)」だけを過信するべきではない、と思うのです。
 
“エセ科学”といえば、第一人者は「ドクター中松氏」でしょうか。エセ(一応誉め言葉なんですけれど)は失礼かな? なんといっても「イグ・ノーベル賞」受賞者です。僕はこの賞は、ノーベル賞なんかよりも、もっと大きな意味を持っていると思っています。
 
「映像文化」に対しての「ラズベリー賞」(最悪の映画に与える賞)も、ちょっと(ちょっとだけですが)似たところがあります。
 
ジョニー・ティロットソンは、この賞の授賞者の一人です。1966年「The Fat Spy」。主演ジェーン・マンスフィールド(僕、大好きです、マリリン・モンローよりもずっと可愛くてセクシーだし、、、この年33歳、翌年交通事故で亡くなります)。ジョニーは端役?なので、受賞者対象外かも知れませんが。でも、結構重要な役柄で出ていますね。
 
リアルタイムでは皆分からなかっただろうけれど、今の時代から振り返れば、ジョニーのこの役柄の位置づけは、非常に深い意味を伴っていると思います(60年代中期の文化の転換時を、肯定的に見るか、否定的に捉えるか、、、いわば彼の役柄を「時代に取り残された低知能者」として認識するかどうか、ということ)。
 
「イグ・ノーベル賞」が、ある程度には(というよりかなり大きな程度で)尊敬の念が込められた賞であるのに対し、「ラズベリー*賞」のほうは、バカにする対象としてしか扱われていない訳でしょうが、今になって思うと、単純にそう言う事でもないような気がしています。
 
*もとより、メジャー・フルーツであるストロベリー(バラ科バラ亜科オランダイチゴ属)に対し、ラズベリー(バラ科バラ亜科キイチゴ属)のほうはマイナーな存在です。でも結構美味しいのですよ(商品化されたブラックベリー類も、そのほかの野生キイチゴも)。
 
冒頭から「新世代」の「カウンター・カルチャー」のヒッピー・ミュージシャンたち(The Wild Ones注:日本のじゃなくてオリジナルのほう)が、叫び続けます。もし、これを(この映画の主題の一つとして)ポジティブに捉えているとしたら、面白いですね。愛、平和、自由、反権力、、、、。何度も繰り返して言うけれど(笑)、ローリング・ストーンズ誌(ザ・ローリング・ストーンズではない)あたりの解釈に沿って、、、。
 
この前後を含めて、ジョニーは4本の映画に出演しています。うち2つは本人役、1つは固有名称なし。「ファット・スパイ」だけは、役名(ドド)が付いています。
 
ちょっと頭の弱そうな、、、白痴がかった、と書こうとしたのだけれど、パソコンでこの文字が出てこない!僕は白痴の一人として、これこそ大変な差別だと憤慨しています(健全な人達にとっては「空気の中」から抹殺したいのでしょうけれどね)、、、まあ言ってみれば、時代に取り残された若者です。人魚に恋して、最後は海の中に消えていきます。
 
(そのことを知っている人はごく一部の人だけでしょうが)ジョニーの生い立ちには、絶対に触れることの出来ない、あることが存在します。映画の制作者は、そのアンタッチャブルな「あること」を知らなかったのでしょう。知っていたら、絶対にこのような役を、ジョニーにオファーしなかったはずです。
 
それを想えば、ジョニーは、よくこの役を引き受けたものだと。もしかすると、ずっと深いところで、何か想うところがあったのかも知れません。ノー天気に見えて、そうでもないのです。何しろ、ティーン・アイドル真っ最中に、大学を卒業して修士号(マス・コミニュケーション学)を取得しているぐらいですし。
 
コメディ-映画(ドタバタミュージカル)です。「東西冷戦」「若者の新文化(フリー・セックス等々)」そういった時代現象を背景に置いています。
 
その中にあって、ジョニーの出演場面(18分15秒-18分45秒/21分25秒-24分30秒*/27分45秒-24分55秒/32分50秒-33分00秒/47分15秒-50分25秒/54分00秒-57分20秒)だけは、ちょっと異なる雰囲気を醸し出しています。

The Fat Spy | 1966 | Full Movie


2曲を歌っています。特に「I Wonder Where Is The Girl For Me」。これが素晴らしい曲です。なんで、リリースされなかったのが不思議なくらいです。
 
*「I Wonder Where Is The Girl For Me」のところだけなら、こちらを。


 
不思議と言えば、、、。今改めてチェックしたのですが、ジョニーの「Todo」は、脇役(或いはスペッシャルゲスト)とはいえ、相当に重要な役柄です。しかし、後の公式?ポスターにしろ、ウイキペディアにしろ、ジョニーの名は、何処にも見当たりません。
 
その当時の知名度からすれば、ジョニーは出演メンバーの中で、かなり上だと思うのですが(映画自体のオープニング&エンド・タイトルのクレジットでも最初にジェーン・マンスフィールドと並んで出てきている)、、、やはり、何らかの事情があるのでしょうか? 後になって、単に「時代遅れ」の人物と見做され無視されてしまった結果なのでしょうか?(ジョニー本人は、最近のセルフ・インタビューで、ジェーン・マンスフィールドのことを懐かしく語っています)。
 
1966年は、ジョニーは方向転換を目指して(ビートルズらに駆逐された旧世代の生き残りをかけて)奮闘(四苦八苦)していた時期です。8年間続いたBillboard Hot 100入りも途切れ、しかしメディアには露出しまくっていました。この年に2度来日(中南米、東南アジア、ヨーロッパ他の各国を飛び回っていた)、日活映画「涙くんさよなら」にも準主役で出演しています(ヒロインはジュディ・オング)。
 
ユーチュブでは、「Fat Spy」や「涙くんさよなら」(一部)のほか、同年に収録された一時間に及ぶ「ザ・シュプリームス」がホストのTV番組の最後にスペッシャル・ゲストとして登場する、時代に取り残されかけて焦っている(本人はまだ気が付いていない)ジョニーの姿も垣間見ることが出来ます(この映像についてはそのうち独立項目で紹介予定)。
 
なにしろ、シュプリームスは、連続5曲のBillboard No.1ヒットを連発中(男性/白人/英国No.1のビートルズに対する、女性/黒人/米国No.1)。昔は(、、、と言っても1~2年しか経っていませんが)ともかく、その時点に於いては格が違います。
 
にもかかわらず、つまらないジョニーの歌を一応一生懸命聴いてあげている、ダイアナ・ロス(後にソロで大スターに)、メアリー・ウイルソン(今に至るまで地道に活動し続けている)、フローレンス・バラード(翌年メンバーを脱退し後に不慮の死を遂げた)の三人が、いじらしく思えます(僕の人生は、後者2人と大きく、、、というほどではないけれど、関わっている)。
 
ちなみに、この不思議な「シュプリームス」ホストの映像のスペッシャル・ゲストとしては、ジョニーのほかに、彼女たちのライバルである「マーサ&ヴァンデラス」が中盤で登場します。マーサたちが歌うのは、、、、、いかんいかん、また話が大きく逸れてしまいます。この話題はとりあえず終了。
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 
ということ(といっても何ら因果関係はないのですけれど)で、話は全く変わりますが、、、。
 
U氏曰く、「科学を否定する青山さんの思想は犯罪的行為に等しい」と、「現代ビジネス」への掲載を半永久的に拒否されてしまっています。
 
或いは、(僕のブログの)一部読者からは、「自由のために命がけで戦っている香港の若者たちを批判するなんて、あなたには人間としての心がないのですか?」と言われたりしています。
 
だったら、僕は犯罪者でも、人間として失格でも、一向に構わないのですが、、、、それで仕事が無くなって飢え死に到るのも困ります。このブログだって、営業に繋がらねば(たぶん全く繋がらないだろうけれど)、僕にとっては何の意味もありません。読者の方々に(何らかの営業に結びつく)橋渡しを、切に願っている次第です。









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中国の野生植物 Wild Plants of China リンドウ科Gentianoceae-16

2021-02-27 16:20:06 | コロナ 差別問題と民主化運動 中国の花


★2月26日に記事に、いいね!その他ありがとうございました。

Gentiana arethusae 輪葉竜胆 (地域集団:雲南/四川省境山地) 〔sect. Kudoa 多枝組〕

香格里拉から雲南/四川省境の山地までは、結構遠く感じるが、それは一度東南方向の香格里拉に戻ってから再び北上するからであって、実際の距離は、思ったほか離れていない(直線距離約80km)。

大多数の個体は、白馬雪山産と同様の「典型ナナツバリンドウ」*(「川東竜胆Gentiana arethusae var. arethusae」の変種)に帰属する。

*何度か述べてきたように、Gentiana arethusaeとされる植物は、写真や標本や図が紹介されているものの全てが、原変種(川東竜胆)以外の個体(概ね変種var.delicatula「七葉竜胆」)である。原変種は、変種「七葉竜胆」に比べて、「花がより大きい」ほか、萼裂片の形の違いなどが文章で示されているだけで、実態が良く分かっていないようである。分布域も、この一群としては、地域(四川盆地の南)も標高(3000m未満)も、ほかと大きく異なっている。ということで、「原変種」の存在は無視をして、種「Gentiana delicatula七葉竜胆」としてしまえば良いのであろうが、まあ、そうもいかないのだと思う。そこいら辺の事情には、僕は興味がない。それでもって、とりあえずは(ほかの近縁数集団共々)ひっくるめて「輪葉竜胆Gentiana arethusae」とし、明らかにvar. delicatulaに相当する個体(あるいは集団)を「典型ナナツバリンドウ」として話を進めて行く。

(以下に記す最初の2つは印象的指標で“科学的”とは言えないとしても)
「花色が明るい空色」
「ふっくらした花筒」
「花冠裂片の先端に細い針状突起を備える」
加えて、顕著な「超小型ロゼット・クラスター」の存在。
それらが、「典型ナナツバリンドウ」に明らかに共通する特徴である。
輪葉や萼裂片や花冠裂片の数と形は、極めて個体変異に富み、分類指標としては適さない。

この地域の集団が、(僕が観察した限りに於いて)白馬雪山の集団と異なるのは、「典型ナナツバリンドウ」以外にも、別の特徴を持つ個体が混じっていることである。

すなわち、
「花色が紺色を帯びる」
「花筒が余り膨らまない」
「花冠裂片先端に針状突起を欠く」
「超小型ロゼット・クラスターはない」

これらの特徴を持つ(というよりも「典型ナナツバリンドウ」としての特徴を持たない)個体または集団(各各単系統群には所属しない可能性あり)の帰属を、どのように捉えていくか。次回(18回)の「香格里拉産」、その次(第20回)の「四姑娘山産」、次の次(第22回予定)の別series(華麗系)の「フタツバリンドウ」共々、これから追々考えて行こうと思っている。



雲南四川省境山地(中旬大雪山)稜線の僅かに(数10m)四川省寄り。標高4400m付近。2010.9.21(以下同)



黄色い花はベンケイソウ科キリンソウ属。この季節になると、他にはリンドウ科のサンプクリンドウ属の種、同タカネリンドウ属の種、キキョウ科の一種、キンポウゲ科トリカブト属など、限られたグループの花しか咲いていない。






ふっくらした花筒、明るい空色、輪生葉を伴った短い花茎、、、等々の特徴は、白馬雪山産の「典型ナナツバリンドウ」とほぼ相同。ただし、花冠の外面と内面の状線模様は、僕が出会った個体に関して言えばどれも明(白)色で、白馬雪山産の一部個体のように、外側の条線内が濃色になったり、内側に濃い青色の(疑似雄蕊のような)条線を生じたりはしない。






やはり、顕著な「超小型ロゼット・クラスター」が生じる。












花冠裂片の先には針状突起がある。









花冠裂片の数は、(同じ株であっても)個体差が著しい(4片~9片)。この個体は9片、主裂片間の副片を加えると18裂。



「白い石灰岩の鋸刃」の最上部の更に上に、もう一つ小さな岩塊があった。その周辺に咲いていた「輪葉竜胆」は、「典型的ナナツバリンドウ」とはやや異なった雰囲気を持っていた(本文参照)。












青味が強く、花筒は細目で、外側の明色部は心持ち黄緑色味を帯び、花冠裂片先端の針状突起を欠く。「フタツバリンドウ」にやや類似するが、茎葉は輪葉状になる。



この株は花筒がふっくらしていて、「典型ナナツバリンドウ」との中間的なイメージ。



青色:雲南省白馬雪山(標高3900~4100m付近)
空色:雲南・四川省境(標高4300~4500m付近)
黄緑:雲南省香格里拉(標高3300m付近)
緑色:四川省四姑娘山(巴朗山=標高4500~4700m付近/長坪溝=標高3300~3500m付近)
桃色:四川省雪宝頂(標高4100m付近)




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中国の野生植物 Wild Plants of China リンドウ科Gentianoceae-15

2021-02-27 12:57:02 | コロナ 差別問題と民主化運動 中国の花



読者の方々に質問です(僕は頭が悪いので、教えて頂ければ幸いです)。

【Ⅰ】
マスクは、なぜ必要なのですか?

