青山潤三の世界・あや子版

あや子が紹介する、青山潤三氏の世界です。ジオログ「青山潤三ネイチャークラブ」もよろしく

中国の野生植物 Wild Plants of China リンドウ科Gentianoceae-4

2021-02-18 10:29:21 | 中国 花 リンドウ




Gentiana atuntsiensis 阿墩子竜胆 〔sect. Frigida高山竜胆組〕
写真1


雲南省白馬雪山の標高4000m付近。2008.7.29(以下同)

以下に紹介する、5地域集団は、いずれも高山竜胆群section Frigidaに所属する種と思われる。便宜上4つの種に振り分けておくが、種の特定に関しては定かではない。

白馬雪山の高山草原で撮影した写真の個体は、一応Gentiana atuntsiensis阿墩子竜胆と同定しておく。萼裂片は箆状で45度ぐらいに折れ曲がる。後で紹介する四川省四姑娘山(巴朗山)の集団(暫定的に別種「Gentiana microdonta水晶竜胆」とした)との関係については未詳。

「中国植物志」に於けるこの一群の分類は、かなり錯綜している。実質上一つの種に包括され得る何らかの異なる表現様式を持つ集団が広い範囲に重なりあって分布しているのか、実質的に多数の種が同じ地域集団の中に混在しているのか、今の僕の知識では判断が付かない。

写真2

(黄と紫の小さな花をつける)背の低いツツジの株の脇に、ぽつぽつと生えていた。

写真3


写真4


写真5

白馬雪山の峠は、標高4000m超を保ちながら、長江側の頂からメコン川側の頂まで、10㎞近く続く。初夏には黄と紫の小型ツツジ2種が、まるで手入れをされた庭園のように緩やかな斜面を覆う。何種類ものリンドウの仲間が咲き始めるのは、ツツジの花が終わってからである。2009.6.10


写真6

右が白馬雪山主峰(5640m)。2009.6.14

写真7

2010.9.13

Gentiana wilsonii 川西竜胆 〔sect. Frigida高山竜胆組〕
写真8

雲南省抽慶大雪山の標高4100m付近。2010.9.21

萼裂片は細長く、ほぼ直角に外側へ屈曲する。「中国植物志」では雲南省内からの本種の記録は無いが、萼裂片の特徴から、暫定的にこの種に同定した。後述するヤクシマリンドウ属の種の群落中に、この一株だけを見つけた。


写真9

上の写真の撮影地点付近。右奥は抽慶大雪山(標高5090m、5300mなど諸説あり)の主峰。


Gentiana trichotoma三岐竜胆 〔sect. Frigida高山竜胆組〕
写真10

四川省雅江~康定(臥龍峠)。標高4500m付近。2009.7.20(以下同)

消去法的に、Gentiana trichotoma三岐竜胆と同定したが、典型的なこの種の特徴(茎と花序の展開様式)を必ずしも示してはいない。萼裂片はやや細長く、緩く外側に膨らむ。

康定県と雅江県の省境草原上に、茎高20~40㎝ほどの多数の個体が群生(ただし密生ではなく疎ら)していた。花筒の長さは4~5㎝、花冠直径は2㎝前後。

写真11


写真12


写真13


写真14

花冠内面の斑紋は、個体によって様々。

写真15


写真16


写真17


写真18


写真19


写真20


写真21


写真22


写真23

雅江の町の理塘寄りの峠(標高約4700m)のすぐ下から、ミニャコンカ峰7556mを望む。雪嶺の下の左右に伸びた山波が、このリンドウを撮影した「臥龍峠」。

写真24

臥龍峠は標高約4500m。あちこちに放牧ヤクの群れが見られる。地面の黄色はキンポウゲ科の花。

写真25

この辺りの地質は、様々な特殊岩石からなっているように思われる。ところどころに、白い石が露出している。

写真26

国道418号線は、四川省成都西方の康定からチベット自治区との省境までの間に、標高4200m~4800mの峠(と言っても平坦な草原状)を5度越える。臥龍峠は康定から数えて2つ目。








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中国の野生植物 Wild Plants of China リンドウ科Gentianoceae-3

2021-02-18 10:11:37 | コロナ 差別問題と民主化運動 中国の花




読者の方々に質問です(僕は頭が悪いので、教えて頂ければ幸いです)。

【Ⅰ】
マスクは、なぜ必要なのですか?

【Ⅱ】
「沖縄に対する日本」
「台湾・チベット・ウイグルに対する中国」
の違いを教えて下さい。

*今後、毎回のブログ記事の冒頭に、この質問を繰り返し続けることにします。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

今日は、リンドウ属Gentiana高山竜胆組section Frigida の種を紹介します。高山竜胆の和名はトウヤクリンドウ、日本アルプスや北海道の高山でも見られる筒状の白い花です。このセクションの種は中国から15種が記録されていますが、大半の種はトウヤクリンドウとはだいぶ印象が異なり、むしろ別sectionに置かれるリンドウやエゾリンドウに似た雰囲気を持っています。

昨日紹介した(漢方の“ジンギョウ”としても良く知られている) 秦艽組sect. Cruciataの“2種”は、種の区分で言えば、おそらく両者とも「Gentiana crassicaulis粗茎秦艽」に所属する可能性が強いのですが、便宜上「葉隠竜胆(粗茎秦艽)」と「Gentiana macrophylla秦艽」に振り分けて置きました。

今回も「種」の特定は適当に行い、撮影した5地域群を5つの種に暫定的に配分しました。(むろんある程度の根拠はあるとしても)本当にこれで良いのかどうかについては、全く自信はありません。もとより、現時点では「正解」は無いのだとは思いますが。。。。

別セクションの「台湾竜胆」も付随紹介しておきます。

次回からは、数回に分けて「ヤクシマリンドウ組section Kudoa」を紹介していく予定です。




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中国の野生植物 Wild Plants of China リンドウ科Gentianoceae-2

2021-02-17 21:07:46 | 中国 花 リンドウ



Gentiana crassicaulis葉隠竜胆(粗茎秦艽)〔sect. Cruciata秦艽組〕

写真1

云南省迪庆藏族自治州香格里拉県翁水村(中甸大雪山中腹) 標高3500m付近 2014.7.16

四川省との省境に近い、中甸(迪庆)大雪山麓の山道を探索中、ふと一頭のハナバチが目に留まった。付近には花が見あたらないのに、なぜここにいるのだろうと思って、改めて良く確認したら、唯の薄黒い塊に見えたのは、リンドウの花の集まりだった。花は極めて小さく(径5~6㎜)、薄黒い蕾のうちはまだ葉(肉厚で非常に大きく20㎝ほど)との区別がつくが、開花後は白に近い薄緑が葉に溶け込んで、よほど良く見ないと存在が分からなくなってしまう。

写真の個体は、Gentiana crassicaulisに該当するようだが、この種は非常にバリエイションに富み、次種との関係などを含め、分類上の再検討が必要と思われる。種全体としての中国名は「粗茎秦艽」。ここでは、このタイプの個体を、暫定的に「葉隠竜胆(ハガクレリンドウ)」と名付けておく。種としてのGentiana crassicaulisは、雲南省北部、四川省西部を中心とした、中国西南部山岳地帯に広く分布する。

