青山潤三の世界・あや子版

あや子が紹介する、青山潤三氏の世界です。ジオログ「青山潤三ネイチャークラブ」もよろしく

中国の野生植物 Wild Plants of China リンドウ科Gentianoceae-11

2021-02-24 14:49:02 | コロナ 差別問題と民主化運動 中国の花




読者の方々に質問です(僕は頭が悪いので、教えて頂ければ幸いです)。

【Ⅰ】
マスクは、なぜ必要なのですか?

【Ⅱ】
「沖縄に対する日本」
「台湾・チベット・ウイグルに対する中国」
の違いを教えて下さい。

*毎回のブログ記事の冒頭に、この質問を繰り返し続けることにします。

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さっき試算してみたのですが、このペースで行くと、リンドウの項は、ちょうど全50回になります(今、追加分を見つけたので、もう少し増えるかも知れない)。

もとはと言えば、モニカにシャクナゲやサクラソウの原版写真を大量に送ろうとしていて、送信の途中で失敗して中断、ふとパソコンの画面を見たら、リンドウの写真が、一枚だけファイルからはみ出していた。気になってチェック。

その(雄蕊に関する)話をそのまま進めていくだけだったら、とりあえず2~3回で完結したのです。

僕にとってリンドウと言えば(センブリ属の)ヘツカリンドウです。雄蕊の話題を途中中断して、以前にブログに載せたヘツカリンドウの話題の一部を再紹介することにしました。

その総纏めのために、中国産をチェックしだしたら、リンドウ科全体に及んでしまって、こんな羽目になってしまっています。

もっとも、最終的には、これまでに僕が撮影した中国産の野生植物全て(ただしアジサイは別枠)を紹介していく予定なわけで、たまたまリンドウでスタートする、と考えれば良いだけなのかも知れませんが。

100科以上ある中国産の野生植物の中には、むろん一枚も撮影していない科もある(それらはパス)のですが、大抵は一つぐらい撮影しています。全部やってたら、どのぐらいになってしまうのでしょうか?

リンドウ科は中くらいのボリュームですね。大変なことは大変だけれど、まあ、一応楽勝です。でもバラ科とかキク科とかを考えたら、、、先が思いやられます。

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毎回、奇数回は(リンドウ以外の話題も含む)写真無しのコメント(概ね愚痴や恨みつらみ、笑)。

偶数回に、各回写真10~20枚程度、植物自体+その生育環境/風景+撮影地点の地図(数回分を纏めて表示)、分類単位としては「種」を基本として、大きいのは「属」、小さいのは「地域個体群」、平均3~4種(地域個体群)というパターンで進めて行く予定です。

僕は植物については、アジサイ(野生種のみ)以外には何の知識もありません。

アジサイと蝶と蝉に関しては「仕事」(収入に繋がっているか、対外的に認められているか、とかは関係なく)です。誰になんと言われようが、真剣に取り組んでいます(もちろん「収入」や「対外的評価」を目指してはいます)。そして、自信を持って人々に伝えます。

それ以外は趣味です。知らない事だらけです。ブログを書きながら、自分自身勉強しているのです。

今回(次の第12回)は、雲南省白馬雪山の「ナナツバリンドウ」(ヤクシマリンドウ組)の紹介で、不思議な「ロゼット・クラスター」の話を中心に述べていきますが、それとはちょっと違う話題をここで取り上げておきます(「奇数回」には写真を入れない原則だけれど今回は特例で一枚入れます)。

そもそも、何の因果でリンドウに取り組んだのか、というのは、最初に記したように「雄蕊の話」からです。結論としては、(雌蕊の発達後に花被弁の内壁に雄蕊がくっつくこと)は、リンドウ科として特異例ではなく、普遍的な例(小竜胆組のところで改めて述べます)、とするつもりだったのだけれど、リンドウ属やリンドウ科全体で見れば、必ずしもそうではないようですね。