【Ⅱ】
「沖縄に対する日本」
「台湾・チベット・ウイグルに対する中国」
の違いを教えて下さい。

*毎回(リンドウの項目奇数回)のブログ記事の冒頭に、この質問を繰り返し続けることにします。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

今回(第15回)は、次回(第16回)で取り上げる「ナナツバリンドウ」のもう一か所の撮影地、雲南/四川省境の中甸(迪庆)大雪山*について紹介しておきます。*雲南側山麓の翁水村では「貢千山」と呼んでいました。

今はどうか知りませんが、少なくとも10年ほど前頃は、観光地としては全く対象外でした(今もその可能性があります)。ただ、かなり多くの人には知られています。というのは、この山は四川省と雲南省の省境で、成都から昆明に向かう際、山(チベット高原)側のルートを採った人は、ここを通るからです。成都からだと3~4日目、昆明からなら2~3日目。

まあ、成都-昆明の移動だけで、わざわざチベット高原回り(外国人はチベット自治区を通過することが困難なので手前を横切るこのルートを選ぶことになる)をとる人はいないでしょう。実際に使うのは、雲南省の香格里拉と四川省の理塘(あるいはその間の稲城、郷城、翁水など)を行き来する現地民、中国人の観光客(概ね若者)、それに外国人のバックパッカー(バス2~3台に一人くらいの割合)ですね。

この山塊のすぐ東には、近年一気にメジャー観光地化した「四川省香格里拉(亜丁)」があって、そこに「雲南省香格里拉(中甸)」から向かう観光客も利用しています(もしかするとここを通らずに「両省香格里拉」をダイレクトに結ぶ道が一般化しているかも知れませんが)。

この、「成都昆明裏ルート」は、標高4000mを超す峠を7~8か所越えます。ただし、その大半に当たる康定の西から理塘の南までの「峠」(いずれも海抜4500m以上)は、峠というよりも平坦な「草原」です(理塘の町自体が4000mを超える)。

四川省側からでは、雲南省との省境近くになって「峠」らしい険しい山道になります。中でも最もダイナミックなのが、この省境の「大雪山亜口(亜口または山口は峠の意)」です。四川省側西南端の郷城の町から、雲南省側の翁水の村まで、数10㎞にわたる険しい道です。

この山群の主峰がどれなのか僕は知らないのですが、幾つかの資料をチェックしてみたところ、5090mと記されていたり5300mと記されていたりします。峠の標高は、大まかな等高線の入った地図でチェックして、おおよそ4500mぐらいと思われます。

他の山々のように「氷雪」の峰ではありません。なんとも形容しがたい怪異な姿の、おどろおどろしい赤や白の色に覆われた、特殊岩石の山々です。植物相や昆虫相も、さぞ魅力的と思われます。

ただし、ここを目的地に目指すには、車を(ガイド共々)チャーターしてということになります(僕にはそんなお金はない)。路線バスは、四川側からも雲南側からも毎日最低6本通るのですが、上下線ともお昼前後に峠を通過してしまうので、下車して探索後乗り換えるには時間が無さ過ぎる。帰路はヒッチハイクということになりますが、午後になると滅多に車が通りません。

せめて、路線バスの車窓からの眺めを満喫すればいい(僕は10回以上往復していてその都度車窓から写真を撮りまくっている)のだけれど、大抵の乗客は眠りこけている。山々の風景を眺めるだけでも、この路線バスに乗る価値は十二分にあると思うので、勿体ない限りです。

ということで、(車窓からの)風景写真は大量にあるのですけれど、実際に現地での撮影はほとんど行っていません(雲南省側の麓の村・翁水には何度も訪れているのに)。唯一、山に登ったのが、2010年の秋深く。昼の路線バスに乗り、峠頂で下車。そこから、(高山草原の下の森林から白い鋸の刃のように突き出している石灰岩の上端を目指して)辛うじて判別出来る踏み後を辿りながら、省境の山を探索しました。

蝶や植物の探索には完全にシーズンオフで、ごく僅かな種にしか出会えなかった(この時期に咲いていた植物は、リンドウ科三属の他、キキョウ科、ベンケイソウ科、キンポウゲ科などの数種だけ)のですけれど、最大の収穫は、蝶では、シータテハ属の異様に赤味の強い翅の種Polygonia interpositaヒイロシータテハ(以前にもブログで紹介したことがあるはず)、植物ではナナツバリンドウを、それぞれ多数撮影出来たことです。

これらの種は、別に特殊岩石帯に固有の存在というわけでもなく、この辺りの高標高地帯に広く分布しているのでしょうけれど、見方を考えれば、この一帯(雲南省西北部の山岳地帯)が広く特殊岩石に覆われている、と捉えることが出来るのかも知れません。

ナナツバリンドウは、省境稜線に沿った山腹(白く煌めく不思議な石片に覆われていた)に数多く見ることが出来ました。その大半は、白馬雪山で出会った「典型ナナツバリンドウ」と相同の集団(花冠裂片や輪葉の数はバラエティに富んでいる)のようなのですが、中に、典型集団とはやや異なる個体も、少数ですが見出し得ました(それらを撮影したのは「鋸刃」上端ピークの周辺だったのだけれど、それが必然要因なのかどうかは分からない)。

それらの個体は、次回紹介する香格里拉産の個体や、その次に紹介する四川省四姑娘山の集団に何らかの相関性があるようにも思う(あるいはそれらを便宜上「広義の“ムツバリンドウ”」に一括所属せしめても良いのかも知れない)のですけれど、現時点では詳しいことは不明です。

いずれにせよ、もう一度この山々を訪ねたい(出来れば夏のシーズンに)、と想いながら、果たせないまま10年以上が過ぎてしまいました(最後に麓の翁水村に行ったのが4年前の夏)。

公共交通利用では山の上までの探索は難しい。2010年秋の探訪時も、帰りは日が暮れてしまい、車もほとんど通らず、半分くらい歩き通して、やっと出会った大型トラックに乗せて貰い、夜中になって麓の宿に帰り着きました(トラック運転手さんの親切は忘れられません、ここでお礼を言っておきます)。



雲南四川省境山地(雲南側)。右に見える石灰岩の鋸刃の頂まで行きました。2010.9.21



主峰と思える、おどろおどろしい表情をした山。2010.6.12(路線バス車窓から)



近くから見た“鋸刃”は、平たい本当の鋸のように見えます。2010.9.21



右下の針葉樹はコノテガシワ野生種。2010.9.21



この後、刃の頂上まで登ってみました。結構スリリングで、すぐに降りてきた。2010.9.21



遥か向こうに、麓の翁水村に至る道が見えます。果たして今日中に帰り着くことが出来るでしょうか? 少々心配になってきました。2010.9.21



省境稜線上にもう一つ小さな岩の塊があって、その裾にキキョウの仲間やナナツバリンドウが咲いていました。2010.9.21



峠を越えると、四川省側の岩峰が見えてきます。2010.6.12(路線バス車窓から)



四川省側に少し下った所からの眺め。白く見えるのは雪ではなく特殊岩石。2010.5.22(路線バス車窓から)



こちらは、第2回(ハガクレリンドウ)でも紹介した、雲南省側麓から見上げた省境山塊の一角。白く見えるのは、やはり雪ではなく、特殊岩石です。2010.9.21



省境付近の地図



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「リンドウ補遺:写真解像のチェック」

2021-02-27 12:48:40 | その他



「リンドウ補遺:写真解像のチェック」

読者の皆様に。

今回はテストです。ブログに載せる時に写真を縮小するため、解像力が落ちてしまうことがあります。一度ピクセルを変えて掲載してみます。それでクオリティが上がれば、今後ピクセルを上げて、変わらなければ、今まで通り進行します。その場合は、(写真によっては)やや鮮明さに欠けるものが混じる可能性があるので、ご了承ください。




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中国の野生植物 Wild Plants of China リンドウ科Gentianoceae-14

2021-02-26 20:24:22 | コロナ 差別問題と民主化運動 中国の花



 
Gentiana arethusae 輪葉竜胆 (地域集団:雲南省白馬雪山⓶) 〔sect. Kudoa 多枝組〕
 












前回に紹介した、森林限界のすぐ上方付近で出会ったナナツバリンドウの数株を、たっぷり3時間ほどかけて撮影した。目的は達成、あとは峠を越えて徳欽の町に向かうだけ、と思っていた。ところが、そのほんの少し上方、峠の手前で大群落が出現! しまった、最初に出会った場所での撮影を、もっと早く切り上げて、こちらに移動しておくんだった、と悔やんだ。標準時北京から遥か西に離れているとはいえ、秋深い季節である。この時間になると太陽は大きく傾いて、普通の写真は撮れない、失敗した、と思った。でも後で考えてみると、これはこれで良かったのかも知れない。西陽の逆光が、それなりの効果を出していると思う。

*注:第13回に記した「今回は“逆光と順光”について書こうと思った」という話とは、全く無関係、まったく違う話をしようと思っていたので、この話と重なったのは完全な偶然です。
 





 









 


 


ロゼット・クラスターは、礫地では見つけ易いが、草地ではなかなか探し出せない。でも写真を拡大して子細に探せば、大抵はどこかに見出せる。この写真では、下1/3辺りの中央の花の下方、2個の小さな葉群と、その下の光に当たった小さな葉群との間に、米粒くらいの大きさの数個が見つかる。
 


午後4時43分。下方にロゼット・クラスターが見える。
 


午後5時18分。
 


午後4時52分。
 


午後4時55分。ロゼット・クラスターは、右の2個の花の下。
 


午後5時01分。
 


午後5時15分。
 


午後5時43分。
 


午後5時45分。
 


午後5時54分。さて、群落を暫し撮影し、今度こそ終了、と思っていたら、そのすぐ上の峠頂に出たところで、白馬雪山主峰が姿を現した。再び“しまった!”である。でも、これもまた



午後6:00
 


午後6:00
 


白馬雪山。2015.7.30




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中国の野生植物 Wild Plants of China リンドウ科Gentianoceae-13

2021-02-26 10:23:21 | コロナ 差別問題と民主化運動 中国の花



読者の方々に質問です(僕は頭が悪いので、教えて頂ければ幸いです)。

【Ⅰ】
マスクは、なぜ必要なのですか?

【Ⅱ】
「沖縄に対する日本」
「台湾・チベット・ウイグルに対する中国」
の違いを教えて下さい。

*今後、毎回のブログ記事の冒頭に、この質問を繰り返し続けることにします。

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朝と夜。順光と逆光。え~と、これで書き出す予定でいたのだけれど、長くなりそうなので、この話題はやめます。

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次の3万円まであと1週間、まだ8000円ほど残っているので楽勝です。毎日毎日、いかにお金を減らさずにWi-Fi使用が出来るか、ただそれだけを考えています。結局、食事を減らせばいいわけで、ちょっと栄養失調気味ですが、、、。

来月は、電気代支払いが凄い(9000円近く!)ので、実質収入2万円ちょっとになります。今のうちに、なんとかしておかねばなりません。といって、どうすれば良いのか、、、。

さっきネット見たら、「クラウドファンディングで数千万円ゲットした」ラーメン屋さんとかの話があったです。僕なんて、どんなに一生懸命挑戦しても、ビタ一文の収入にもなりません。世の中、余りに不公平です。

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某整形外科医院長と某県知事が関与した、80%以上のリコール票が云々(名古屋⇔佐賀)、の話。思うに、「正義」は(本人が自覚していない)「病気」ですね。まあ、それを言えば、今の世の中の「空気」の在り方は全てそこに収斂されるのだけれど(何も「病気」が「悪」だ、というつもりもないですが)。

80%と言えば、これも面白いですね。少し前のニュースですが、(某評論家?のトランプ氏関連の発言について)「低評価率89%」というのがありました。「低評価率」ですか、、、、大衆の評価が、どんだけ重要なのか、、、。

ちなみに、同じころのニュースで、こんなの↓も見た気がするけれど、それは一体どうなったんでしょうか?
>お茶、ことにティーパックの日本茶(緑茶)が、コロナウイルスを撃退する、という検証が成された。
>特定の緑茶ティーバック(普通にスーパーで売ってるやつ)は非常な効用を発揮し、99%の確率で、コロナ感染を防ぐことが出来る。

かなり信用できるソースで、大ニュースではないかと思うのですが、それっきりです。
「いかにも科学的ではない」
「それでコロナ収束すれば、困る」
ということなんでしょうね。

いずれにせよ、マスクは日本を象徴する文化なので、誰も逆らうことが出来ません。日本人が滅びない限り、永遠に続くのでしょう。

マスクは、完璧に「空気」と重なるのですが、「空気」から外れてしまったものは、無視されちゃいますね。特に「科学的でないように見える事例」は。


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次に書こうと思っていた記事のメモをチェックしてみました。相変わらず、おんなじ事ばっかり言ってますね(笑)。惚けた年寄りは、本当にどうしようもないです。

でも、繰り返し、僻みと妬みと恨み辛みを、しつこく書いていきます。

マスクとワクチンさえあれば、敵をやっつけられる。たぶん、3密はO.K. 、、、、、なんでしょうね。

隠すのが好きな、自己中心的人間を批判する人々を自己中心的人間として排除する、自己中心的人間の集団からなる、科学(文明)至上主義の、「民主主義」集団、日本。

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追加:

