青山潤三の世界・あや子版

あや子が紹介する、青山潤三氏の世界です。ジオログ「青山潤三ネイチャークラブ」もよろしく

朝と夜のはざまで My Sentimental Journey (第96回)

2011-09-10 13:55:18 | セミ

★は2008年8月に、ジオログ「青山潤三ネイチャークラブ」で紹介した記事です。一部はこのブログでも、過去に紹介しておりますので、重複する記事もありますが、ご了承ください。



中国(および台湾・南西諸島)の蝉 ミンミンゼミ⑥

7月の末日、梅里雪山を望むメコン川沿いの町を朝早く出発、白馬雪山の標高4300mの峠に登って、ヒッチハイクを繰り返しながら、山を下ります。途中、標高3500m付近の原生林中で、赤い可憐なユリの花を訪れる、ミヤマシロチョウの一種を、たっぷり一時間余かけて撮影。ちょうど“ミンミンゼミ”の鳴く時間帯ではあるのですが、この辺りでは全く声は聞こえません。

改めてヒッチをし、山を下る途中、車の窓を開けたら、広漠とした斜面の彼方から、ミンミン、、、と声が聞こえてきました。標高3000m付近、太陽が真上に差し掛かった、午後2時前頃でしょうか?
やがて、奔子欄の町に着いた(午後2時半頃)のですが、天気はよいのにもかかわらず、セミの声は全く聞こえてきません。地元の人に聞けば、鳴くのは朝の8時から11時にかけて、とのこと。大体、日本のクマゼミと同じ時間帯です。やはり一日この町に泊まって、朝を待つしかない。幸い、明日の午前の、香格里拉行きの路線バスの時刻は11時です。

翌朝、天気は良好。朝飯も摂らず、7時前に外に出ます。まだセミの声はぜんぜん聞こえない。もうしばらくすると、町の中でもいくらでも鳴き出すのでしょうが、時間はたっぷりありそうなので、数日前の工事現場の辺りを目指して、町外れまでゆっくり歩いていくことにしました。8時近くになると、東向きの斜面の上方に、朝の光が当たってきます。耳を澄ますと、その辺りからは、ミンミン、、、と声が聞こえてきます。

下の方で鳴き始めるまで待っていても良かったのでしょうけれども、なにしろせっかちなものですから、鳴き声が聞こえる急斜面の上方に向かって、しゃにむに攀じ登って行きました。途中、潅木の繁みに♀がとまっていたり、抜け殻があったり、、、。個体密度は、相当に高いようです。“ジィッ、、、、、、、、”と言う鳴き声もあちこちで聴こえます。どうやら前奏らしい。日本や四川省のミンミンゼミでは、余り聴くことのない音です。やがて、ゆっくりとした“ウィンウィン、、、、”という音に移行していき、おなじみの、尻上がりの“ミンミンミン、、、、、”が始まります。

おなじみ、とは書きましたが、日本や中国のミンミンゼミの前奏の、尻上がりの“ミンミンミンミン、、、、、、”に比べれば、音数が少ない。そして、最後に尻下がりの“ミーン”で締めくくったあと、
次の、リズミカルな“ミーン、ミンミンミンミン、ミー”の繰り返しに移ることなしに、“ミンミンミン、ミー”のまま、同じ繰り返しを、10数回続けます。鳴き終えるまで、繰り返しはスムーズに続くので、その点では日本産と良く似ています。すぐに押し潰された不安定な鳴き声になる四川省産とは、大きく異なる点です。

一鳴きの、鳴き始めから鳴き終わりまでを録音した個体では、“ジィッ、、、、、、”と“ウィンウィン、、、、”の前奏部分が約30秒、本奏は“ミンミンミン(上る)、ミー(下る)”を2分間に13回繰り返し、“ミンミンミン、、、”の中の、“ミン”の回数は7回(たまたま多めの個体だったようで、他の録音個体は4~6回)でした。

姿も、じっくりと観察・撮影しました。色彩・斑紋は全く異なる(一見クマゼミ)のですが、プロポーションはまがいようもないミンミンゼミ。胴体の白い帯の部分も、どことなくミンミンゼミっぽさが感じ取れます。