むしろ、そうでない例のほうが多いようです。雌蕊の発達が(自家受粉を避けるため)雄蕊よりも遅れる、という性質は、どの種にも共通しているのだと思いますが、雄蕊は必ずしも外側へ離れていくのではなく、雌蕊(子房)に寄り添ったまま(通常基方に)後退し消失していくパターンが、むしろ主流であるように思われます。ヤクシマリンドウ組の種も、そのパターンを採ります。

それに関する付随話題。

数回前のブログで紹介した、白馬雪山産Gentiana atuntsiensis(高山竜胆組)の写真を探していた際、すぐ横に生えていた、黄色い大きな花の写真があるのを見つけました。一見リンドウ科の花のように見えます(花被弁の形や雌蕊雄蕊の位置関係などはリンドウ科に似ている)が、別の科であることは間違いない。たぶんユキノシタ科だろう、といろいろ調べたら、ユキノシタ属の「腺辯虎耳草Saxifraga wardii」という種でした。ユキノシタ科の紹介は、まだかなり先になりそうなので、ここでその写真を紹介しておきます。



腺辯虎耳草Saxifraga wardii。雲南省白馬雪山。標高4000m付近。2008.7.29

この植物(「中国植物志」によると、チベット東南部と雲南徳欽に分布)に関連する情報を調べているうちに、興味深い情報に出会いました。僕の(現時点での)数少ない情報源である「週刊朝日世界の植物」57巻に「コラム」として付随していた、大場秀章教授の「高山・極地での受粉の工夫」。

ヒマラヤの高地帯に分布するユキノシタ科ユキノシタ属の例を挙げ、雄蕊の発育過程について述べています。ユキノシタ科の種の多くも、リンドウ科の種と同様に、雌蕊の発育に伴って、雄蕊は花冠内壁のほうに離れて(あるいは下方に後退消失して)行きます。自家受粉を防ぐためです。

ところが、雄蕊の中には、発達した雌蕊に寄り添ったままの状態でいるものがあったりする(おそらくリンドウ科でもそのような例はあるのではないかと思います)。

これは、昆虫で媒体されなかったとき(なにしろ寒いので虫がいないときもある*)の「保険」として、例外的に自家受粉のチャンスを残しているのだろう、、、、という要旨です。

「保険」という大雑把な発想が面白いです。余り“科学的”じゃないところ(検証前の問題提起)が素敵です。

植物たちの側にも、いろんな複雑な事情があるのです。そう簡単には、人間に答えを与えてくれません。

*第4回「Gentiana atuntsiensis」の項の、最初の写真を見て下さい(そこのキャプションで説明するつもりでいたのをし忘れてしまった)。画面の右上に惚やけた(レンズに付着した雨粒のような)模様が多数見えます。花に2頭のハエがとまっています。これは、簡単に消す処理が出来ます。それで消した方の写真を載せようとしたのだけれど、思うところがあって、処理前の写真を掲載しました。まあ、そういうことなんですね。高山帯であっても、花の周りには、常に多くの虫が飛び回っている(たぶんDipteraが主流、次いでハチ、チョウ・ガ、甲虫、、、)のです。

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中国の「輪葉竜胆」(ヤクシマリンドウ組)について、前回は四川省雪宝頂4200mの峠で最初に出会った一枚の写真を紹介しました。

次回以降の予定
雲南省白馬雪山Ⅰ(第12回)
雲南省白馬雪山Ⅱ(第14回)
四川雲南省境山地(第16回)
雲南省香格里拉(第18回)
四川省四姑娘山Ⅰ(第20回)
四川省四姑娘山Ⅱ(第22回)

12~20は「ナナツバリンドウ」(「ムツバリンドウ」ほかを含む、多枝組輪葉系)
22は「フタツバリンドウ」(多枝組華麗系)
12/14/16/20は4000m超の高山礫地。
18は3000m台の高地草原。
22は3000m台の高山渓谷。

撮影時点の状況などを振り返りながら、写真を紹介しつつ、いろんなこと(気が付いたこと)を考察していく予定です。





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