昨日、三世に送ったメール。

テントはいらない(穴でも良い)し、Wi-Fiは3日に一回でも良いけれど、トーストは必須です。豆のスープは(嫌いじゃないけれど)美味しくない。次に日本国から10万円の支給があれば、エーゲ海行きたいです。

モニカからは「今年中に会うことが出来る」とメール来たのですが、根拠はあるのでしょうか? K氏曰く、無理無理、早くても来年以降、だそうです。

さっき、雲南省の奥地に住む(上海芸術家村で出会った)ローカル・ミュージシャンからメールがきました。
>日本は素晴らしいところである。自分も、いつか日本に行って公演したい。それが出来るように手伝って欲しい、、、云々。
なんと答えて良いのか。協力してあげることにはやぶさかではないのですが、「いいところ」には同意したくないです。

今日で、「青山潤三の世界・あや子版」の「中国の野生植物・リンドウ科」の第12回目です。リンドウで50~60回予定しています。「中国」「花」「コロナ」の項目です。野生生物も、コロナも、人間も、それぞれその本質は似たようなもの、と言う事を書いているのです。




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中国の野生植物 Wild Plants of China リンドウ科Gentianoceae-12

2021-02-25 14:38:01 | コロナ 差別問題と民主化運動 中国の花


★2月24日の記事に、いいね!その他ありがとうございます。

Gentiana arethusae 輪葉竜胆* (地域集団:雲南省白馬雪山⓵) 〔sect. Kudoa 多枝組〕
*「ナナツバリンドウ」の和名で、暫定的に纏めています。

風雪の雪宝頂(黄龍渓谷)の峠で、ただ一株の「ナナツバリンドウ」を撮影した夜、成都に戻り、夜行の列車で昆明に移った。バスに乗り換え、香格里拉を経て、もう一か所目星をつけていた、長江とメコン川の分水の白馬雪山の峠 4300mに到着したのは、4日後のお昼。

標高3500mほどの香格里拉の高原から、一度2000m弱の長江岸に下り、再び標高4000m超の白馬雪山の峠に登る。そこで「ナナツバリンドウ」の探索をしたあとは、再度標高2000mのメコン川流域に降りて、チベット省境の梅里雪山の麓に向かう、というスケジュールだ。

香格里拉から徳欽には、タクシーを利用した。一日5000円ほどで、2日間のチャーター。2日目、長江岸から荒漠たる岩と砂に覆われた急斜面を登ってゆく。植生は極めて貧弱で、園芸樹で馴染みのコノテガシワの野生種と、中国奥地、台湾の山頂尾根、屋久島の海岸斜面に隔離分布するカザンマツ(ヤクタネゴヨウ)の針葉樹2種が、茶色い岩肌にへばり付くように生えている。

やがて、標高3000mを超えると、深い緑の温帯性樹林(カエデ属、ナラ属、サクラ属など)に置き換わり、そして、3500m辺りから上は、日本の亜高山帯とそっくりな、モミ、ツガ、カラマツ林が展開する。

亜高山帯林の森林限界付近の長江側峠頂(標高約4000m、峠道はメコン側の頂まで10㎞近くに亘り続く)に差し掛かったところで、「輪葉竜胆(以下、原則として“ナナツバリンドウ”の名で記す)」が出現。いやもう、大感激である。今日は天気もいい(植物の撮影に絶好の薄曇り)し、ここに居座って、徹底撮影することにした。

念のため二台のカメラと数本のレンズを使って、様々なアングルや設定で、お昼過ぎから夕方近くまで、都合3時間ほどかけて撮影を行った。

撮影していた時点では、“ロゼット・クラスター”の存在には気付いていなかった。別の植物(例えばベンケイソウ科など)だと思い込んでいた(ちなみに、周りに点在している赤い植物は、ツツジ科のイワヒゲ属の新芽)。

後に写真で確認中に、このリンドウ(ナナツバリンドウ)の、若いロゼットのクラスターであることが分かった。

ある程度の大きさを持った殆ど全ての(基部が覆われて見えない場合を除く)株に確認できる。

どのような意味があるのだろう?

この後、別の2か地域(共に標高4500m前後)で「ヤクシマリンドウ系」の種を撮影した。

直線距離で50㎞ほどのところにある雲南四川省境山地(迪庆大雪山)では、白馬雪山産とほぼ同じ「典型ナナツバリンドウ」の中に、やはり顕著なロゼット・クラスターを持つ数株を確認し得た。

一方、直線距離で350㎞余り離れた四川省の四姑娘山(巴朗山峠)では、撮影した「ナナツバリンドウ類似集団」の中には、明確なロゼット・クラスターが生じる株は検出できなかった(詳細は後述する)。

「中国植物志(およびそれと連動している中国植物図像庫)」に収納されている、「七葉竜胆」「六葉竜胆」併せて500枚ほどの生態写真と標本写真もチェックしてみた(概ね細部が不明瞭で、明らかな別グループの個体が少なからず混在し、多数の同一個体の別カットが紹介されている)。

「七葉竜胆」とされる写真が約250枚。主な撮影地は、四川省四姑娘山(巴朗山)、雲南省香格里拉県、同白馬雪山、チベット自治区左貢県芒康~雲南省香格里拉間の4か所。いずれの地域の写真からも、各1枚、それ(小形のロゼットの集まり)らしき存在が、かろうじて確認できた(不鮮明なので確定は出来ないが)。

ちなみに巴朗山の小形ロゼットは、あとで述べる予定の僕自身が確認したものと同一タイプの不明瞭なロゼット?の集まりである。また陝西省太白山産の「六葉竜胆」として紹介されている個体の中にも、ロゼット・クラスターの痕跡のような存在が朧げに確認できた。他に、四川省黒水県産の「五葉竜胆」に、不明瞭かつ不完全なロゼット塊(小さな成葉の集まり?)が、「三葉竜胆」の標本にも同様の不完全な塊が見出された。

いずれにせよ、雲南省西北部山岳地帯の標高4000m超の高山草地に生える「典型ナナツバリンドウ」においてのみ、「小さなロゼット葉の集合体からなるクラスター」が明確に存在するわけである。

具体的には、一葉の長さは1㎜未満、それが50~100葉ほど(おそらく成株一茎に付ける葉数に相同)集まって、一個体(一茎?)を成す。一個体の径は5~6㎜。それが成株の中央部分に密集して、20個前後(おそらく成株一株の花茎数に相当)のクラスターを構成する。

それが、どのような意味を有しているのか。

もし、この“ロゼット・クラスター”が「狭義のナナツバリンドウ」を特徴づける形質だとすれば、「典型ナナツバリンドウ」以外の種や地域集団における、一応存在するだろう小さめの(普通の)ロゼット葉の集まりと基本的に同質のもので、それが極端に小さく特徴的な外観を呈し、かつ明確なクラスターとして存在している、と見做せばいいのだろうか。

一般的なロゼット葉と同じように、花茎としての成長に向けて展開していくはずである。

ここまで書いてきて、、、、誤りに気付いた。「ロゼット葉」というのは、「地上に平開する葉」という意味ではなかったか? そこから伸びた茎に付く葉(及びその原型)は、「ロゼット」とは呼ばないのではないか?

僕は、「成体が展開する前の地表面に在る若い葉」を、全てひっくるめて「ロゼット」と捉えていたのだけれど、それは違うような気がする。

「地表面にロゼット状の塊になって存在する若い茎葉の集合体」のクラスター、と表現するべきなのかも知れない。

印象的には、ベンケイソウ科のミニチュア園芸植物「Echeveria」とか「Sempervivum」とか、、、僕は植物形態学的な知識にも乏しいけれど、それと共にこのようなマニアックな対象にも、全く不案内である。でもまあ、一般的にはそのあたりを思い描いて頂ければ良いわけだ(最初は僕もそれらの野生種と思い込んでいた)。

ということで、構造的には“ロゼット”という表現は間違いなのかも知れないけれど、便宜上この後も「ロゼット・クラスター」で通す。

さて、9月末と言えば、緯度が南であるとはいえ、標高4000mの地、あとひと月もすれば雪に覆われるはずだ(あるいは日によっては既に積雪があるのかも知れない)。

ということは、この「ロゼット・クラスター」の状態のまま、冬を越すのだろうか?

どうも、そうは思えない(特に根拠はないが)。以下に紹介する写真の中には、僅かながら「開きかけた」個体もあるようだし。

もとより、(ある意味リンドウ科全体の謎として)なぜ、わざわざ秋遅くに花が咲くのだろうか? 温暖な地域ならばまだしも、いわゆる高山植物として生育する寒冷地の種であっても、そのパターンを踏襲している。

仮に、無雪期が4月~10月とすれば、最初の半年近くを(少なくても人間の目には)姿を現さずにやり過ごし、最後のひと月になって成長し、受粉・結実して世代を繋ぐ、というわけである。その“綱渡り”に、どんな意味があるのだろうか?

僕は、この一帯には、5月下旬から8月上旬にかけて、何度も足を運んでいる。少なくても何らかの目立つ状況になっていれば、その姿を目にしているはずだ。当年度の実生株にしろ、前年からの越年株にしろ、秋になってから展開した、、、そう捉えるのが、最も妥当なように思う。

とすれば、これらの花を付けた成長株も、やはり最初は“微小ロゼット”からのスタートで、ごく短い期間に、一気に成長・展開していることになる。でも、雪に埋もれて翌年まで微小ロゼット状態を保ち、春以降になって徐々に展開していくのではないとすれば、ひと月ほどの間に、全て(成長、開花、受粉、結実)を完了することになるわけで、そのようなことは、可能なのだろうか?

幾つかの例では(殊に風衝地においては)、地表から直接花が咲いているごとく見えたりするごく短い花茎の株もある。これも、最初は“微小ロゼット”からのスタートなのだろうか? それとも、今見えている姿(花茎と微小ロゼット)は、それぞれ別次元の存在? 僕は、その辺りが全く把握できないでいる(知っている人は知っていると思うので、誰か教えて!)。

現場に張り付いて、リアルタイムで観察を続けることが出来れば、実態が見えてくるのだろうけれど、、、。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

現時点での纏め。

次のような形質が分類指標とされているのだと思う。

葉(や萼片)の数、形、大きさ。
花筒の長さと、花冠の開長。
花色。
雄蕊(花柱)の位置や長短。
雌蕊(子房)の膨らみ具合。
種子の大きさ、形、模様。
そして「ロゼット葉」の存在状態。

それらの大半は、それぞれの分類群に固有の安定的な形質とは言い難い。互いに「他種」とクロスオーバーしている。僕は、どの形質も、種を特定する上に於いての決定的な指標形質とは見做し得ない、と思う(むろん、それぞれに何らかの意味を持っているとはしても)。
*ただし明確な“ロゼット・クラスター”の存在は、上記したごとく特定の地域集団に固有のように思える。

それ以前に、種の特定をする必要があるのか? 第三者(=人類)に特定することが出来るのか? という根本的な疑問。僕は、種の特定(同定とか命名とか)は、言ってしまえば「事務的手続き」に過ぎないと思っている。

先に進めるためには、手続きは大切である。対象を「俯瞰的に捉える」ための一里塚として。しかし、手続き自体が目的なのではない。どうも、近年の分類学は「手続き(分類群の記載)」そのものが目的と化してしまっているように思えてならない。

「詳細チェック」(正確な検証=答えの特定)と「全体の俯瞰」(曖昧さの維持=特定の放棄)、常にその2つ(しばしば相反する答えが出る)をセットとして取り組む姿勢を持つべきだろう。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「中国植物志」に示されている、中国大陸産「ヤクシマリンドウ近縁種?」についての分類を整理しておく。

多枝組(ヤクシマリンドウ節) 
以下の4系からなる。多年草で、常に主茎の葉腋から花茎を生じる。  

頭花系 
前出のタイワンリンドウを含む7種(詳細は割愛)。複数個の花茎が茎の途中から分岐する。

密葉系 
4種(詳細は割愛)。花茎は一本ずつ頂生。

華麗系
フタツバリンドウを含む11種(詳細は後述)。茎の基部から一本ずつ生じた複数の花茎に一花が頂生。対生葉。

輪葉系
ヤクシマリンドウ(台湾輪葉竜胆)など8種(変種ナナツバリンドウを含む)。 茎の基部から一本ずつ生じた複数の花茎に一花が頂生。輪生葉。

Ⅰ 典型ナナツバリンドウ
分布(確認地点):雲南省白馬雪山および雲南四川省境中旬大雪山の標高4000m前後以上の風衝草地。
顕著な “超小型ロゼット”のクラスターを備える。
葉数:6-8葉の輪生。
葉形:被針形~長楕円形。
花冠直径:2㎝前後。
花筒長:2.5-3㎝前後(やや太く途中で膨れる傾向がある)。
花色:明るい空色。
*暫定的に、川東竜胆の変種「七葉竜胆」を当てて置く。
*「中国植物志」によると雄蕊の花糸が「ムツバリンドウ」よりも長いとされているが、それは花筒長との相対長に関与するものと考える。

Ⅱ そのほかの集団(「ムツバリンドウ」etc.)
分布:陝西(太白山)/甘粛南部/青海南部/四川西部/雲南北西部/チベット東南部 (ミャンマー北部?/インド・アッサム?)標高2000m?~4800m。
“ロゼット”クラスターは不明瞭。
葉数:3-6枚。
葉形:短被針形~楕円形。
花冠直径:1.5-2㎝。
花筒長:2.5-5㎝(花筒は概ね細い)。
花色:青味の強い空色~濃紺色。
*両極個体の外観上の特徴は、ナナツバリンドウ典型と、フタツバリンドウに移行する。
*複数分類群に分け得る(=単系統ではない)と思うが、それぞれが既存の分類群(三葉竜胆、四葉竜胆、五葉竜胆、六葉竜胆、川東竜胆原変種、および無尾突竜胆)に相当するとは限らない。



雲南省白馬雪山。標高3900m付近。2005.9.27(以下、データを示していない写真は全て同じ)
最初に出会った個体を、いろんな角度などから、数時間かけて撮影した。



標高3700m付近から望む白馬雪山前衛峰とモミ・ツガ・カラマツ林。2005.6.22
ここから少し登った辺りから「ナナツバリンドウ」が出現する。



右手前に“ロゼット・クラスター”。赤はツツジ科イワヒゲ属の新芽。



左の黄色はベンケイソウ科キリンソウ属の花。



フィルムの右上付近に“ロゼット・クラスター”。

   










30~35個ほどの“ロゼット・クラスター”を成していた。下中央の株(直径約6mm)の葉を数えたら、80数枚あった。



姿の良く似た、ベンケイソウ科の栽培種。昆明にて。2016.4.24(中国では大人気でモニカも一時期嵌っていた)






右上の花の左にあるロゼットは、やや成長しかけている?中央の幾つかも基部の葉が大きめに(泥上の地面が何か関与しているのかな?)