画像は、急斜面の潅木にとまるスミイロミンミンゼミの♂ 白馬雪山南麓奔子欄08.7.31



中国(および台湾・南西諸島)の蝉 ミンミンゼミ⑦

スミイロミンミンゼミ♂の腹部。3日後、東京(御茶ノ水)産ミンミンゼミと比較を行ったのですがが、形態上は、寸分たりとも異なる点が見出せませんでした。



白馬雪山南麓、奔子欄にて。08.7.31



中国(および台湾・南西諸島)の蝉 ミンミンゼミ⑧

♀は、鳴いている♂の近くの、潅木の繁みの中に見だされます。概観上、背面からは♂とほとんど区別がつかないことは、日本のミンミンゼミと同じ。



白馬雪山南麓、奔子欄にて。08.7.31




中国(および台湾・南西諸島)の蝉 ミンミンゼミ⑨


♀の腹部も、日本のミンミンゼミと酷似します。




白馬雪山南麓、奔子欄にて。08.7.31



中国(および台湾・南西諸島)の蝉 ミンミンゼミ⑩


ミンミンゼミの鳴き声様式の基本構造を、まとめてみました。

ミンミンゼミ
日本(北海道~九州)  AA+B×10~15      分化・安定
ABに分化、Bは安定し、繰り返しは長く続く。体色黒に緑斑~一様の緑。白色部曖昧。翅斑は2列。

チョウセンミンミンゼミ(仮称)
朝鮮半島*1       A’×(10~)       (非分化・不安定)
Aのみの繰り返し。やや不安定で、長く続く。体色黒に緑斑。脇に広い白色部。翅外縁の斑を欠く。

シロモンミンミンゼミ(仮称)
中国(四川・陝西)*2  AA+B+b×2~3      分化・不安定
ABに分化、Bは不安定で、繰り返しは短く終る。体色黒に緑斑。顕著な太い白帯。翅の斑は2列。

スミイロミンミンゼミ(仮称)
中国(雲南)      C+A×10~15       非分化・安定
A のみの繰り返し。安定し、長く続く。前奏にC。体色一様に墨っぽい黒。顕著な白帯。翅は無斑。

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AA=尻上がりに20回前後「ミンミンミンミンミンミン」、最後は「ミー」で下がる。
A =尻上がりに5回前後「ミンミンミンミンミン」、最後は盛り上がりつつ「ミー」で下がる。
A′=尻上がりに5回前後「ミンミンミンミンミン」、最後は盛り上がらず「ミー」で下がる。
B=「ミーン、ミンミンミンミン、ミー」
b=「ミーン、・・・・・・・・(無声音を含む、搾り出すような崩壊音)」
C=前奏として「ジ~、、、、」から、ゆっくりと「ウィンウィンウィン」に移り、やがてAの尻上がりの「ミンミン」に移行する。

*1 税所氏のH.P.の録音源による。別の市販テープでは、AA+B+b×(10~)に近い分析も。
*2 北京産も似るという報告あり。

傾向としては、日本―中国四川-?-朝鮮半島―中国雲南の流れがあり、日本産と中国雲南産は、鳴き方のスムーズさにおいて共通する。ただし日本産は鳴き声の分化が最も進み、雲南産は最も未分化。四川産は分化の兆しが見えるが、著しく不安定。朝鮮半島産は、不安定な要素を示す(可能性がある)点で、四川産と共通?

♂♀外部生殖器の構造比較、脱皮殻、支脈相そのほかの、体各部の詳細な形状比較については、項を改めて紹介する予定です。



中国(および台湾・南西諸島)の蝉 ミンミンゼミ⑪


急斜面の潅木にとまって鳴き続けるスミイロミンミンゼミの♂。背景の建物は、奔子欄の町の末端に位置する寺院。長江に面した標高約2000mのこの町から、標高4300mの峠頂へと、一本の道路が、九十九折に上っていきます。



白馬雪山南麓、奔子欄にて。08.7.31


中国(および台湾・南西諸島)の蝉 ミンミンゼミ⑫



スミイロミンミンゼミ♂ 白馬雪山南麓、奔子欄にて。08.7.31

現物を検した限り、ミンミンゼミ属の種、と言い切って良いのですが、正直、僕には、文献上の知識が全くありません。学名をどう特定すれば良いのか。Fuscataという種(または)亜種名の原記載は、中国四川省産に与えられたものなのでしょうか?朝鮮半島産に与えられたものなのでしょうか?両者は、姿も鳴き声様式も明らかに異なるので、少なくともどちらか一方は、別の分類群名を与えねばなりません。

この“スミイロミンミンゼミ”にしても、学名がどこかに記載はされているのでしょうが、今の僕には知る術がありません。

どなたか、ご教示いただければ、有難いです。


中国(および台湾・南西諸島)の蝉 ミンミンゼミ⑬




スミイロミンミンゼミ♂ 白馬雪山南麓、奔子欄にて。08.7.31




中国(および台湾・南西諸島)の蝉 ミンミンゼミ⑭



スミイロミンミンゼミ♂ 白馬雪山南麓、奔子欄にて。08.7.31




中国(および台湾・南西諸島)の蝉 ミンミンゼミ⑮



スミイロミンミンゼミ♂ 白馬雪山南麓、奔子欄にて。08.7.31








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朝と夜のはざまで My Sentimental Journey (第95回)