写真2

真ん中は蕾の花序、上は開きかけ、下は開花花序。

写真3

開花前は、花被部分が黒ずんでいる。

写真4

ハナバチの一種が訪れていたので、花の存在に気が付いた。

写真5

3年後の再訪時(2017.6.8)。夏の間は開花前の葉だけの状態。

写真6

撮影中、地元のおばさんたちが通りかかった。

写真7

撮影地点の山道の奥の山は、標高5000m余(迪庆大雪山の一峰で地元名は貢千山)。白く見えるのは雪ではなく特殊岩石。2010.9.21撮影(この場所には何度も訪れているが、秦艽の存在には気が付かなかった)。

写真8

四川省との省境の山嶺(迪庆大雪山)に陽が沈む(太陽の下あたりが翁水村)。標準時の北京から西に遠く離れていることに加え、この写真の撮影時が夏至に近い頃だったので、日没は午後8時頃。2017.6.7、ヒッチハイクで乗せて貰ったトラックの荷台から撮影。

Gentiana macrophylla秦艽 〔sect. Cruciata秦艽組〕

写真9

雲南省香格里拉 標高3500m付近 2017.7.15

秦艽組Cruciataは中国大陸に16(~19)種が分布(西は中央アジアに至り、日本には分布を欠く)。「竜胆」や「当薬(千振)」などと共に、薬草として古くから知られていることから、他の竜胆とは別に独自の「秦艽(ジンギョウ)」の名で呼ばれている。写真の個体は、前種と同じGentiana crassicaulisに含まれる可能性が強いが、より大型の花序をもち(花冠直径は8~10㎜)、花色が淡紫色で、葉が細長いことなど外観上の差異が大きいこと、および「中国植物図像庫」の秦艽の項目で紹介されている幾つかの個体との著しい相似から、便宜上「秦艽Gentiana macrophylla」と同定しておく。ただし、Gentiana crassicaulis、Gentiana macrophyllaともに、花色などのバリエーションは多様で、また「中国植物志」に因るとGentiana macrophyllaの分布圏は雲南省には及んでいない(中国東北部~四川省)。したがって、この処遇に対しては、余り自信はない。

*日本の漢方で呼称される「オオバジンギョウ」は、この種の一変種「大花秦艽」を指すものと思われる。

写真10

根生葉?や茎葉は、細長い。

写真11

翁水の個体よりもやや大型で、花色は淡紫。

写真12

花序の基部の葉は、やや丸みを帯びる。

写真13

何度か近くを通ったのち、やっと気付いた。

写真14

撮影場所は、香格里拉郊外の小高い丘の中腹(ひと月前の2017.6.17、この時は秦艽の存在には気付かなかった)。

写真15

香格里拉の街(2010.5.14)。

写真16

香格里拉は標高3500m近い高所の広い平原上にある。昨年夏、僕が中国に行けなくなったので、モニカに蝶の撮影に向かわせた。着いてすぐ高山病にやられ、やっと治ったと思ったら、今度は日射病に罹り、なぜか蝶にはほとんど一頭も出会わず、散々の結果で引き揚げてきた。2020.6.22(Monica Lee撮影)。ちっちゃな黒点はゴミだと思って消去処理しようと思ったのだけれど、どうやら鳥らしいので、そのままにしておいた。

写真17


写真18

ピンク=云南省迪庆藏族自治州香格里拉県翁水村=「葉隠竜胆」とした個体*の撮影地。緑=云南省香格里拉=「秦艽」とした個体*の撮影地。*ただし、おそらく両者とも種としては「粗茎秦艽」に所属する可能性が高い(「粗茎秦艽」は、中国東北部から西南部にかけて広く分布している)。

写真19

【参考】僕の中国での主なフィールド。赤=四川省西部/青=雲南省西北部/紫=雲南省西部(ミャンマー国境付近)/蝦色=雲南・ベトナム国境付近(主にベトナム側サパ)/ピンク=広西壮族自治区北部山地/濃褐色=湖北省恩施周辺/緑=広東省北東部/空色=浙江省天目山系/墨色=陝西省秦嶺。






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中国の野生植物 Wild Plants of China リンドウ科Gentianoceae-1

2021-02-17 21:04:17 | コロナ 差別問題と民主化運動 中国の花



読者の方々に質問です(僕は頭が悪いので、教えて頂ければ幸いです)。

【Ⅰ】
マスクは、なぜ必要なのですか?

【Ⅱ】
「沖縄に対する日本」
「台湾・チベット・ウイグルに対する中国」
の違いを教えて下さい。

*今後、毎回のブログ記事の冒頭に、この質問を繰り返し続けることにします。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「中国の野生植物」の掲載を再開します。当ブログでは、確か8~9年ほど前に「ハマウツボ科」「ユリ科(狭義)」「ケシ科」「キンポウゲ科」などを紹介し、その後200頁~400頁の単行本にも纏めました(一冊も売れていません)。

ついこの間は、モニカに「ツツジ科(雲南省のシャクナゲ類)」「サクラソウ科」のテキスト(各200頁前後)を送ったので、それらも近いうちにブログにアップしようと考えています。

とりあえず、成り行き(その経緯については以前のブログ記事で説明済み)で、「リンドウ科」から始めます。僕は、リンドウ科については(一部の種以外は)全く無知です。というか、僕は「野生アジサイ」以外の植物のことはほとんど知らない。

知識はない(たぶんあや子さんやそのブログの読者の人たちよりも少ない)のですが、日本のリンドウ科各種については「日本の高山植物の図鑑」(20年ほど前に3つ刊行しました) 作成のために、山地性の種のほぼ全種(20数種)を撮影してきました(それらは全てポジフィルム撮影なのでここでの紹介は叶いません)。

また、日本での僕のメインフィールドの屋久島には、9種のリンドウ科植物が分布していて、そのいずれもが生物地理的知見から非常に興味深い種です(このあと紹介する、屋久島「固有種中の固有種」ヤクシマリンドウや、僕のライフワークの一つで現在ブログに再紹介中のヘツカリンドウ、日本のリンドウ科の中で唯一他の各属とは遠く離れた系統上に位置するシマセンブリ等々)。

それらの写真の大半も(ヘツカリンドウを除いて)手元にはない(上記したようにポジフィルム)ので、日本産は紹介出来ないのですけれど、中国大陸産に関しては、大量の(台湾産も8種)写真が手元に残っています(ポジフィルム時代のものを除く)。

その多くは、日本産とも対応しています。日本の各種の「ルーツ」を知る事にも繋がると思います。そんなわけで、少しはリンドウとも縁があるので、改めて(僕が撮影した)中国のリンドウ科の紹介を行っていくことにします。

たぶん、毎回数種ずつ、50回前後の掲載になると思います。


中国のリンドウ科植物

「中国植物志」(書籍版には1988年に刊行された中国語版と1995年の英語版がありますが、基本的に内容は同じで、ともに2019年に電子版としてインターネット上にアップされています)では、世界のリンドウ科は700種(「週刊朝日植物百科1994」では1200種、ウイキペディア英語版では1600種、同日本語版では1700種、AP-Webでは1750種となっているので、「誤植」「見解の相違」「新大陸産の扱いの」それぞれの可能性が考えられる)で、中国産が419種(英語版は427種)、うち中国固有種251種(英語版には中国固有の種数には触れられていない)となっています。