萼筒の色は顕著な赤味をさすものから、他の茎葉と変わらないものまで、様々。












開花口上面から撮影した3個体のうち、右下は雌蕊がまだ発達せず雄蕊の葯が覆っている。その上の個体は雌蕊が姿を見せだした状態。その左下は雌蕊が発達し2つの柱頭が見とれる。雄蕊は葯が落下し濃紺色の花柱だけが(外側=花冠内壁へは向かわずに)子房に寄り添ったまま残っている。上四枚の写真個体で注目したいのは、雄蕊自体ではなく、花冠の内壁部の模様。各裂片の中央部に、まるで雄蕊が移行して張り付いたごとき、花柱の色や形とそっくりな濃紺色の条線が配されていること。この「リンドウ」の話題の最初の回に紹介した写真のパターンと酷似している。もちろんそれは本物の雄蕊、こちらは偽物である。このような表現をしない個体もあることから、必然的な現象ではなく、偶然には違いないのだろうけれど、、、。



【参考】
それで思い出したのが、翌日(2005.9.30)、梅里雪山の麓で撮影した「不思議なモンキチョウ」。これまでにも何度か紹介済みだが、ここで追加紹介しておく。夕刻、寝床を探しながら飛んでいた一頭の(たぶん)雌。木立の合間をふらふらと飛び続け、なかなか止まる場所が決まらない。どこかに停まろうとしてはそこを離れ、それを何度も繰り返したのち、やっと今夜の寝床が決まったようである。そこに留まって、ぴたりと動かなくなった。モンキチョウの側と、植物の側の、この見事なまでの色調相似。僕は本来こういう表現は余り好きではないのだが、、、、昆虫や植物にも、何らかの“意思”があるように思えてならない(結局、人類の「無意識強要同調空気」も、同じことなのかも知れないのだけれど、笑)。



余程拡大して見ないと分からないと思うが、フィルムの真下(2枚の細長い単子葉植物の葉の間)に、“ロゼット・クラスター”がある。その左の小さな葉の株の大きさに、すぐに移行していくのだろうか?



“ロゼット・クラスター”は、これも2枚の細長い単子葉植物の葉の間。開花前の蕾が多数見える。



これは分かり易い(“ロゼット・クラスター”は真ん中)。



右上の一株が四川省雪宝頂(標高4100m付近)、他は全て雲南省白馬雪山(標高3900m~4100m付近)。2005.9.29
2つの全体株個体には、その中央に“ロゼット・クラスター”が付随している。



上図の拡大。



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中国の野生植物 Wild Plants of China リンドウ科Gentianoceae-11

2021-02-24 14:49:02 | コロナ 差別問題と民主化運動 中国の花




読者の方々に質問です(僕は頭が悪いので、教えて頂ければ幸いです)。

【Ⅰ】
マスクは、なぜ必要なのですか?

【Ⅱ】
「沖縄に対する日本」
「台湾・チベット・ウイグルに対する中国」
の違いを教えて下さい。

*毎回のブログ記事の冒頭に、この質問を繰り返し続けることにします。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

さっき試算してみたのですが、このペースで行くと、リンドウの項は、ちょうど全50回になります(今、追加分を見つけたので、もう少し増えるかも知れない)。

もとはと言えば、モニカにシャクナゲやサクラソウの原版写真を大量に送ろうとしていて、送信の途中で失敗して中断、ふとパソコンの画面を見たら、リンドウの写真が、一枚だけファイルからはみ出していた。気になってチェック。

その(雄蕊に関する)話をそのまま進めていくだけだったら、とりあえず2~3回で完結したのです。

僕にとってリンドウと言えば(センブリ属の)ヘツカリンドウです。雄蕊の話題を途中中断して、以前にブログに載せたヘツカリンドウの話題の一部を再紹介することにしました。

その総纏めのために、中国産をチェックしだしたら、リンドウ科全体に及んでしまって、こんな羽目になってしまっています。

もっとも、最終的には、これまでに僕が撮影した中国産の野生植物全て(ただしアジサイは別枠)を紹介していく予定なわけで、たまたまリンドウでスタートする、と考えれば良いだけなのかも知れませんが。

100科以上ある中国産の野生植物の中には、むろん一枚も撮影していない科もある(それらはパス)のですが、大抵は一つぐらい撮影しています。全部やってたら、どのぐらいになってしまうのでしょうか?

リンドウ科は中くらいのボリュームですね。大変なことは大変だけれど、まあ、一応楽勝です。でもバラ科とかキク科とかを考えたら、、、先が思いやられます。

・・・・・・・・・・・

毎回、奇数回は(リンドウ以外の話題も含む)写真無しのコメント(概ね愚痴や恨みつらみ、笑)。

偶数回に、各回写真10~20枚程度、植物自体+その生育環境/風景+撮影地点の地図(数回分を纏めて表示)、分類単位としては「種」を基本として、大きいのは「属」、小さいのは「地域個体群」、平均3~4種(地域個体群)というパターンで進めて行く予定です。

僕は植物については、アジサイ(野生種のみ)以外には何の知識もありません。

アジサイと蝶と蝉に関しては「仕事」(収入に繋がっているか、対外的に認められているか、とかは関係なく)です。誰になんと言われようが、真剣に取り組んでいます(もちろん「収入」や「対外的評価」を目指してはいます)。そして、自信を持って人々に伝えます。

それ以外は趣味です。知らない事だらけです。ブログを書きながら、自分自身勉強しているのです。

今回(次の第12回)は、雲南省白馬雪山の「ナナツバリンドウ」(ヤクシマリンドウ組)の紹介で、不思議な「ロゼット・クラスター」の話を中心に述べていきますが、それとはちょっと違う話題をここで取り上げておきます(「奇数回」には写真を入れない原則だけれど今回は特例で一枚入れます)。

そもそも、何の因果でリンドウに取り組んだのか、というのは、最初に記したように「雄蕊の話」からです。結論としては、(雌蕊の発達後に花被弁の内壁に雄蕊がくっつくこと)は、リンドウ科として特異例ではなく、普遍的な例(小竜胆組のところで改めて述べます)、とするつもりだったのだけれど、リンドウ属やリンドウ科全体で見れば、必ずしもそうではないようですね。

むしろ、そうでない例のほうが多いようです。雌蕊の発達が(自家受粉を避けるため)雄蕊よりも遅れる、という性質は、どの種にも共通しているのだと思いますが、雄蕊は必ずしも外側へ離れていくのではなく、雌蕊(子房)に寄り添ったまま(通常基方に)後退し消失していくパターンが、むしろ主流であるように思われます。ヤクシマリンドウ組の種も、そのパターンを採ります。

それに関する付随話題。

数回前のブログで紹介した、白馬雪山産Gentiana atuntsiensis(高山竜胆組)の写真を探していた際、すぐ横に生えていた、黄色い大きな花の写真があるのを見つけました。一見リンドウ科の花のように見えます(花被弁の形や雌蕊雄蕊の位置関係などはリンドウ科に似ている)が、別の科であることは間違いない。たぶんユキノシタ科だろう、といろいろ調べたら、ユキノシタ属の「腺辯虎耳草Saxifraga wardii」という種でした。ユキノシタ科の紹介は、まだかなり先になりそうなので、ここでその写真を紹介しておきます。



腺辯虎耳草Saxifraga wardii。雲南省白馬雪山。標高4000m付近。2008.7.29

この植物(「中国植物志」によると、チベット東南部と雲南徳欽に分布)に関連する情報を調べているうちに、興味深い情報に出会いました。僕の(現時点での)数少ない情報源である「週刊朝日世界の植物」57巻に「コラム」として付随していた、大場秀章教授の「高山・極地での受粉の工夫」。

ヒマラヤの高地帯に分布するユキノシタ科ユキノシタ属の例を挙げ、雄蕊の発育過程について述べています。ユキノシタ科の種の多くも、リンドウ科の種と同様に、雌蕊の発育に伴って、雄蕊は花冠内壁のほうに離れて(あるいは下方に後退消失して)行きます。自家受粉を防ぐためです。

ところが、雄蕊の中には、発達した雌蕊に寄り添ったままの状態でいるものがあったりする(おそらくリンドウ科でもそのような例はあるのではないかと思います)。

これは、昆虫で媒体されなかったとき(なにしろ寒いので虫がいないときもある*)の「保険」として、例外的に自家受粉のチャンスを残しているのだろう、、、、という要旨です。

「保険」という大雑把な発想が面白いです。余り“科学的”じゃないところ(検証前の問題提起)が素敵です。

植物たちの側にも、いろんな複雑な事情があるのです。そう簡単には、人間に答えを与えてくれません。

*第4回「Gentiana atuntsiensis」の項の、最初の写真を見て下さい(そこのキャプションで説明するつもりでいたのをし忘れてしまった)。画面の右上に惚やけた(レンズに付着した雨粒のような)模様が多数見えます。花に2頭のハエがとまっています。これは、簡単に消す処理が出来ます。それで消した方の写真を載せようとしたのだけれど、思うところがあって、処理前の写真を掲載しました。まあ、そういうことなんですね。高山帯であっても、花の周りには、常に多くの虫が飛び回っている(たぶんDipteraが主流、次いでハチ、チョウ・ガ、甲虫、、、)のです。

・・・・・・・・・・・

中国の「輪葉竜胆」(ヤクシマリンドウ組)について、前回は四川省雪宝頂4200mの峠で最初に出会った一枚の写真を紹介しました。

次回以降の予定
雲南省白馬雪山Ⅰ(第12回)
雲南省白馬雪山Ⅱ(第14回)
四川雲南省境山地(第16回)
雲南省香格里拉(第18回)
四川省四姑娘山Ⅰ(第20回)
四川省四姑娘山Ⅱ(第22回)

12~20は「ナナツバリンドウ」(「ムツバリンドウ」ほかを含む、多枝組輪葉系)
22は「フタツバリンドウ」(多枝組華麗系)
12/14/16/20は4000m超の高山礫地。
18は3000m台の高地草原。
22は3000m台の高山渓谷。

撮影時点の状況などを振り返りながら、写真を紹介しつつ、いろんなこと(気が付いたこと)を考察していく予定です。




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中国の野生植物 Wild Plants of China リンドウ科Gentianoceae-10

2021-02-22 20:24:42 | 中国 花 リンドウ


 
 
Gentiana arethusae 輪葉竜胆 (地域集団:四川省雪宝頂)
 〔sect. Kudoa 多枝組〕





ナナツバリンドウ 輪葉竜胆 Gentiana arethusae。 四川省雪宝頂 標高4200m付近。 2005.9.25
 
一般論としてだが、日本でも中国でも、北半球中緯度の、いわゆる中間温帯地域(四季がはっきりし、日本大都市圏の多くが相当する)に於いては、植物でも昆虫でも、最も数多くのバラエティに富んだ種が現れるのが、6月の夏至の前後であり、梅雨の晴れ間でもある。 
 
南に向かうにつれ、その傾向は曖昧になる。逆に北方ではより明瞭になり、生物たちの出現は一時期に集中する。日本の高山地帯では、6月より一か月遅れの7月が中心。8月の後半以降は秋の様相を示し、9月には紅葉が始まる。
 