2011-09-09 14:11:58 | セミ

8月4日にサパに別れを告げ、再び中国に入って雲南省の南端(ベトナム国境:標高60m)から北端の梅里雪山(チベット省境:標高6740m)の麓に移動します(前半の大理までは、第00回「謎の巨大都市“鳩街(下)”」で紹介済み)。今日は、その後に続く「大理~香格里拉~白馬雪山~梅里雪山」の紀行を書く予定でいたのですが、なんだかんだとやらねばならぬことがあって、ブログへのアップが間に合いません。

このコースを行くのは、今年で7年連続となります。

2011年/8月上~中旬。当初は6~7月に行く予定でいた、、、。最終到達地=明永氷河。
2010年/5月に行く予定が、結局9月末になって。最終到達地=明永氷河(「あしたのたび」参照)。
2009年/6月上旬に「世界貧乏旅行」中の中村君たちと一緒に。最終到達地=雨崩村&明永氷河。
2008年/7月末~8月はじめに。最終到達地=雨崩村。
2007年/7月上~中旬。最終到達地=飛来寺。
2006年/9月末~10月はじめ。最終到達地=明永氷河。
2005年/6月中旬。最終到達地=飛来寺。

今回とほぼ同じ季節(ほぼ1週間前)に訪れた3年前は、僕の“全人生”の中で“最も辛い旅”になってしまった(日本を留守にしていた間に千明さんが心変わり!トホホ)のだけれど、僕の“生物探索人生”に限っていうならば、屈指の大収穫もあったのです。“スミイロミンミンゼミ”の発見です。今回、3年ぶりに、鳴き声を聞いて来ました。まず、その事を書いて、その後に、以前に「青山潤三ネイチャークラブ」で紹介した“スミイロミンミンゼミ”の観察記録を再掲するつもりでいたのですが、執筆が間に合わない。ということで、順序を入れ替えて、先に2008年の「スミイロミンミンゼミ観察記」を再掲しておくことにします。

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★下記は2008年8月に、ジオログ「青山潤三ネイチャークラブ」で紹介した記事です。一部はこのブログでも、過去に紹介しておりますので、重複する記事もありますが、ご了承ください。


中国(および台湾・南西諸島)の蝉 ミンミンゼミ①

☆中国(および台湾・南西諸島)の蝉 ミンミンゼミの特集、①~⑮まであります。


青城山の山門周辺では、ミンミンゼミ(中国名:鳴鳴蝉・蛁蟟蝉)も、よくアブラゼミ(フチミドリアブラゼミ)と同じ木に止まって鳴いています。種が日本産と異なるアブラゼミと違って、こちらは一応、日本のミンミンゼミOncotympana maculaticollis と同一種とされています( 別亜種O.m.fuscata 。独立種O.fuscata あるいはO.virescens とする見解も) が、鳴き声は、やはりだいぶ“変”なのです。

実のところ、始めのうちは、それが“変”であることに気づきませんでした。青城山ではバスやトラックが頻繁に通る山の車道に多いものですから、鳴き始めて間もなく鳴くのを止めてしまうのを、ごく単純に“邪魔が入っての中断”と解釈していたのです。 

私達の知っているミンミンゼミの鳴き声は、はじめに小刻みに“ミンミンミン.......”と尻上がりに鳴く前奏があって、途中から大きくゆったりとした“ミーン、ミンミンミン、ミー”と尻下がりに鳴く本奏を10数回繰り返します。このとき人が近づいたりして邪魔が入ると鳴き声が崩れ、そのまま鳴き終えてしまいます。中国のミンミンゼミはやたら神経質なのか、どの個体も少し近づくだけで鳴き止んでしまうのだ、と思っていました(実際には、数多くの個体が重なって鳴いていると、“途中で中断している事実”がかき消され、日本のミンミンゼミ同様に、スムーズに鳴いているように聞こえてしまいますが)。

ところが、邪魔の入らないところで慎重に聴いてみても、出会う個体はどれもみな同じ。実は、前奏部に関しては普通に鳴き、本奏も第1節目は無事にきちんと鳴き終えるのですが、2~3節目で邪魔された時と同じように鳴き声が崩れ、以降は不安定に断続、4~5節目で鳴き終えてしまう、というのが、中国のミンミンゼミの“正常な”姿なのです。