「中国植物志」は、新たな知見が加わるたびにその都度組み入れているので、結構辻褄が合わなくなっている部分があります。例えば種の数にしても、上記のように中国語版と英語版では異なったりします。むろん、日本を始めとする各国各機関(大学研究室など)や研究者個人の見解も、それぞれ異なります。そこいら辺の事は余り深く考えず に、臨機応援に対応していくことにします。

日本や中国のリンドウ科の大半は、リンドウ科リンドウ亜科リンドウ連(族)リンドウ亜連(亜族)に所属します。夫々の分類単位のラテン名は(それ以前にどのような分類単位を構成するかについても)、様々な解釈に対しての整合性をいちいち考えていると収拾がつかなくなるので、敢えて記しません。

ちなみに、亜科subfamilyと属genusの間の分類単位にtribeがあり、通常「族」と呼ばれています。生物の分類に於いてはかなり使用頻度の高い言葉ですが、一つ下位の(最も重要な)分類単位「属」と、日本語での発音が同じです。

そのこともあって、現在は「連」の使用が推奨(指令かな?)されているようです。ただし動物界では、「族」のまま使用されていて、また中国に於いては植物でも「族」が使用されています。

属の下の分類単位sectionは、日本では「節」、中国では「組」が使用されます(概ね「亜属」の概念と重なる)。更に下の分類単位seriesは、日本では「列」、中国では「系」です(「種群」「上種」あるいは「complex(複合種)」などの概念に近いと思います)。

日本の用語例は、一般の人たちには余り馴染みのない、いわば「科学的」なイメージですね。一方中国の用語例は、 一般的な語彙と重なって、イメージ的に余り「科学的」ではない(俗っぽい)気がします。日本人の感覚では、すこし権威に欠けるような気がしますが、イメージ的には分かりやすいので、概ね「組」「系」を使っていくことになると思います。

もっとも、(上記の「連」と「節」ともども)僕は別段どっちでもいいので、ここでは適当に(臨機応変に、というかその時の気分で)チョイスしていきます。

ついでに種の下の分類単位が「亜種」「変種」。動物の場合は「亜種」だけで「変種」は使用しません。前の記事にも示しましたが、ヒエラルキーとしては亜種>変種の並びです。でも、実質上は、「変種」とされるもののほうが、「亜種」よりも(遺伝的な)独立性が高かったりします。

以上のような問題点は、複雑になってくるので、ここでは詳しい詮索はしないでおきます。出来る限り亜種変種の使用は控え、基本的には無視します(笑)。換言すれば、重要な亜種や変種の場合は、結果として種と同格に扱う、ということになります(詳細に検討した上での判断に基づく場合もありますが、多くの場合は単に面倒なので)。

リンドウ科の上位分類で言うと、日本では唯一シマセンブリ(シマセンブリ連または亜連)が、同様に中国でもそれを含む数種だけが、他のリンドウ科各属各種から遠く離れた系統に位置し、一方、リンドウ亜連に所属する大多数の属の類縁は、互いにさほど離れていない、ということになります。

なお、日本で最もポピュラーな(一般の人々にとって身近な)リンドウ科の植物は、トルコギキョウではないでしょうか。北米大陸原産の園芸植物で、トルコギキョウ亜連の種です。

中国産のリンドウ科の総数は、上記したように「427種」となっていますが、文中には適当に400種とか500種とか記していくこともあるので、ご承知おきください(ある意味「積極的な」“適当”です、笑)。

僕が撮影した(ポジフィルム時代を除く)リンドウ科の写真の種数は、たしか前々回の記事で40種、前回の記事で80種と記したと思うのですが、これも適当です。むろん、僕に知識や同定能力がないから、というのが最大の原因ではありますが、はっきり言って、本気で取り組めば、「紙の上」(三次元)で“種”の特定など、出来るわけがないのです。

「分類群の同定」(種の特定)というのは、対象を知るための“一つの手がかり”に過ぎない、と思っています。

これまでにも何度も触れてきたことですが、「(絶対的な)種」 と「種のごとく振る舞う存在」(いわば本来の手順を為されずに生じた実質的な種) の違いを、どう認識するか。「種」とは何か、ということです。

「見かけ上酷似する多数の別の種が混在する」(いわよるcomplexとして見做す)のか、「見かけ上全く異なる個体が(雌雄、季節型、生態型などとは別に)同一種の中に混在する」 (super-speciesのような捉え方をする)のか、、、、。

問題は、その2つの概念(必ずしも対立する概念ではない)が、「同一population中に混在する」という可能性(2重3重に複雑なことになってくるわけです)。それらのことを念頭に置いたうえで、(時間軸を加えた)全体像を俯瞰的に見渡さねばならないと思います。

DNA解析で一発に判明、とは行きません。「種」の問題は、それ(科学)以前の領域にあるのです。

まあ、僕は、もとより幼稚な頭脳しか持っていないのでしょうし、リンドウとかについても全く無知なわけですから、こんなところで大きなこと(無責任な事)は言っちゃいけないのでしょうけれど。 

でも、僕の守備範囲である(自分の脚・目・頭で構築した)野生アジサイやチョウに関しては、責任を持って、上記のことが言えます。ほかの生物も(ヒトも、生物ではないけれどウイルスも)、皆同じです。たまたま「リンドウ」で“Wild Plants of China”シリーズを再スタートしたので、ここに場を借りて、僕の基本的な姿勢を繰り返し述べて置くのです。

ということで、僕の撮影した写真の種同定という、余計な事(めんどくさい事)は、やりたくない。

たとえば、「小竜胆組(ハルリンドウ節)」。調べれば調べるほど、さっぱり分からなくなってしまいます。「中国植物志(英語版)」では、世界に156種、うち中国に117種(中国語版には中国産の種数のみが121種と示されている)。中国産リンドウ属(「中国植物志」英語版で248種)のほぼ半数、リンドウ科(429種)の1/4強を占めています。でも、本当のところ(?)は、よく分かっていないのではないでしょうか?
 
判断の仕方で、20~30種程度と見做すことも可能でしょうし、もしかしたら200~300種以上と見做すことも有り得るかも知れません。

で、面倒なので、とりあえず目立つ特徴で種を括って行けば、僕の撮影した「ハルリンドウ組」の種は、おおよそ20種ぐらいかな?という事になります。

でも、もうちょっときちんと取り組んでいくと、そう簡単には纏められないように思えてくる。とりあえずのとりあえずで、地域ごとに全部別々にしていけば、80ぐらいの地域集団(種?)になってしまいます。

本当は、僕としては、逆に10くらいに纏めたいのですが、、、増やすより減らすほうが圧倒的に難しいのです。

中国産のハルリンドウ組が100~150種、リンドウ科全体は200~800種(平均400~500種)で、僕が撮影したのが、その1/20くらいとすれば、だいたい辻褄が合います。

実に適当で非科学的ではありますが、積極的な適当もありでしょう(僕のは消極的ですけれど、笑)。

「中国植物志」に限らず、学術的な論文では、夫々の種に対し、これでもか、というほど、(まるで重箱の隅をつつくがごとく)形態の細部(ことに数字)の列記が為されています。