低地の多くの場所においても、8月は暑くて、野生生物の積極的な活動は行われていない(クーラーなどを頼りにして走り回っているのは人間ぐらいのものだ)。
 
野生生物の種類数が最も多いのは、6月から7月。
野生生物の個体数が最も多いのが、9月から10月。
(8月は“夏休み”)
前者には、古くから在来分布している(しばしばその地域に固有の)種が中心となり、後者には、比較的近年になった分布を広げてきたと思われる、他の地域にも広く普遍的に見られる種が多く含まれる。
 
リンドウ科の種の多くは、その流れに沿わない。ハルリンドウなどの春咲きの種を除く大半の種が、(その多くは固有種を含む古くから在来分布種であるにも関わらず)秋になって花の季節を迎える。
 
高山帯(や緯度が高い地域)では、8月の後半は既に秋、大半の種が咲き終えている。9月-10月は、各種リンドウ 類の独り舞台となる(他にはトリカブト類や秋咲きキク科の種)。僕が本来対象としている蝶においても、それは同様である。
 
ということで、通常、調査撮影に赴くのは、概ね7月いっぱいまでであることが多い。春咲きの小型リンドウ類はともかく、他の多くのリンドウ科の種に出会うチャンスは少ない。
 
ヤクシマリンドウの対応種とされる、中国西南部高地帯産の「輪葉竜胆」類も、開化期は9月~10月と(「中国植物志」などの文献に)記されている。どうにかして自分の目で確かめたい。
 
それで、他の多くの植物や昆虫は無視して(季節としてはシーズンオフだ)、「輪葉竜胆類」探索にピンポイントを絞って、秋に現地を訪れることを決意した。
 
2005年9月末。メインの目的地は雲南省の白馬雪山であったが、成都インの交通ルートを選んだので、スケジュールを数日だけずらして、四川省北部の雪宝頂(黄龍渓谷に向かう途中の標高4200mの峠)に、とんぼ返りで向かうことにした。
 
夏にはそれまでに(最初は1989年)何度もこの地域を訪れているが、花がまだ咲いていない時期なので、見つけることは出来なかった。通常はローカルバスを利用して、何度か乗り変えながら成都から黄龍に向かう。今回は、飛行機を利用してのピストン。「輪葉竜胆」との邂逅のため、2泊3日の突貫スケジュールである。
 
到着翌日は渓谷の上部を探索、見つけることは出来なかったので、最終日の帰路、路線バスを乗り捨てて、峠の周辺の探索に賭けることにした。あいにく吹雪のような最悪の天候である。ずぶぬれになって探したら、見つけた。傘をさして、雨と風が弱まるのを待ち、始めて出会った「ヤクシマリンドウ近縁種」の、唯一の写真を撮影することが出来た。
 
雪混じりの雨で花が閉じた状態(この天候では当分開かない)ゆえ十分とは言えないのだけれど、僕にとっては、この一枚が撮影できたことは、大きな成果だった。
 
夜、成都に戻り、夜行の列車で昆明に向かい、バスで香格里拉を経由して、目星をつけていたメインの探索地、白馬雪山に転進したのは、その3日後である。
 
雲南省最西北部の白馬雪山は、長江上流域とメコン川上流域を分ける分水嶺で、その峠は標高約4300m。ここで「輪葉竜胆類=ここでは“ナナツバリンドウ”と呼んでおく」の大群落に遭遇し、数多くの写真を撮影することが出来た。
 
次回(第12回)からは、雲南省に移って、白馬雪山の“ナナツバリンドウ”について紹介していく。
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 
「ヤクシマリンドウの中国大陸産対応種群」「ナナツバリンドウ」「輪葉竜胆 (中国文字では“轮叶龙胆”だがパソコンで示すのには手間がかかるので相当する日本漢字を使用した) 類」「ヤクシマリンドウ系(ヤクシマリンドウ組)」「Kudoa」「轮叶系(多枝組)」「七叶龙胆」「川东龙胆(ほかに「六叶龙胆」「六叶龙胆」etc.)」といった名称の使用についてのメモ。
 
このグループの紹介は、このあと7~8回に亘って続く予定なので、簡単に整理しておく。
 
上記の各名称は、「ほぼ同義語」と考えておいていただきたい。臨機応変に(あまり根拠なく)使い分けて置く。まあ、客観的に見れば、まるで無責任であるように思われるだろうけれど、(頭の悪い、笑)僕なりに熟考した結果である。
 
竜胆属Gentiana中の、「多枝組Kudoa」に含まれる「輪葉系」の種は、以下のような観点から、纏められている。
 
輪葉性、すなわち、茎の同じ位置から、3ないしそれ以上(3-8枚)の葉が派出していること。
 
茎頂に近い部分の葉の派生様式と、萼裂片の様式は、相関性があるように思われる。通常、萼裂片は、花をつける茎の最上部の葉と一応区別がつく(最上部の輪葉と萼裂片の間に間隔があく)場合が多いが、茎の輪葉の様式が
そのままの流れで、茎葉最上部の輪葉と全く同じ状態となって、萼裂片が構成されている例も少なくない。
 
ただし、萼裂片がほぼ常に概ね5~8片から成るのに対して、花茎最上部の輪葉の数は、それ(萼裂片)と同数のことも有れば、それより少ない(例えば3~4数)こともある。後に述べる(同組の別系に分類されている)フタツバリンドウ(すなわち対葉種)でも、萼裂片数が特に少なくなることはない。
 
ちなみに輪葉性の種の場合、同じ花茎に着く「輪葉」の数は、通常茎の位置(上下)によって異なる。
 
「中国植物志」そのほかでは、それら葉の状況(主に輪葉枚数)に基づいて、この系に所属する種(すなわち輪葉性のリンドウ)を8つの種/変種に分割しているようである。
 
「中国植物志」に掲載されている8種(1変種を含む)は、次のとおり。
*中国語版と英語版は微妙に内容が異なり、和名を含む細部は僕の判断で調節した。
 
Gentiana ecaudata  C. Marquand 1923
无尾尖龙胆 オナシリンドウ
西蔵東南部/雲南西北部 3000-4000m meadow slopes 生態写真:1枚、標本写真:4枚
 
Gentiana ternifolia  Franchet 1884
三叶龙胆 ミツバリンドウ
雲南北部3000m-4100m  wet meadow 生態写真:なし、標本写真:29枚
 
Gentiana yakushimensis  Makino 1909
台湾轮叶龙胆 ヤクシマリンドウ
台湾/日本 標高不明  grassland slopes(!←青山注) 生態写真:(別植物栽培3枚)、標本写真:1枚(詳細不明)
 
Gentiana viatrix  Harry Smith 1937
五叶龙胆 イツツバリンドウ
四川北~西部 3400-4800m alpine meadows, forest margins 生態写真:31枚(2個体)、標本写真:10枚
 
Gentiana tetraphylla  Maximowicz ex Kusnezow 1894
四叶龙胆 ヨツバリンドウ
四川北~西部 3300-4500m  grassland slopes 生態写真:なし、標本写真:8枚
 
Gentiana hexaphylla  Maximowicz ex Kusnezow 1894
六叶龙胆 ムツバリンドウ
四川北~西部/青海東南部/甘粛南部/陝西(太白山) 2400-4400 m  grassland and roadside slopes, alpine meadows, scrub 生態写真:約150枚、標本写真:約120枚
 
Gentiana arethusae var. arethusae  Burkill 1906
川东龙胆  カワヒガシリンドウ
四川東部 2000-3000 m grassland slopes 生態写真:なし、標本写真:なし
 
Gentiana arethusae var. delicatula  C. Marquand 1931
七叶龙胆 ナナツバリンドウ(*狭義)
西蔵東南部/雲南西北部 2700-4800 m grassland slopes, alpine meadows, scrub meadows, forest margins, roadsides 
生態写真:約250枚、標本写真:約130枚
 
それらの処遇の正否はひとまず置くとして(同じ個体の同じ花茎に関しても輪葉数は一定していない)、別の形質や傾向(花色、花冠の形、花筒の太さや長さ、個々の葉の形、種子を含むその他細部の形状等々)も複数に入り組んでいて、そのうちの幾つかは“種間”で連続しているように思える。
 
では、それら(多枝組輪葉系に含められる各種)を“同じ種”と見做して良いのか、というと、その両極の個体を見る限り、全く異なる。とても“同一種”とは言い難いのである。
 
では、やはり“複数の種”として捉えるべきなのか、と言えば、様々な形質が様々な組み合わせで、種ごとにクロス・オーバーしているようにも見える(具体的な説明は第16回に予定)ので、(どこで線引きしてよいか分からず)結局一つに纏めて置くほかなくなってしまう。
 
ここでは、(ヤクシマリンドウを除く輪葉系7種中6種を)強引に「輪葉竜胆*日本名と学名についてはこのあと考察」として(あくまで便宜上)一つに纏めておくが、そうなると今度は、同組別系(華麗系)種のフタツバリンドウ(第18回に紹介予定)との関りも、改めて考察する必要が起こってくる。
 
ということで、全く適当に“一種”として纏めておくのだが、となれば、「学名」「和(日本)名」はどのように表記すれば良いのだろうか?
 
「輪葉系」の各種の中で、最も早く記載が為されているのが「三葉竜胆Gentiana ternifolia」なので、“統合”(ただしヤクシマリンドウ以外)するとなればこれを使用することになるのだろうが、、、。生態写真は紹介されていないし、標本写真をチェックしても典型的な“輪葉竜胆”の特徴を示しているとは思えないので、使用を躊躇う。
 
といって、一般的には最も対外的に紹介されている「川東竜胆Gentiana arethusae var. arethusaeの変種Gentiana arethusae var. delicatula七葉竜胆」は、記載年がかなり後である。
 
さらに、原変種**(注:後述) 「川東竜胆」と、変種「七葉竜胆」の関係が、よく呑み込めない。「川東竜胆」は、この仲間としては例外的に低い標高に分布し(3000m以下、ヤクシマリンドウを除く7種変種の中で唯一標高4000m以上には分布しない)、分布域も他の種変種からかなり離れたところに位置している。この仲間としては、かなり特異な存在である。
 
なおかつ、その存在自体が、ほとんど知られていない(原記載の後どれほどチェックが為されているのだろうか?)。これを、この仲間の全体の代表とするのは、更なる躊躇を余儀なくされる。
 
ということで、ほぼ消去法で、全く暫定的便宜上処置として(こう表現すればともかく別の表現では“適当に”、笑)、全体に対する種名を、(狭義には“六葉竜胆”に相当する) Gentiana hexaphyllaとし、和(日本)名と中国名に、それぞれ「ナナツバリンドウ」と「輪葉竜胆」を当てて置く。
 
でも、正直のところを言えば、一つに纏めてしまうには、余りに無理があるようにも思う。なので(どうせ「適当に」処理するのならば)、両極の典型にそれぞれ「名」(一方は「ナナツバリンドウ」Gentiana hexaphylla、もう一方はこれから考える予定)を付けておく。
 
今、ちょっと迷っているところなのだけれど、、、「どうせ“適当”」なのだったら、やっぱり、インターネットでチェックする限りに於いて最も頻繁に出てくる(画像約250枚チェック)Gentiana aretusae var.delicatulaを「輪葉竜胆」全体の名に与えておいたほうが良いかも知れない(Gentiana hexaphyllaとされる画像は約150枚チェック)。変種名は、この際無視。
 
ということで、
一群(ヤクシマリンドウを除くヤクシマリンドウ系)に対しての名を、
日本語:ナナツバリンドウ
中国語:輪葉竜胆
学名:Gentiana arethusae
としたうえで、便宜上、各地域ごとに分けて紹介していく。
 
対応する種は、同じ「多枝組」でも(葉が輪生にならないことにより)別series「華麗系」に置かれるGentiana veitchiorumフタツバリンドウ(蓝玉簪龙胆)またはその近縁分類群。
 
ナナツバリンドウのうち、フタツバリンドウとの中間的な形質を示す個体を、Gentiana ternifoliaミツバリンドウ(三葉竜胆)あるいはGentiana hexphyllaムツバリンドウ(六葉竜胆)に暫定的に当て嵌めて置く(どちらを選ぶかこれから考える)。
 
冒頭に紹介した、四川省雪宝頂の一個体は、多くの個体(チェックした限り全ての個体)が典型Gentiana aretusae var.delicatulaであった雲南省白馬雪山産と、ほぼ変わらないように思われる(ただし「中国植物志」においてはGentiana arethusaeの分布域に四川省は含まれていない)。
 
**【原変種】という言葉について。
 
僕はこの日本語呼称があまり好きではない(しかし決められた用語なので使わざるを得ない)。
 
なぜ好ましくないと思うのかと言えば、多くの人たちに誤解を与えかねない言葉だからである。「原」というのは、たまたま人類(研究者)が最初にチェックした、ある特定の分類群(「種」と考えて貰っても良い)の中の、他と区別が可能な下位の分類単位、という“事務的手続き”を指す「原」なのであって、植物自体の在り方(いわゆる“母系集団”であるか否か)とは全く関係がない(原亜種の場合も同様)。
 
僕としては、「原名変種」「原名亜種」と呼びたいのだが、それは手続き上(慣例として?)許されないのだそうである。ちなみに、動物の分類の方では、「原亜種」ではなく「原名亜種」を使う。
 


雪宝頂5588m 1995.8.6
 


黄龍渓谷 1995.8.7
 


黄龍渓谷 2005.9.24





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中国の野生植物 Wild Plants of China リンドウ科Gentianoceae-9

2021-02-21 20:14:10 | コロナ 差別問題と民主化運動 中国の花




読者の方々に質問です(僕は頭が悪いので、教えて頂ければ幸いです)。

【Ⅰ】
マスクは、なぜ必要なのですか?