整理をすると、次のようになります。

本奏の総節(=単位音)数
・日本(東京付近)産 / 常に10回前後かそれ以上。
・中国(四川省)産 /(2~)3~5(~7)回 。

一単位音(“ミーン、ミンミンミン、ミー”)内の“ミン”の音数
・日本産 / ふつう3~4秒間に3~6音(例:ミーン、ミンミンミンミン、ミー=4音)。
・中国産 / 最初の節が4~7秒間に6~10音、2番目の節が4~6秒間に6~8音(例:ミーン、
ミンミンミンミンミンミン、ミー=6音、ただし無声音などを含む)。
2~3節目以後
・日本産 / 1節目と同じ調子で、最後までスムーズに繰り返す。
・中国産 / “ミーン”の次にくる“ミン”の音の部分が欠如し(=無声音)、その他の“ミン”の音も大半が不安定で、絞り出すような、押しつぶれた音となる(ミーン→空白→試行錯誤→ミンミンミン、ミー)。

ちなみに、朝鮮半島産のミンミンゼミは、中国産と同様の“絞り出す”ような不安定な声のまま、東日本産と同じように単位音を10数回繰り返し鳴き続けます(幾つかのタイプがある可能性も)。対馬産も、それに似た傾向を持つと予測されますが、詳しいことは分っていず、将来の研究課題となるでしょう。西日本産は単位音数が東日本産に比して少なめの傾向があり、九州などでは山地性の種となります。屋久島以南の南西諸島、および台湾には分布していません。

中国では、筆者は四川省のほか、陜西省西安市近郊の秦嶺山系で確認しています(鳴き声様式は、四川省産と同じ)が、発生期の7~8月に訪れたことのある、雲南省、広西壮族自治区、福建省などでは、まだ一度も出会っていません。

なお、中国産のミンミンゼミは、色彩・斑紋などにも日本産と顕著な差が見られ、翅の付け根の両脇の下(腹部第3・4背板)の白色部が極めて良く発達、逆に日本産に見られる中胸背基部などの白色班を欠きます。また、腹部腹面の白色班の広がりも異なっています。


画像は、ミンミンゼミの1亜種 四川省都江堰市青城山 91.8.4



中国(および台湾・南西諸島)の蝉 ミンミンゼミ②-1

①で行った記述は、数年前に書いた未発表記事を基にしていますが、いくつかの間違い、というよりも、追加訂正すべき部分があります。

(1)『朝鮮半島産のミンミンゼミの鳴き声について』
現地での野生個体については、未確認です(韓国には未だ行ったことがない)。以前、韓国で市販されていたセミの鳴き声のカセットテープの音源を分析し、「中国産と同様の“絞り出す”ような不安定な声のまま、東日本産と同じように単位音を10数回繰り返し鳴き続ける」と記述したのですが、誤認の可能性もあり、(実際に幾つかのパターンをもつ可能性が残されているとしても)再チェックする必要があります(現在テープは手元に無い)。

税所康正氏のH.P.『セミの家』の鳴き声紹介音源を聴いたところによると、韓国産ミンミンゼミの鳴き声様式は、日本産の本奏に当たる、尻下がりの「ミーン、ミンミンミン、ミー」の部分を欠き、日本産や四川産で前奏と定義した、最初の尻上がりの「ミンミンミンミン、、、」 (ただし20音前後の日本産などに比べて短く7~8音)のみを繰り返します。一音節ごとに、末尾を尻下がりの「ミー」
で終えます。

実は、この後に紹介して行く、今回の報告の主題であるところの、雲南省北部山地産のミンミンゼミ属の鳴き声様式が、韓国産と極めて共通し、短い前奏の部分(ただし、その前に別の“前奏”が存在する)を、そのまま本奏として繰り返し続けて行くのです(1音節ごとの末尾の「ミー」は、韓国産のように、弱々しくは終えず、一度強く盛り上がった後、下げて終える)。

日本産の本奏に当たる部分を欠き、短い前奏をそのまま繰り返し続ける様相は、どこか不安定さを感じさせます。その点では、はじめの記述どおりと言えるかも知れません。なお、税所氏の録音源は、一鳴きの末尾までは紹介されていず、よく聴き取れば、最後のほうの数音節は、押しつぶされて搾り出すような声に聞こえます。そのように不安定に続くとすれば、四川産と共通することになります。なお、韓国産が、雲南産同様に、鳴きはじめに別の前奏を有するか否かは、不明です。

いずれにしろ、日本産と韓国産は、鳴き声の構造をはじめ、外観上も多くの点で、明確で安定した相違点があります。ネットで検索したところによると、韓国内のどの報文(非常に多数ある)においても、韓国産ミンミンゼミを、日本産と同一種の別亜種扱いのOncotympana maculaticollis fuscataとはせず、独立種O.fuscataとしています。はじめは、お決まりの半日思想を基にした処遇、と苦笑いせざるを得ませんでしたが、(偶然の帰趨であったとはしても)実質的には決してそういうことではなく、(種を分けるか否か、その分類群名が妥当かどうか、はともかく)明確に独立した分類群であることは、間違いなさそうです。