もちろん、あるに越したことはないです。でも、「それが全て」と思っているとしたら、大間違いですね。研究者の人たちは頭が良いので、そんなことは思ってないんでしょうけれど、、、。

ちなみに、この記事の項目は、(あや子さんのアドバイスも受け入れて)一応「中国」「野生植物」に含めていますが、僕本人としては、「コロナウイルス(マスク着用は犯罪!)」「香港デモのまやかし」と、同じ視点に立っているつもりなので、毎回冒頭に「一言」入れています。

薬用植物として竜胆

さて、今日は、たまたま病院での診察日で、さっき主治医のF先生に診て貰ったところです。胃や喉、胸などの薬は、「半夏厚朴湯」という漢方を処方してもらっています。効き目については分からんですが、まだ生きていられるということは、一応効いているのではないかと思われます。

主成分は「ハンゲショウ」、、、、てっきりそう思っていました。調べたら違っていました。ドクダミ科の「ハンゲショウ」ではなく、サトイモ科の「カラスビシャク」。

「学術的な和名(そもそもこの語彙自体が錯誤的ですが)」と、「一般的な俗名(左に同じ)」が全く異なった例というのは、他にもよくあるパターンです。というより、むしろそのパターンの方が多いように思います。

カラスビシャクは、テンナンショウ類(マムシグサなど)や、身近なところではコンニャクとかに近縁で、といってもコンニャクの花は滅多に見ることはないでしょうから、(やや系統的に異なるけれど)いわばミズバショウのミニチュア、と思って戴ければ良いでしょう。

ちなみに中国名は「半夏」。日本でも中国でも、ドクダミ科のハンゲショウよりも、メジャーな薬草として知られています。

ドクダミ科のハンゲショウ(半夏生、別称:片白草)のほうは、日本では「茶花」として眺めるのが主流みたいですね。余りメジャーではないのですが、一応古い時代から生薬として利用されているようです。

中国名は「三白草」。サトイモ科の「半夏」ほどではないとしても、漢方の一つとして知られています。

日本や中国を含む東アジアに広くし、同一属に含まれるもう一つの種「リザード・テイル」が、北米大陸の東部に分布しています。

東アジアと北米大陸に隔離分布する生物の多く(例えば僕の守備範囲の蝶や蝉とかも含む)がそうであるように、距離的により近い西部ではなく、より遠い東部(アパラチア山脈周辺)に出現するのです。

また、幾つかの植物に関しては、東アジア産には、良く目立つ「花」(あるいは外観上それに相当する部分)があって、それに対応する北米東部産の種は「花(のような)」の部分を欠く、という共通の特徴があります。ハンゲショウの仲間も、東アジアのハンゲショウは上部の葉が「化粧をしたように」白く目立つのに対し、北米東部の「蜥蜴の尻尾」は、まるでそっけない超ジミな花と葉だけで成っています。

ハンゲショウと同じドクダミ科に属するドクダミも、生薬や漢方(「漢方薬」と「生薬」は違うのでしょうけれど、僕は今のところよく分からないので、適当にどちらかを当てておきます)として普遍的に利用されています。やはり東アジアに固有の一属一種から成っていて、こちらも対応する近縁属の種が、北米大陸東部に隔離分布します。

ドクダミ科は、植物(一般概念の「花」、いわゆる被子植物)のうち、最も祖先的な形質を残した一群(「古草本」と呼ばれたりする)で、昔の「双子葉植物」「単子葉植物」の区分では、「双子葉植物」のカテゴリーには入らないのです(両者を合わせた分類群に対して、より祖先的形質を保有)。

分かりやすく言えば、「進化に取り残された一群」ですね。ということで、ドクダミ科の種は、全部合わせても、ハンゲショウやドクダミ、および対応する北米産の種の、7~8種しかありません。

リンドウ科は、その対極ですね。その数1000種以上(その半数近くが中国大陸に分布)。いわば「繁栄の極にある」植物です(ただし「進化に取り残された」も「繁栄の極にある」も、正確な表現ではないと思うのですが)。

その、対照的な位置付けにある「ドクダミ科」と「リンドウ科」の、一応の共通項が、「漢方」です。

ということで、F先生に、「(胃や喉や胸の苦しさを抑える)リンドウ科の漢方も処方してください」と頼んでおきました。

リンドウ科の薬草として有名なのは、ヨーロッパでは、リンドウ属の「通称ゲンチアナ」Gentiana lutea(見かけは日本のリンドウとは全く異なり、小さな黄色い花を花序に多数つける)。

一方、東アジアでは、センブリ属の「千振(別称:当薬)」と、リンドウ属の「竜胆(“リュウタン”と発音することもある)」や「秦尭(ジンギョウ)」です。いずれも、薬効のある苦み成分を含有します。それらの成分は、リンドウ科の多くの種に(たぶん数100種単位で)共通して含まれている(おそらく薬効の種類や効力は少しずつ異なる?)と思われるのですが、実際に(改良されたり栽培されたりして)利用されているのは、ごく一部の種のみなのですね。

なんか、勿体ない気もします。もっと積極的に(様々な種を“薬草”として)取り入れても良いのではないかと。

まずは、その一つ、「ジンギョウ類」から、スタートしましょう。

↑「中国」「花」「リンドウ」で検索してください。




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マスク・沖縄・中国(読者の方々への質問) 一部追加*

2021-02-14 14:59:01 | 香港デモ、新型ウイルス、日記




読者の方々に質問です(僕は頭が悪いので、教えて頂ければ幸いです)。

【Ⅰ】
マスクは、なぜ必要なのですか?

*僕は、いわゆる「コロナ」と同様に人類に対する脅威となりうるウイルスは、昔からあったと思います。有ったという証明は出来ませんが、無かったという証明も出来ません。なぜ今になってマスクをするのでしょうか?

*なお、例えば中国では、場所によっては国家命令で非常に厳しくマスク着用が義務付けられていますが、僕の知る範囲では、日常的に(日本のようにどんな状況でも関わらずに)マスク着用をしているわけではありません。なのに日本よりずっと感染率が低いのですが、そのことをどう考えられているでしょうか?「隠蔽」という答えを出される方は、そう考える理由の説明をお願いします。追記:中国を含めた世界各国が、日本のマスク文化(自己保身、リスク排除、取得権保守の象徴的文化)に追従しだしているようには感じますが。

【Ⅱ】
「沖縄に対する日本」
「台湾・チベット・ウイグルに対する中国」
の違いを教えて下さい。

*台湾・チベット・ウイグルは「中国ではなく夫々別の国である」という考えを持たれている方々は、沖縄も「日本ではなく別の国である」と認識されているのでしょうか? そうでないとしたら、その理由を聞かせて欲しいです。

あとひとつ質問追加します。

【Ⅲ】
「正義」と「悪」は、どう違うのか?



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マスク・沖縄・中国(読者の方々への質問)

2021-02-13 14:57:16 | 香港デモ、新型ウイルス、日記


★2月12日の記事に、いいね!をありがとうございました。



読者の方々に質問です(僕は頭が悪いので、教えて頂ければ幸いです)。

【Ⅰ】
マスクは、なぜ必要なのですか?