【Ⅱ】
「沖縄に対する日本」
「台湾・チベット・ウイグルに対する中国」
の違いを教えて下さい。


*今後、毎回のブログ記事の冒頭に、この質問を繰り返し続けることにします。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

この後、(台湾産の真偽はともかくとして)“究極の屋久島固有種”ヤクシマリンドウに対応する中国大陸産近縁種群“ナナツバリンドウ類=輪葉竜胆類”(リンドウ科/リンドウ亜科/リンドウ族/リンドウ亜族/リンドウ属/多枝組sect.Kudoa/輪葉竜胆系ser.Verticillatae)について述べていく予定ですが、どうやら10回ぐらいかかりそうです。そのあと「ハルリンドウの仲間=小竜胆組」が50回分ぐらい控えていて、更にハナイカリ属、ツルリンドウ属、ヒメセンブリ属、センブリ属、シロウリンドウ属、サンプクリンドウ属、、、、等々が延々と続くので、気が滅入ってしまいます。

そんな折も折、ニュージーランドのルイスから新年(春節)の挨拶が来た。

日本の元旦のお祝いメールは、ちょっとしか返ってこなかったけれど、中国人からの春節祝メールは結構どっさり来ます。香港大学の哲学博士I教授(香港デモについての意見を交わしている)、昆明の植物学者B博士(以前シオガマギク属の同定を手伝っていただいた)、麗江の民族音楽家のA氏(上海の芸術家村で同席した)等々。単純な挨拶ではなく近況などが記しているのが嬉しいのですが、中国語で返事(僕の方の近況報告など)しなくてはならぬことを想うと、億劫で、なかなか返事が出せないでいます。

ルイスからのメールは久しぶり。それ自体はとても嬉しいのですが、“要件”が付随してあって、「知人の中国人が書いた蛾の新種記載の論文をチェックしてくれ」と(学会誌に投稿したのだけれど何故か拒否されてしまった由)。結構しんどい作業ではあるのですが、一応ルイスとは日本語でのやり取りが出来るので、それを優先することにしました。

論文の作者は(会ったことがあるかどうかは不明だけれど)一応僕の(西南農林大学時代の)同窓生で、ルイスの若い中国人の奥さん(もとはと言えば僕が彼女にルイスを紹介したのだ、えへん!)の友人なのだそうです。

え~と、チェックと言っても、かなり大変ですね。何しろ、英語も中国語もまともに出来ない僕ですから。
それで、
>様式を拒否されたのか、内容を拒否されたのか。
>前者なら、僕は全く分かりません。後者ならある程度の判断がつきます。
という書き出しで、「ちょっと時間が欲しい」と返信して、今細読しているところです。結構時間がかかりそうです。

まだ途中なので、なんとも言えないのですが、、、、
(ゲニタリアの構造比較から)概ねのところは分かってきました。
「中国人は頭が良い」
「中国人は努力家だ」
「しかしどこか抜けてる」
という、いつもの想いが頭を持ち上げてきます。

・・・・・・・・・・・

というわけで、(もともと長くかかりそうだった)「リンドウ第10回(ナナツバリンドウ類➀)」は、最初の出だしの部分(四川省雪宝頂で最初に出会ったナナツバリンドウの話)だけ紹介しておくことにして、残りの大半(「ロゼット・クラスター」の話題を中心とした雲南省白馬雪山産ナナツバリンドウ)は、次回に回すことにしました。




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中国の野生植物 Wild Plants of China リンドウ科Gentianoceae-8

2021-02-20 20:39:24 | 中国 花 リンドウ


★2月19日の記事にいいね!他ありがとうございました。

ヤクシマリンドウと“台湾輪葉竜胆”および中国西南部山岳地帯産ヤクシマリンドウ節の種について



ヤクシマリンドウGentiana yakushimensis。屋久島宮之浦岳山頂付近(1925m)。1995.8.31
(注:ポジ・フィルムは赤味が強く、この後に紹介するデジタル写真では青味が強く出るようです)



屋久島の自然の本質

屋久島は、東亜大陸棚の東南端にあり、海に隔てられ、高い山々が林立し(いわゆる山塊効果を齎す)、緯度的に温帯と亜熱帯の境目に位置し、黒潮の流れに洗われ、世界有数の豪雨に見舞われ、、、、それらの相乗効果によって、地球上に他に類を見ない多様な植生を有している(昔、前川文夫さんも、そのような要旨を書かれていた~書名は忘れたが、世界遺産登録以前に「屋久島の魅力」について極めて的確に言及した素晴らしい本)。

しかし、それらのことは、屋久島の多様性を作り出す上に於いて、「最も重要な要素」ではない。

それら平面的な要素よりも更に重要なのは、時間的要素が齎す「変遷」の積み重なりである。

屋久島を含む西南諸島の(それぞれの島の)アイデンティティーを探るためには、常に重層的な視点が必要である、と、民族学者の下野敏見氏も指摘していた。

人類の文化史と、僕が対象とする生物の種の出現の時間レベルは、全く次元が異なる。にも拘わらず、同じことがいえるのである(いつか“時間のフラクタル”について真剣に考えてみたいのだけれど、、、僕にはもう無理だろうから、誰か取り組んでくれないかな)。

何百万年もの間に、くっついたり離れたり、そのほか諸々の出来事があって、様々なパターンで、様々な場所に、様々な関係が、「今」という断面の中に示されている。

そのことを考えれば、自らのアイデンティティーの証は、むしろ周辺部よりも、遠く離れた地に見出されるのではないだろうか?

ヤクシマの名が冠せられた植物の多くは、この島に固有の分類群である。ただし「屋久島の固有植物」と一括りで言っても、分類単位の位置づけは様々だ。

その多くは、見かけの上で他の大多数の地域の集団に比べ、僅かな差異がある。しかし、屋久島のような特殊条件下に於いて生育する在来分布集団は、それぞれに程度の違いはあっても、見かけ上の変化は当たり前とも言える。

僅かな固有の変異でも、固有集団には違いないので、それらに「ヤクシマ」の名を冠して、マニアや一部の研究者や何も分からぬ大衆は、有難がるわけである。

屋久島を特徴付ける形質には、「矮小」「細葉」などがある。厳しい環境に耐えるため姿を小さくし、渓流の流れに適応して葉が細くなった(概ね固有の変種や品種とされ、和名に「ヤクシマ」が冠せられる)。

むろん、そのような例もあるかも知れないだろうけれど、それが全てだとは限らない。逆に、(もともと)小さな、あるいは細い葉の集団のみが、それぞれの生育条件に対応する特殊環境下で生き延びることが出来た、とは考えることも可能なのではないか?

前者が「新たに為された“この地に固有の現象表現”」なのに対し、後者は「どこか離れた地域に共通要素を持つ集団が残っているかも知れない“祖先的形質の発現”」と捉え得るわけである。

従って、本当に重要な、より興味深い屋久島産の種は、厳密な(と言うか分かり易い)意味での固有分類群には置かれず、(本州中部とか台湾とかから)隔離分布する姉妹集団の一方であったり、逆に近隣地域(屋久島の場合は種子島とか大隅半島とかトカラ列島とか)にのみ共通分布し、他の地域からは姉妹集団が全く知られていない、といったパターンを持つことが多い。

そして、そのような重要種には、和名に「ヤクシマ」の名を冠していないものが少なくない。思いつくまま挙げて置く。

シャクナンガンピ
カンツワブキ
ヒメキクタビラコ
ホソバハグマ
ヒメカカラ
、、、

*私見を一つ追記。例えば、「屋久島の大切な植物なのに、訳がよく分からない“シャクナンガンピ”などと名付けられているのは良くない、“ヤクシマガンピ”と改称すべき」と言ったような意見をしばしば聞く。(逆組み合わせだが)僕の調査対象である“ヤクシマコンテリギ”なども、近年は、「アジサイの一種なのだから“ヤクシマアジサイ”と呼ぼう」という方向性にある。僕は、そのような(なんでもかんでもの)統一傾向は、余り好きにはなれない。

上に挙げたような、重要固有(的)植物の中で、No.1に君臨するのが、ヤクシマリンドウだ。重要植物としては珍しく「ヤクシマ」の和名が冠せられているが、そんじょそこいらの「ヤクシマ」とは格が違う。

僕は、シャクナンガンピ(ジンチョウゲ科)が「屋久島固有植物の女王」で、ヤクシマリンドウが「王」であると、勝手に決めている。共に島で最も標高の高い地にのみに生育。シャクナンガンピが南の黒味岳に多いのに対し、ヤクシマリンドウは北の永田岳に多い(永田岳、黒味岳とも両者が見られる)。

他のどのリンドウとも異なる形質を持ち、かつてはこの一種で独立のヤクシマリンドウ属Kudoa(一属一種)として扱われたこともある。現在では(数十年前頃から)KudoaはGentianaのシノニムと見做され、Gentianaの中に本種を含む1セクション(4シリーズから成る)が設置されている(「多枝組」)。

その「多枝組」(日本語では「ヤクシマリンドウ節」と仮称しておく*)のラテン名には、 “Monopodiae”が当てられ、「中国植物志」でも永らくそれに準じてきたが、近年になって何故か“Kudoa”が復活採用されている。

*sectionは日本語で「節」中国語で「組」、seriesは日本語で「列」中国語で「系」、僕は別段どっちでもいいのだが、中国語の「組」「系」のほうが分かりやすいと思うので、そちらの方を使っていくことが多いと思う。

ずっと以前に、ヤクシマリンドウの近縁種について「中央アジアに分布する」と聞いた覚えがあるが、それは無いだろう。現在の知見での「ヤクシマリンドウ節(多枝組)」の分布域は、30数種が中国大陸の西南部山岳地帯、他に熱帯アジア(スマトラ、ボルネオ、セレベスなどの山岳地帯=僕はチェックしていない)に数種、および屋久島のヤクシマリンドウ、ということになる(台湾については後述)。

中国西南部産の「多枝組」に所属する多くの種(殊に「輪葉系series Verticillatae」の種)と、ヤクシマリンドウの類縁関係の妥当性については、否定はしないにしても、多くの疑問が残る。

ヤクシマリンドウの位置づけに於ける3つの問題点。
➀種ヤクシマリンドウは、台湾に分布するのか?
②種ヤクシマリンドウは、本当に「多枝組輪葉系」に入るのか?
③「多枝組」「輪葉系」の種構成は妥当なのか?

②③は次回以降に述べることにし、今回は➀について考えてみる。

台湾の“ヤクシマリンドウ”は幻なのか?

「中国植物志」には(それに基づく中国の諸文献でも)“台湾にヤクシマリンドウが分布する”と記されている。そのため、ヤクシマリンドウの中国名は「台湾輪葉竜胆」である。

記述は、長々と“形態”の細部について為されている。それを中国語文/英文で読み取る限り、確かにヤクシマリンドウそのものに当て嵌まる。

“出自”については、一切記されていない。(中国語文解説のほうに)『我们仅见到了一张产台湾的标本』と記されているだけである。

その「中国植物志」に、“ヤクシマリンドウ(台湾輪葉竜胆)Gentiana yakushimensis”として紹介されている標本写真を下に示す。



唯一の「台湾産」標本。存在する標本は、この一枚だけなのだそうである。採取地は「台湾」とあるだけで、地名や日付は附されていない。鑑定人の名前と鑑定した日付(1979年)が示されている。乾燥標本で見る限り、形態的には、屋久島産(ヤクシマリンドウ)と共通するとも、大陸産各種(輪葉竜胆/ナナツバリンドウ類)と共通するとも、どちらとも見做すことが可能と思われる。



「中国植物志」には、他に3張の「台湾輪葉竜胆」の標本写真が示され、いずれも屋久島産(1枚が花之江河~宮之浦岳、2枚は永田岳)で、詳細なデータが附されている。下写真はその一つ。

写真3

採取地点の1890mは、永田岳の以前の標高で、現在は1886mとされている。

台湾産の標本は、確かにヤクシマリンドウのそれに共通する。しかし乾燥標本では、細部のチェックは出来ない。


可能性は3つ。

case1:虚報(屋久島産の標本が紛れ込んだ)。

case2:この後(次回)に紹介する、中国大陸産ヤクシマリンドウ系の「輪葉竜胆類」の種が台湾のどこかに分布していて、(乾燥標本での区別は難しいため)それとの誤認、或いはそれらの一つの(大陸産の)標本が紛れ込んだ。

case3:実際に屋久島と同じヤクシマリンドウそのものが分布している。

第3のケースの可能性は、限りなく低い。







ヤクシマリンドウ。屋久島永田岳(標高1875m付近)。2006.8.15

例えば、下の写真を見て頂きたい。「中国植物志」(および「中国植物図像庫」)には、これまでヤクシマリンドウ(台湾輪葉竜胆)の生態写真は附されていなかった。それが2019年になって、ドイツのベルリンの植物園で撮影したとされる、Gentiana yakushimensisが、堂々と正式掲示された(百度百科にも「台湾轮叶龙胆」として、同じ写真が示されている)。写真を見て頂ければわかるように、ヤクシマリンドウ(上掲3枚)とは、縁もゆかりもない植物である。