(2)『対馬産も、それに似た傾向を持つと予測される』 
朝鮮半島産と日本産が、明確かつ安定的な別分類群であるとなれば、対馬産の存在は、思いのほか重要な意義を持ってきます。曖昧に終わらすべきではないではない、興味深い課題として検証していかねばなりません。

(3)『西日本産は単位音数が東日本産に比べ少なめの傾向があり、九州などでは山地性の種となる』
はじめは、「西日本産、ことに九州産は、東日本産より、一鳴きの音節数が少ないのではないか」という、九州大学の末永氏の指摘から、調査を始めたものです。東京などの10回余(青山のカウント方式は、税所のそれより一音分少ない)に対し、奈良や姫路では(末永や青山がチェックした限りにおいて)7~8回で、確かに少なめ。青山が永く在住した鎌倉産は9-10回の個体が平均的、10回を超えることの多い東京とは、微妙なれど安定した差をもつように思えます。しかし、西に目を向けても、岐阜城、神戸布引、松山城などでのカウント結果は、いずれも10回を越しています。

僕の改めての結論は、個体ごとの、あるいは集団間の安定差は、いくらかはあるとしても、基本的には大した問題では無いように思えます。細部にこだわっていては、本質を見失なってしまう恐れがあります。自分から問題提起を行ったのに、事実上の終結宣言は、少々無責任なようにも思うのですが、ミンミンゼミの、本奏の単位音数は、他の重要形質ともども、日本国内においては、原則として安定している(前奏部分と、本奏の繰り返し部分とが明確に分かれ、本奏の単位音は極端に少なくも多くもなく、かつ最後までスムーズになき続ける)、と見たほうが妥当なように思えます。無論、税所氏が指摘するように、極めて複雑な問題を内包している可能性は、大いにあるのですが、そのことは、改めて別次元で考えたほうが、賢明でしょう。いずれにしても、税所氏が提唱している、音節数カウントの、共同調査の集積結果を、もうしばらく待つことにしましょう。


中国(および台湾・南西諸島)の蝉 ミンミンゼミ②-2


 ただ、上記のように言い切ってしまうには、気になることが2つ。分布南限に近い、九州白髪山の渓谷でのカウントは、間違いなく5~6回で安定していました。末永氏や税所氏によっても、他の九州の山岳でも、その傾向は指摘されています。税所氏の仮説にあるように、東西ではなく、高低で音数差が生じるのか、九州という分布の周辺域(遺存的集団の存在?)に問題点があるのか、定かではないのですが、何か重要な意味が隠されているような気もします。
 

もう一つ気にこと。逆に一鳴きの単位音数が多い、極端な例です。これまでにカウントした中では、どの産地の個体も10数回(多くても20回ほど)で安定しているのですが、唯一の例外、40回を超す単位音をチェックしたことがあります。全身グリーンの“ミカドミンミン”の出現頻度が顕著なことで知られる、甲府武田神社での観察。その個体も典型的ミカドミンミン。おそらくは、まったく偶然(夕刻、鳴き止む直前の、最後のチェック)だとは思いますが、場所が場所だけに、なにやら気にはなります(ちなみに甲府駅前の普通のタイプは、鳴き声も普通に10数回)。

(4)『発生期の7~8月に訪れたことのある、雲南省などでは、まだ一度も出会っていない』
これについては、新たに雲南省北部山地で観察を行い得ました。以下、追加報告していきます。


画像はミンミンゼミの一亜種 四川省都江堰市青城山 91.8.1



中国(および台湾・南西諸島)の蝉 ミンミンゼミ③


雲南省北部の、麗江から香格里拉を経て徳欽に至る一帯は、つい10数年前までは、世界有数の秘境中の秘境でした。現在は、世界自然遺産・三江併流として脚光を浴びる、中国屈指の観光地となりつつあります。僕も、1995年以来、毎年のように、この一角を訪れているのです。

“三江”とは、長江、メコン川、サルウイン川のこと。麗江の北、標高5596mの玉龍雪山と、標高5397mの合哈巴雪山の間を南下し、次いでU字型に折れ曲がって北上する長江と、そのすぐ西に並流するメコン川とサルウイン川。長江とメコン川の間には、標高5640mの白馬雪山(これまで“白芒雪山”と表記してきましたが、“白馬雪山”とするのが正しいようです)の連峰が、メコン川とサルウイン川の間には、標高6740mの梅里雪山の連峰が、対峙するように聳えています。

川向こうは四川。次の町はチベット。山を越えるとミャンマーやアッサム(インド)。並流するのは
“三江”の源流だけでなく、イラワジ川やブラマプトラ川(支流)の源流も、すぐ西に接近しています。さらに、この地方の拠点都市・大理の町の近くからは、ハノイに至る紅河の源流が、雲南の省都・昆明の近くからは、ホンコンに至る珠江の源流が、それぞれ源を発しています。アジアの大河の源流が、この一角に踵を接して集まっているのです。