【Ⅱ】
「沖縄に対する日本」
「台湾・チベット・ウイグルに対する中国」
の違いを教えて下さい。

*今後、毎回のブログ記事の冒頭に、この質問を繰り返し続けることにします。





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中国の春節

2021-02-12 17:11:20 | 香港デモ、新型ウイルス、日記




「中国の春節」について書けば、読者が沢山つくと、あや子さんから情報がありました。

>中国春節が入ったタイトルで記事を書いてみる。

>短い文章ではなくて、見出しで区切りながら3000文字を目標に書くそうです。私はとてもそんなに書けませんけど。

>地図や画像なども載せたほうが良い。

その気になれば、100回分ぐらいは書けます。写真も無数にあります(ただしほとんど手元にはない、、、修復HDDが戻ってくるまでは)。

それでも、手元に残った写真や、書く材料は、まだ幾らでもあります。これまで数10回の春節を経験してきたので。

殊に、(数年前の「現代ビジネス」でも少しだけ紹介した)雲南省羅平(および広西壮族自治区と貴州省との三省分岐地点の村)の春節の、医師一家の姉弟の話、まだまだ書きたいことが残っています(もう10数年経つけれど元気で暮らしているかな、、、もう一回会って、改めてお礼を言いたい)。

「現代ビジネス」には三年続けて春節の話題を書いたと思います。確かに、数10万人単位のアクセスはあったみたいです。でも、その後の仕事には全く繋がらないので、結局書いた意味がなかった。

ブログで書いても良いのだけれど、そう上手くは行かないと思います。

以下、春節とは無関係。

森さん、
川渕さん、
僕とは正反対の思想の人たちですが、
一生懸命頑張っておられたことは評価させて頂いています。

大衆とマスコミの作った「空気」が、日本の社会の全てなんですね。

正義の「空気」に振り回されて、お気の毒、としか言いようがありません。

ところで、「クラウドファンディング」したら、2日で300万円集まった、という記事がありました。僕なんか、いろんなことで(手を変え品を変え)必死に頑張っても、一銭も収入を得ることが出来ない。

去年一年の収入は、1月のマクドナルド深夜清掃(背骨をS字型に曲げてしまった)のバイト代数万円、香港の出版社から刊行(欧米人執筆者たちとの共作)した単行本の原稿料20万円、三世がプロデュースしてくれた「中国オンライン旅行」などの参加費500円(×数人分)、街角に一週間ぐらい立ち続けて販売した自家製DVDを(東青梅の駅前で初老の紳士が)一人だけ買ってくれた2000円、あと病院のスタッフやヨドバシカメラのスタッフからのカンパが数千円、そのほかの原稿料・印税が数万円、日本国家からの10万円、、、、必死でがんばって、合計40万円ほど。年金は家賃とバーター。生活保護費(多い月で約6万円)から修復ハード・ディスク代の月払いを差し引いた約3万円×1年分。80万円弱で一年間生活してきたわけです。光熱費とか交通費とかパソコン機材関係修理費とかを差し引いて、実際に使えた額は月4万円ほど、一日1200円平均、、、まあ、十分に贅沢なのかな(でもWi-Fi利用するためにだけ毎日700円近くがかかる)。

今年は、原稿料もバイト代も見込めないわけで、、、一体どうなるのでしょう?






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恭喜春节!

2021-02-12 09:34:49 | 香港デモ、新型ウイルス、日記


★2月11日の記事に、いいね!その他ありがとうございます。


Happy New Year in China









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今、ムカついていること、余禄

2021-02-11 20:23:20 | その他


今、ムカついていること、余禄

マスクの民衆と、「大丈夫」の言葉の頻発ですね(笑)。でも、もっと直接的に腹立たしいことが。

リンドウ、(今の僕にとってその行為が正解なのかどうかはともかく)やりかけたからには一応真面目に取り組んでいるのです。

中国語で書かれた「中国植物志」(500種分!)を、まずネットからパソコンの「ワード」に写し取って(非常に複雑な手順を経ねばならぬこの作業がどれだけ大変か分かってくれますか?)、それを翻訳せねばならない。

やっとほぼ写し終えたところで、英語版を見つけてしまった! 英語版が存在する科も無論あるわけですが、リンドウ科は中国語版しかないものと思い込んでいました。

ちゃんとあったのです。そんなわけで、今朝から再び英語版の転写を行っています。なんか、情けなくなってきた((;´д`))。

まあ、それは仕方がない。見過ごしてしまっていた僕が悪かったのです。

腹が立つのは、別の期待が裏切られてしまった、ということ。

中国語版は1988年の初版で、数年置きに新たな情報が組み入れられています。英語版は(そのままそっくりの直訳ですが)1995年の刊行(中国語版共に2019年電子化)。少しは真面な(新たな)情報が組み入れられているかも知れない、でも期待してても無理でしょう、、、と思っていたら、幾つかの項目で、新たな情報にチェンジされていた。

。。。。。それが、さらに出鱈目に拍車かけてしまっている、という、、、、(;´д`)トホホの二乗です。

*中国語版にあった原記載やシノニミックリストなども省略されている。Series分割も行われていない(それはそれでポジティブに捉えることも出来ますが)。

**個々の(詳細)情報処理は、僕なんかは太刀打ち出来ない「科学的に」立派なものだとは思うし、情報の量も圧倒的に豊富です。それは素直に感服しています(だから文句言いつつも利用している)。でも、うまく表現できないのですけれど、それ以前の「(“本質を知ろう”という)姿勢」のような部分が、見事に欠落している気がする。






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コロナとマスクと「大丈夫です」

2021-02-11 20:18:49 | 香港デモ、新型ウイルス、日記


★2月9,10日の記事にいいね!その他ありがとうございました。

今日は、今年最後の日です(春節大晦日/徐夕)。今さっき、日本では「建国記念日」であることを知りました。これは日本人としてさすがに恥ずかしいですね(ここは素直に反省)。

それはともかく、日本のお正月は(むろん)前から決まっているのだけれど、中国の春節の日程は、前もって(ひと月ほど前まで)大衆には知らされないでいるのです。お上から押し付けられて「お正月の日が決まる」という、なんとも酷い国、としておきましょう。それを想えば、日本に生まれて良かった、、、のでしょうね、きっと。

去年の半ばからブログの表題を「遺書」としたわけですが、死ぬ死ぬ詐欺が続いているようですし、反応も全くなさそうなので、100回を区切りに、インパクトの強い別のキャッチ―なタイトルを模索しているわけです。中身は「遺書」に変わりありません。

言いたいこと(言い残して置きたいこと)は、極めて単純で、「事実は一つじゃない」「正義は一つではない」、、、「世界(世の中とか自分の中とかも含めて)は多様である」ということだけなのですが、人々は「多様性」とかいう言葉を頻発するくせに、その本質については全く分かっていないように思われます。

「コロナ排除」
結果として(無意識のうちに)自分たち自身が(自然界の仕組みから)排除されている。

「差別反対」
結果として(巡り巡って)差別の先頭に立っているということに、気が付いていない。

「世の中が良くなるために」
「人々が幸せになるために」
自分が出来ることをやろう!
その優しい(かつ安易な)気持ちや行動が、どれだけ(自分を含む)人々の体や心を蝕んでいき、差別を助長していくのか、考えたことがないのでしょうね(無意識的な「意識的思考停止」)。

たぶん、言っても無理なんでしょう。非科学的とかスピリチュアルとかで、一括りに却下されちゃいます。

それでも言いますよ。「マスクは必要ない」と。長い目で見れば(その行為の背景が齎す)「有害」です。

脅威は今に始まったことではない。 

「だったら、人類は昔からマスクしておくんだった」と反省する必要もありません。しないで回避するのが本筋です。いや、回避というのとも、ちょっと違うかな?