台湾轮叶龙胆(拉丁学名:Gentiana yakushimensis Makino)为龙胆科龙胆属下的多年生草本植物。产于中国台湾、日本。目前尚未由人工引种栽培。


他に、やはり真のヤクシマリンドウとは全く異なる個体が、「植物百科」というコーナーに、「台湾轮叶龙胆Gentiana yakushimensis」として紹介されている(下写真)。



中国の図鑑などに「Gentiana yakushimensis台湾輪葉竜胆」として度々紹介されている写真。

そのような実態を併せ考えれば、台湾のヤクシマリンドウ(台湾輪葉竜胆)Gentiana yakushimensisは、何らかの誤解に基づいた虚報であると、ほぼ断言して良いものと思われる。

“ほぼ”と言ったのは、わけがある。

以前、たまたま琉球大学の研究室を訪れた時、そこで見せて頂いた台湾のカレンダーに、台湾最高峰の玉山の頂上巨岩に生えていたとされる「ヤクシマリンドウそのもの」(僕には全く「同じ」に見えた)が紹介されていたからである。

屋久島の山頂部と台湾の山々の山頂部(ことに巨岩)は、酷似している。引いた(背景に周囲が写った)写真でない限り、区別をつけ難い。

繰り返し言うと、「中国植物志」の記述は、標本(一張の「台湾産」だけでなく別の三張の屋久島産を含めてチェックした可能性もある)の詳細な特徴説明だけに終始していて、「台湾に本当に分布しているのか?」に関しての記述は一切ない。

「中国植物志」の英語版「Flora of China」でも同様に形態についてのみの記述に終始していて、末尾に生育地として“Grassland slopes”が付け加えられている。

「草原斜面」は、ヤクシマリンドウに関しては有り得ない(そのほかの同組種に関しては該当する)。カレンダーで見た「玉山山頂の写真」は、屋久島同様に岩壁の壁面である。もとより辻褄が合わない。

*僕がチェック(撮影)した屋久島に於ける生育地は、全て山頂付近の巨大岩塊の、垂直に切り立った壁面(一部その上端割れ目)。永田岳1886m(1875m~1885m付近)/宮之浦岳1935m(1930m付近)/翁岳1852m(1845m付近)/安房岳1841m(1840m付近)/投石岳1830m(1825m付近)/黒味岳1831m(1830m付近)。このうち、安房岳と永田岳(の一部)のみ岩の上面部(山頂岩平面状)の割れ目、宮之浦岳は余り大きくはない岩の外壁、他の4か所は巨大な山頂岩壁の垂直壁面。

屋久島のてっぺんの岩壁と、台湾のてっぺんの岩壁だけに、全く同じものが飛び離れて分布している(他に世界のどこにも姉妹種さえ見つかっていない)。

いかにも怪しい。

繰り返し言うが、おそらく「誤情報」だと思う。屋久島産と区別のつかない個体が写った台湾最高峰玉山頂上岩壁のカレンダー写真も、たぶん何かの手違いで(あるいは「同じ種なのだから屋久島産を使っちゃえ」という安易な見解でもって、、、よくあることだ)屋久島で撮影された写真を掲載してしまったのだろう。

念のため、インターネットで「台湾玉山」「台湾輪葉竜胆」「Gentiana yakushimensis」といった検索カテゴリーの許(もしや「カレンダー」のソースが示されてはいないかと)可能な限りチェックを行ってみた。

しかし、そこに出てくる(ヤクシマリンドウ/台湾輪葉竜胆/Gentiana yakushimensisに相当する)写真や情報は、上述した「ベルリンの植物園に植栽されている全く無関係の個体」「“植物百科”などで紹介されているこれも全く別の種」、および「ただ一張の“台湾産”の標本写真」の三つだけである。

それでも、100%「虚報」だとは言い切れない。なぜかといえば、「屋久島と台湾の共通固有種(上種)が少なからず存在する」、というのも事実だからである。 

例えばヒメキクタビラコ(近縁種群)の分布域は、屋久島、台湾、中国大陸西南部、熱帯アジア山岳地帯(台湾産は大量に撮影している)。「(台湾を含めた)多枝組Kudoa」の分布圏に、ぴったり重なる。

これが台湾でなければ、「フェイク」情報と断言しても良い。でも、屋久島と台湾の関係を鑑みれば、限りなくフェイクではあろうとも、全くあり得ないことではない。

僕は、1988年版の「中国植物志」を、刊行数年後に購入し、「ヤクシマリンドウ/台湾輪葉竜胆」の記述に、不審を懐いた。

しかし、屋久島はちょうどその頃「世界遺産」に登録され、そこに生育する固有生物たちについても、世間の注目を浴びることになった。屋久島を代表する固有種であるヤクシマリンドウの、リンドウ属の中での位置づけも、詳しく検討された、、、はずである。台湾における分布の真否の実態などは、さすがに新しい見解が齎されて、すぐに判明するものと思っていた。 

それが、全く前進していない。1909年の牧野富太郎の記載から現在に至るまで、100年余、ほったらかしのまま置かれている。中国の研究者たちに因る不確かな(かつ出鱈目な)情報発信を垂れ流している中国も中国だが、「屋久島の宝を絶滅から守ろう!」とか言って、やみくもに声を張り上げているばかりの日本の識者や大衆からなる日本も日本である。

(「屋久島の宝」の、そのアイデンティティの探求を)なぁ~んにもしていない。驚くべきことだと思う。

玉山なら、チェックは簡単なはずだ。なのに、余りに何もせず、公式には「台湾と屋久島に分布」とされた状態(日本側の公式見解はどうなのだろうか?)で、有耶無耶のまま据え置かれている。

玉山は、今は観光地だ。その気になれば、明日にでもとんぼ返りで確かめに行ってこれる(20年ほど前、僕は頂上手前まで行ったけれど、頂上には登っていない)。

ほったらかしにしてるのは、怠慢としか(というか不思議としか)思えない。

日本の研究者は、過信と自己顕示欲の塊で、やるべき基本的なことを何ひとつやっていない。
中国の研究者は、そのパワーは凄いが、いかんせん、どこか「抜けて」るところがある。
欧米の研究者は、(地球の生物相で東アジアが最重要なのを知ってはいても)敢えて無関心にスルーを決め込む。

注:↑といった思いは半分は本心なのだけれど、凄い知識や能力を持った人は、研究者にも、アマチュアにも、カメラマンにも、星の数ほどいる、ということも事実ですね。それを(両方を)思うと、、、ちょっと落ち込んでしまいます。

・・・・・・・・・・・・

次回は、中国大陸産のヤクシマリンドウ組「ナナツバリンドウ(輪葉竜胆)類」の“ロゼット・クラスター”を中心に述べていく予定です。



ナナツバリンドウ。雲南省白馬雪山。中央右にロゼット・クラスターが見える。赤はツツジ科のイワヒゲ属。2005.9.29



ヤクシマリンドウ組ナナツバリンドウ系の種の撮影地点(台湾は未詳)

⓵ 【青色】 雲南白馬雪山 標高3900~4100m付近 環境:高山礫地 分類群:AA
⓶ 【空色】 雲南四川省境 標高4300~4500m付近 環境:高山礫地 分類群:AA(稀にAB)
⓷ 【緑色】 四川四姑娘山 標高4500~4700m付近 環境:高山礫地 分類群:AA’-AB
⓸ 【緑色】 四川四姑娘山 標高3400~3600m付近 環境:渓谷草地 分類群:B
⓹ 【桃色】 四川雪宝頂 標高4200m付近 環境:高山礫地 分類群:AA
⓺ 【薄緑】 雲南香格里拉 標高3300m付近 環境:人里草地 分類群:AB
⓻ 【赤色】 屋久島 標高1800~1900m付近 環境:垂直岩面 分類群:AAA
⓼ 【赤色】 台湾玉山 標高3900m付近? 環境:垂直岩面 分類群:AAA?

大きな丸印はメイン撮影地。それぞれ数10個体(100枚以上の写真カット)を撮影している(⓷と⓸は同一地域、環境と標高が顕著に異なる)。小さな丸印は、一個体のみ撮影(⓼未撮影の台湾を参考として載せたが、分布の真偽は不明)。

AAA ヤクシマリンドウGentiana yakushmensis 
一応、ナナツバリンドウ系の一員とされているが、おそらく別系統に置かれるべきものと思う。「中国植物誌」には台湾での分布が記載(根拠なし)。

AA ナナツバリンドウ(Ser. Verticillatae-Gentiana arethusae またはGentiana hexaphylla)の典型個体
輪性葉。この系の個体は三葉から八葉まであり、概ねそれぞれに対応して独立種(7種)が設置されている。うち、花冠の筒状部が幅広く、花色が明空色で、輪性葉の葉数が多い(概ね6~7葉)個体をAAとした。花被裂片の先端から糸状の短突起が派出する。株の中央部に超小型のロゼットクラスターを備える(AA’を除く)。

AB 典型以外のナナツバリンドウ系の個体(Gentiana ternifoliaなどの各種に相当?)
葉は輪性だが概ね数が少なく、花色が比較的濃く、花筒部が細い。外観はフタバリンドウ系に似る。種としてはナナツバリンドウ以外の(複数)種に含まれるが、互いに形質は連続しているように見える。

B フタツバリンドウ系(Ser. Ornatae)の個体(Gentiana oreodoxaあるいはGentiana dolichocalyxに相当?)
対生葉。11種からなる。花色が濃く、花筒部が細く長い。輪葉性のナナツバリンドウ系の幾つかの集団に形質的な連続性があるように思われる。



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中国の野生植物 Wild Plants of China リンドウ科Gentianoceae-7

2021-02-20 15:19:51 | コロナ 差別問題と民主化運動 中国の花



読者の方々に質問です(僕は頭が悪いので、教えて頂ければ幸いです)。

【Ⅰ】
マスクは、なぜ必要なのですか?

【Ⅱ】
「沖縄に対する日本」
「台湾・チベット・ウイグルに対する中国」
の違いを教えて下さい。

*今後、毎回のブログ記事の冒頭に、この質問を繰り返し続けることにします。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

報告:モニカとK氏から、中国現地(広東省広州市)に於ける、マスクについての最新情報が届きました。2人とも、全く同じ見解。

>日常生活では、ほとんど着けることがない。

>一応持ち歩いている。密になる公共機関の入り口ではマスク着用を求められるが、(大抵の場合)中では皆外している。

一部の公共機関(空港、国家施設等)では、国からの絶対命令での着用必須。旅行などの際のチェックも、厳しいところは徹底して行う(これは昨年夏時点での報告、現在もそうだと思います)。

中国人の多くは、日本の(国の指令ではなく「無意識強要同調空気」に基づく)国民相互監視の「マスク文化」を不思議な目で見ているようです。

いずれにしろ、「感染者数」は、日本とさほど変わらない(人口比では遥かに少ない)。

これを、「コロナ絶対脅威論」の日本の人々は、どのように考えているのでしょうか?

むろん「隠蔽論」で済ましてしまうことは簡単ですが、もっと大事な事を、見落としていないでしょうか?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

さて日本ですが、なんとなくですけれど、、、オリンピックは(何らかの形で)開催されるような気が、、、(半々ぐらいの可能性?)