ヨーロッパの人々が追い求めたシャングリラ(理想郷)は、この一帯のことを想定したのではないか、と思われる節があるのですが、実際、数年前に、旧名・中旬(正確には旬の中の“日”は“田”)の町が、ちゃっかり市名として「香格里拉」を名乗ってしまいました。

生物相は、四川省西部と共通する部分もありますが、さらに遺存的と思われる植物や昆虫が数多く見られます。日本産に限りなく近いのに、色や模様などがまるっきり異なっていたりして、とても
面白いのです。ミンミンゼミに関しては、①②で紹介したように、四川省成都西郊や陝西省西安南郊の、それぞれ、あまり高くはない中程度の山地帯に、日本産とは、鳴き声パターンや斑紋がいくらか異なる集団を確認しています。そのほかの地域、中国の南部や、さらに西部のチベット高原内部の地域には、近縁の種はいないだろうと決め込んでいました。

ところが、偶然、この雲南省の北部山地で、クマゼミのような黒い体色の、不思議なミンミンゼミに出会ったのです。


画像は、白馬雪山北面からメコン川の谷越しに望む、梅里雪山連峰の太子雪山6054m。


中国(および台湾・南西諸島)の蝉 ミンミンゼミ④


雲南や四川の山岳地帯の植生は、構成する植物の種自体はよく似ているのですが、組み合わせ方が日本の山とは、ずいぶん異なります。白馬雪山の長江側斜面を例にとって見て行くことにしましょう。

メコン川を挟んで梅里雪山の連峰と対峙する山頂は、標高5670m、氷河が発達する巨大な岩山です。
長江の岸からメコン川の岸に向かって、ほぼ南北に伸びる国道は、標高4300mの峠を斜めに横切りつつ越えていきます。峠上は、広い高山草原となっていて、初夏には矮性のシャクナゲ類のカーペットで埋め尽くされ、盛夏には、“ヒマラヤの青いケシ”こと、メコノプシス(ブルーポピー)、秋には、ヤクシマリンドウに近縁の大型のリンドウなどが咲き競います。

標高3500m前後には、モミやツガやトウヒの仲間を主体とした、針葉・広葉混交の、見事な冷温帯樹林が発達、日本の信州や北海道の山々を思わせる深い緑は、ここが中国であるとは信じられないほどの見事さです。日本の亜高山同様、ナナカマドが目につきます。しかし、熟した実は、鮮紅ではなく純白、というところが、いかにも雲南です。

その下部、標高3000m付近から2000m前後の長江流域に至る地域は、日本ならば中間温帯林(クリ・ナラ帯)が広がるところですが、広漠とした褐色の砂山。申し訳程度に、棘の生えた潅木が急峻な砂礫の山を覆います。背の高い樹木は、最下部の、長江に沿った町一帯だけに見られるのです。また、この地域の中ほどから、上部の冷温帯林に接する辺りにかけては、あまり背の高くない、2種の針葉樹が、岩にへばりつくようにして生えています。

庭木としておなじみの園芸植物コノテガシワの野生種と、屋久島・種子島に隔離分布するヤクタネゴヨウの近縁種(同一種とする見解も)カザンマツ(あるいはヒマラヤゴヨウ)です。謎のミンミンゼミが鳴いていたのは、この長江沿いの町から、カザンマツ・コノテガシワ生育地にかけての一帯なのです。


画像は、ミンミンゼミの一種を観察した、白馬雪山南麓の、長江流域・奔子欄付近の山の斜面。



中国(および台湾・南西諸島)の蝉 ミンミンゼミ⑤

当初、雲南のこの地域での、ミンミンゼミとの遭遇は、まったく予測していませんでした。

香格里拉から、早朝7時半(標準時間の北京から遥か西に離れているので、2時間近い時差があり、実質午前6時前)発の徳欽行きの路線バスに乗り、台地上の町から1000m余の標高を下って、午前10時過ぎ、行程の中間地点の、長江流域の小さな町、奔子欄に着きます。もう少し時間が遅ければ、ここで昼食となりますが、今回はトイレタイムと簡単なおやつ(ソフトボールのような大きさのスイカなど)を買うだけ。
ミンミン、、、と鳴くセミが気にはなっても、観察などするチャンスはないのです。

ミンミン、、、と鳴くからには、もちろんミンミンゼミ、、、と、そうたやすく結びつけるわけにも行きません。これまでにも日本のセミによく似た声を聴くことがあって、気になって姿を確認したら、大抵、小っぽけで異様な姿をした、見たこともないセミだったりするのです。でも、メロディーはともかく、音質は
ミンミンゼミとそっくりだし、建物の壁に止まって鳴く姿をちらりと見たら、意外に大きく、黒っぽいクマゼミ?のようにも見えます。帰路に立ち寄って、きちんと観察してみる価値はあるかも知れません。