人間(生物全般)、生まれて死にます。そのサイクルの中で、他 (ウイルスも含む)と、どう関わればいいのか、ということだと思います。目の前の問題だけじゃないです。これからも永遠に続きます。

むろん、目の前の脅威(それが昔から存在する今に特別ものでないとしても)に対し、「とりあえず防ぐ」というのも一つの見解だと思います。

いろんな見解があっていい。だから僕は、(必要ないと思っているけれど)人との対面時などにはマスクをします。みんなで決めた(決まったわけでもないでしょうが)ルールに沿って、ルールの問題点を指摘するのです。

少なくとも、誰もいないところでマスクをし続けると言う事、マスク文化の「無意識強要同調空気」の形成肯定には、真っ向から反対します。

単に、マスクとか、コロナとかの、個々の問題ではないのです。

「コロナ問題」「差別問題」、、、。
答え、真実、正義は一つではありません。

そのことを皆(観念的には分かってはいるのだろうけれど)認めたくはない(特に頭の良い人たちは)。

常に留まり、常に動きましょう。安定と波乱は表裏一体です。矛盾混沌を肯定しましょう。

自分たちの平和と正義との為にだけ、他(ウイルスを含む全ての存在)を貶めることはやめましょう。




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明日は大晦日(徐夕)

2021-02-10 20:50:19 | 香港デモ、新型ウイルス、日記


明日は大晦日(徐夕)

ひとりぼっちで寂しーよー!、、、、とモニカにメールしたら、小七の写真を送ってくれました。もうすぐ四歳になります(そして今年はお姉ちゃんになります)。

写真見ると、中国は誰もマスクしてないですね。羨ましい、、、、、。

去年の大晦日(徐夕)は、バスターミナル(広州近郊)で出っ張った釘に蹴躓き、買ったばかりのお米をこぼして、惨めな思いをしたんだっけ。今年は更に惨めで、お米さえ食べることが出来ません。体重5㎏も減っちゃったです。色々と“仕事”に取り組んでいるのですが、結局一銭も手にすることが出来ない。どうしてなのか、自分でも分かりません。

とりあえず、リンドウに没頭しています。




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勇気を出してマスクを外そう!(森さん二階さん、老人イジメに挫けないでくださいね)

2021-02-09 20:46:31 | 香港デモ、新型ウイルス、日記


★2月8日の記事に、いいね!その他、ありがとうございました。


今日は、終日リンドウ(とりあえず僕の写真80種と中国産500種の資料)のチェックに真面目に取り組んでいます。

2F氏や蜃気楼氏への「全国民(たぶん僕は国民にはカウントされていない)一体になっての“辞めろコール”」についての僕の意見を書くつもりでいたのですが、また次の機会に。

性差別や人種差別は、“あってはならないことです”
、、、と言うだけなら、簡単です。
「正論」は、誰にでも言えます(ジョン・レノン信者は皆そうだろうし)。

ともかく、大衆がいかにバカ(で単純、、、単純ゆえ、いわゆる「頭脳」は僕より遥かにいい)であるか、この金太郎飴的な「辞めろコール」で、よく分かります。

責任逃れと自己保身と取得権保守が一体になって、「怖いもの」「不要なもの」「役に立たないもの」(2Fも蜃気楼もその一つということで)を排除する。

それを想えば、「国民総マスク」(竹槍の時も同じ)の根源も、分かる気がします。

マスクなんて、してても意味ないですよ。防御しなきゃいけない脅威は、まだまだ他にもいっぱいあるし、、、。今、あなたが食べているものだって、「体に悪い」「害毒」と見做される時が来ると思います。そのうち「人造人間」になるしかないですから。

老害云々とか、「正義に基づくヘイト(いくら正しくてもヘイトはヘイトです)」を合唱する前に、マスク(責任逃れと自己保身と取得権保守の象徴)、勇気を出して止めましょう。出来ないでしょうけれど(人類滅びても、僕は知らんです)。





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勇気を持ってマスクを外そう

2021-02-08 20:42:35 | 香港デモ、新型ウイルス、日記


勇気を持ってマスクを外そう

誰もいないところで、マスクをするのは、やめよう。

(本当はそれも必要ないと思うけれど、段階的に)少なくても、人と対面するとき、混雑な状況にあるとき以外は、マスクを外そう。

「白い目で見られる」

「怖い」

「いちいち面倒」

それは分かる。でも、目の前(の自己保身)だけでなく、将来の「人類」のために、「無意識同調強要空気」を作り出すことは、やめよう。

「コロナ」は怖い。でも、人は「コロナ」で死ぬのではない。ウイルス感染は、複合的な要因のひとつに過ぎない。それは今に始まったことではない。「怖い」(死に繋がる)脅威は、これまでも幾つもあったし、これからも幾つもある。

「マスク」に頼り、「ワクチン」を待望している人々は、全てのリスクを排除し、やがて人造人間になり、永遠の命を望んでいる、ということなのかな?

やがて来る夏。

冷房なんてやめよう(段階的でもいい)。

過度の「冷房」漬けが、人々の体を蝕み、地球の環境を蝕んでいる。

窓を開けて、風を入れれば良いだけだ。

夏が暑いのは、当たり前。

なぜ我慢できないのだろうか(僕は平気だよ、それはおかしいことなの?)。

科学と文明だけに頼るのは、もう止めよう。



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僕とモニカとミャンマーとウイグル

2021-02-08 20:26:45 | 香港デモ、新型ウイルス、日記




ミャンマーが何やら騒(ざわ)ついています。政治のことは僕には分からないのですが。

でも僕は、(香港の場合もそうだけれど)ネット上で勝手なこと(たぶん正論なのでしょうが)言ってるヤフコメ民の、おそらく9割以上の人たちよりも、ミャンマーとの縁が(ほんの少しだけでしょうが)ある、と思います。で、ちょっとだけ触れておきます。

ミャンマー民主化デモの記事に関するコメント、相変わらず「中国攻撃」ですね。お決まりの「悪の原因は全て中国から齎される」に結びつけていく。まあ、攻撃されても仕方がないことはやっていますが、僕は中国擁護です(笑)。森さんの場合と似たようなものです。

大半は、こんなコメントです。

>中国をどうにかしなければ、世界は民主化には絶対に進まない。

>もし、ミャンマーが中国と対立するならば、ウイグル自治区から東南アジアに流れる「川」のダムを締めたら、一巻の終わり、、、。中国は無言の圧力です。

それ(2つ目のコメント)に対して、

>さすがにウイグルから東南アジアに流れ込む河川は無いのでは?メコン川の源流はチベットですが。

というコメントもありました。冷静に見ている人もいるのですね。

驚いたのは、「ウイグル自治区から東南アジアに流れる、云々、、、」に「そう思う」、「ウイグルから東南アジアに流れ込む河川はない、、、、」の方に「そうは思わない」が、それぞれ幾つもついていたこと。一体、、、、確信犯かな?(笑)。