コロナは「有耶無耶のうちに」とりあえず“終結”。

そして、「自己保身」「リスク回避」「取得権保守」「異質排除」「無意識強要同調空気」「科学・文明崇拝」「マスク大好き!」、、、、の「日本(民主主義)文化」は、さらに(たぶん共産圏、イスラム圏以外の)世界に浸透していく、、、。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

一昨日、スーパーで、二個100円のレンコンを買ってきて、電気ストーブの横についている湿潤機の熱湯で泥が付いたまま煮て食べたら、下痢をしてしまった。

それ以前に、ここのところずっと、頭と胸と背中とお腹が、(特に午後になると)痛くてたまらない。

という風に「満身創痍」ではあるのですが、、、、。頭の一部に穴が開いている(犯人は10年前のドングリ!)ことと、背骨がS字状にひん曲がっていること(原因は1年前のマクドの深夜作業?)以外は、どこも悪くないそうです。

昨日は、月に一回の、東青梅のK病院での診察日でした(ついでに下痢止めを貰ってきたけれどまだ飲んでいない)。福生の病院のF医師から、前回の詳細チェックのデータが、K先生の許に送られてきていました。

その内容は前にもブログで伝えましたが、血液検査43項目、何処にも異常値が出ていない。CTスキャンとか脳波とか心電図とか、(上記のアクシデント疾患を除けば)どこにも異常がない。

K先生(たぶん僕より少し歳上?)は、そのデータを見ながら、感慨深い表情で、僕にこう述べました。

>これは凄い!完璧だ。長い間医師をやってるけれど、これほど一点の曇りもない完璧なデータの患者には出会ったことがない。驚きだ。

10回ぐらい、perfect!strange!を繰り返していました(笑)。

これは、何なのでしょうね?僕としては「痛し痒し」で、、、、。

いずれにしろ、もうすぐ73歳になる人間としては、有り得ないほど「完璧」なのだそうです。

一体、僕が、どんな「特別な事」をしてきたというのでしょう? 一切してませんね。

はっきり言えることは、「健康マニア」「リスク徹底排除主義者」とは、正反対の生活を続けてきた、ということです。

そのことについても意見を伺いたいですね。「健康マニア」「リスク徹底排除主義者」の人たちに。

・・・・・・・・・・・・・・・・

今回は(たぶん第7回~第14回に亘り)「ヤクシマリンドウ組」について述べていきます。日本(屋久島)と中国大陸西南部山岳地帯、そして台湾が関わってきます。

ヤクシマリンドウそのものは、究極の屋久島固有種です(この後具体的に説明)。屋久島は、狭義の日本列島の南端です。と同時に西南諸島(琉球弧)の北端でもあります。更に別の視野に立てば「長江周辺地域」の東の延長です。

以前著した拙書「大和と琉球と大陸の狭間で」にも述べ続けたように、屋久島の本当の魅力を知るためには、「大和」「琉球」「大陸」をトータルで見渡さねばならない。それは別に屋久島に限らず、どの地域にも言えることです。

その「俯瞰的」な取り組みが、まるっきり為されていない。枠組みのなかで、ひたすら「重箱の隅を探るような」作業(=調査・研究)が行われているだけです。

それで、全部自分で取り組むことにしました。枠組みは無視して。

例えば「シャクナンガンピ」という、屋久島の最重要植物のひとつ。唯一の近縁種(2種で独立した1属を設ける見解もある)は、九州の中部山地の大崩山の特殊岩石地帯のみに分布しています。延岡から始発の電車に乗って、朝早く着いた最寄り駅から、何十㎞もの道を丸一日歩き通し、現地をチェックしてきたことがあります。

外観も生育環境もシャクナンガンピとは丸っきり異なるのだけれど、醸し出す雰囲気は実によく似ています。両者を結びつける「第三の姉妹種」は、本当に(これまでに中国のどの文献からも見つからない)中国大陸に分布していないのでしょうか?その探索は僕にはもう無理だけれど、いつか誰かが突き止めてくれるだろうと、夢見てるのです。

同様に重要な屋久島固有植物である「ホソバハグマ」は、自分で中国まで(その姉妹種を)探しに行きました。古い文献では、中国大陸南部産の集団と同じ種とされていたのです。今はそれぞれ独立種とされていますが、文献に示されている図は、酷似しています(系統的な繋がりに関しては様々な考察が成り立つ)。文献には、「中国南部の三か所に分布」となっています。

三か所のうち、具体的な地名が示されているのは二か所。具体的な地名とはいっても、「市」単位です。それ以外には、(環境・地形なども含め)何の記述もありません。中国の「市」は、概ね日本の「県」に相当します。探索対象とした「広東省陽春市」は、日本で言えば長野県ほどの広さです。

執念で探しました。今思えば、凄い執念だったと思います(それに“勘”もぴったり当たった)。

20年近く前、その報告をブログに載せたところ、ある国立大学の研究者(知らない方)から「情報を教えてくれ」という連絡がきました。

細かい情報をお教えした上で、「僕は遊びや趣味で調査を行っているわけではありません」「共同研究態勢など何らかの処遇を考慮願います」とお伝えしました。

返ってきたのは、「そんな条件が付くなら協力はいりません、我々はプロなので、素人を相手にしているわけにはいかない」と返事が来ました。僕の送った情報は、しっかり利用されて、学会発表に使われているようです。謝辞もお礼もありません。

昆虫・植物を問わず、全く同様の経験が、(50年近くに亘り、大袈裟ではなくもう100回近く)延々と繰り返され続けています。

例えば、このブログに関してですが、10年ほど前に、中国の植物についての連載記事を載せていたことがあります(読者には自主的なカンパを要請して)。

ブログの裏チェックみたいな機能があって、幾つかの情報を調べました。おそらく研究者の一人からの、こんな発信を見つけました。

>これ(「青山潤三の世界・あや子版」の中国産植物の紹介記事)は凄いよ!とても役に立つので、皆ぜひチェックして置くべき。ただし、書いてる本人は、素人で、たぶんちょっと危ない人だから、無視して関わらないように。

まあ、それでも良いです。だったら敢えて、「(異質に対するイジメの構造を容認して成り立っている)社会への」恨みつらみを込めて、愚痴を書き連ねていきます(笑)。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

いずれにしろ、ヤクシマリンドウに関しては、僕はもう40年も前から興味を懐いていて、殊に台湾に於ける分布の真否の解明を心待ちにしているのですが(注:自分で行わないのは、単に予算、具体的には台湾での宿泊費・交通費がないから)、未だに全く進展していません。

枝葉だけは、重箱の隅をつつくがごとく調査や研究が為されているのに、眼前の事(不利益を排除し利益を得る事)に対しては必死に取り組んでいるのに、肝心な本質的なことは何ら分かっていない。世の中全体が、そういう方向に進んでいるので、仕方がない事ではあるのでしょうけれど。

話は飛躍してしまいますが、結局「種」とは何か? 生物にとって「生命」とは何か? そういったことを俯瞰的に考える必要があるのだと思うのです。

生物ということはウイルスは入らないわけで、例えば、ウイルスという無機質でも生命でもない有機的な存在を、生命とどう結びつけて認識するか、、、。

時間とは何か? 自分は“どこ”(時間・空間)から来て、“どこ”に向かおうとしているのか?

頭の悪い(これは謙遜ではなく本心)僕には知る由もないのですが、最初の質問(マスク/沖縄)共々、頭の良い人たちが、どのように考えているのか、教えて頂きたいのです。

頭の良い人は、沢山います。重要な問題提起をしています。しかし、大衆は結果(答え)のみを求めます。

僕は、今ブログに「中国の野生植物」を書くに当たって、「中国植物志」と「週刊朝日百科植物の世界」をチェックし続けています。

興味深い記事を見つけました。東京大学農学部の山下修一教授が書かれた、「植物とウイルス」というトピック・コラム(1994年9月11日付け)。植物ウイルスと「いわゆるコロナウイルス」は、何らの関連性もないと思うのですが、共に「ウイルス」であることには変わり有りません。長い内容の、ごく一部をピックアップ紹介しておきます。

>私たちは、日常多くの植物ウイルスを食物と共に食べている。

>(この研究が進めば)ウイルスの変異、進化、分子レベルでの系統樹、起源も明らかになっていくだろう。また、ウイルスの遺伝子操作や改変も近い将来、可能になるだろう。

>植物ウイルスは他の生物ウイルスと同様、感染や増殖を制御することが非常に難しい。

>ウイルスは人類に残された「最後の敵」ともいわれ、私たちは細菌や菌類など、ほとんどの伝染性病理を制御してきたが、ウイルスではいまだ為し得ていない。

これは、植物(人間の作り出した有用植物)の方の話題で、上にピックアップした文章は、長い記事のごく一部の断片です。でも、ウイルスというのは、実体(の根本的な部分)が未だに不明で、摩訶不思議な存在であることは伝わってくると思います。それと共に、人類(の科学や文明)が、それを制御しようと立ち向かっていることも。

そのことを、どう捉えるか。

以前ブログに「透明人間になって街に出かけたら突然姿が現れてしまって、、、、」という夢を見た、という話を書きました。

そういうことだと思います。

・・・・・・・・・・・・・・

僕は、自分の目と脚で対象を探り、あるいは文献で様々な事例を知って、「自然界はとんでもなく凄い」と、改めて驚愕しています。

そして、その「とんでもなく凄い」自然の仕組みを解き明かし利用する、人間の科学・文明は凄いなあ、という素直な想いもあります。

むろん、それと並行して、“「解き明かし利用する」、、、、それだけで良いのだろうか? 別の方向からの視点が、今こそ必要なのではないだろうか?” と、改めて深く想うのです。



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中国の野生植物 Wild Plants of China リンドウ科Gentianoceae-6

2021-02-19 14:08:13 | 中国 花 リンドウ


★2月17.18日の記事に、いいね!その他ありがとうございました。


Gentiana wasenensis瓦山竜胆 〔sect. Frigida高山竜胆組〕
写真27

四川省西嶺雪山の標高3200m付近。2010.8.6(以下同)

四川省西部には、同じFrigida-sectionのよく似たGentiana wasenensis瓦山竜胆なども分布していているが、「中国植物図像庫」によると西嶺雪山産はGentiana wasenensisとされている。萼裂片は短く、外側には屈曲しない。標高3200m前後の、冷温帯樹林上部と高山草原との境付近に、小型リンドウの一種や、シロウマリンドウ属、トリカブト属、シオガマギク属の種などと共に生えていた。花筒の長さは3~4㎝、花冠は緩く開くだけで、平開はしない。茎30㎝前後。

写真28


写真29


写真30


写真31

ピンクの花はシオガマギク属。

写真32


写真33



写真34


写真35


写真36


写真37


写真38


写真39

このリンドウの生える西嶺雪山の前山の稜線(標高約3400m)から、谷を挟んで西嶺雪山主峰5364mを望む。峰の向こう側に、巴朗山の峠を挟んで四姑娘山が位置している。(「陰陽界」と名付けられている)この辺りを境に、漢民族文化圏とチベット族文化圏が分かれる(生物相もそれに準じる)。

写真40

稜線の(西嶺雪山主峰の)反対側の谷は、「大邑原始森林」と呼ばれ、数多くの固有生物が生育している。
(ピンクはバラ科バラ属、青はキンポウゲ科トリカブト属)

Gentiana microdonta水晶竜胆 〔sect. Frigida高山竜胆組〕
写真41

四川省巴朗山(四姑娘山南方の峠)の標高4700 m付近。2010.7.31(以下同)。 

まるで水晶を思わせる、透き通るように美しい青い花が咲く大型種。本来ならばGentiana atuntsiensis に所属せしめるべきと思われるが、ここでは、極めて特徴的な花や葉のイメージ(ただし個体によってはそうとは限らない)から、暫定的にその近縁別種Gentiana microdonta中国名:小歯竜胆(Gentiana atuntsiensisのシノニムとする見解が主流)とし、(このタイプの個体を含む集団に対し)「水晶竜胆」と仮称しておく。

写真42


写真43

花冠の形だけで言えば、最もヤクシマリンドウに似ているように思える。

写真44

上の花はキンポウゲ科トリカブト連オオヒエンソウ属。

写真45

すぐ隣あって、Gentiana aatuntsiensisの典型に近い花冠を持つ個体も生えていた。

写真46


写真47


写真48

写真2枚の個体は、ほぼ隣り合って生えていた。下左は典型的Gentiana atutsiensisと大差なく、下右は極めて特異である。しかし、萼片や葉の形状は共通する。

写真49

黄色の花は、キク科のサワギク連の種(Cremanthodium reniforme)。

写真50


写真51

巴朗山峠の最高点(標高約4500m)から200mほど登った辺り。高等植物の生育限界近くと思われる。2010.8.1

写真52

四姑娘山6250mは世界最東端の6000m峰。大都市・成都から100㎞も離れていない(東京‐富士山よりも近い)。
2006.9.18

写真53

≪成都市~西嶺雪山(緑印)間の距離が約100㎞≫


蝦色:雲南省白馬雪山Gentiana atuntsiensis?
紫色:雲南省翁水Gentiana wilsonii?
青色:四川省雅江~新都橋Gentiana trichotoma?
緑色:四川省西嶺雪山Gentiana wasenensis?
黒色:四川省四姑娘山Gentiana atuntsiensis?(水晶竜胆)



Gentiana davidii 五嶺竜胆 〔sect. Kudoa 多枝組〕
写真54

台湾阿里山。標高2500m付近。2006.9.4


一見したところ、竜胆草組Pneumonantheのエゾリンドウや、前掲した高山竜胆組Frigida各種などに似ているが、「中国植物志」では、それとは別Sectionの、ヤクシマリンドウやリンヨウリンドウと同じ多枝組Kudoaに分類されている(ただし別Seriesの「頭花系Apteroideae」)。また、種名は、台湾の図鑑ではGentiana atokinsonii var. formosanaとなっているが、ここでは「中国植物志」に従って、Gentiana davidii var. formosanaとしておく






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中国の野生植物 Wild Plants of China リンドウ科Gentianoceae-5

2021-02-19 12:35:03 | コロナ 差別問題と民主化運動 中国の花


 
読者の方々に質問です(僕は頭が悪いので、教えて頂ければ幸いです)。

【Ⅰ】
マスクは、なぜ必要なのですか?

【Ⅱ】
「沖縄に対する日本」
「台湾・チベット・ウイグルに対する中国」
の違いを教えて下さい。

*今後、毎回のブログ記事の冒頭に、この質問を繰り返し続けることにします。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

次は、「section Kudoaヤクシマリンドウ組」と予告したのですが、「sect. Frigida」が、もう一回続きます。





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