町を出たところで、道路の工事現場で、2~3分ほど停車することになりました。くだんのセミは道脇の崖上で盛んに鳴いています。思い切ってバスから飛び出し、崖を駆け上ってセミを撮影することにしました。他の中国人乗客たちは、みなあきれているようなのですが、それでも、あっちに止まっているぞ!とかバスの窓越しに声をかけてくれます。首尾よく数枚を写すことが出来ました。そのときチェックした姿の印象は、色や全形はクマゼミ、頭の形がミンミンゼミ、鳴き声の印象も、午前中の雰囲気からして、ミンミン、、、と鳴くクマゼミ。クマゼミの仲間とミンミンゼミの仲間の、共通祖先かも知れない。帰りに再チェックしてみる思いは、ますます強くなってきました。

次の宿泊地について、写真をPCに取り込んで、じっくりと確認したところ、クマゼミというよりも、プロポーションはどうやらミンミンゼミそのもののように思えます。未知の(少なくとも僕は知らない)ミンミンゼミ属の種かも知れません。面白いことになってきました。梅里雪山山中での撮影予定を、一日
短縮して、帰路の奔子欄で、きちんと観察(撮影・録音・採集)してみよう。午前中の晴れたときしか鳴かない可能性があるので、丸一日の日程捻出が必要なのです。


画像は、スミイロミンミンゼミの脱皮殻。ミンミンゼミのそれとそっくりです。急斜面の潅木の枝や、木に絡まる蔓植物などに、数多く見だされます。白馬雪山南麓、奔子欄にて。08.7.31





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中国大陸(&台湾・南西諸島)のセミ(5)

2010-09-22 14:15:36 | セミ
8月25日より「青山潤三の世界・あや子版」を全面リニューアルしましたが、本日9月14日から、スケジュールを一部変更させて頂きます。このあとしばらくは、以下のスケジュールで掲載して行く予定ですが、10月中旬頃(正確な時期は不確定)を目処に、改めてスケジュールの変更を行う可能性がありますので、ご了解下さい(なお、「屋久島はどこにある?」のシリーズは、附添する写真や地図が手元に無いため、文章だけの紹介では、味気ないように思います。帰国後それらをピックアップして文章と共に掲載が可能になるまでは、一時休載させていただこうと考えています)。

【月・水・金】中国の花/中国野生植物図鑑
【火・木・土】中国の蝶/中国蝶類生態図鑑
【月・木】日本列島および近隣地域の野生アジサイ
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  青山潤三・花岡文子
メールアドレスjaoyama10@yahoo.co.jp

★今日は青山さんがお留守ですので、下記の1シリーズだけお届けします。

中国大陸(&台湾・南西諸島)のセミ(5)


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中国大陸(&台湾・南西諸島)のセミ(5)

★この記事はジオログ「青山潤三ネイチャークラブ」に、2008年8月に掲載した記事です。



☆中国(および台湾・南西諸島)の蝉 ミンミンゼミの特集、①~⑮まであります。

中国(および台湾・南西諸島)の蝉 ミンミンゼミ②-1


①で行った記述は、数年前に書いた未発表記事を基にしていますが、いくつかの間違い、というよりも、追加訂正すべき部分があります。

(1)『朝鮮半島産のミンミンゼミの鳴き声について』
現地での野生個体については、未確認です(韓国には未だ行ったことがない)。以前、韓国で市販されていたセミの鳴き声のカセットテープの音源を分析し、「中国産と同様の“絞り出す”ような不安定な声のまま、東日本産と同じように単位音を10数回繰り返し鳴き続ける」と記述したのですが、誤認の可能性もあり、(実際に幾つかのパターンをもつ可能性が残されているとしても)再チェックする必要があります(現在テープは手元に無い)。

税所康正氏のH.P.『セミの家』の鳴き声紹介音源を聴いたところによると、韓国産ミンミンゼミの鳴き声様式は、日本産の本奏に当たる、尻下がりの「ミーン、ミンミンミン、ミー」の部分を欠き、日本産や四川産で前奏と定義した、最初の尻上がりの「ミンミンミンミン、、、」 (ただし20音前後の日本産などに比べて短く7~8音)のみを繰り返します。一音節ごとに、末尾を尻下がりの「ミー」
で終えます。

実は、この後に紹介して行く、今回の報告の主題であるところの、雲南省北部山地産のミンミンゼミ属の鳴き声様式が、韓国産と極めて共通し、短い前奏の部分(ただし、その前に別の“前奏”が存在する)を、そのまま本奏として繰り返し続けて行くのです(1音節ごとの末尾の「ミー」は、韓国産のように、弱々しくは終えず、一度強く盛り上がった後、下げて終える)。