ウイグルからは、一本も外洋に川が流れだしていません(非常に細かくチェックすると西シベリア経て北極海に注ぐオビ川の最源流がウイグル北端部に源を発している)。

ウイグルには、広大なタクラマカン砂漠を挟んで、北に天山山脈、南に崑崙山脈の7000m級の雪嶺が連なり、その麓には世界でも有数の標高の低い(マイナス154m)のトルファン盆地があります。西のパキスタンとの境には、世界第2位の高峰K2が聳え、省内の標高高低差は9000m近くに及び、世界一です。

一方、チベットには、メコン川だけでなく、黄河、長江、サルウイン、イラワジ、ブラマプトラなどの、アジアの大河の最源流が集結しています。ほぼ全域が標高6000mを超すチベット高原に覆われ(低いところでも4000m前後)、南縁は8000m峰を連ねるヒマラヤ山脈です。

アジア6大河の源流が全部集まり、世界最高峰を擁するチベット。
川はほぼ全部内陸に収斂し、世界第四位の低所と世界第二位の高所のあるウイグル。
どちらも、すごいところです。
そりゃあ、中国としては手放したくありません。

面積40万分の1にしか過ぎない尖閣とは、訳が違います。もっとも尖閣の場合は、その先に(そこから宮古海峡を越えた東方に)更に広大な太平洋が広がっているわけですから、地政学的には、そうとも言えないのですが。

ところで僕は、日本(西側社会)と中国のどっちの味方なのか? 「現代ビジネス」に記事を書いていた時、しばしばこんなコメントを貰いました。
>この作者は(日中)どっちの味方しているの? 
>立ち位置が明確でないというのは、ジャーナリストとして失格。

、、、だそうです。
(だって、ジャーナリストじゃないもん、笑)

僕は、どっちもの味方です。

さて、ミャンマーですが。

数か月間現地で仕事をしたことがあります。

人生で、唯一度、VIP待遇(ほぼ国賓待遇)を受けました。仕事を終えた後、あやこさんから「このままミャンマーで暮らしたら?」と言われたのですが、いや、そういうわけにもいかなくて(そのためには新しい顕微鏡を購入持参せねばならない)、その後再訪もしていません。その進言を受け入れときゃ良かったと、ちょっと後悔しています。

とにかく、文句なく素晴らしい国です(むろん「裏側」もそれなりに、というか、かなりどっさりあるようですが)。人間 そういった環境(特別待遇)に身を置かれると、道を見失ってしまう、というのが、よく分かります(権力者側の気持ちもちょっぴり分かるような)。でも、そのことを差し引いても、素晴らしい国です。ことに若者が、素直で、努力家で、朗らかで、素晴らしい。

ただ、どうしても一つ引っかかることがあるんですね。学生たちとは別に、助手として働いて貰っていた、奥地の少数民族原住民の若者。アル中で、彼自身に問題は山積みだったとはしても、余りに露骨な差別を学生たちから受け続けていた。学生たちは、とてもそんなことを行うような人間じゃないんですよ。でも、そういう現実があった。

モニカのミャンマーとの縁は、僕よりももっと深いです。

僕と喧嘩していた8年前、その喧嘩が原因で勤めていた昆明の会社をクビになった。どうせなら、もっと給料の良い職場を見つけようと、当時のモニカの身分からすれば破格の月10万円の報酬の、中国/ミャンマー共同国家事業であるメコン川の巨大ダム工事計画の、ミャンマー側スタッフの通訳兼監督として、現地(雲南省中部のメコン川沿いの現場)に赴いた。

その時に、ミャンマー人の彼氏が出来た(後に中国人のご主人と結婚した際「本当はミャンマー人の彼氏の方が好きなんだけれど、でも、しょうがない」とか言ってた)のですが、数か月間に及ぶ仕事が終わってからは(クビになったのかどうかはともかく)「もうミャンマーとは関りが無くなってしまった」そうで、その後どうなったかは聞いていません。

その中国人ご主人も、ちょっと?な点があって、最初に報告を受けた時は、ウイグル(ウルムチ)在住と言っていたのです。実際、ウルムチに行って暮らすのだと(お母さんは賛成で、お父さんは反対している由)。たまたま出発の当日に日本から電話で話したときには「飛行機が遅れていて心細い」とか言っていた。いずれにしろウイグルは遠いし、僕もまあ当分は会えないなあ、と思っていました。

数か月後、次に中国に行ったとき電話したら、なんと深圳に戻っている、と。新婚の旦那さんを紹介してくれました。でも聞いていたウイグルの人(漢民族だそうですが)のプロフィールとは、いろいろと違う(笑)。深く詮索するのもなんだかと思い、詳細は知らないままなのですが、どうやら数か月の間に、何かがあったと言う事でしょう。

そんなわけで、最終的にはウイグルともミャンマーとも縁は無くなったモニカですが、この両地域に対する好感は今も持ち続けているようです。常々「日本には(観光でも仕事でも)絶対に行きたくない」と言っているのに対し、ミャンマーやウイグルには、機会があればぜひ行きたい、と漏らしています。

僕も、ウイグルには、少しだけ縁があります。

上海の、いつもお世話になっている(ただで泊めて貰っている)「芸術家村」(仮称)の実質トップの人が、ウイグル出身の有名画家。なぜか知らないけれど、僕を凄く評価してくれているのです。「是非ウイグルに訪ねて来てください」と言われていて、僕もその気は充分あるのですが、でもその方は一昨年な大きな手術をして、重篤状態にあると。その後コロナで訪中が叶わず、以降の経過は分からないままになっています。

その芸術家村で、ある夕食時、制服にキンキラ★をいっぱいつけた数人の高級お役人と同席しました。いやもう緊張したも何も。別に具体的に何かあったわけじゃないのですが、威圧感というか、半端じゃない。はっきり言って、ひたすら怖かった(夜中に連行とかされそうで)。あとでU氏にその事を話したら、「そりゃ決まっているでしょうが、関わると怖いですよ」と。

この話は、以前ブログで取り上げた事があると思いますが、、、。桂林の街中での出来事です。怪しい(ちょっとインチキな)お菓子売りのウイグル人がいました。いつも通り過ぎる際に「買ってよ!」と声をかけられるのですが、「また今度ね」で毎回やり過ごしてきました。でも一度は買ってあげないと、と思い、(半分インチキで)ちょっと高めなのは、まあいいかと織り込み済みで、購入する事にしました。お金を渡そうとした瞬間、2人の周りを、突然何人もの制服の公安が取り囲んだ。

どうやら、外国人の僕と、そのウイグル人男性が喧嘩になるのを期待しているようなのです。そうなれば彼を連行しようと。僕はその雰囲気を感じ取ったので、大袈裟に彼と握手したりして、公安の人たちに「この人は僕の友達なんですよ」と言って、彼にお菓子代を渡しました。結局、公安の人たちは何もせずに引き上げて行きました。

その時の、彼(ウイグル人のお菓子売り)の情けなさそうな表情は、今もありありと覚えています。覚えている、、、、というのとは、ちょっと状況が違いますね。公安の人たちが2人を取り囲んだ瞬間、とっさにウイグル人と公安の写真を写したのです(それで思い出すことが出来る)。今考えたら、良く写真など撮れたと思います。公安の人が、「この外国人は喧嘩になった時の証拠として写真を撮っている」と都合よく解釈してくれたのだと思います。

そう、中国の各地に住むどのウイグル人も、ずっと公安の尾行を受けているのです。

そのような事実も(事実のひとつも)、確かに存在する、と言う事です。

ただ僕には、だから、、、と結論付けることは出来ません。

例えば、チベット省境の雲南省側の村に住んでる、あるチベット人の友人。彼は、誇り高きチベット人です。であると共に、若い頃、中国共産党で活動していたことを、何よりも誇りに思っています。

中国が、チベットやウイグルに対して、いかに弾圧的な態度をとっているか、また、チベットやウイグルの民が、そのことに対して、どれだけ辛い思いをしているか、分かるんですよ。

分かるんだけれど、でも、そう単純な問題ではない。

立場もスケールも異なるけれど、「沖縄」について、本気で考えてみてください(多くの日本人は、まあ、最初から、分かろうとはしないのだろうけれど)。




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「クラスター」について一言

2021-02-08 20:23:51 | 香港デモ、新型ウイルス、日記

「クラスター」について一言

世界で唯一屋久島の山頂岩壁にのみ生え*、他のどの地域にも姉妹種さえ知られていない究極の屋久島固有種・ヤクシマリンドウは、現時点で成されている系統分類上は、中国大陸西南部高地や熱帯アジア島嶼高山に計40種近くが分布する「Monopoidae-section」というリンドウ科リンドウ属の一グループの、そのまた一小群である「Verticillatae-series」に所属しています。「七葉竜胆」「六葉竜胆」「五葉竜胆」「四葉竜胆」などとともにその「series」に記載されている6つの種の一つが、「ヤクシマリンドウ」(中国名は「台湾竜胆」*)とされています。

*台湾最高峰玉山の頂上岩壁にヤクシマリンドウそのものが生えている(よって中国名は「台湾竜胆」)ことになっていますが、標本も存在せず、100年近い間真偽は確かめようともされていません。比較的最近に「台湾のカレンダー」で紹介された生態写真が1枚あって、それを見るにヤクシマリンドウと寸分変わらず、単に(分布することになってるのだからいいだろうということで)他の写真を転用したのか、それとも実際に「全く同じもの」が両地に生えているのか、、、前者の可能性が高いと考えていますが、台湾と屋久島の山の深い繋がりを考えると、後者の可能性も否定しきれません。

「台湾産」に於ける問題はともかく、この(ヤクシマリンドウを七葉竜胆と同じseriesに置く)処置が正しいかどうかについては、ここでは触れません。もとより、今すぐにこの(リンドウ関係の)記事を書こうとしているわけではなく、記事本体は、もう少し内容を煮詰めて、出来れば来週あたりからブログにアップしていこうと思っているのです。なので、今回の記事は、「余禄」です。

中国西南部(雲南北部-四川西部-チベット東部など)の標高4000mを超す高山岩礫地に生えるのが「Gentiana arethusae七葉竜胆(変種以下の処遇については省略、日本名仮称:ナナツバリンドウ)です。

この種(あるいは地域個体群?)は、ヤクシマリンドウはもとより、他の同seriesの各種(地域個体群?)にも見当たらない、著しい特徴を持っています。

それは、(四方に花茎が展開する)株の中央に、ちょっと見では別の植物と思ってしまうような(僕もずっとそう思っていた)、それ以前に余りに小さくて余程注意していなくては目にも留まらない、初期ロゼットのクラスターを生じるのです。

この後の「リンドウ」の話題の本記事では、写真を交えながら、そのロゼット・クラスターの意味について考えていくつもりで、今せっせと書き進めているところなのですが、なんか気になって仕方がないことがある。

「クラスター」という言葉。僕ら、生物の分類や、生態観察などに関わっている人間には、ごく身近な、使用する頻度がごく高い言葉です。でも、一般用語として使われることは余りない(のだと思う)。それが、今回の「コロナ騒動」で、「新型日本語」として突然現れ、一気にメジャー・ブレイクしたわけです。

それはそれで良いのです。新しい「日本語」が増えるのは、悪い事ではない。けれど、そのことによって、本来の(というか、それも含む広い範囲の言葉の持つ)意味が薄れ、忘れ去られていく、という懸念があります。

今、日本で「クラスター」というと、即コロナに結び付けられると思います。ということで、肩身の狭い思いをしつつ、「申し訳ない、コロナとは無関係です(-_-;)」と、言い訳を添えながら使わねばならない状況になっています(「コロナ」という言葉自体もそうである、と言う事を以前記しましたね)。

ずっと以前にも、似たような想いを懐いたことがありました。新日本語としての「アダルト」。むろん、生体とか大人の意味で、僕の場合だったら前者は生物との関りでごく日常的に使っていたし、後者はアメリカン・ポップスの“Adult Contemporary”でおなじみです。それがある時点を境に、突然限定された意味の日本語として固定された(最近はやや元に戻りつつあるような気がしますが)。

戸惑ってしまいますね。

日本語として新しく出現した言葉が、一つの意味だけに特化限定され、それがスタンダードになる、という流れは好きじゃありません。

あと、インターネットの世界に於ける「アプリ」(アプリケーション)の概念。これがさっぱり分からない。実態として僕の頭の中に入ってこない。たぶん永久に分からないと思います(他のインターネット用語共々)。でもまあ、これは(言葉の問題ではなく)僕の頭が悪い、と言う事なのでしょうけれど。

もとより、外国語がカタカナ導入された時点で「全く新しい日本語」であるわけですから、意味が限定されていても仕方がないのかも知れません(それでも本来の意味や広い捉え方を排除しては欲しくない)。

あと、わざわざ「ロゼット・クラスター」と言わなくても、「根生葉集団」と言えば良いのですね。でも「集団」はイメージがちょっと違う、「集まり」の方が微妙に近いような気がする。

いずれにしても、英語の出来ない僕としては、深いところでは判断しようがありません。(同じく全然ダメな)中国語になると、もっと判断しようがないのですけれど、その僕でも違和感を覚えるのがこれ↓です。

10数年前ごろから若者が頻発使用し始めた「オーマイゴット!」(たぶん英語圏の人達より遥かに多く口をついて出ている)。あなたたちに神なんていないでしょ、という突っ込みを入れたくなるのですが、僕の懸念する問題はそこではない。

中国には「アイヤー!」という素晴らしい表現があります。それを喋る人が「オーマイゴット」に置き換わって、いなくなっちゃいましたね。残念です。

以上は外国語起源なので、それほど気には障らないのですが、日本語の場合は、微妙な部分で違和感を感じまくる「新型言語」が、少なからずあります。

先日のブログでも「決して正しい使い方ではない」と指摘した「大丈夫です」。余りの頻発に、イライラしてきます。穿った見方をすれば、「責任逃れ文化」の象徴、と言えなくもないです。それは確かに穿った見方であることには違いないでしょうし、それはそれで「一つの意味」として使われているわけで、否定はしません。

でも、それだけが正しい使い方、みたいに解釈されていく(例えば「世代」の概念が限定使用されているような)流れには、危惧を感じています。

今の(日本)社会は、「新たな」という事例が、「多様性」ではなく「限定性」をもってよしとする、という方向に進んでいるように思えてなりません。






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