日本産の本奏に当たる部分を欠き、短い前奏をそのまま繰り返し続ける様相は、どこか不安定さを感じさせます。その点では、はじめの記述どおりと言えるかも知れません。なお、税所氏の録音源は、一鳴きの末尾までは紹介されていず、よく聴き取れば、最後のほうの数音節は、押しつぶされて搾り出すような声に聞こえます。そのように不安定に続くとすれば、四川産と共通することになります。なお、韓国産が、雲南産同様に、鳴きはじめに別の前奏を有するか否かは、不明です。

いずれにしろ、日本産と韓国産は、鳴き声の構造をはじめ、外観上も多くの点で、明確で安定した相違点があります。ネットで検索したところによると、韓国内のどの報文(非常に多数ある)においても、韓国産ミンミンゼミを、日本産と同一種の別亜種扱いのOncotympana maculaticollis fuscataとはせず、独立種O.fuscataとしています。はじめは、お決まりの半日思想を基にした処遇、と苦笑いせざるを得ませんでしたが、(偶然の帰趨であったとはしても)実質的には決してそういうことではなく、(種を分けるか否か、その分類群名が妥当かどうか、はともかく)明確に独立した分類群であることは、間違いなさそうです。

(2)『対馬産も、それに似た傾向を持つと予測される』 
朝鮮半島産と日本産が、明確かつ安定的な別分類群であるとなれば、対馬産の存在は、思いのほか重要な意義を持ってきます。曖昧に終わらすべきではないではない、興味深い課題として検証していかねばなりません。

(3)『西日本産は単位音数が東日本産に比べ少なめの傾向があり、九州などでは山地性の種となる』
はじめは、「西日本産、ことに九州産は、東日本産より、一鳴きの音節数が少ないのではないか」という、九州大学の末永氏の指摘から、調査を始めたものです。東京などの10回余(青山のカウント方式は、税所のそれより一音分少ない)に対し、奈良や姫路では(末永や青山がチェックした限りにおいて)7~8回で、確かに少なめ。青山が永く在住した鎌倉産は9-10回の個体が平均的、10回を超えることの多い東京とは、微妙なれど安定した差をもつように思えます。しかし、西に目を向けても、岐阜城、神戸布引、松山城などでのカウント結果は、いずれも10回を越しています。

僕の改めての結論は、個体ごとの、あるいは集団間の安定差は、いくらかはあるとしても、基本的には大した問題では無いように思えます。細部にこだわっていては、本質を見失なってしまう恐れがあります。自分から問題提起を行ったのに、事実上の終結宣言は、少々無責任なようにも思うのですが、ミンミンゼミの、本奏の単位音数は、他の重要形質ともども、日本国内においては、原則として安定している(前奏部分と、本奏の繰り返し部分とが明確に分かれ、本奏の単位音は極端に少なくも多くもなく、かつ最後までスムーズになき続ける)、と見たほうが妥当なように思えます。無論、税所氏が指摘するように、極めて複雑な問題を内包している可能性は、大いにあるのですが、そのことは、改めて別次元で考えたほうが、賢明でしょう。いずれにしても、税所氏が提唱している、音節数カウントの、共同調査の集積結果を、もうしばらく待つことにしましょう。


中国(および台湾・南西諸島)の蝉 ミンミンゼミ②-2


 ただ、上記のように言い切ってしまうには、気になることが2つ。分布南限に近い、九州白髪山の渓谷でのカウントは、間違いなく5~6回で安定していました。末永氏や税所氏によっても、他の九州の山岳でも、その傾向は指摘されています。税所氏の仮説にあるように、東西ではなく、高低で音数差が生じるのか、九州という分布の周辺域(遺存的集団の存在?)に問題点があるのか、定かではないのですが、何か重要な意味が隠されているような気もします。
 

もう一つ気にこと。逆に一鳴きの単位音数が多い、極端な例です。これまでにカウントした中では、どの産地の個体も10数回(多くても20回ほど)で安定しているのですが、唯一の例外、40回を超す単位音をチェックしたことがあります。全身グリーンの“ミカドミンミン”の出現頻度が顕著なことで知られる、甲府武田神社での観察。その個体も典型的ミカドミンミン。おそらくは、まったく偶然(夕刻、鳴き止む直前の、最後のチェック)だとは思いますが、場所が場所だけに、なにやら気にはなります(ちなみに甲府駅前の普通のタイプは、鳴き声も普通に10数回)。

(4)『発生期の7~8月に訪れたことのある、雲南省などでは、まだ一度も出会っていない』
これについては、新たに雲南省北部山地で観察を行い得ました。以下、追加報告していきます。


画像はミンミンゼミの一亜種 四川省都江堰市青城山 91.8.1




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